令和6年 第3回 坂城町議会定例会 招集あいさつ

 本日(9月2日)、令和6年第3回坂城町議会定例会が開会しました。 以下、招集のあいさつを掲載させていただきました。

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 本日ここに、令和6年 第3回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様のご出席をいただき開会できますことを心から感謝申し上げます。

 さて、先週 日本に上陸した非常に強い勢力の台風10号は、昨日、東海道沖で熱帯性低気圧に変わりましたが、進路にあたった九州や四国、近畿などのほか、台風から離れた地域でも記録的な大雨を観測し、人的被害も出るなど、広範な地域に甚大な被害をもたらしました。今回の台風は、速度が非常に遅く、同じ地域に長時間とどまったことで、被害が拡大したものと考えておりますが、温暖化の影響で、今後こうした台風がふえるとの指摘もあります。また、この夏は大気の不安定な状態が続き、当町におきましても、激しい雷雨がたびたび発生し、大雨警報なども発令されましたが、全国各地でも、激しい雷雨や活発な前線の活動に伴う大雨などで、河川の氾濫や土砂災害が頻発し、建物の浸水や損壊、道路の冠水など、自然の驚異が日本列島を襲っています。町では、7月25日に全区長さんにお集まりいただき、台風シーズンが本格化する夏から秋にかけ、大雨への備えが益々重要になることから、ハザードマップや避難情報のポイント、避難行動フローなどについて説明をさせていただく「防災説明会」を開催し、日頃からの備えをお願いしたところでありますが、改めて災害時の行動などを再確認していただきますよう、お願いするところであります。

 また、去る8月8日の午後4時43分頃には、宮崎県沖の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮崎県日南市で最大震度6弱を観測したのをはじめ、九州から近畿、東海にかけての広範囲で揺れが観測されました。今回の地震は、南海トラフ地震の想定震源域で発生したことから、気象庁では2017年11月の運用開始以来 初めて「南海トラフ地震 臨時情報“巨大地震注意”」を発表し、通常の生活を維持しながらも、発生から1週間は地震が起きたらすぐに避難ができる準備をするよう呼びかけました。

 政府の中央防災会議では、最大クラスの南海トラフ地震が発生した場合、広範な地域での強い揺れや大津波を想定しており、特に著しい地震災害の恐れがある地域を「南海トラフ地震 防災対策 推進地域」に指定し、県内でも南信地域を中心に34市町村が指定されています。当町は指定地域ではありませんが、夏休みやお盆の時期と重なり、旅行などで多くの人の移動が見込まれたことから、県からの注意喚起をいち早く町ホームページで町民の皆さんにお伝えをしたところであります。また、8月9日には神奈川県西部、19日には茨城県北部を震源とする地震が発生し、いずれも最大震度5弱を観測するなど、大きな地震が多発する中、町におきましては、8月25日に、大型の地震を想定しての「町 総合防災訓練」を、村上地区を対象として 村上小学校において実施いたしました。前日の降雨により、一部訓練は中止としましたが、村上地区の自主防災会や、民生委員、婦人消防隊、消防団など、大勢の皆さんに 情報伝達訓練や 避難所設営訓練 などの各種訓練にご参加いただいたところであります。また、今回の訓練では、長野県 動物愛護会 長野支部にもご協力をいただき、ペットの同行避難についての理解を深めていただく場も設けたところであり、こうした様々な訓練を通じ、常日頃からの備えの重要性を再認識していただく機会になったものと考えております。

 さて、今年で47回目を迎えた夏の風物詩、町民まつり「さかき どんどん」を 8月3日に横町・立町通りを会場に開催し、昼の部ではステージ発表や特別ゲストの音楽芸人「こまつ」さん によるライブが行われ、子ども広場やビアガーデンでは大勢の方で賑わいました。また、今年は、村上義清没後450年を記念し、商工会の皆さんや子供たちが手作りの甲冑を身にまとい 横町通りを行進する甲冑行列や、千曲川坂城陣太鼓による太鼓演奏、神輿の練り歩きが行われたほか、夜の部では5年ぶりに踊り流しが開催され、各連が息の合った踊りや威勢の良いパフォーマンスを披露し、横町、立町通りが熱気に包まれました。連日猛烈な暑さが続く中ではありましたが、ご参加いただいた町民の皆様や、開催にあたりご協力いただきました関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

 さて、この度、近代建築の記録・保存を目的として、オランダに本部を置く国際的学術組織であるDOCOMOMOの日本支部、一般社団法人DOCOMOMO Japanによる「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」に、町体育館が選定されました。昨年は、全国で10件の新規認定があり、選定につきましては、日本建築学会の協力を得て取りまとめたもので、年月を経てもオリジナルの建築的価値を残していることや、建築当時に技術的な革新性を有し、使用される中でその価値が継承され、高められていることなどが基準になっているとのことで、県内では軽井沢町の聖パウロ教会など4件、立科町の1件に次いで6件目の選定となりました。

 町体育館は、千曲市(旧更埴市)出身の建築家 滝澤健児さんの設計により、1970年(昭和45年)に建築されたもので、DOCOMOMO Japanの評価としましては、「町民が誇りを持てるシンボル的存在であることを願い、個性的な創造力を駆使した屋根の折版形状と、切妻の庇が並んだ軒先(三角スクリーン)が特徴的なデザインで、ダイナミックな空間構成を特徴とするモダニズム建築群の代表的なものであり、今後の更なる利用が期待される」とのことでありました。

 今回の選定を受け、8月19日には、DOCOMOMO Japanの代表理事 及び、選定の推薦にご尽力いただきました長野県建築士会の皆様がお見えになり、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」選定プレートを贈呈いただきました。このプレートにつきましては、体育館を訪れた方にもご覧いただけるよう、体育館に入って正面に設置されております掲示板上部の壁に掲示をしておりますので、お越しの際は是非ご覧をいただきたいと考えております。

 さて、世界の経済情勢でありますが、日本総研などによりますと、アメリカでは、4~6月期の実質GDP成長率は前期比 年率プラス2.8%と、前期から伸びが加速している一方、雇用改善ペースの鈍化や若年層などの支出余力の低下などにより、年後半の個人消費は減速するものの、利下げなどにより景気拡大ペースは底堅く推移する見通しとしております。

 また、ヨーロッパにおきましては、インフレ圧力の緩和による実質所得の回復により、個人消費が緩やかに増加し、ECB(欧州中央銀行)による利下げも内需の拡大に寄与する見通しから、景気は持ち直しの動きを続ける見通しではあるものの、フランスの政局混乱が財政悪化への懸念につながる可能性や、アメリカ大統領選挙の結果に注意が必要としております。

 一方、中国においては、国内需要の鈍化を主因として景気が減速しており、4~6月期の実質GDP成長率は、前期比年率プラス2.8%と、1~3月期から大幅に低下している状況となっております。節約志向による個人消費の低迷に加え、これまで景気の下支え方向に作用していた輸出についても、欧米諸国がEVなどへの関税を引き上げる予定で、一転して下振れ要因になることが予想されるところであります。

 次に、国内の状況でありますが、内閣府による8月の「月例経済報告」では、「景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している。」としており、先行きについては、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」とする一方、海外景気の下振れによるリスクや、物価上昇、中東情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。」としております。

 また、日銀松本支店が7月に発表した「長野県の金融経済動向」によりますと、個人消費は緩やかに増加しており、公共投資についても増加しているとしております。また、設備投資も堅調に推移している一方で、企業の景況感は幾分悪化しているとしており、総論として「長野県経済は、一部に弱めの動きが見られるものの、持ち直している。」との観測であります。

 当町におきましては、7月に実施いたしました町内の主な製造業20社の4~6月期 経営状況調査の結果では、生産量は、3ヶ月前の比較でプラスとした企業が6社から5社に、また、売上げについては7社から8社になるなど、ほぼ横ばいで推移しているものの、3か月後の見込みでは、生産量をマイナスとしたのは7社から2社に、売り上げについても8社から2社に減少するなど、明るい兆しがみえております。

 雇用につきましては、4~6月の実績が総計でプラス73人と、3か月前のマイナス16人から大幅に増加し、来春(令和7年4月)の雇用につきましても、11社が増員予定で、7社が減員分の補充等を予定するなど、全体では116人の増員予定となっており、事業の拡大に向けた活発な姿勢が伺える状況となっております。

 為替レートや株価が乱高下する不安定な状況ではありますが、国内外の経済動向を注視しつつ、今後の町内企業の発展に期待するところであります。

 続きまして、令和5年度の決算状況について申し上げます。

 まず、歳入につきまして、町税のうち 町民税の 個人分 が、令和4年度と比較いたしますと、プラス2.2%、約16,000千円の増収となった一方、法人分 につきましては、物価高騰による経費等の増加や売り上げの減少などにより、マイナス23.1%、約1億23,000千円の減、固定資産税につきましては、マイナス0.5%、約6,000千円の減で、町税全体では、前年度対比マイナス3.9%、約1億8,000千円の減収となりました。

 地方交付税につきましては、普通交付税の算定基礎となる基準財政収入額の算定費目であります 町民税が 大幅に増額算定となったことから交付額は減額となり、地方交付税全体では、前年度対比マイナス11.0%、約1億87,000千円の減となっております。

 また、普通交付税の算定基礎となる基準財政収入額と基準財政需要額を用いて算出される「財政力指数」につきましては、3か年の平均値が前年度の0.641から0.621となり、0.02ポイントの減となっておりますが、県内における順位については昨年同様、

 77市町村中6番目、町村の中では前年度の3位から 軽井沢町に次ぐ第2位と上昇しております。

 次に、国庫支出金につきましては、前年度に引き続き、新型コロナウイルスや物価高騰対策に係る 地方創生 臨時交付金等の補助金が交付されましたが、新型コロナウイルスの感染対策及びワクチン接種に係る補助金が減額となり、前年度と比較し、約1億38,000千円の減となっております。

 県支出金につきましては、JAながのちくま果実流通センターの施設等改修に係る産地生産基盤 パワーアップ事業交付金の増額等により、プラス11.9%、約51,000千円の増となっております。

 諸収入につきましては、昨年4月から開始した小中学生の学校給食費の無償化に伴う 学校給食費納入金の減額等により、前年度と比較し、約47,000千円の減、町債につきましては、前年度実施の 町体育館 耐震改修事業に係る緊急防災・減災事業債や臨時財政対策債の減額等により、マイナス46.3%、1億54,000千円の減となっております。

 以上、歳入全体の決算額は、前年度対比マイナス7.2%となる76億90,105千円であります。

 一方、歳出につきましては、町道A01号線道路改良事業や橋梁修繕事業を継続して実施しましたが、前年度事業の町体育館耐震補強・大規模改修事業や、びんぐし湯さん館リニューアル改修工事の減に加え、文化センターの耐震改修 及び 大規模改修工事を令和6年度に繰越したことなどにより、普通建設事業費全体では、前年度対比マイナス53.0%、金額で約6億15,000千円の減となる約5億45,000千円となりました。

 次に、義務的経費のうち 扶助費につきましては、児童手当等の減により前年度対比マイナス5.7%、人件費につきましてはプラス0.6%、公債費につきましてはプラス2.2%で、義務的経費全体では、マイナス0.7%、約17,000千円の減となっております。

 その他の経費につきましては、電力・ガス・食料品等価格高騰 緊急支援給付金 給付事業などにより、補助費等が前年度対比プラス8.0%、基金積立金などの積立金につきましてはマイナス53.4%で、その他の経費全体では、マイナス8.7%、約3億90,000千円の減額であります。

 以上、歳出全体の決算額は、前年度対比マイナス12.5%となる 71億55,239千円となっております。

 なお、令和5年度決算を受けての財政健全化法による財政指標であります、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「将来負担比率」につきましては、前年度と同じくいずれもマイナス、起債発行時の制限の基準となります「実質公債費比率」につきましては3か年平均で、前年度と同じ7.9%となっております。

 いずれの指標につきましても、早期健全化基準及び財政再生基準に比べ健全な状況で推移をしており、引き続き、将来にわたる負担の軽減、健全な財政運営に努めてまいります。

 続きまして、6月定例会以降の主な事業の進捗状況について申し上げます。

 新複合施設につきましては、本年度 実施いたします、基本設計業務の委託業者を選定するため、7月29日に開催しました「指名型プロポーザル審査会」において、設計業者5社から「新複合施設 基本構想・基本計画」を踏まえた提案をいただき、厳正な審査により最優秀提案者を決定し、基本設計業務委託契約を締結したところであります。

 また、先月28日には、新たに3名の公募委員を加えた建設委員会を開催し、基本設計業務における提案内容の説明の他、今後のスケジュールなどについてご協議いただきました。

 基本構想に掲げております「すべての人が安心できる居場所になると共に、人がつながり、笑顔がつながる、well-being の実現空間」となるよう、引き続き取組を進めてまいります。

 次に、町のDX推進に向けましては、国の「デジタル田園都市 国家構想交付金」を活用した今年度の取組としまして、「書かない窓口」及び「公共施設の予約システム」並びに「観光・文化デジタル化事業」の3事業について導入を予定しているところであります。各事業とも、入札によるシステム構築業者の選定を行い、現在、稼働に向けた準備を進めているところであり、利便性が高く、使いやすい仕組みとなるよう構築を図ってまいりたいと考えております。今後、運用に向けた準備が整い次第、利用方法等につきまして、広報や町ホームページ等を通じて、町民の皆さんに順次お知らせしてまいりたいと考えております。

 次に、2050年ゼロカーボンに向けた取組としまして、9月1日より 順次、町内の公共施設など7か所にEV(電気自動車)充電設備を設置し、供用を開始しているところであります。走行時に二酸化炭素や大気汚染物質を排出しない電気自動車の利用をしやすい環境を整えることで、電気自動車等の普及を促進し、地球温暖化の抑制と脱炭素社会の実現を図ってまいります。

 また、公益財団法人 さかきテクノセンターが予定しております、テクノセンター建物のエネルギー収支を25%以下まで削減する

 Nearly ZEB化 を目指した施設改修事業につきましては、この度、環境省の補助事業として補助金の交付決定が得られ、いよいよ、改修工事に着手したとお聞きしております。

 テクノセンターにつきましては、開館から30周年の節目を迎えたところでありますが、次の30年先へ、2050ゼロカーボンの実現に寄与する「ものづくりのまちのゼロカーボン化」に向けた、大いなる前進であると期待するところであります。

 また、びんぐし湯さん館におきましても、温室効果ガスの排出削減と施設の電気料金の軽減を図るため、現在、太陽光発電設備の整備工事を行っており、10月中旬頃より発電を開始する予定としております。

 続いて、町内インフラ関係の動向について申し上げます。

 国道18号坂城更埴バイパスにつきましては、令和5年度末現在の用地買収率が87%とお聞きしているところで、今年度の工事内容といたしますと、網掛地区2か所のうち、村東集落付近において、路床・路体盛土、補強土壁工、プレキャストカルバート工、排水構造物工、側道舗装工 等のほか、月見区西側付近において、道路土工、地盤改良工、カルバート工、排水構造物工、舗装工などが行われる予定とお聞きしているところであります。

 去る8月7日は、新国道 上田篠ノ井間 建設促進期成同盟会として、千曲市、長野市、上田市、坂城町が合同で長野県及び長野国道事務所への要望活動を行うなど、一日も早い完成を目指し、引き続き取り組んでまいります。

 また、主要地方道坂城インター線の延伸につきましては、本年3月25日、平成27年度に事業化された国道18号からテクノさかき工業団地までの400mの区間の供用が開始されるとともに、テクノさかき工業団地から千曲川を渡り、国道18号バイパスと接続する区間につきましても、今年度早々、事業化が決定されたとお聞きしているところであります。 

 町といたしましても、国道バイパス事業とあわせ、坂城インター線延伸事業の早期開通の進捗を図るべく、引き続き国や県等への関係機関への働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 また、昭和橋修繕工事につきましては、今年度は国道側より1連目から3連目上流部の主構(アーチ部)補修工事に10月から着手する予定としております。工事期間中、長期間にわたり交通規制を実施するため、皆様にはたいへんご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

 次に、水道事業広域化の検討につきましては、本年4月8日、県企業局と長野市、上田市、千曲市、坂城町の5団体により設立いたしました「上田長野地域 水道事業広域化協議会」の第1回協議会が開催され、その後7月30日に開催されました第2回協議会では、現時点での課題 及び その課題の解消に向けた協議の方向性を共有することを目的とした「基本計画」を策定する方針を確認いたしたところであります。

 今後も引き続き、町民の皆さんへの 丁寧な説明とともに、ご意見をお聞きしながら、広域化を含めた更なる検討を行い、今後の水道事業の方向性を決定してまいりたいと考えております。

 中心市街地街並み整備事業につきましては、昨年度 実施しました 鉄の展示館北側、旧児玉邸敷地内の建物解体、竹木の伐採等に引き続き、今年度は竹木の伐根、西側ブロック塀の基礎撤去、敷地内の整地工事を行い、7月末に完了いたしました。今後の整備につきましては、地域の方や有識者の方などのご意見をお聞きする中で、利活用について検討してまいります。

 また、中心市街地コミュニティセンターにつきましても、老朽化した空調設備の更新工事を9月下旬までの予定で実施しております。工事期間中は、施設が休館となり、ご利用いただいている皆様にはご不便をおかけしておりますが、ご理解とご協力をお願いします。

 また、葛尾組合において進めております 不燃ごみ 及び 資源物の安定処理を継続していくための 製品プラスチックの収集に対応した 新たなリサイクルセンター建設事業につきましては、現在、旧焼却施設の解体に向けて 除染作業とごみピットの埋め立てを行っているところであり、今月から、煙突の解体に着手いたします。引き続き 葛尾組合 及び 千曲市 と連携を図りながら、ごみ排出量の削減や分別徹底等によるごみの減量に努めるとともに、資源循環の推進に向けて、適正なごみ処理システムやリサイクルシステムの構築を図ってまいります。

 次に、小中学校の環境整備といたしまして、町内の小中学校体育館のトイレについて、夏休み期間中に洋式化工事を実施いたしました。この工事は、すでに洋式化を行っている南条小学校を除き実施したもので、快適な学校施設の整備を図るとともに、災害時に避難所となる各小中学校の体育館が、高齢者から幼児まで 誰もが安心して快適に利用できるよう実施したものであります。

 また、各小中学校に、順次、整備を進めることとしております 災害用マンホールトイレにつきましては、今年度 設置を予定しております村上小学校について、6月末に施工業者が決定し、現在は資材の手配を行っており、10月の工事着手、来年1月の竣工に向け、準備を進めているところであります。

 さて、昨年度より進めてまいりました 町文化センターの耐震補強及び大規模改修工事が6月末に竣工し、より安全で快適にお使いいただける施設として、7月1日よりリニューアルオープンいたしました。

 7月21日には、リニューアルオープン記念イベントとして、国内有数のチェリストであります 海野幹雄さんを中心とする演奏家をお招きしての「サマー・コンサート」を開催し、ヴァイオリン・チェロ・ハープ・ピアノによる華麗なアンサンブルや、海野さんが特別にアレンジした「坂城町の歌」のアンコール演奏など、約160名の皆様に 美しい音色を堪能していただきました。

 また、森工房を主宰しております故 森仁志氏のご遺族様からご寄贈いただきました フランス北西部 ブルターニュ地方の巨石遺構、カルナック列石を描いた油彩画作品「有明の月」を 文化センター大会議室入口横に展示し、改装なった施設に彩りを添えていただきました。改めて御礼を申し上げますとともに、文化センターへお越しの皆様はじめ、多くの皆様にご覧いただきたいと考えております。

 また、文化センターにおきましては、議員各位にもご列席いただく中、8月15日に、「第69回 二十歳のつどい」が開催され、二十歳を迎えた101名の皆さんに出席いただき、二十歳を祝う式典と、記念撮影を行いました。

 今年度の「二十歳のつどい」では、リニューアルいたしました大会議室の大型スクリーンに、二十歳を迎えた皆さんの小中学校時代の写真などの映像が映し出され、懐かしさと 歳月の流れの速さに 歓声があがっていました。また、実行委員の代表からは、これまで支えてくれたご家族などへの感謝とともに、人として社会に貢献していけるよう頑張りたいなどの思いが述べられ、頼もしく思うとともに、今後それぞれの目標に向かい、大いに活躍されることを期待したいと思うところであります。

 さて、国の総合経済対策として実施しております 物価高騰の影響を受ける 低所得者世帯への支援につきましては、6月定例会で補正予算をお認めいただき事業を進めているところで、8月末時点におきまして、令和6年度に 新たに住民税均等割非課税 または 所得割非課税となる世帯への10万円給付を、213世帯に、当該世帯を対象に18歳以下の児童1人当たり5万円の加算給付を 35人分行ったところであります。給付金の申請期限は10月31日までとなっておりますので、期限内に申請いただくよう広報等で周知を図ってまいります。

 また、今年度実施しております所得税及び個人住民税所得割額の定額減税と合わせ、減税しきれないと見込まれる方への「調整給付金」の支給につきましては、先月9日に支給対象となる約2,700人の方に対し 支給の通知を送付いたしました。支給時期につきましては、確認書類等が整い次第順次支給することとしており、1回目の支給は、9月10日を予定しているところであります。調整給付金につきましても、確認書等の返送が必要な方の提出期限は10月31日までとなりますので、周知に努めてまいります。

 さて、9月16日の敬老の日を迎えるにあたり、町内で在宅の高齢者の皆様に対して、長寿のお祝いと敬老の意を表し、9月7日に敬老訪問を行う予定としております。

 今年度は、9月1日現在(8月1日時点)、88歳の米寿の方が102名、99歳の白寿の方が8名、100歳以上の方が15名で、合計125名の皆様が敬老慶祝事業の対象となり、最高齢は大正9年生まれの104歳の方であります。

 次に、医療機関の受診などの際に必要となる 保険証 につきましては、本年12月2日から、マイナンバーカードを健康保険証として利用する仕組みに移行されることに伴い、国民健康保険 及び 後期高齢者医療保険につきましても、移行への対応を図ってまいります。

 現行の保険証は、令和7年7月31日まで従来どおり使用できる経過措置が設けられておりますが、既にマイナンバーカードをお持ちの方で、保険証の利用登録がお済でない方は早めの登録をお願いいたします。登録につきましては、医療機関や一部コンビニエンスストアのATMでも申し込みが可能となっておりますが、手続きに際し、操作方法が分からないなど、お困りの場合や、不安のある方には、福祉健康課窓口においてサポートしておりますので、お気軽にご利用いただきたいと思っております。 

 続きまして、今後の事業やイベントの予定等について申し上げます。

 今週6日に、テクノさかき駅前広場を会場として、第30回「テクノさかき工業団地まつり」が開催されます。このお祭りは、工業団地内企業の従業員の皆さんの親睦などを目的に始まりましたが、今では小さなお子さんから高齢の方まで 大勢の方が楽しみにしておられ、今年も、ステージでの お笑いライブや コンサートのほか、屋台の出店、花火大会などを行いますので、多くの皆さんにお楽しみいただければと思います。

 また、今年度、創立150周年を迎える町内の3小学校では、保護者や地域の有志の皆様などで組織された記念事業実行委員会が主体となり、様々な記念事業が進められております。議員の皆様をはじめ、地域関係者の皆様をお招きして開催する記念式典は、今月19日の村上小学校を皮切りに、10月25日は南条小学校、11月22日は坂城小学校において予定されております。150周年の節目に際し、各学校を支えてくださった地域の皆様に感謝申し上げますとともに、今後も地域とともに歩む学校運営に、より一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 続きまして、9月補正予算の主な内容について申し上げます。

 歳入につきましては、普通交付税の確定に伴う地方交付税 及び 児童手当の拡充等に伴う国庫支出金などを増額する一方で、基金からの繰入金 及び 臨時財政対策債を減額いたしました。

 歳出につきましては、本年10月分の児童手当から、所得制限が撤廃され、支給対象児童を高校生年代まで延長、更には、多子加算として第3子以降支給額の増額、支給回数も年3回から6回になるなど、制度が大幅に拡充されることに伴う扶助費等の経費を増額いたしております。

 また、昨年度までは、生後6か月以上の全町民を対象に、予防接種法上の特例臨時接種として、全額国費により行ってまいりました 新型コロナウイルスのワクチン接種につきまして、今年度からは予防接種法上の「定期接種」に位置づけが変わり、65歳以上の高齢者の方と60歳から64歳までの一定の障がいを有する方を対象に、毎年度1回の接種となったことから、接種委託料等の必要経費を計上いたしました。接種につきましては、10月から来年3月まで実施医療機関において行い、自己負担額は1,800円で受けていただくことができるものであります。

 また、収量の確保が課題となっております、町の特産品「ねずみ大根」のF1種子につきましては、一般社団法人長野県原種センターなど 関係機関と対応策を検討する中、圃場への充分な散水や、土壌改良などにより改善が図られる見通しが立ったことから、町ねずみ大根振興協議会が取り組む、井戸掘削や有機肥料の施肥等の 関連費用に対する補助金を計上いたしております。これにより、F1種子の安定した確保と収量アップを支援してまいりたいと考えております。

 これらのほか、冬季の降雪に備え 町道 及び 林道の除雪経費、燃料価格高騰に伴う 町温泉施設の指定管理者への持続化負担金 及び 各公共施設の光熱水費の増額、バラ公園の施設整備に係る工事請負費などを計上するとともに、現状の職員体制に合わせた人件費の調整をいたしております。

 以上、令和5年度の決算状況 及び 令和6年度の主な事業の進捗状況 並びに 9月補正予算の主な内容について申し上げました。

 今議会に審議をお願いする案件は、人権擁護委員の推薦に係る案件が4件、専決報告が3件、人事案件が2件、広域連合規約の変更が1件、一般会計・特別会計の決算認定が5件、条例の一部改正が3件、令和6年度の補正予算が4件の 計22件でございます。

 よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申し上げまして、招集のあいさつとさせていただきます。

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坂城町長 山村ひろし

坂城町 ㈱都筑製作所様からポータブル発電機をご寄附いただきました

  昨日(8月27日)、(株)都筑製作所 栗田社長がお出でになり、同社の80周年を記念して、坂城町にポータブル発電機5台をご寄贈していただきました。

 70周年記念の際にも、ガスボンベ式の発電機をご寄贈していただきました。

 以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

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 8月27日(木)、㈱都筑製作所  栗田有樹 代表取締役社長が役場を訪れ、同社の創業80周年を記念して、町にポータブル発電機5台をご寄附くださいました。

 栗田社長は、「町が開催するイベントに活用してほしい。また、あっては困ることではあるが、災害時などにも役立ててほしい。」とご挨拶し、山村町長は「70周年記念に続き感謝している。町は、令和元年東日本台風の際の避難所停電の教訓から、中核避難所に順次太陽光発電設備を設置しているところであるが、それとは別にポータブル発電機があると機動力があり、大変ありがたい。」とお礼を述べていました。

 ㈱都筑製作所様からは、創業70周年記念の際にもポータブル発電機をご寄附いただいており、町のイベントや操法大会などの際に活用させていただいています。今回ご寄附いただいたポータブル発電機は前回いただいたものと仕様が異なるため、利用環境により使い分けができます。

 ご寄附ありがとうございました。また、創業80周年おめでとうございます。

坂城町長 山村ひろし

令和6年度 坂城町総合防災訓練を実施しました

 昨日(8月25日)、坂城町村上小学校で令和6年度坂城町総合防災訓練を実施しました。 村上地区の皆さんを中心に約200名の方にご参加いただきました。

 令和元年の19号台風の災害時には、この村上小学校に400名以上の方と避難したことを思い出します。 また、その際の教訓を得て、各中核避難所への太陽光パネルの設置、大容量蓄電池の整備、各種備蓄品配置の強化、防災行政無線やWi-Fi環境などの通信手段の強化、安心の蛇口の整備など種々の防災対策を進めてまいりました。 また、今回の訓練では、新たに、ペット同行避難訓練なども実施しました。 

 皆様お疲れさまでした。ありがとうございます。 以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

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 8月25日(日)、 村上小学校で令和6年度坂城町総合防災訓練を実施しました。東海地域を震源とする地震を想定しての訓練を、村上地区の地区役員や自主防災会の方などが参加して行いました。なお、前日の雨によるグラウンドコンディション不良のため、水防訓練と放水訓練は中止となりました。(各種訓練内容は下記のとおりです。)

  • 情報伝達訓練(同報系):町からの避難情報発信
  • 情報伝達訓練(移動系):自主防災会と災害対策本部との双方向連絡通信
  • 避難訓練:自宅もしくは公民館から中核避難所への避難
  • 避難所運営訓練:パーテーションや簡易トイレの設営や食料物資受入れなどの避難所の運営
  • 応急手当訓練:千曲坂城消防本部職員が講師となり応急手当等の講習を実施
  • 災害時公衆無線LAN開設訓練:避難所に無料Wi-Fiを開設
  • 臨時災害放送局開設訓練:UCVが臨時災害放送局を開設し災害情報等を発信
  • 給水訓練:長野県企業局 上田水道管理事務所による安心の蛇口の設営訓練
  • ペット同行避難訓練:長野県動物愛護会長野支部によるペット同行避難についての講習

 地震による災害が全国で多く発生しています。恐ろしい災害は、いつ起こるかわかりません。また台風の時期となっています。皆さんのご家庭でも、災害時の行動を相談しておく、非常時の持ち出し品を用意しておくなど、災害に備えておきましょう。

▼避難訓練 自宅もしくは公民館から村上小学校への避難

坂城町長 山村ひろし

坂城町 村田俊明様より、男谷燕斎など、貴重な屏風2点をご寄附いただきました

 村田俊明様から、六曲一双の屏風2点をご寄附いただきました。

 素晴らしいものです。 よくこのような貴重なものを200年間保存していただきました。 感謝です。

 村田俊明様から、男谷燕斎書屏風(六曲一双)と、書画押絵貼屏風(六曲一双)をご寄贈いただきました。これらの屏風は、村田家が家宝として代々伝えてこられたそうです。町に所縁のある男谷彦四郎(燕斎)が残した書を、多くの人に知ってほしいと、村田さんが町にご寄贈くださいました。

 男谷燕斎書屏風の作者である男谷彦四郎(燕斎)は、江戸時代後期の幕臣です。文化10年(1813年)に、代官として中之条陣屋に赴任しました。能書家でもあり、町にも数々の書が残されています。
 男谷燕斎書屏風は、それぞれ「田園楽」と「赤壁賦」という漢詩の一節を大書したものです。力強く、勢いのある筆に圧倒されます。男谷彦四郎(燕斎)の書は、掛け軸となっているものが多いため、屏風に仕立てられた本作はとても珍しく貴重な作品と言えます。

 書画押絵貼屏風は、日本画と和歌を交互に配置した屏風です。和歌の作者は「道庵山人正香」という人で、各所で目にした風景や心情が詠まれています。道庵山人がどのような人物かは現在不明ですが、この地の書家あるいは歌人である可能性が高いと考えられます。

 いずれも、町の歴史や文化を物語る大変貴重な作品です。ご寄贈ありがとうございます。大切に保管し、展示などに活用していきたいと考えています。

 貴重な屏風をありがとうございました。

 なお、男谷燕斎については私のブログなど検索していただければ幸いです。

https://yamamurahiroshi.sakura.ne.jp/archives/3805

▼男谷燕斎書屏風 前で(左から)臼井副町長、山村、村田さん、塚田教育長

坂城町長 山村ひろし

坂城中  昭和54年度卒業の皆様からご寄附いただきました

 坂城中学校を昭和54年度卒業した皆様から坂城中学校にご寄附いただきました。

 当時生徒会長だった笠井識敬さんが、8月22日(木)、役場に来られ、山村と塚田教育長に寄附金をお渡しいただきました。

 昭和54年度卒業生の皆さんは今年度還暦を迎えるということで、それを記念して8月11日(日)に同窓会を開催されたそうです。

 同窓会では、現在の坂城中学校の活躍ぶりなども紹介されたということで、参加された皆さんは当時を懐かしむと同時に今、頑張っている生徒の皆さんを応援したいという思いから、同窓会で集めたお金を母校に寄附してくださいました。

 ご寄附ありがとうございます。先輩方のお気持ちを大切に使わせていただきます。

▼(左から)山村、笠井さん、塚田教育長

坂城町長 山村ひろし

坂城町 北原琥汰朗さん甲子園出場!! 山﨑 優里愛さん全日本ジュニアテニス選手権出場!!

 それぞれのフィールドで活躍している北原琥汰朗さんと山﨑優里愛さんが、8月21日(水)、役場に来庁しました。

 長野日本大学高校3年 北原琥汰朗さんは8月7日から始まった「第106回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)」に出場しました。

 初戦を今大会4強となった青森県代表 青森山田高校と対戦し、結果は1-9と敗退しましたが、15年ぶりに出場し力の限りを尽くした北原さん、「甲子園に出ることが夢で頑張ってきた。高校3年の間には、自分の中で葛藤することもあったが、チームのために自分のできることは何かを考えて懸命にやってきたので、負けてしまい残念ではあるが悔いはない」とすっきりした様子でお話していました。

 坂城中学校2年  山﨑優里愛さんは、7月に開催された「2024年度 北信越ジュニアテニス選手権大会(U14・U12)兼 ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権大会 2024北信越地区予選大会」の14歳以下で3位となり、8月26日(月)から開催される「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2024」に出場します。大会では自分のペースで、楽しんでください!

坂城町長 山村ひろし

外村里紗さん ヴァイオリン・コンサート in 坂城町

 素晴らしい、至福の時間でした。

 サントミューゼ(上田地域定住自立圏連携事業)のプログラム、ワン・コインコンサートが新装なった坂城町文化センターのホールで開催されました。 

 それは素晴らしいコンサートで正に至福の時間を過ごさせていただきました。

 20歳代前半の海外で活躍されておられるこのお二人に絶大なる拍手を送ります。

 また、ヴァイオリニストの外村さんの使用されているヴァイオリンは「ヨアヒム」と名付けられているもので、かつて、ブラームスと同時代に活躍した、ヨーゼフ・ヨアヒムの所有していた楽器で1715年製のストラディヴァリウスです。素晴らしく重厚で輝かしい音色を堪能させていただきました。

 お二人の益々のご活躍をお祈りいたします。 ありがとうございました。

▼演奏終了後の記念撮影。外村里紗さん(ヴァイオリン)、吉見友貴さん(ピアノ)と。

坂城町長 山村ひろし

坂城町 DOCOMOMO Japan「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」に選定された町体育館に選定プレートが贈呈されました

 2023年度(令和5年度)に、DOCOMOMO Japanと日本建築学会により「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」の282件目として、坂城町体育館が選定されました。それを受けて、8月19日(月)、DOCOMOMO Japanの皆さんと町体育館を推薦した長野県建築士会の皆さんが、役場を訪れ、町長に、選定プレートを手渡しました。

 DOCOMOMOとは、1988年に設立された近代建築の記録と保存を目的とするオランダで設立された国際学術組織です。(International Working Party for Documentation and Conservation of biuldings, sites and neighborhoods of the Modern Movement)

 2000年には、日本に支部が設置され、毎年国内の近代建築を選定し、2023年度で累計で「290選」が選定されています。

 今回、選定された一番の理由は、「設計図面の美しさ」にあるそうです。それが、今も長きに渡り、町の皆さんに親しまれているんですね。今度、体育館にお越しの際は、外観もじっくりご覧になってみてください!

中央:選定プレートを持つ、山村とDOCOMOMO Japanの鰺坂徹代表理事

坂城町長 山村ひろし

令和6年 第69回坂城町二十歳の集い

8月15日(木)、7月にリニューアルした町文化センターで「第69回 坂城町二十歳のつどい」を開催しました。

 町内では、平成15年4月2日から平成16年4月1日生まれの125名が20歳を迎えており、そのうち101名の皆さんが式典に出席されました。

 式典が始まる前の受付では、数年ぶりの仲間との再会に嬉しさいっぱいに抱き合ったり、笑顔で近況を報告しあっていました。

 式典では、まず、戦没者の方々への追悼と世界の平和を祈るため黙祷が行われ、その後、二十歳のつどい実行委員会代表の榊原陽太さんがあいさつしたほか、中学校時代の担任の先生からお祝いの言葉や歌が20歳を迎えた皆さんに贈られていました。

 また、今年は、各小学校や中学校時代の写真や動画を集めた「二十歳のつどい記念動画」が作られ、動画が流れると、嬉しさや恥ずかしさ、懐かしさなどの「きゃあ~!!」という歓声が会場中から起きていました。

 20歳!おめでとうございます!

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以下は、山村からのメッセージ。

「令和6年。諸君はこの時代にどう生きるか。」

  二十歳の集いにご参加された皆さん、本日は誠におめでとうございます。元気いっぱいの皆さんに今日、お会いできることを何よりうれしく思います。また、今日まで暖かい愛情を持ってお子さんを立派に育て上げられたご家族、保護者の皆様に心より、お祝いとお喜びを申し上げます。  かさねて、本日、ご多用のところ本式典においで頂いた、滝沢議会議長殿をはじめ多くのご来賓の皆様に御礼申し上げます。さて、坂城町ではかねてより、成人式を毎年、終戦記念日に開催しています。また、以前は1月の成人の日に開催していたこともありますが、冬、雪の中での開催が難しい場合がありました。一方、8月の開催ですと、お盆の時期で皆さんが帰省しやすい時期であることと、8月15日の終戦の日にあたり、あらためて命の大切さ、平和の大切さ、国のあり方などを考える良い機会になることで、二十歳の集いとしても本日の開催としています。

さて、今年度の対象者数は125人で、そのうち80%にあたる、101名の方にご参加いただきました。

皆さんは今日の二十歳の集いを迎えてどのような心境でしょうか。 皆様の中では、すでに社会に出て働かれておられる方、学生の方、働きながら勉強をされておられる方がおられます。

 また、坂城の中で家業を継がれておられる方、遠く坂城を出て活躍されておられる方々などいろいろな立場で本日おいでになっておられると思います。久々に懐かしい方々との旧交を温められ、心躍る感傷に浸っておられる方々も多いかと思いますが、折角の節目でありますので、皆さんが成長されたこの20年間を、お世話になった方々への感謝の念をも抱きながら種々思いをはせていただきたいと思います。

 今年は坂城町で開催される、第69回目の式となります。また、本年は戦後79年目の年となりました。本日は、二十歳の集いを迎えられたこの機会に、今、この時代にどう生きるかについて考えていただきたいと思います。

 皆さんとともに過ごしている、この時代は、まさに、近世の「大転換期の時代」と言われています。近世の大転換期と言えば、今まで、2つありました。まず、何といっても明治維新です。それに続くのは、第二次世界大戦での敗戦です。

 まず、1868年の明治維新からは今年で、約160年になりますが、明治維新から昭和22年、1945年の敗戦までが約80年、敗戦から今年までも約80年となります。

 明治維新から欧米に追い付け追い越せで結果的に太平洋戦争に突入し、敗戦をし、戦後の復興をし、現在に至るまでに見事に左右対称になったわけであります。

 そして、また、今、我々の暮らしているこの時代は、今までの価値観が一掃される大転換期と言わざるを得ません。

 ロシアがウクライナに対して侵略を始めて、早や、2年半、その間には、イスラエルとパレスティナの紛争など、かつての安定的な世界平和の維持が難しい状況となっています。

 このような混沌とした時代こそ、これからの皆さんの活躍が期待される時代となってきました。 この大転換期のなか、皆さまの大活躍を期待せざるをえません。

 さて、今年は令和6年です。

一般的に公表はされておりませんが、この「令和」の命名者とも言われている、中西進さんによれば、この「令和」の和は単なる平和ではなく、大和の和だとおっしゃっています。 従って、令和の意味は厳かな平和と言うことだけでなく、「厳かな、立派な日本」と言う意味になります。この意味を皆さんともう一度、深く考えたいと思います。

 さて、私の大切にしている言葉に「意味のある偶然」という言葉があります。

 これは私が使い始めて、いろいろな機会にお話しています。

 人は毎日、毎日いろいろな人と「偶然的出会い」を続けています。

皆さんの多くは、この坂城町で生まれ、育ちました。

 そして、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、あるいはいろいろな職場で毎日、いろいろな人と「偶然的な出会い」を続けています。

 しかしながら、この「偶然」を単なる「偶然」として送りすごすか、自発的な能動的なアクションをとることにより「意味のある偶然」にするかどうかはその人の人生にとって大きく意味合いが違ってきます。

 毎日毎日、刻一刻と「偶然的な出会い」が皆さんの前に訪れます。

これからの人生にとって、この「偶然的な出会い」を「意味のある出会い」にするよう心がけていただければと思います。 いくつか関連したお話をします。

 まず、皆さんよくご存知の、日野原重明さんが、一昨年105歳でお亡くなりになりました。日野原先生は100歳を越えても現役の医者として活躍し、たくさんの本をお書きになったり、ミュージカルの脚本をお書きになったりしていました。

 日野原さんは生前「命」について、いろいろな講演会、著書で述べられていました。

 それは、「命」とは何かです。 

 日野原先生は常に、「皆さん、皆さんの命は見えますか。」という問いかけをされます。

 命は見えません。「命」とは皆さんの持っている「時間」のことだというのですね。死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまうわけです。

 したがって、一度しかない自分の時間、命をどのように使うかしっかり考えながら生きていってほしい。 

 さらに言えば、その命を今度は自分以外の何かのために使うことを学んでほしい。ということです。 

 さきほど、私が申し上げた「意味のある偶然」も含めて、それを意味のある「時間」として使っていただければということですね。

 また、私は、毎年、成人式に際して、「命」の大切さについてお話をしています。これは毎年同じ話をしています。

 皆様方は、ご両親から頂いた「命」の大切さについてどう考えておられるでしょか。

 昨今、毎日のように悲惨なニュース、それも今までは考えられなかったような事件が発生しています。

 皆さん、私は「命」は大自然からお借りした大切な「宝物」だと思っています。

 皆さんの命は皆さんのご両親が突然作り出したものではありません。皆さんのご両親、ご両親のご両親、どんどん遡れば地球誕生から約46億年、太陽系の起源から考えれば約130億年前から営々と皆様のDNAが脈々と続いてきているわけであります。

 大自然からお借りした「命」を立派に、立派に磨き上げ再び大自然にお返ししなくてはならないのです。

 仮に、皆さんが友人からゲーム機を借りたとします、これを傷つけたり、ベタベタに汚して返したら皆さんの友人は何と思うでしょう。

 借りた時以上に見事に磨き上げピカピカにして返したら皆さんの友人は何と喜ぶことでしょう。皆さんの「命」もこのようにピカピカにして命を全うし、大自然にお返ししなくてはならないのです。

 今から80年前、戦時中では成人するということは即、戦場に行くということでありました。敵と戦うということでありました。見も知らぬ人間の命を奪う戦いをせざるを得ないということでもありました。今日、この際にもう一度皆様方各々で皆さんの「命」の大切さについて考えていただきたいと思います。

 最後に、大人が子どもの命を救ったという話です。 また、ポーランドと日本に関わる話です。

ことし、10月に坂城町とポーランドのツェレスティヌフ郡と友好協定を締結する予定になっており、ポーランドへお邪魔する予定になっている関係もありますので、以下お聞きください。

 新型コロナの流行する前でしたが、ポーランドのワルシャワで日本語学校を経営されておられる、坂本龍太郎さん経由で、ツェレスティヌフという郡のウィトルド・クウィトフスキーさんという郡長さんから、坂城町との間で「パートナーシップ協定」を結びませんかと言う申し入れをいただきました。 

 坂城町では10数年前から、ワルシャワ日本語学校の生徒さんのサマープログラムとして、ホームステイの皆さんを受け入れていました。 

 この学生さんたちはわずか2~3年日本語を勉強しただけなのですが、皆さん素晴らしい日本語を話しますし日本の文化、歴史など大変詳しい方々で、大の親日家です。

 これからお話しするのは、日本ではほとんど知られていない近現代史の秘話、「シベリアにいたポーランド孤児を日本が救った。」と言う物語です。

 これは、約100年前の1918年(大正7)から始まった当時の日本陸軍による「シベリア出兵」最中の出来事です。

 まず、なぜシベリアにポーランド人がいたのだろうかということですが、ポーランドは、ロシア・ドイツ・オーストリアという強大な隣国に分割され続け、ナポレオン戦争後のウィーン会議(1814~15年)で形式上独立するも、ロシア皇帝が君臨するという実質上のロシア領であり続けたわけですが、ポーランド人は決して屈することはありませんでした。

 19世紀、ポーランド人は真の独立を勝ち取るべく二度にわたって帝政ロシアに対して独立戦争を挑みました。しかし、蜂起は鎮圧され、さらに蜂起に立ち上がった多くのポーランド人は政治犯としてシベリアに強制的に送られました。

 その後、第一次世界大戦で戦場となったポーランドの人々がシベリアに逃れ、シベリアのポーランド人は15万人から20万人に膨れ上がりました。そんな最中の1917年にロシア革命が起き、翌年1918年に第一次世界大戦が終結してようやくポーランドは独立を回復します。

 しかしながら、シベリアのポーランド人は、ロシアの内戦で祖国への帰還が困難となり、それどころか生活は困窮を極め、餓死者などが続出したのだった。

 そんな同胞の惨状を知ったウラジオストク在住のポーランド人が彼らを救済するため「ポーランド救済委員会」を立ち上げた。そして彼らは、せめて子供達だけでも救って祖国へ帰してやりたいと欧米各国と折衝をしましたがことごとく断られてしまいました。

 もはや万策尽きたなかで、ポーランド救済委員会はシベリアにいた日本軍ならびに日本政府に救援のお願いをしました。

 その申し入れを受けて、当時の外務省は、日本赤十字社に救済事業を要請し、7月5日に子供らの救護活動に入ることを決定します。

 ただちに日本陸軍が救援活動に動き出し、救援決定からわずか二週間後の7月20日に56名の児童とポーランド人の付き添い5名を乗せた日本陸軍の輸送船「筑前丸」が第一陣としてウラジオストクの港を出港した。

 3日後の7月23日、筑前丸が福井の敦賀港に入港し子供達が上陸するや、日本赤十字をはじめ軍や警察、役場、さらに一般の敦賀の市民までもが孤児たちを温かく迎え入れた。

 病気に罹っている子供を治療し、お腹を空かしている孤児らに食事や菓子を与え、そして入浴させて新しい衣服に着替えさせてやるなど、皆が孤児らを慈愛の心で包み込んだのです。

 そして手厚く看護されて元気を取り戻した子供達が横浜港から船でアメリカに向かうことになった。ところがそのとき、ちょっとしたハプニングがおきました。ポーランド孤児達が、泣きながら日本を離れたくないと言い出しましたのです。

 極寒のシベリアで極貧の生活を強いられ、親を亡くして人の愛情に触れることのなかった孤児達にとって、誰もが親切な日本はまさに天国でした。彼らにとって日本はもう“祖国”になっていたのです。

 横浜港から出発する際、幼い孤児たちは、親身になって世話をした日本人の保母さんとの別れを悲しみ、ポーランドの付添人に抱かれて乗船することを泣いて嫌がりました。

 埠頭の孤児たちは「アリガトウ」を連発し、『君が代』の斉唱をして幼い感謝の気持ちを表して別れを惜しみました。

 だがそれでもまだシベリアにはおよそ2000名の孤児が救援を待っていた。

 再び日本に対し救援を求め、日本赤十字も最終的に急を要する孤児約400名を受け入れることを決定、再び陸軍が支援に乗り出しました。

 1922年8月、輸送船「明石丸」と「臺北丸」が3回にわけて孤児390名をウラジオストクから敦賀に運びました。もちろんこの第二陣の児童らも前年同様に敦賀の人々に温かく迎えられ、大阪の天王寺に建てられた大阪市立公民病院宿舎に収容されました。

 大阪での歓迎ぶりもまた、東京でのそれに勝るとも劣らぬものがありました。

神戸港からの離別風景も同じで、帰国児童一人一人にバナナと記念の菓子が配られ、大勢の見送りの人たちも、涙でこの子たちの幸せを祈りながら船が見えなくなるまで手を振って別れを惜しみました。

 この8回にわたる救済活動で、合計765名の子どもたちが救われました。

 しかし、この物語はこれで終わりではありませんでした。

 平成7年(1995年)、阪神淡路大震災が起きました。この際に、ポーランドの人々は、この震災で孤児になった人々の救援に立ち上がります。

 平成7年と8年、ポーランド政府が阪神淡路大震災の被災児童らをポーランドに招待し、ワルシャワで4名のかつてのポーランドのシベリア孤児との対面などを通じて子供達らを温かく励ましました。

 その後も、ポーランド政府は、平成23年に発生した東日本大震災で被災した岩手県と宮城県の子供達を2週間もポーランドに招いてくれました。

知られざる日本とポーランドの交流秘話~両国の絆は日露戦争にさかのぼり、その後のシベリア出兵で結果として、765名のポーランド孤児を救援することができた、両国の感謝の応酬は今も続いているのです。

 また、2018年11月20日には、このセレスティナウ町に近い、スタラ・ヴェシに「ポーランド・シベリア孤児記念小学校」も設立されました。

2019年には、日本とヨーロッパ一の親日国家ポーランドとの国交樹立100年を迎えました。 そして、数年前には、シベリア孤児来日100周年を経過しました。

 さあ、本日は、皆様で二十歳の集いをお祝いをするとともに、先ほどお話した内容なども含めて、世界の平和、命の大切さなどについて、皆様でディスカッションをしていただければと思います。    

 令和6年8月15日  坂城町長 山村弘

(参考:「日本ポーランド国交樹立100周年記念誌」、「親日を巡る旅」(井上和彦著)他、多数の資料から引用させていただきました。)

坂城町長 山村ひろし

第47回町民まつり 坂城どんどん 盛大に開催!

 8月3日(土)、坂城駅前・横町・立町通りで、第47回町民まつり 坂城どんどんが開催されました。

 昨年は残念ながら、おどり流しは雨のため中止となってしまいましたが、今年は5年ぶりにおどり流しまで行われ、息の合った正調おどりや工夫の凝らされたパフォーマンスおどりなどで横町・立町通りが大いに盛り上がっていました。

 日中のステージ発表では、体温を超えるような暑い中でしたが、各ステージとも素晴らしいパフォーマンスでお客さんから大きな拍手や声援が送られていました。そして、音楽芸人こまつライブでは、キーボードとトランペットの一人二役での演奏が披露されると、観客の皆さんは音楽に合わせて楽しそうに手拍子をとったり、ジャンプしたりしていました。

 また、坂城町が誇る武将、村上義清の没後450年を迎えたことから、「村上義清ダンボール甲冑行列」も行われ、田町から横町通りをダンボールの甲冑をつけた子どもたちが練り歩きました。

 暑い中、多くの皆さんのご協力と遊びに来てくれた皆さんに感謝します。ありがとうございました!!

 踊り流しの部 優勝者は、正調の部:「北国街道~道中連」、パフォーマンスの部:「坂城中学校3学年」でした。 おめでとうございます。

坂城町長 山村ひろし