本日(6月9日)令和7年第2回坂城町議会定例会が開会しました。以下、招集あいさつを掲載させていただきます。
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本日ここに、令和7年 第2回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様のご出席をいただき 開会できますことを 心から感謝申し上げます。
さて、5月24日から昨日までの16日間にわたり開催いたしました「第20回ばら祭り」につきましては、県内外の多くの皆様に ご来園いただく中、大変好評のうちに閉幕することができました。
初日の24日には、議員各位をはじめとする来賓の皆様にご出席をいただく中、20回目の節目となる開祭式に続き、町のオリジナルローズである「さかきの輝」の記念植樹を行いました。
今年は比較的寒い日が多く、開花状況も心配されましたが、期間を通してバラを楽しむことができました。
また、期間中は、千曲川河川事務所のご協力をいただき、河川敷内の駐車場を活用させていただいたほか、複数回にわたるテレビ 中継や新聞各社などのマスメディアによる情報発信に加え、新たにウェブ広告を取り入れるなど 集客に努め、週末の悪天候が続いたものの、ばら祭り期間中で、前回を上回る30,000人以上ものお客様にご来園いただきました。
また、ばら祭り期間中は、モンキーパフォーマンスや サックスコンサート、バルーンショー、ジャグリングショーといったイベントの充実に加え、キッチンカーや 町の特産品の販売など 出店者が増えたこともあり、ご来園いただいた大勢の皆様に、ばら祭りを 楽しんでいただくことができたものと感じております。
これもひとえに、ばら祭り実行委員会の皆様をはじめ、日頃から丹精込めて管理していただいた「薔薇人の会」の皆様、各種イベントなど盛り上げていただいた皆様、また、販売ブースでお客様の おもてなしをしていただいた各種販売店の皆様のおかげと、心から敬意を表するとともに、深く感謝申し上げるところであります。
また、ばら祭り期間中の今月1日には、坂城駅前の多目的広場を会場に、町内外のワイナリーと飲食店が多数出店する「坂城駅前 葡萄酒祭2025」が開催されました。
当日は、ばら祭りとの相乗効果もあり、昨年を上回る 約2,800人の方にご来場いただき、大盛況の一日となりました。 会場では、 坂城中学校吹奏楽部によるオープニングを皮切りに、町出身の サクソフォン奏者やピアニストによるコンサートもあり、来場された皆さんは、心地よい音楽が奏でられる中、お好みのワインや食事を楽しみながら、初夏のひと時を過ごされていました。
こうしたイベントを通じて、町におけるワイン文化の推進とともに、交流人口や関係人口の創出に大いに期待するところであります。
また、ばら祭りの開催に先立ち、色褪せ等により見えにくく なっておりました、国道18号田町交差点付近に設置している 町 PR看板をリニューアルいたしました。
3つの盤面は、「ばらと日本刀」、「村上義清生誕の地」、「ものづくりの町」を新たなデザインでPRしており、町の認知度向上と イメージアップにつながるものと考えております。
この他にも、新年度に入り、様々な行事やイベントが実施されております。
4月20日には、坂城ライオンズクラブとの共催により、第25回千曲川クリーンキャンペーンを実施いたしました。
今年も昨年同様、埴科用水頭首工付近、大望橋周辺、鼠マレットゴルフ場付近の3会場とし、町民の皆様にも参加を呼び掛ける中、3会場で200人を超える方にご参加いただきました。
町のシンボルである千曲川を後世に残すため、引き続き 千曲川の美しい景観の保全に努めてまいります。
また、4月23日には、びんぐし山の町有林におきまして 町植樹祭を開催し、村上小学校 6年生の児童29名をはじめ、町内外から約100名の方々にご参加いただき、アカマツ600本の植樹に汗を 流していただきました。
継続して森を育てることの大切さを実感していただくとともに、健全な森林づくりが災害防止、健康保養、自然教育など地域社会にとって不可欠な社会的・文化的価値を有していることをご理解いただけたものと考えております。
5月に入りまして 11日には、坂城ライオンズクラブ主催の 「第3回さかきっずフェスタ」が、びんぐしの里公園で開催され、快晴の爽やかな天候の中、子供たちやその家族など大勢の皆さんで賑わいました。
当日は、町内企業や 警察、消防の協力もいただくなかで、乗り物試乗や じゃんけん大会、足場展望台のほか、ステージ発表やワークショップ体験、模擬店など 多くの催しが行われ、子どもたちの貴重な体験や 学びの機会になったものと考えております。
また、18日には、「春のスポーツ大会」が開催され、昨年度より多い15分館30チーム、約300人の皆さんがソフトボールとビーチボールバレーに汗を流しました。
今後も、このような機会を通じて、多くの皆さんが スポーツに 親しみ、親睦と融和を深める機会にしていただければと考えております。
さて、世界の経済情勢でありますが、日本総研などによりますと、アメリカでは、1~3月期の実質GDP成長率は 前期比 年率マイナス0.3%と、3年ぶりのマイナス成長となっており、先行きに ついても、関税措置に伴うアメリカ国内の物価上昇を通じて、個人消費や設備投資が下押しされる見込みで、経済政策をめぐる不確実性や不透明感の高まりにより景気は減速すると予想されております。
また、中国におきましても、景気対策による内需の押し上げに より消費・投資ともに増加したものの、アメリカの関税措置による影響で内外需とも大幅に悪化する見通しで、2025年通年の成長率は低下すると予想されております。
一方、ヨーロッパにおきましては、1~3月期の実質GDP成長率は 前期比 年率プラス1.4%で、主要国のドイツやフランスは プラス成長に転化しており、イギリスの景気回復は足踏み状態とされているものの、ユーロ圏全体の先行きは、インフレ率が低下基調で推移する見込みとなっております。
こうした中、国内の状況でありますが、内閣府による5月の 「月例経済報告」では、「景気は、緩やかに回復しているが、アメリカの通商政策等による不透明感がみられる」としており、先行きについては、「雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される一方、アメリカの通商政策の影響による景気の下振れリスクの高まりや 物価上昇の継続による消費者マインドの下振れ等が景気を下押しするリスクとなっており、金融資本市場の変動等の影響に一層注意する必要がある」としております。
また、長野県内の状況につきましては、日銀松本支店が5月に 発表した「長野県の金融経済動向」によりますと、個人消費は緩やかに増加しており、設備投資も堅調に推移しているほか、公共投資や住宅投資は横ばい圏内とし、生産についても横ばい圏内で、雇用・所得は緩やかに改善していることから、総論として「長野県経済は、持ち直している」としております。
また、長野財務事務所における県内経済情勢におきましても、 個人消費は緩やかに回復しつつあり、生産活動は持ち直しつつある との観測で、総括判断として「県内経済は、持ち直している」と しているところであります。
当町におきまして、4月に実施いたしました町内の主な製造業20社の1~3月期 経営状況調査の結果では、3ヶ月前との比較で、生産量をプラスとした企業は前回調査時と同じ8社で、売上げを プラスとした企業は9社から8社に減少はしたものの、前回調査時に1~3月期の生産量及び売上げの見込みをプラスと回答した企業数を それぞれ上回る結果となっております。
また、雇用につきましては、調査した20社の本年4月の新卒採用は総計で132人となっており、来春、令和8年4月の雇用につきましても、5社が増員予定で、10社が減員分の補充等を予定するなど、国や県の観測と同様に「持ち直し」の動きが伺える状況となって おります。
今後、アメリカの関税措置による影響が懸念されていることから、町といたしましても、その動向を注視する中で、情報収集などに努めてまいりたいと考えております。
このように、刻々と変化する世界情勢の中では、様々な場面に おいて国際感覚を持った人材の育成がたいへん重要になっており、町では、昨年度末の3月22日から27日にかけて アメリカ合衆国サンフランシスコ・シリコンバレーへの中学生海外派遣事業を、 また、3月23日から27日にかけて高校生のタイ国研修事業を実施し、中学生8名と 高校生8名が それぞれの研修に参加いたしました。
先月21日には、海外研修に参加した中学生8名が報告書を手渡しに来庁され、研修で経験したことや 感じたことなどを報告いただきました。秋に行われる大峰祭では、この貴重な体験を全校生徒に向けて発表いただく予定とお聞きしております。
また、同日の夜には、高校生タイ国研修事業の報告会が行われ、参加した高校生からは、日本では体験することができない貴重な経験をし、多くの刺激と感動を受けたことなどの報告がありました。
多感な時期にある 中学生・高校生が 海外に赴き、異国の人や言葉、文化などを直接肌で感じたことは、これからの人生を歩む上で たいへん貴重な体験になったものと考えております。
続いて、新年度に入り取組みを進めている主な事業について申し上げます。
将来のまちづくりの指針であり、町の最上位計画であります「坂城町第6次長期総合計画」の 前期基本計画が今年度末に計画期間の終了を迎えることから、今年度、計画期間を同じくする「まち・ひと・しごと創生 総合戦略」を統合した形で、後期基本計画を 策定してまいります。
策定にあたりましては、前期計画の事業検証と町民アンケートを実施するとともに、町の将来像である「輝く未来を奏でるまち」を目指す これまでの取組みを継承しつつ、計画の素案づくりを行い、審議会等にお示ししながら策定作業を進めてまいりたいと考えて おります。
次に、新複合施設につきましては、昨年度の基本設計を踏まえ、さらに詳細な実施設計に現在着手しており、各部屋の設備や備品等の配置など、各部門とのヒアリングを進めているところであります。
並行して、施設建設に係る補助等につきましても、国・県と協議をしながら、令和8年度の事業要望の申請準備を進めているほか、関係機関との協議や調整を進めております。
なお、今年度 第1回目の新複合施設建設委員会につきましては、7月中旬頃を目途に開催する予定としており、各部門のヒアリングの内容を反映した実施設計の途中経過等についてご説明してまいりたいと考えております。
本事業もいよいよ実施設計の段階に入り、施設建設もより具体的な姿が見えてまいります。多様な人が集い 新たな交流を創出する場として、基本構想に掲げております「すべての人が安心できる 居場所になると共に、人がつながり、笑顔がつながる、well-being の実現空間」となるよう、引き続き取組みを進めてまいります。
続いて、町のDX(デジタルトランスフォーメーション)の 推進に向けましては、昨年度から新たに組織した「DX推進室」を中心に進めているところであり、今年度におきましても 国の「デジタル田園都市国家構想」に基づき、4月に「新しい地域経済・生活環境 創生交付金」の交付決定をいただく中で、地域の課題解決や 魅力向上の実現に向けて デジタル実装を進めているところであります。
具体的には、これまで町民の皆様にご利用いただいておりました各種サービスやアプリを集約した入り口となるソフトウェアとして「自治体統合アプリ」を構築・提供するほか、公共施設利用者の 利便性向上を目指し、窓口に出向いての鍵の受け渡しが不要になる「スマートロックシステム」の導入を予定しているところであり、今年度中の運用開始に向けて現在事業を進めているところであります。
また、国の令和6年度補正予算に伴う繰越事業として実施して おります 物価高騰対応重点支援給付金事業につきましては、エネルギーや食費等の物価高騰による、低所得世帯への影響が大きいことから、その実情を踏まえた生活支援を行うことを目的に、住民税 均等割 非課税世帯を対象に一律3万円を、また、対象世帯の子ども1人につき2万円の加算給付を開始しており、これまでに1,242世帯、子ども97人分の支給が完了しております。
さらに、国の支援制度の対象とならない、住民税 所得割 非課税世帯を対象に、一律2万円を、同対象世帯の子ども1人につき2万円の加算給付を、県の支援策として、今後 実施してまいりますが、給付金の対象となる世帯へは、5月下旬に通知を発送したところであり、順次給付を行ってまいります。
次に、松くい虫被害防止対策につきましては、引き続き、松枯れ被害が発生していることから、伐倒駆除を中心に、空中散布、枯損木処理、樹幹注入、松の植樹など 総合的な防除対策を講じてまいりますが、地形が急峻な 葛尾城跡風致地区と自在山風致地区に つきましては、4月16日に住民説明会を開催し、住民の健康に対する配慮を図る中で、今月18日に空中散布の実施を予定しております。
また、苅屋原地区におきましては、同日 及び 7月9日に無人 ヘリコプターによる地上散布を実施し、人家に近く、有人ヘリでは散布できない急峻な地区における予防対策を実施してまいります。
続いて、町消防団では、5月25日に、団幹部を対象に、能登半島地震等の経験を通じて、自然災害時に消防団に求められる役割について、消防署職員による講習会を実施するとともに、26日からの4日間は、各分団が千曲坂城消防本部へ出向き、基本的な機械 操作や安全な放水方法などについて、消防本部職員から指導をいただきました。
安心安全のまちづくりに向けて、引き続き様々な訓練に取り組んでまいります。
また、葛尾組合では、製品プラスチックの収集に対応した新リサイクルセンターの建設を進めているところでありますが、4月21日には起工式を挙行し、令和9年3月の完成に向けて建設工事がスタートいたしました。
昨年7月から進めて参りました旧焼却施設の解体撤去 及び 整地工事につきましては、5月末をもって終了し、現在は、資源物搬入ルートの擁壁工事に着手したところであります。
町としましても、引き続きごみの排出量の削減や分別の徹底によるごみの減量化に努めるとともに、葛尾組合及び千曲市と連携しながら、資源循環の前進に向け、適正なごみ処理システムやリサイクルシステムの構築を図ってまいりたいと考えております。
最後に、6月補正予算の主な内容について申し上げます。
国における「デフレ完全脱却のための総合経済対策における物価高への支援」の一環として、昨年、令和6年分の所得税、個人住民税 所得割額の定額減税 及び 調整給付金支給を 約2,600人に対し実施いたしましたが、令和6年分所得が確定し、当初の調整給付 支給額に不足額が発生した方に対し、定額減税補足給付金事業を実施するため、給付費 及び 事務費について所要の予算を計上したところであります。
また、福祉分野におきましては、町の第6次長期総合計画に定める「子育てにやさしいまちづくり」をさらに推進するため、子どもの福祉医療費について、8月1日以降の診療分より、医療機関や 薬局の窓口において ご負担いただいている500円をゼロ円とする 窓口無料化を開始し、子育て世帯の経済的負担の 更なる軽減を支援してまいります。
窓口無料化の実施にあたり、町が新たに負担する医療費分のほか、システム改修費など、必要な経費について予算を計上いたしました。
また、昨年度から定期接種に位置づけられました 高齢者の新型コロナウイルス感染症の予防接種につきましては、65歳以上の高齢者の方と、60歳から64歳までの一定の障害を有する方を対象に、10月から来年3月までを接種期間として実施を予定しており、接種に係る委託料等の必要経費について計上いたしました。
その他、市町村振興協会の地域活動助成金を活用しての 消防団 第3分団の 小型動力ポンプ更新費用などにつきまして 計上いたしております。
以上、令和7年度の主な事業の進捗状況 並びに 6月補正予算の概略について申し上げました。
今議会に審議をお願いする案件は、人事案件が1件、条例の制定が1件、条例の一部改正が1件、一般会計補正予算の計4件でございます。 よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申し上げまして、招集のあいさつとさせていただきます。
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坂城町長 山村ひろし