早起き野球

5月11日から始まった「坂城町早起き野球連盟春季リーグ」も第5週を迎え熱戦が繰り広げられています。

本日(6月7日)、「坂城町役場チーム」と「横町クラブ」の試合が朝6時半から行われました。

結果は坂城町役場チームが 3対2 で接戦を制しました。

勝利後引き上げる坂城町役場チーム

これで役場チームは2勝2敗となりました。

今日の坂城町役場チームは攻守にまとまりがありました。

今年入った新人の好プレイ、早起き野球連盟唯一の女性プレーヤーの活躍、先発ピッチャー、リリーフピッチャーの好連携など随所に素晴らしい場面を見せてもらいました。

今後の活躍に期待します。

坂城町長 山村ひろし

松井民雄 画伯から絵の寄贈

本日(6月4日)、上田市在住の画家、松井民雄さんから坂城町を描いた大作の油絵を寄贈いただきました。(100号の作品です)

松井民雄画伯の油彩画「丹波の秋」のポスターがフランス北部にオープンしたルーブル美術館分館に収蔵されるなど国際的にも著名な画伯が描かれた大作を坂城町にいただくのは大変な光栄です。

早速、役場3階講堂横のスペースに展示させていただきました。

題は「山河浅春」で、千曲川を中央に配し、上田側からみた坂城町の全貌が描かれています。

実に清々しい浅春の様子が鮮烈に描かれています。

松井先生をご紹介いただいた方々と、                                                        

左から:大橋良人さん、宮下忠朝さん、瀧澤巌さん、松井民雄先生、山村

絵画寄贈の目録を頂く

ありがとうございました。

坂城町長 山村ひろし                   

平成25年 第2回坂城町議会定例会 招集あいさつ

 本日(6月3日)、平成25年第2回坂城町議会定例会が開催されました。
 以下、招集に際しての挨拶文を掲載します。
                  
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平成25年 第2回坂城町議会定例会 招集あいさつ
                      
 本日ここに、平成25年 第2回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から御礼申し上げます。
さて、去る5月8日、公益財団法人さかきテクノセンターの主催による「平成25年度第1回坂城経営フォーラム」が開催されました。
 講師には、中国経済分析や日米中関係の研究において日本の第一人者であるキャノングローバル戦略研究所の瀬口研究主幹をお迎えし、「新たな側面を迎えた日中の経済関係について」というテーマで、今まさに刻々と変化する中国経済の現状と先行きについて、あまり報道されないホットな話をたくさんお話いただきました。
 中国の経済動向とGDPの変動や、国別の対中投資の伸びにおいて日本が先進諸国のトップであり、中国と共に発展していく今後の日本の対応についてお示しをいただきました。
 また、日本企業の中国ビジネスにおける明暗の二極化について分り易く解説され、今後の新規参入の厳しさと技術力のある中堅・中小企業の可能性に言及されました。「これからは東アジアの時代が始まる。中国の発展は日本の発展、日本の発展は中国の発展になる」と締めくくられました。なお、出席した経営者からは意欲的な質疑が寄せられるなど、大変実りが多いセミナーであったと思います。
 
安倍政権が誕生して、5ヶ月が過ぎました。安倍政権が喫緊の課題として位置付けた、デフレ不況脱却に向けた経済対策いわゆる、アベノミクスによる「金融政策」「財政政策」に加えて「成長戦略」が打ち出され、いよいよ「3本の矢」が動き出しました。
特に、3本目の矢である成長戦略では、第1弾として、就労制度の見直しを含めた人材の育成、また、第2弾として、低迷している設備投資の拡大に向け、減税や規制緩和を大幅に拡充することとしております。「アベノミクス」の経済対策により日本が強い経済を取り戻し、持続的な成長をすること強く期待いたします。
さて、世界経済におきましては、アメリカ商務省が発表いたしました1月から3月期のアメリカのGDPは、低迷した昨年10月から12月期より大幅に拡大いたしました。好調な株式市場に支えられ、個人消費も高い伸びを示しております。
 また、4月の雇用統計では失業率が3ヶ月連続で改善しており、アメリカの景気が穏やかに回復するとの期待が高まっております。
 しかし、今年3月に発動した歳出の強制削減の影響で、4月から6月期は公的部門が一段と縮小する見通しで、消費や投資にも波及してアメリカ経済活動の全般に影響するとみられ、今後の成長率は再び低迷する恐れがあります。今後のアメリカ経済の動向には、引き続き注視する必要があると考えます。
 欧州につきましては、経済危機の渦中にあるスペインやイタリアでは、昨年夏までと比べ落着きを取り戻したとはいえ、欧州中央銀行は「ユーロ圏は、景気の下振れリスクが引き続き大きく、需要はさらに弱まる恐れがある」との見方をしております。
 また、欧州連合(EU)統計局が先月15日に発表いたしましたユーロ圏17カ国の今年1月から3月期のGDPは、2011年10月から12月期以来、6四半期連続のマイナス成長で、単一通貨ユーロ導入後最長となりました。ユーロ圏の長期低迷が世界経済の回復の足を引っ張ることが懸念されます。
一方、アジア地域は新興国を中心に、堅調な個人消費やインフラ向けの大型投資などを背景に高い経済成長を続けております。
 国内の状況につきましては、内閣府による5月の「月例経済報告」によりますと、「景気は、穏やかに持ち直している。」とし「先行きについては、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き等にも注意が必要である。」としております。
また、日本銀行松本支店の5月発表の「長野県の金融経済動向」によりますと、総論で「長野県経済は、下げ止まりに向けた動きが広がっている。」とし、「最終需要の動向をみると、                  
    公共投資は低水準ながら、下げ止まっている。
    住宅投資は持ち直している。
    設備投資は堅調に推移している。
    個人消費は底堅く推移している。
    輸出は下げ止まりに向けた動きが広がっている。                          
以上のような最終需要のもとで、生産は下げ止まりに向けた動き
が広がっている。このほか、雇用・所得では、改善の動きに停滞感がみられる。」としております。
この4月に実施いたしました町内企業の経済動向の調査結果では、生産量は、3カ月前と比較して増加と回答した企業は4社と前回調査と同数で、減少と回答した企業は9社から4社に減っております。先行きについては変わらないと見込む企業が全体の2/3で、減少すると見込んでいる企業はなく、既存取引先からの受注回復や新規取引先の開拓などによる増加を見込んでいる事業所や海外の景気回復や円安などの経済要因による増加を見込む事業所が増えている傾向にあります。
売上げにおいても、3か月前と比較して増加と回答した企業が
1社増え、減少と回答した企業は9社から3社に減っております。先行きについても減少すると見込む企業はなく、生産量と同様の理由により売り上げの増加を見込む事業所が増えております。
雇用では、増加した事業所が減少した事業所を上回り、来春の雇用については、多くの事業所が減員分の補充及び増員を予定しており、改善の動きが見られます。
それでは、平成25年度の主な事業の状況について申し上げます。
今年度「モノづくり」から「コトづくり」への展開を支援することを目的に意欲ある中小企業者等が実施する地域課題にチャレンジするための新製品開発に要する経費の一部を助成する「坂城町コトづくりイノベージョン補助金」事業に取り組んでおります。4月16日から募集を開始し、先月31日に応募受付を終了いたしました。申請は4件あり今月中に審査会を行い、交付決定を行う予定であります。
 この事業が契機となり、町内企業の様々な技術や知識を活かした、新たな価値創造、新製品開発や企業間の異業種交流が進むことを期待しております。
坂城スマートタウン構想事業につきましては、一つ目として、「スマート工業団地」の構築を目的として、テクノさかき工業団地内企業・信州大学・町が連携し、企業における電気の見える化に取り組んでおります。
今年度は、製造ライン毎の工程の流れや生産計画の把握を行う中で、生産能力を落とさずに電力コストを削減していくことを目指し、将来的には一括受電や会社間融通を含めた、電気の効率的利用法を検討してまいります。
二つ目に、今年度、県のグリーンニューディール基金事業の採択を受け、役場庁舎に木質バイオマスボイラーを設置いたします。
バイオマスエネルギーは、太陽光利用と並び有望な再生可能エネルギーであると位置づけられており、役場全体のCO2排出量の削減も期待されるうえ、エネルギー利用の多様化や地域の未利用資源の有効活用という観点において非常に有益であると考えております。
県より補助金の内示をいただきましたので、設置工事に関する補正予算案を今議会に上程いたしました。できるだけ早い時期に設置できるよう進めてまいりたいと考えております。
今年で8回目を迎えます「ばら祭り」が、「薔薇人の会」を中心とする実行委員会の皆さんにより、この1日から16日までの16日間の日程で開催されております。
今年は、恒例となりました坂城小学校5年生の皆さんによる勇壮かつ元気いっぱいな和太鼓の演奏、愛好者の皆さんによるハーモニカ・オカリナの演奏、坂城高校と屋代南高校合同吹奏楽の演奏が次々と披露され、ばら祭りを盛り上げていただきました。
4月の雪や霜の影響で若干開花が遅くはなりましたが、今年も多くの皆さんにお越しいただけるものと期待しております。
169系車両の坂城駅での静態保存につきましては、先月25日に搬入・設置が行なわれ、合わせて記念イベントを開催いたしました。当日は、多くの町民の皆さん、鉄道ファンの方々にご来場いただき、また、「上五明長持ち会」「北日名神楽保存会」による神楽等の披露、しな鉄グッズ等の販売なども行い、大変盛況なイベントとなりました。
今後の車両の利活用につきましては、利活用検討委員会において検討を重ねつつ、ファンクラブの設立や活用方法についての提案等を広く募集し、169系車両の利活用と坂城駅前及び中心市街地の活性化に繋げてまいりたいと考えております。
新しい南条小学校の建設に向けましては、学校建設に実績のある設計業者7社を選定し、5月8日に現場説明会、今週6日には、プロポーザルヒアリング、審査会を開催し、企画・提案能力のある、最も適した設計業務委託者を決定する予定となっております。
今年度、基本設計と実施設計を行い、平成26年度と27年度に建設工事を行う計画で進めてまいりたいと考えております。
就学相談委員会につきましては、今年度から新たに町に教育コーディネーターを配置し、運営を開始したところであります。
1回目の就学相談委員会を先月23日に開催し、今年度の事業計画、就学相談体制の確認などを行いました。町単独での配置により就学相談をスムーズに行うとともに、子ども達の就学についてきめ細やかに支援をしてまいります。
町の伝統文化の継承の取組みとして、町内11の神楽について映像としての記録・保存を行う事業を進めております。この春祭りに合わせて6団体の収録を行いました。残る5団体につきましては、秋祭りなどに合わせ収録を行う予定であります。各地区の神楽の奉納の様子を映像記録として保存し、伝統文化のもつ豊かな心を未来に伝えてまいりたいと考えております。
町文化協会では、本年度設立30周年を迎えます。
先般、町文化協会の中嶋会長さんから、これまでの様々な文化・芸術活動の集大成として、誰もがいつでも気軽に口ずさめる「町民の歌」「さかきの歌」の制作に取り組みたいとの大変ありがたいお話をいただきました。
町もこの事業に協力し、町民の皆さんに愛され、様々な催しにおいて歌われる歌ができることを期待しております。
「松くい虫」の防除につきましては、総合的な松くい虫防除対策の一環として、昨年度、空中散布を再開いたしました。今年度も「松くい虫防除対策会議」を開催し、空中散布を決定いたしました。
今月18日に自在山風致地区及び葛尾山風致地区の2か所25haの空中散布を予定しております。散布に際しましては、長野県防除実施基準に基づき、安全性に十分考慮して実施してまいりますので、町民の皆さんのご理解をお願いいたします。
 なお、今後は、松くい虫の被害が甚大な地区において、被害木を伐倒した箇所にアカマツを植樹するなど、松くい虫に逆襲すべく、新たな取り組みにも挑戦してまいりたいと考えております。
買物弱者対策といたしましては、平成24年5月から休止をしておりました、「セブンイレブンあんしんお届け便」が再開されることになり、先週から巡回をする区の区長さんと調整を行っております。
準備が整い次第、運行を開始するとお聞きしております。現在運行中の「イトーヨーカドーあんしんお届け便」とあわせ、今後も高齢等により買物に困っている方の支援策として応援してまいりたいと考えております。
鉄の展示館で4月26日から6月16日まで開催しております、人間国宝宮入行平生誕100周年記念 近代日本彫刻の巨匠「平櫛田中展」につきましては、町内外から大勢の皆さんにご来場をいただいております。
 今週8日土曜日には、平櫛田中さんと深いつながりがありました、文化功労者の橋本堅太郎さんによる「平櫛田中と芸大時代の思い出」と題して、記念講演会を計画しております。大勢の皆さんのお越しをお待ちしております。
 次に、福祉施策について申しあげます。
町では、医療費増加の大きな要因になっております生活習慣病の予防・改善を図るため、国民健康保険の特定健康診査について受診率の向上に取り組んでおります。
今年度におきましても、受診率65%を目標に、様々な機会を通じて受診率の向上に取り組んでまいります。その一環として、循環バスや公用車のボティーにステッカーを貼るなど、PRにも努めております。
 医療費の増加が大きく影響する国民健康保険税でありますが、昨年度の一般被保険者の医療費は前年度比およそ1%増加し、約102500万円の見込みであります。
 今後も医療費の増加が見込まれる中、国民健康保険事業の運営は非常に厳しい状況が続くことが予想されますが、先月31日に開催されました「国民健康保険運営協議会」におきまして、今年度の税率を据え置くこととさせていただきました。
 引き続き、特定健康診査など疾病予防に力を入れながら、医療費の抑制、国保事業の健全な運営に努めてまいりたいと考えております。
在宅で生活する寝たきりの高齢者や重度障害者等で外出が困難な方への理容、美容サービスとして、自宅までの出張料金相当額を支援する「訪問理美容サービス事業」を今年度からスタートいたします。9店の理容店、8店の美容室に指定事業所として登録いただき、現在、サービスの利用を希望する方の受け付けをしております。
準備が整い次第サービスを開始いたします。
地域包括支援センター業務につきましては、介護保険に係る申請窓口と相談窓口の一本化を図るため、地域包括支援センター機能を役場庁舎の福祉健康課内に移転し、本日より業務を行っております。
広報6月号でもお知らせをいたしましたが、関係機関をはじめ利用者の皆さんへ周知を図るとともに、更なるサービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
5期坂城町介護保険事業計画では、「地域密着型介護老人福祉施設」定員201か所を平成26年度に整備することとしております。この計画に基づき、町内の社会福祉法人が平成264月オープンを目指す、施設の建設並びに開設準備にかかる経費の予算案を、本議会にお願いするところであります。
この施設は、町内にお住まいの方が入所できる介護老人福祉施設であり、今後、益々増加していく要介護者を地域で支えていく、地域密着型サービスの充実に繋がるものと期待しております。
坂城更埴バイパス坂城町区間(3.8~)につきましては、4月12日の区長会において、国土交通省関東地方整備局長野国道事務所より、事業の必要性や整備の効果等、事業の状況について説明をいただきました。6月中には地元区長さんへの説明会、来月を目途に地元区民の皆さんへの説明会を実施するとともに、地元対策協議会の設立に向け、長野国道事務所と地元との調整を進めてまいります。
 住宅リフォーム補助制度につきましては、先月9日から募集を行い、5月31日現在、22件の申込みがあり、補助金申請金額は約200万円となっております。
この補助事業により、町内小規模事業者の受注の拡大及び町内の経済の活性化に繋がるものと考えております。
 公共下水道事業につきましては、町内の概ね7割の整備が完了し、現在、上平及び入横尾地区を中心に整備を行っております。
 これらの地区は来年度には概ね整備が完了いたしますので、引き続き、整備区域の拡大のため、金井・新地・鼠地区の認可の追加作業を行っております。
なお、追加区域の認可申請に伴い、「坂城都市計画下水道事業の事業計画」の変更を行うための「坂城町都市計画審議会」の開催を来月に予定しております。
家庭系可燃ごみの減量化につきましては、町民の皆さんのご協力をいただき感謝申し上げます。
平成22年度のごみ処理の有料化導入の効果もあり、減少した可燃ごみもこのところ増加傾向となり、平成24年度のごみの排出量は前年比で約8トン、0.3%の増加となりました。
 そこで今年度は、ごみの減量化を進めていくため、町内27区を対象に説明会を開催いたします。
 また、事業系のごみにつきましても、排出量の多い事業所には担当者が直接訪問し、ごみの分別、リサイクルの徹底をお願いしてまいります。
ごみの減量化により、ごみ処理経費の削減、葛尾組合焼却施設の延命化を図ることはもとより、循環型社会の形成、二酸化炭素削減による地球温暖化の防止など、環境保護にも繋げてまいりたいと考えております。
各区や公民館、各種団体等の催しものの際に貸し出しをするAEDを、この4月に総務課に設置いたしました。
 貸し出しは無料ですので、各区、各公民館等でご利用いただきたいと思います。
以上、25年度の主な事業の状況について申し上げました。
今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が1件、人事案件が1件、条例の制定が1件、一般会計補正予算の計4件でございます。よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申しあげまして、招集のごあいさつとさせていただきます。
                  
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坂城町長 山村ひろし

坂城の100人 第15回目は 沓掛なか子です

 先日、江戸末期にその名を知られた俳人、藤沢雨虹を二回にわたってご紹介しました。
               
                    
                       
 今回は同時期に、歌人として、学者として活躍した沓掛なか子さんです。
                                             
 沓掛なか(仲子)
 1749(延享6)年~1829(文政12)年
                     
 沓掛なか子は、江戸時代の中頃に、坂城町で和歌や国学を先駆けて研究した人物です。 以前ご紹介した藤沢雨虹さんより20歳くらい先輩にあたります。
                      
 なか子は、更科郡今里村(長野市川中島)の内村家に生まれ、小さいころから国文の教養が深かった祖母の影響を受けて育ちました。
 この教養人であった祖母の影響により5歳のころには「百人一首」を暗唱できるくらいになっていたそうです。
                       
 16歳で小県郡塩尻村(上田市)の沓掛家に嫁ぎますが、後に夫、道秀の母の実家のあった坂木横町に移り住みます。(なんと、道秀の母の実家とは以前ご紹介した稲玉徳兵衛さんの家です)
 夫の道秀を助け酒屋(山根屋)を経営し、また質屋も営みました。
 天明3年(1783)の凶作の時には、多くの人々の手助けをしたそうです。
 道秀の死後、四男ニ女の子供を抱えながら長男の道寛を励まし、家業を盛り立てました。。
 有名な逸話として、道秀の法要の時、白衣を着て真っ先に上座に座ったので、親戚の者がその訳を聞いたところ、仲子は「妻は自分である。主賓は亡き夫なのだから、自分がそのとなりにすわるのに何の遠慮がいるだろうか。」と答え、そこにいた人たちはみなその考え方に感心したという。
                  
 なか子は生涯作家として努力し、わが国の古典を研究し、歌集・歌論・子女教育論など多くの著書を残しました。
                       
                
「千曲川 ちゞにくだ くる 波のうへに うつらふ月の 影の すゞしさ」
(田町 十王堂前にある碑)
                
                   
 沓掛なか子の研究には多くの方が取り組まれていますが、もう少し体系的に取り上げられるべき第一級の人物であると思います。
                   
                  
                
前田淑著 左:近世地方女流文芸拾遺
       右:江戸時代女流文芸史【旅日記編】
                   
 「近世地方女流文芸拾遺」では沓掛なか子の「朧夜物語」を詳しく紹介しています。
 この本は、なか子が77歳(1825年)の時に、和歌に対する意見を物語の形で書き上げたもので当時の坂木の一商家の主婦が記述したことに驚きと敬意を感じます。
                          
 
「朧夜物語」(原本)の表紙
                          
 また、「江戸時代女流文芸史【旅日記編】」では、なか子が三男の淵魚をつれて「秩父34番観世音巡礼」へ出発し、さらには江戸・江ノ島・鎌倉・日光にもあしを伸ばした大旅行記を紹介しています。(「東路の日」)  
                 
 「東路の日記」については、もろさわようこ が「信濃のおんな」でまた、永井路子が「旅する女人」と「歴史をさわがせた女たち」(庶民編)で紹介しています。
                         
                      
                  
「東路の日記」表紙と1頁目
                    
 
なか子は81歳で亡くなりますが、80歳の年に以下の和歌を残しています。
    
                       
                
「米よりは男ざかりぞ 我が庭の 梅も桜も我が物にして」
                  
                                    
 死の前年でも気力充実していたようですね。
           
 先日の藤沢雨虹を始め沓掛なか子などなど坂木の女性陣は素晴らしい。
 さらに、いろいろ調べたいと思っています。
               
 *上記のうち、原本の写真は前副町長の柳澤哲さん、鉄の展示館宮下学芸員が数年前に資料調査の際に撮影されたものを拝借しました。
                    
          
 坂城町長 山村ひろし

坂城町 「第8回ばら祭り」 開催

本日(6月1日)、「第8回ばら祭り」が開催されました。

梅雨に入り天候が心配されましたが素晴らしい快晴のもと開会式が行われました。

左奥:挨拶する山村

ご来賓には、国土交通省千曲川河川事務所副所長の大井孝輝さん、長野交通事務所柳谷哲所長さん、信州大学名誉教授中村浩志さん、しなの鉄道藤井武晴社長さん、坂城町議会議長柳澤澄さん、さらに長野県議会議員荒井武志さんもお出で下さいました。

今年は天候が不順で、ばらの生育具合がまことに心配でしたが、薔薇人(ばらーど)の会の皆さんの献身的なご努力でまことに見事な開会式を迎えるまでになりました。

ひたすら皆様方に感謝です。

詳細は以下の坂城町ホームページをご覧ください。

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6月1日(土)第8回ばら祭りスタート!

第8回ばら祭り01

  6月1日(土)、さかき千曲川バラ公園で、第8回ばら祭りの開会式が行われました。

  ばら祭りは今日から16日(日)まで開催されます。期間中は、ばらの育て方相談、挿し木講習会、押し花・レカンフラワー体験会などが行われ、町のオリジナルローズ「さかきの輝(かがやき)」の鉢植えやばら苗木、町の特産品も販売されます。また、12日(水)には、バラのソムリエ小山内 健さんの講演会も行われますので、ぜひご来場ください。

  今日はオープニングアトラクションとして、開会式終了後に坂城小学校5年生による和太鼓演奏、勤労者総合福祉センターで活動されている方々によるオカリナとハーモニカの演奏、坂城高校と屋代南高校の吹奏楽部による合同演奏が行われ、開会に花を添えました。

第8回ばら祭り02

  イベント広場は、ばら苗木や町の特産品の販売コーナー、押し花体験会などで賑わい、町のマスコットキャラクター「ねずこん」と写真撮影をする方も大勢いらっしゃいました。

第8回ばら祭り03

  今年は4月から気温が低い日が多く、ばらの生育も少し遅れていましたが、今日の開会に合わせてだいぶ咲いてくれました。ですが、満開のバラ公園は彩りも香りも格別です。これからどんどん咲いていきますので、ぜひバラ公園にお越しください!

第8回ばら祭り開会式04

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坂城町長 山村ひろし

道州制の議論

先日(5月28日)、長野県町村会の臨時総会があり出席しました。(会長:藤原忠彦 川上村村長)

臨時議会終了後、早稲田大学政治経済学術院教授の小原隆治氏による 「道州制とこれからの町村の行方」 というテーマで講演がありました。 

本件についての私の意見を述べさせていただきます。

講演される小原教授

「道州制」については、国民的議論がほんどされぬまま 「道州制基本法案」 が今国会に提出されようとし、 「道州制」 を推進する立場からの議論が進んでいます。

「道州制」が出来上がった段階では、日本国は 「道州」 と 「基礎自治体」 というものに集約され、現在の都道府県ならびに市町村は無くなります。(但し、北海道はそのまま残ると思われます)

これにより、国の行政職員数約30万人(うち出先20万人)の10万人が削減され大幅な人員削減が可能としているそうですが、私は国の形をどうするのかという根本的な議論が欠落しているように思います。

平成の大合併の総括も行われぬままに、机上の論理のみが進められている点に大きな危惧を感じます。

「平成の大合併」をくりぬけ独立を守ってきた坂城町など多くの町村が無くなり 「基礎自治体」 というものへの集約が進められることになります。

長野県町村会はこの「道州制基本法案」には断固反対の立場をとっていますが、私も同意見であります。

今後とも同法案の行方に注目していきたいと思っております。

坂城町長 山村ひろし

今日の169系

本日(5月26日)、朝6時から坂城町の村上県道沿いのごみ清掃を坂城町商工会青年部、女性部、坂城町ライオンズクラブの皆さんと行いました。

以前に比べると大分きれいになってきたとのことですが、まだまだタバコの吸い殻、ペットボトルなど多くのゴミがあります。 困ったものです。

その後、坂城高校の同窓会総会に出席した後に、坂城駅前で静態保存されている169系車両の状況を見に現場へ行きました。

今日も多くのファンが来られていましたが、お会いしたのは、山田博之、裕太さん親子で、はるばる静岡県から来られたとのことです。

左から:山田博之さん、山村、裕太さん

お父様は静岡県交通基盤部にお勤めで、息子さんは高校2年生の「鉄男」君です。

169系車両3両について、これからも種々の工夫をし、楽しんでいただけるようしたいと思います。  いろいろお話をさせていただきましたが、全国からこのような169系ファンの方々に来ていただけることは大変素晴らしいことですね。

坂城町長 山村ひろし

169系 坂城駅前に登場

本日(5月25日)、午前1時半、坂城駅引き込み線に粛々と169系3両が入線し、静態保存されました。

設置を記念して関係者による くすだま割り

車両の前に立つ山村

今年、2月初めに、しなの鉄道 藤井社長から169系車両3両を譲り受けるお話を伺いわずか3月で坂城駅前に設置されました。

関係各位の皆様のご協力と素早い行動に感謝感激です。

今後はこの3両をどのように利活用していくか皆様とご相談し、町の宝として大切にしたいと思っております。

11時のセレモニーの後

左から:宮崎教育長、山村、新潟県新発田から来られた「169系」ファンの上野文紀さん、駅長の恰好をした宮下副町長

詳しくは以下の坂城町ホームページから

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169系S51編成が坂城町にやってきました!

169静態保存イベント01

▲坂城駅前広場

  5月25日(土)、ついに169系S51編成車両が坂城町にやってきました!

  この169系電車は、昭和43年に旧国鉄「信越本線」の難所「横川~軽井沢間」を走る電車として誕生し、急行「信州」「志賀」として運行されました。その後、JR、しなの鉄道(株)で運行されてきましたが、老朽化によりこの4月29日のラストランをもって引退となりました。しかし、引退にあたり、この車両の今後を心配する鉄道ファンの声が多く、しなの鉄道(株)と坂城町で協議した結果、町へ譲渡され静態保存することが決まりました。

  25日(土)深夜午前1時30分頃、月明かりのもと、169系車両は静かに悠然と入線し、その姿は堂々たるものでした。その後の記念セレモニーでは、お祝いのくす玉開披が行われました。

169入線01

169入線02

169入線03

▲くす玉開披

 

  午前9時からは、「169系電車静態保存記念イベント」が坂城駅前で開催され、電車の中を見学する方や電車を撮影する方などが大勢訪れ、駅前は大変な賑わいとなりました。また、本日車内見学をした方には限定の記念きっぷ(硬券)がプレゼントされ、上五明長持ち会の「長持ち道中」や北日名太太神楽保存会の「神楽の舞い」も披露されました。

169系静態保存イベント02

▲テープカット(写真左から、しなの鉄道(株)清野営業課長、宮下副町長、柳沢議会議長)

169系静態保存イベント05

169系静態保存イベント04

▲1番最初に車内見学に入った久保田敦也くん(長野市)

169系静態保存イベント03

▲上五明長持ち会による「長持ち道中」

169系静態保存イベント06

▲北日名太太神楽保存会による「神楽の舞い」

169系静態保存イベント07

▲ねずこんもお祝いに駆け付けました!

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坂城町長 山村ひろし

坂城の100人 第14回目は更科姫(伝承)!

今までに何回か、坂城町子供謡曲教室の紹介をし、子供たちが「紅葉狩」の練習をしていることも掲載しました。

ご存知のように、「紅葉狩」は能、歌舞伎の有名な題目で、「平維茂が戸隠山で、鬼女(更科姫)にめぐり逢い誘惑されかかるが、ついに撃退する」という物語ですが、坂城での「更科姫」に関わる伝承はかなり違います。

坂城町での更科姫は村上義清の家臣の娘で義清を助けるスーパー少女として長い間、語り継がれていました。

最近ではあまり話されることもなくなってしまいました。

実在の人物をモデルにしています。 彼女も語り継がれなけらばならない一人としてご紹介します。

以前ご紹介した「ふるさと探訪」から小泉長三(1878~1941)作の小説(昭和9年「幼年倶楽部」)を転載させていただきます。

『更科姫』

信濃(長野県)葛尾の城主、村上義清が、山狩をしてのかへり道、おほくの供をつれて城下へはいってくると、むかふの方でワーッといふさわぎ。

「あぶねえぞ あばれ牛だッ。」「にげろ、にげろ、角にかけられるな。」

ワイワイと、にげまどうふ わうらいの人々をおひまくり、大あばれに、あばれてゐる一頭の大牛。

いきほひはげしく角をふりたてて、行列の中へあばれこみました。

「それ、おさへろ。」 と、いったが、どうしておさへるどころか、お供の人たちはごろごろ、ばたばた、片っぱしからたふされ、角にはねとばされたり、ひづめにふみにじられたりして、行列はどっとくづれたちました。

いまや、義清の馬前ちかく、牛がをどりかからうとしたとき、そばの軒下から、まりのように、かけだした一人の少女、牛のかしらへとびついたと思うと、両手で角をむんずとつかみ、「えい えい 。」 左右へ、ぐらりぐらりとふったとみれば、ごろりと牛をねぢふし、首すじをしっかり足でふみ、「だれか、つなをかけてください。」 という聲に侍どもは、よってきて牛につなをかけました。

少女は年はまだ十二、三の、かはいい子供ですから、義清はおどろきながらたづねました。 「そちはなに者のむすめじゃ。」 「わたくしは楽岩寺右馬之助のむすめ、更科と申します。」 「いくつぢゃ。」 「十二でございます。」 「おお、右馬之助のむすめか。むかしの巴御前や、近江のおかねにもまさる大力ぢゃ。ほうびをつかわすから、城へまゐれ。」

義清は更科をつれて城へかへり、父楽岩寺右馬之助をよびだし、更科のはたらきをほめて、たくさんのほうびをたまはりました。

そのころ、村上家に牧野大九郎といふ悪いけらいがありました。 敵軍武田信玄のけらい、馬場信房と心をあわせ、主人義清の子、八歳になる竹松をぬすんで葛尾の城をにげだし、馬場信房のやしきに身をかくしました。

信房は、竹松をとらへておいて、義清にむかひ、降参しなければ、竹松をころしてしまふぞ、といってきました。 義清は竹松をころすならころせ、降参などするものかと、使をおひかえしてしまひました。

ある日、馬場信房のやしきでは、信房の奥方が、京都からきたといふ舞姫をよんで、その舞をみることになりました。

舞姫はこのごろこの地へきたもので、名をかつらといひ、年は十二、三歳であるが、めづらしく舞が上手なので方々のやしきへよばれて、舞をまひました。それをきいて、信房の奥方もみたくなったのでありました。

廣いざしきの正面に奥方がひかへ、そのそばに二葉といふ、十歳ばかりのお姫さまがならび、左右には、大ぜいのこしもとや女中がすわってゐます。

そこへ、よばれたかつらは、まだ小さいかはいい子供です。奥方は、さっそく、「なんなりと舞うてみや。」、といひました。

かつらは、舞扇をとって、うたひながら舞ひはじめたが、その聲のうつくしさ、さす手、ひく手のあざやかさ、おとなもおよばぬ上手さに、みな、われをわすれてみとれました。

かつらは舞ひながら、奥方のそばちかくすすんだと思うと、ばらばらと二葉姫のそばにかけより、姫をかるがると左の小わきにかかへて、きっとあたりをみまはしました。 「あッ、姫をどうしやる。」 「あれッ、お姫さまを 。」

奥方はじめおつきの人々が、おどろいてたちかけましたが、気がついてまたびっくり、二葉姫をかかへてたった、かつらの右手には、きらりと光る短刀が握られ、そのきっさきが、二葉姫ののどにむけられてゐます。

目にもとまらぬはやわざで、二葉姫をうばったかつらは、「みなさん、手だしをなさると、お姫さまをころしてしまひますぞ。 わたしは、けっしてお姫さまを、どうしようといふのではありません。 奥方が、わたくしのねがひをきいてくだされば、お姫さまはおかへし申します。」

「おお、どんなねがいでもきいてやる。 さあ、姫をはやくかえへしゃ。」

「わたくしのねがひといふのは こちらにとらはれてゐる、村上竹松さまをかへしていただきたいのでございます。」

「や、や、村上の竹松をかへせといふか、そちはなに者ぢや。」

「かつらと申したのはいつはり、まことは、村上義清のけらい、楽岩寺右馬之助のむすめ更科と申すもの。 このお姫さまは、大切におあづかりいたしてまゐり、竹松さまとひきかへに、おかへし申しますから、どうぞ、葛尾へ竹松さまをおかへしくださるやう、殿さまに申し上げてくださいませ。」

そのとき、女中のしらせによって、侍どもがかけつけたが、二葉姫ののどへ短刀をつきつけてゐるので、手のだしやうがありません。 

更科は、八方へ目をくばりながら、しづかにざしきの外へでてゆきます。

「門をしめろ。」 「表へだすな。」 更科のまはりをとりまいた、侍どもが、外へだすまいと思って、表門をしめさせてしまひました。 「さあ、おどき。どかぬと、かうしますぞ。」と短刀を二葉姫のむねでぴかぴかさせながら、むらがる侍の中をおし通り、やうやく表門のところへきてみると、門がぴったりとしまってゐます。 「こんな門などなんでもない。」 にっこり笑った更科は左に二葉、右に短刀、両手がつかへぬので、門の柱に肩をおしあて二,三度ぐらぐらゆすぶると、みあげるような大門ががらがらどしんと、たふれてしまいました。 何百人力かもしれぬ更科の力に、みなきもをづぶして、もう、おしとめようとするものもありません。 とうとう二葉姫は、更科のため葛尾城へつれてゆかれてしまったので、馬場信房もしかたなく、竹松を村上義清にかへして、二葉姫を、かへしてもらいました。 (をはり)

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坂城町長 山村ひろし 

稲玉徳兵衛翁を偲ぶ会

昨日(5月19日)、「稲玉徳兵衛翁を偲ぶ会」の式年祭に参加しました。

稲玉徳兵衛翁については以前、このブログで「坂城の100人」の二人目にご紹介しました。

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今年は生誕191年目、没後141年目にあたります。

江戸時代末から明治の初めの混乱期に、命懸けで坂木村の山野を開墾し(218ha)、坂木の農業を発展させた大恩人です。

                    

今年も徳兵衛翁の偉業を偲ぶ会「稲玉徳兵衛翁頌徳伝承会」(柳沢一男会長)が平沢の昌言(まさのぶ)神社にて執り行われました。 本会は今年で10回目とのことです。

                     

ご挨拶する、柳澤会長

稲玉徳兵衛翁が開拓した218ha が耕作放棄地になってしまっては翁に顔向けができません。

昨年から始めたワイナリー事業などを成功させ、昌信神社にご報告ができればと思います。

なお、今年からこの「稲玉徳兵衛翁を偲ぶ会」に坂城町農業委員会委員長の朝倉國勝さんにもご参加いただきました。

坂城町長 山村ひろし