坂城町 笑顔と拍手に包まれた「第24回センター祭」

 昨日(9月7日)、坂城勤労者総合福祉センターにおいて「第24回センター祭」が開催されました。
 センター祭は、日頃から学習や活動に励む講座受講生の皆さんが、学びの成果を披露する場として毎年行われているものです。
 ステージ発表では、オカリナ、社交ダンス、ハーモニカ、キッズダンス、歌謡、バレエ、太極拳・太極剣、ハワイアンフラが披露され、来場者からは大きな拍手が送られました。
 展示会場では、布あそび、ソープカービング、ポーセラーツ、絵手紙、ビーズステッチ&ビーズクロッシェ、水彩画、陶芸など、多彩な作品が並び、訪れた方々は熱心に鑑賞していました。
 また、屋外では「おいしい広場」と題し、そばやおやき、菓子、ジャム、だんご、大福、クレープ、サンドイッチの販売やハンドマッサージ体験が行われ、食や交流を楽しむ姿が見られました。
 多彩な発表と展示を通して、受講生の皆さんの日頃の成果を感じられる一日となりました。

坂城町長 山村ひろし

坂城町 「第十八回 お守り刀展覧会」授賞式が開催されました

 先日(9月6日)、鉄の展示館ホール(中心市街地コミュニティセンター)にて、お守り刀展覧会実行委員会、全日本刀匠会、町、鉄の展示館、(一社)林原美術館が主催する「第十八回 お守り刀展覧会」授賞式が行われました。
 授賞式では、刀身・外装・研磨の各部門の受賞者が表彰されました。
 その中で、坂城町在住の 河内一平さん が刀身の部で「長野県教育委員会賞」を、同じく町在住の 宮入陽さん が外装の部で「全日本刀匠会会長賞」を受賞されました。
 本展覧会は、11月16日(日)まで鉄の展示館で開催されています。期間中は、刀剣に関する多彩な関連イベントも予定されています。この機会にぜひご来場いただき、刀の奥深い魅力をご体感ください。

 詳しくは、鉄の展示館ホームページをご覧ください。

坂城町長 山村ひろし

坂城町 笑顔と花火があふれる!第31回団地まつり

 先日(9月5日)、テクノさかき駅前広場で、テクノさかき工業団地組合主催による「第31回団地まつり」が開催されました。このお祭りは、当初、同工業団地組合が会員企業の福利厚生の一環として始められたものですが、回を重ねるごとに地域に浸透し、今では地域の皆さんも楽しみにしている恒例のイベントとなりました。
 当日は、会員企業の社員や地域の皆さんで会場は大にぎわいでした。第1ステージでは「鬼越トマホーク」「オーバー・ヘット・ヘットン」のお笑いライブで笑いが絶えず、お楽しみ抽選会でワクワクも味わいました。続く第2ステージでは「エドアルド ミニコンサート」が披露され、会場は音楽と笑顔に包まれました。
 最後は夜空を彩る花火が打ち上げられ、歓声と拍手が広場いっぱいに響き渡る、まさに笑顔あふれる一日となりました。

坂城町長 山村ひろし

坂城町 「ONSEN・ガストロノミー・ウオーキング」

 10月18日(土)、坂城町で「ONSEN・ガストロノミー・ウオーキング」が開催されます。

 午前9時に坂城駅前を出発し、ワイナリーや地場産直売所、ばら公園、びんぐし公園などをめぐり、各ポイント(GP)でワインやガストロノミー(美食)を堪能していただき、最後はびんぐし湯さん館(温泉)で疲れをほぐしていただきます。

 全行程、約9.1キロのコースです。 詳細は以下をご覧いただき、下記サイトからお申し込みください。

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01b13qy846k41.html

坂城町長 山村ひろし

令和7年度 坂城町総合防災訓練を実施しました

 昨日(8月31日)、令和7年度坂城町総合防災訓練を実施しました。坂城町では、「坂城地区」、「中之条地区」、「南条地区」、「村上地区」の4地区に分け、毎年、総合防災訓練を実施しています。 今年は、「坂城地区」での実施です。

 坂城町では、防災行政無線の個別端末を無償で全家庭に配布しています。 今回のような防災訓練でもこの防災行政無線を駆使してしっかりとコミュニケーションをとりながら実施しています。 以下、坂城町ニュースより、その様子をご覧ください。

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 8月31日(日)、坂城小学校を会場に「令和7年度 坂城町総合防災訓練」を行いました。
 今回は、東海地域を震源とする大規模地震の発生を想定し、坂城地区の地区役員や自主防災会の皆さんをはじめ、多くの方々にご参加いただきました。
 訓練では、災害発生時に必要となるさまざまな対応について実践的に取り組みました。また、全国では地震をはじめとする自然災害が頻発しており、私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。(訓練内容は以下をご確認ください。)
 町では、今後も防災体制の充実に努め、安心・安全なまちづくりを進めてまいります。各ご家庭でもいざというときに慌てないために、備えをお願いします。

各訓練内容
  • 情報伝達訓練(同報系):町からの避難情報発信
  • 情報伝達訓練(移動系):自主防災会と災害対策本部との双方向連絡通信
  • 避難訓練:自宅もしくは公民館から中核避難所への避難
  • 避難所設営訓練:パーテーションや簡易トイレの設営や食料物資受入れなどの避難所の運営
  • 応急手当訓練:千曲坂城消防本部職員が講師となり応急手当等の講習を実施
  • 災害時公衆無線LAN開設訓練:避難所に無料Wi-Fiを開設
  • 臨時災害放送局開設訓練:UCVが臨時災害放送局を開設し災害情報等を発信
  • 給水訓練:長野県企業局 上田水道管理事務所による安心の蛇口の設営訓練
  • ペット同行避難訓練:長野県動物愛護会長野支部によるペット同行避難についての講習
  • 建物等がれき撤去訓練:地震により発生したがれきからの人命救助を想定した訓練
  • 水防訓練:地震による水位の上昇を想定した、土のうづくりや水防工法の訓練
  • 情報収集訓練:消防団の町内警戒により確認した被害状況について、長野県防災情報システムを使用し、災害対策現地本部にて共有する訓練
  • 火災想定訓練:地震による火災を想定した、坂城小学校プールを水利とした放水訓練

坂城町長 山村ひろし

令和7年 第3回 坂城町議会定例会 招集あいさつ

 本日(9月1日)、令和7年第3回坂城町議会定例会が招集されました。以下、招集のあいさつを掲載させていただきます。

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 本日ここに、令和7年 第3回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から感謝申し上げます。

 さて、今年も日本列島は猛暑に見舞われました。7月の平均気温は平年より2.89度高く、明治の統計開始以来、最も高温となっております。先月5日には群馬県伊勢崎市で41.8度を観測し、国内の歴代最高気温を更新しました。また、この夏は大気の不安定な状態が続き、全国各地で、激しい雷雨や活発な前線の活動に伴う大雨などで、河川の氾濫や土砂災害が頻発し、建物の浸水や損壊、道路の冠水など、自然の驚異が日本列島に大きな被害をもたらしております。
 このような中、町では、7月1日に全区長さんにお集まりいただき、台風シーズンが本格化する夏から秋にかけ、大雨への備えが益々重要になることを踏まえ、ハザードマップや避難情報のポイント、避難行動フローなどについて説明をさせていただく「防災説明会」を開催し、日頃からの備えと災害時の行動などの再確認をお願いしたところであります。
 また、鹿児島県 トカラ列島近海では、6月21日から活発な地震活動が続いており、7月20日までの1か月間に、震度1以上の揺れを観測した地震が2,196回にのぼり、特に6月30日から7月7日までの約1週間においては、震度6弱が1回、震度5強が3回、震度5弱が4回観測されました。国内には、わかっているだけでも約2,000もの活断層があり、近い将来に、大きな地震を起こす可能性が高い活断層も複数指摘されており、いつ大きな地震が起きてもおかしくない状況と言われております。
 このような状況下におきまして、昨日31日には、坂城地区を対象として、坂城小学校を会場に 町総合防災訓練を実施いたしました。昨年に引き続き、大型の地震を想定した情報伝達訓練と避難所設営訓練を中心に、坂城地区の自主防災会や民生児童委員、婦人消防隊、町消防団など、大勢の皆様に参加をいただきました。
 災害の未然防止、被害の軽減を図るためには、住民の皆さんの日頃からの災害に対する備えが重要であります。今後も家庭や地域、関係機関と連携を図りながら、防災・減災対策に努めるとともに、命を守る行動の周知徹底を図り、「安全で住み良い、災害に強いまちづくり」を進めてまいりたいと考えております。
 さて、世界の経済情勢でありますが、第2次トランプ政権が打ち出した関税措置は、日本を含め多くの国に衝撃を与えております。アメリカによる関税措置の発表後、米中両国間で報復関税が発動されるなど事態が複雑化しており、今後、日本の中小企業についても輸出の鈍化、設備投資や個人消費の低迷などの影響があると予測されております。
 日本総研などによりますと、アメリカでは、4~6月期の実質GDP成長率は 前期比 年率プラス3.0%と、輸入の急減を受けてプラス成長に転化したものの、関税コストの販売価格への転嫁や低所得層の支出抑制により、先行きの個人消費は減少に転じる見通しとされております。
 また、ヨーロッパにおきましては、4~6月期の実質GDP成長率は 前期比 年率プラス0.50%と、プラス成長は維持しているものの、前期から大幅に減速しており、その背景はアメリカによる関税賦課前の駆け込み輸出の反動によるものとしております。
 一方、中国においても、4~6月期の実質GDP成長率は、前期比年率プラス5.2%で、政府目標プラス5.0%を上回る伸びで推移しておりますが、アメリカの関税政策を巡る不確実性の高まりや、ASEANなどへの駆け込み輸出の反動などにより景気は減速する見通しとなっております。
 次に、国内の状況でありますが、内閣府による7月の「月例経済 報告」では、「景気は、アメリカの通商政策等による影響が一部にみられるものの、緩やかに回復している」としており、先行きについては、「雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、アメリカの通商政策の影響による景気の下振れリスクには留意が必要であり、加えて、物価上昇の継続が 消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響なども、景気を下押しするリスクとなっており、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要がある」としております。
 また、長野県内の状況につきましては、日銀松本支店が7月に発表した「長野県の金融経済動向」によりますと、個人消費は緩やかに増加しており、設備投資も一部に弱めの動きがみられるものの、堅調に推移しているとされております。また、公共投資は振れを伴いつつも横ばい圏内、生産についても横ばい圏内で、雇用・所得は緩やかに改善しているとの観測から、総論として「長野県経済は、持ち直している」としております。
 また、長野財務事務所における「県内経済情勢」におきましても、個人消費は緩やかに回復しつつあり、生産活動は持ち直しつつあるとの観測で、総括判断として「県内経済は、持ち直している」としているところであります。
 当町におきましては、7月に実施いたしました町内の主な製造業20社の4~6月期 経営状況調査の結果では、生産量は、3ヶ月前の比較でプラスとした企業は前回調査時と同じ8社でありましたが、マイナスとした企業は3社から9社に増えております。一方、売上げについては、プラスとした企業は8社から9社に、マイナスとした企業は6社から7社となり、ほぼ横ばいで推移しておりますが、アメリカの関税措置による景気への影響など不透明な状況であり、今後の動きを注視していく必要があるものと考えております。
 また、雇用につきましては、4~6月の実績が総計でプラス54人と、3か月前のマイナス48人から大幅に増加しております。来春(令和8年4月)の雇用につきましても、11社が増員予定で、8社が減員分の補充を予定するなど、全体では152人の増員予定となっており、町内企業の活発な採用姿勢が伺える状況となっております。
アメリカの関税措置や原材料費の高騰など 不安定な状況ではありますが、国内外の経済動向を注視しつつ、今後の町内企業の発展に期待するところであります。
 続きまして、令和6年度の決算状況について申し上げます。
 まず、歳入につきまして、町税のうち 町民税の個人分が、令和5年度と比較いたしますと、プラス17.4%、約1億32,000千円の増、法人分につきましても、プラス76.4%、約3億11,000千円の増と、それぞれ増収となった一方、固定資産税につきましては、マイナス1.5%、約19,000千円の減で、「町税全体」では、前年度対比プラス15.8%、約4億21,000千円の増収となりました。
 また、地方特例交付金につきましては、国の定額減税による個人町民税の減収分が国から補填されたことなどにより、前年度対比 プラス184.6%、約59,000千円の増額となっております。
 地方交付税につきましては、普通交付税の算定基礎となる基準財政収入額の算定費目の町民税が増額算定となったことから交付額は減額となり、地方交付税全体では、前年度対比マイナス2.7%、約41,000千円の減額となっております。
 また、普通交付税の算定基礎となる基準財政収入額と基準財政需要額を用いて算出される「財政力指数」につきましては、3か年の平均値が前年度の0.621から0.629となり、0.008ポイントの増となっておりますが、県内における順位については昨年同様、77市町村中6番目、町村の中では軽井沢町に次ぐ第2位となっております。
次に、国庫支出金につきましては、定額減税や物価高騰対策に係る地方創生臨時交付金、自治体システムの標準化に伴う補助金等が交付された一方で、橋梁修繕事業等に係る社会資本整備総合交付金の減額等により、前年度と比較し、約54,000千円の減額となっております。
 続いて、県支出金につきましては、令和4年度から実施しておりました JAながの ちくま果実流通センターの施設等改修に係る産地生産基盤パワーアップ事業交付金の減などにより、前年度対比 マイナス9.5%、約46,000千円の減額となっております。
 また、町債につきましては、文化センター、びんぐし湯さん館への太陽光発電設備整備事業に係る緊急防災・減災事業債及び脱炭素化推進事業債の増額等により、プラス3.5%、6,000千円の増額となっております。
以上、歳入全体の決算額は、前年度対比 プラス6.9%となる 82億20,218千円であります。
 一方、歳出につきましては、継続して実施している町道A01号線道路改良事業や橋梁修繕事業に加え、繰越事業の文化センター耐震補強及び大規模改修事業の増額などにより、普通建設事業費では、前年度対比 プラス99.6%、約5億43,000千円増額となる 約10億88,000千円となりました。
 次に、義務的経費のうち 扶助費につきましては、児童手当制度の拡充に伴う増により前年度対比 プラス9.1%、人件費につきましては プラス1.9%、公債費につきましては プラス1.1%で、義務的経費全体では、プラス3.5%、約88,000千円の増額であります。
また、その他の経費につきましては、定額減税調整給付金や物価高騰対応重点支援給付金事業などにより、補助費等が前年度対比 プラス7.1%、基金積立金などの積立金につきましては プラス119.9%で、その他の経費全体では、プラス9.0%、約3億69,000千円の増額であります。
 以上、歳出全体の決算額は、前年度対比 プラス14.0%となる 81億54,661千円となっております。
 なお、令和6年度決算を受けての財政健全化法による財政指標であります、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「将来負担比率」につきましては、昨年度と同じくいずれもマイナス、起債発行時の制限の基準となります「実質公債費比率」につきましては3か年平均で、前年度からプラス0.5ポイントの8.4%となっております。
 いずれの指標につきましても、早期健全化基準及び財政再生基準に比べ健全な状況で推移をしており、引き続き、将来にわたる負担の軽減、健全な財政運営に努めてまいります。
 続きまして、6月定例会以降の主な事業の進捗状況について申し上げます。
 町の最上位計画である「坂城町第6次長期総合計画」の後期基本計画及び「第3期坂城町まち・ひと・しごと創生総合戦略」につきましては、一体的に計画を策定することとし、現在、計画の検証や課題の洗い出しなどの作業を進めております。
 先月27日には町総合計画審議会において、後期基本計画 及び 総合戦略について諮問させていただきましたが、今後、計画の内容などについて、審議会委員の皆様にご審議をいただき、来年3月の策定、公表に向け、作業を進めてまいります。
 次に、新複合施設につきましては、今年度は、各分野の職員とのヒアリングや利用団体との協議を踏まえ、詳細な実施設計に向け事業を進めております。
7月14日に開催した 第1回新複合施設建設委員会では、委員の皆さまに対する説明と意見交換を行い、設計内容や進捗状況、今後のスケジュールなどについて情報共有を図りました。委員会終了後には、当日欠席された委員も含め、追加で意見をお聴きするなど、より使いやすい施設づくりに向けて、具体的な設計作業を進めているところであります。
 また、先月28日には施設建設予定地周辺の関係者を対象に説明会を開催し、認定道路の付け替えや 工事に伴う交通規制等のスケジュールについて説明させていただき、工事期間中の安全対策等について、直接ご意見をお伺いする機会を設けたところであります。
 なお、建設予定地内におきましては、先月末から埋蔵文化財の発掘調査に着手し、年内を目途に調査を行う予定となっております。引き続き、令和8年度からの施設建設に向け、着実に事業を進めてまいりたいと考えております。
次に、町のDX推進につきましては、国の「新しい地域経済・生活環境創生交付金」を活用した今年度の取組みといたしまして、町が提供する各種サービスやアプリを集約した「自治体統合アプリ」の構築を進めるとともに、公共施設利用者の利便性の向上及び利用率向上を目的とした「スマートロックシステム」の導入を予定しているところであります。
 「自治体統合アプリ」につきましては、7月にプロポーザルによる審査会を開催し、構築事業者を決定いたしました。
 また、「スマートロックシステム」につきましても、入札により決定した事業者と契約を締結し、対象施設への導入に向けた現地調査を実施しているところであります。今後、ドアの劣化箇所など必要な修繕を行い、来年1月の運用開始を目指してまいります。
 なお、運用に向けた準備が整い次第、利用方法等につきまして、広報や町ホームページ等を通じて、町民の皆さんに順次お知らせしてまいりたいと考えております。
次に、びんぐし湯さん館の入館料につきましては、坂城町温泉施設条例の改正後、町温泉施設の指定管理者である㈱坂城町振興公社において検討が行われ、10月1日からの改定料金が決定されました。
 利用される皆様の負担を考慮して、条例で定める上限額までの引き上げは行わず、1回券の入館料を650円とし、子ども料金については、改正前と同じ料金でご利用いただけることとなりました。
 今後も、㈱坂城町振興公社とともに地域の皆様、施設を利用される皆様に愛される温泉としてサービスの向上に努め、より一層ご満足いただける施設を目指し、連携してまいります。
 次に、子育て世帯の支援策として実施しております 子どもの福祉医療費につきましては、これまで医療機関や薬局の窓口においてご負担いただいていた受給者負担金500円について、8月1日以降の診療分より無料といたしました。
 対象は出生時から18歳到達後の3月31日までの子どもで、約1,700名に対して新しい受給者証を交付したところであります。次代を担う子どもたちが健やかに成長できるよう、引き続き安心して子育てができる環境整備に努めてまいります。
 さて、今年で48回目を迎えた夏の風物詩、町民まつり「坂城どんどん」が 8月2日に横町・立町通りを会場に開催されました。昼の部ではステージ発表や特別ゲストの日用品演奏ユニット「kajii(カジー)」さん によるライブなど様々な催しが行われ、子ども広場や ビアガーデンなども大勢の方でにぎわいました。また、坂城小学校6年生や千曲川坂城陣太鼓による太鼓演奏、坂城神輿会による神輿の練り歩きが行われたほか、夜の部では、踊り流しが行われ、各連が息の合った踊りや威勢の良いパフォーマンスを披露し、会場が熱気に包まれました。猛暑の中ではありましたが、ご参加いただいた町民の皆様や、開催にあたりご協力いただきました関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
 続いて、先月15日には文化センターを会場として、議員各位にもご列席をいただく中、「第70回 坂城町 二十歳のつどい」が開催され、二十歳を迎えた107名の皆さんが出席され、二十歳を祝う式典と記念撮影が行われました。

 式典では、会場の大型スクリーンに当時の小中学校卒業式の様子が映し出され、懐かしさと 歳月の流れの速さに歓声があがっていました。また、実行委員の代表からは、これまで支えてくれた ご家族などへの感謝とともに、人として社会に貢献していけるよう頑張りたいなどの思いが述べられ、頼もしく思うとともに、今後それぞれの目標に向かい、大いに活躍されることを期待するところであります。
 また、23日には、文化センター体育館におきまして、「坂城・千曲 薪能」が開催されました。
 3年ぶりの開催となる今回は、坂城町と千曲市の能楽愛好団体が協力した広域連携による共同開催方式となりました。
 当日は、宮入小左衛門行平刀匠による奉納鍛錬や、野村裕基さんによる狂言「茶壷」、松木千俊さんによる能「船弁慶」が上演され、大勢の皆さんが一夜の幽玄な舞台を堪能しました。
 さて、今年は太平洋戦争終結から80年の節目の年にあたり、平和に関する様々な事業を展開いたしました。
 まず、7月24日には、さかきふれあい大学「大人と子供の社会見学会」を開催し、阿智村の「満蒙開拓平和記念館」に赴き、太平洋戦争時に日本から中国東北部の満州に渡った大勢の農業移民「満蒙開拓団」の展示見学や、語り部による概要説明、学習講和を通して平和な社会とは何かを一緒に考える講座を実施したところであります。
 また、坂木宿ふるさと歴史館では、7月26日から昨日まで、企画展「戦争とさかき」を開催いたしました。戦時中の地域社会に焦点を当て、役場から届いた通知、記念の盃、出征兵士の手紙など、明治時代から昭和時代までの戦争に関わる様々な史料を展示し、大勢の皆様にお越しいただきました。
 さらに、8月6日には、長野大学坂城町講座での平和について考える特別授業を開催し、小学生が長野大学の皆さんと一緒に上田市内に残る太平洋戦争での戦争遺跡をバスで巡り、当時の社会情勢や思想を学びながら、平和について考える講座を開催いたしました。
 戦争に係る史料や遺品、遺跡などを通して、戦争の悲惨さや平和の尊さを感じていただく貴重な機会となったものと思っております。
 続いて、町内インフラ関係の動向について申し上げます。
 町道A01号線の舗装修繕事業につきましては、坂城高校南側のコンビニエンスストア付近の舗装修繕 及び 道路拡幅工事に 今月から着手する予定であり、交通量に配慮した夜間工事や交通規制の実施を予定しているところであります。
 また、昭和橋修繕工事につきましては、国道側から数えて、6連目から8連目の上流部の主構(アーチ部)補修工事に、10月から着手し、主構補修工事完了後には引き続き、照明設備補修工事に着手する予定であり、こちらも長期間にわたる交通規制を実施いたします。
 工事期間中は、皆様に大変ご不便をおかけいたしますが、日程が決まり次第お知らせしてまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
 次に、水道事業広域化についてでありますが、県企業局と長野市、上田市、千曲市、坂城町の5団体で構成する「上田長野地域水道事業広域化協議会」において、事業統合による広域化を行う際の、業務運営、組織体制、財政運営などに関する基本的方針や事項をまとめ、今後更なる検討を進める上で指針となる「基本計画」について、協議を重ねてきたところであります。
 7月14日に開催された第5回協議会におきましては、公表済みの基本計画(素案)をもとに、これまでに意見募集等で住民の皆様から寄せられたご意見や、各構成団体からの意見等を踏まえ修正した「基本計画(案)」について合意がなされ、年度内には正式に基本計画の決定を目指すべく、更に協議を進めることを確認したところであります。
町民の皆様には、引き続き丁寧な説明を行うとともに、ご意見等をお聞きしながら、今後の方向性を決定してまいりたいと考えております。
 続きまして、今後の事業やイベントの予定等について申し上げます。
 今週5日に、テクノさかき駅前広場を会場として、第31回「テクノさかき工業団地まつり」が開催されます。このお祭りは、工業団地内企業の従業員の皆さんのみならず、町内の小さなお子さんから高齢の方まで、大勢の方が毎年楽しみにしておられ、今年も、ステージでのお笑いライブや歌謡ステージのほか、屋台の出店、花火大会などが行われますので、多くの皆様に楽しんでいただきたいと思います。
 また、9月15日の敬老の日を迎えるにあたり、町内で在宅の高齢者の皆様に対して、長寿のお祝いと敬老の意を表し、今週6日に敬老訪問を行う予定としております。
今年度は、9月1日現在(8月末時点)、88歳米寿の方が98名、99歳の白寿の方が17名、100歳以上の方が13名で、合計128名の皆様が敬老慶祝事業の対象となっております。
 なお、当町の最高齢は 大正6年生まれの108歳の方でございます。
 次に、鉄の展示館では、今月6日から11月16日まで、「第18回 お守り刀展」を開催いたします。
 この展覧会は、全国の刀匠や刀職者から出展されたコンクールの受賞作品を展示し、日本の伝統美術工芸職人による刀剣美術をご覧いただけるまたとない機会となっておりますので、多くの皆様にご来館いただきたいと思っております。
 さて、全国で問題となっている空き家の増加は、当町においても例外ではなく、空き家の適正な管理や解消に向けて取り組んでいるところであります。
 今月6日に「空き家対策講座」を開催するほか、27日には、空き家に関する様々な困りごとの解決に向け、司法書士や宅地建物取引士、解体工事業者による無料相談会を開催いたします。
 空き家を所有されている方、また、近く空き家になることが見込まれる方は、是非この機会にご相談いただきたいと思います。
 続きまして、9月補正予算の主な内容について申し上げます。
 歳入につきましては、普通交付税の確定に伴う地方交付税 及び 物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金等の国庫支出金などを増額する一方で、基金からの繰入金を減額いたしております。
 また、歳出につきましては、6月定例会で予算をお認めいただきました 国の定額減税調整給付事業につきまして、扶養の追加、所得減少や専従者、配偶者特別控除の対象者等の状況により、不足が生じるため、所要の予算について計上したところであります。
福祉分野におきましては、障がい福祉施設、高齢者福祉施設、医療機関等、物価高騰による影響がある社会福祉施設等が、引き続き安定したサービスの提供ができるよう、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、支援を行う経費について計上いたしております。
 また、今年度から事業を開始した高齢者補聴器購入助成事業につきまして、申請件数の増加に伴い、予算を増額し 対応してまいります。
 学校施設の整備につきましては、村上小学校の校内の連絡手段であるインターフォンに不具合があるため、国の学校施設環境改善交付金を活用し、緊急通報装置付きインターフォンの整備に係る予算を計上したところであります。
 これらのほか、冬季の降雪に備え、町道及び林道の除雪経費、燃料高騰に伴う町温泉施設の指定管理者への持続化負担金、道路 及び 水路改良工事費、バラ公園の施設整備に係る工事請負費などを計上するとともに、現状の職員体制に合わせた人件費の調整をいたしております。
 今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が2件、人事案件が2件、一般会計・特別会計・公営企業会計の決算認定が5件、条例の一部改正が2件、令和7年度の補正予算が4件、町道路線の廃止が1件、町の特定の事務を取り扱う郵便局の指定が1件の 計17件でございます。
 よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申し上げまして、招集のあいさつとさせていただきます。

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坂城町長 山村ひろし

坂城町 伝統芸能の幽玄なひととき 「第5回坂城・千曲薪能」開催

 8月23日(土)、坂城町文化センター体育館にて、日本の伝統芸能である能と狂言の世界を堪能する「第5回坂城・千曲薪能」が、3年ぶりに開催されました。
 第一部では、坂城能楽教室の子どもたちと保護者による仕舞と連吟「猩々」が披露されました。緊張の中にも力強さを感じる堂々とした舞で、会場から大きな拍手が送られました。続いて、楽謡会会員による連吟「高砂」と松尾文子氏による米寿祝「菊慈童」が披露され、さらに来場者全員で「鶴亀」を謡い、会場が一体となって能楽の世界を楽しみました。
 第二部は、幻想的な雰囲気に包まれる中、厳かな火入れ式から始まり、宮入小左衛門行平氏による迫力ある奉納鍛錬が行われ、打つ度に響き渡る音が観客を引き込みました。その後、仕舞「兼平」「羽衣」「松虫」、野村裕基氏主演の狂言「茶壺」、松木千俊氏主演の能「船弁慶」と続き、幽玄の世界が会場いっぱいに広がりました。観客の皆さんは、非日常の舞台に心を奪われ、夏の夜ならではの薪能の醍醐味を存分に堪能されました。 

坂城町長 山村ひろし

坂城町 地域の恵みを活かした非常食「蜜いも缶」を寄贈いただきました

 本日(8月21日)、「おいも日和」の宮下祥次社長が坂城町役場へ来られ、非常用食品としての「焼き芋の缶詰『蜜いも缶』」100缶をご寄贈いただきました。誠にありがたく思います。 坂城町では、8月31日に総合防災訓練を行います。 その際にも皆さんに紹介したいと思っています。 以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

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 8月21日(木)、おいも日和の代表・宮下祥次 様より、非常用食品「焼き芋の缶詰『蜜いも缶』」100缶をご寄贈いただきました。
 「蜜いも缶」は、小さなサツマイモを有効活用したフードロス対策と非常用食品を兼ね備えた新商品で、坂城町の通称「横坑トンネル」で熟成させたサツマイモを使用しています。年間を通じて温度16度・湿度90%の環境と伏流水を活かす独自の方法により、甘みを最大限に引き出しています。
 サツマイモは食物繊維やビタミンが豊富で、非常時にも焼き芋そのままのおいしさを味わえる健康的な保存食です。災害時の心身の健康維持に役立つ非常食として期待されています。
 今回ご寄贈いただいた「蜜いも缶」は、今後の町の防災活動に活用させていただきます。宮下様をはじめ関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

坂城町長 山村ひろし

坂城町 国道バイパス・県道整備促進期成同盟会総会

 本日(8月20日)午後、坂城町役場で 「坂城町国道バイパス、県道整備促進期成同盟会」 の総会が開催されました。

 坂城更埴バイパス(坂城町区間)につきましては、平成23年度に事業化されて以降、長野国道事務所において、道路予備設計、関係機関協議、各種調査等を実施し、これまでに、測量・地質調査、設計。用地買収、埋蔵文化財調査、各種工事等、順次事業が実施されてきたところです。

 今年度につきましては、網掛地区、上五明地区において、盛土や排水構造遺物などの改良工事が実施されるなど事業が進んできております。地域の皆さんにも事業の進捗が実感できるようになってまいりました。

 また、坂城インター先線整備につきましては、令和5年度末に、国道18号からテクノさかき工業団地までの400m区間が供用開始となり、テクノさかき工業団地と坂城インター線が直結されたことで、物流機能の向上がもたらす経済効果に改めて期待をするところであります。

 今後、当路線が坂城更埴バイパスにまで延伸することにより、千曲川左岸地域から、上信越自動車道や、物流拠点である工業団地へのアクセス向上、交通渋滞の緩和が図られることから、国道バイパスに接続する全線が早期に開通するよう、引き続きのご尽力をお願いするところであります。

 総会終了後、国土交通省関東地方整備局長野国道事務所田村一雄室長さん、長野県千曲建設事務所宮崎正樹課長さんから工事の進捗状況について詳しいご説明をしていただきました。

 今年も全国各地での自然災害が心配される中でありますが、坂城町での国道バイパス・県道整備について皆さんと一緒に頑張ります。

▼以下、総会の様子です。

坂城町長 山村ひろし

坂城町 二十歳の集い 「令和7年。諸君はこの時代にどう生きるか。」

 本日(8月15日)、坂城町で「二十歳の集い」を開催しました。 以下、わたくしの主催者あいさつを掲載させていただきました。

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 二十歳の集いにご参加された皆さん、本日は誠におめでとうございます。元気いっぱいの皆さんに今日、お会いできることを何よりうれしく思います。
また、今日まで暖かい愛情を持ってお子さんを立派に育て上げられたご家族、保護者の皆様に心より、お祝いとお喜びを申し上げます。  
かさねて、本日、ご多用のところ本式典においで頂いた、中嶋議会議長殿をはじめ多くのご来賓の皆様に御礼申し上げます。
さて、坂城町ではかねてより、成人式を毎年、終戦記念日に開催しています。
また、昔は1月の成人の日に開催していたこともありますが、冬、雪の中での開催が難しい場合がありました。
 一方、8月の開催ですと、お盆の時期で皆さんが帰省しやすい時期であることと、8月15日の終戦の日にあたり、あらためて命の大切さ、平和の大切さ、国のあり方などを考える良い機会になることで、二十歳の集いとしても本日の開催としています。
さて、今年度の対象者数は 156名で、そのうち 68%にあたる 106名の皆さんにご参加いただきました。
 皆さんは今日の二十歳の集いを迎えられてどのような心境でしょうか。 
 皆様の中では、すでに社会に出て働かれておられる方、学生の方、働きながら勉強をされておられる方がおられます。
 また、坂城の中で家業を継がれておられる方、遠く坂城を出て活躍されておられる方々などいろいろな立場で本日おいでになっておられると思います。
久々に懐かしい方々との旧交を温められ、心躍る感傷に浸っておられる方々も多いかと思いますが、折角の節目でありますので、皆さんが成長されたこの20年間を、お世話になった方々への感謝の念をも抱きながら種々思いをはせていただきたいと思います。
 今年は坂城町で開催される、第70回目の式となります。また、本年は戦後80年目の年となりました。
 皆さんとともに大きな節目の年を迎えた感じがしますね。
そこで、本日は、二十歳の集いを迎えられたこの機会に、今、この時代にどう生きるかについて考えていただきたいと思います。
 皆さんとともに過ごしている、この時代は、まさに、近世の「大転換期の時代」と言われています。
 日本にとっての近世の大転換期と言えば、今まで、2つありました。まず、何といっても明治維新です。
 それに続くのは、第二次世界大戦での敗戦です。
 まず、1868年の明治維新からは今から約160年になりますね。
 また、明治維新から昭和22年、1945年の敗戦までが約80年、敗戦から今年までも約80年となります。
 明治維新から欧米に追い付け追い越せで結果的に太平洋戦争に突入し、敗戦をし、戦後の復興をし、現在に至るまでに見事に左右対称になったわけであります。
 そして、また、今、我々の暮らしているこの時代は、今までの価値観が一掃される大転換期と言わざるを得ません。
 ロシアがウクライナに対して侵略を始めて、早や、3年半、いよいよ、米国、ロシア、ウクライナの和平交渉が始まるようですが、どうなりますか。
 また、この3年半の間には、イスラエルとパレスティナの紛争など、かつての安定的な世界平和の維持が大変難しい厳しい状況となっています。
 このような混沌とした時代こそ、これからの皆さんの活躍が期待される時代となってきました。 
 この大転換期のなか、皆さまの大活躍を期待せざるをえません。
 さて、今年は令和7年です。
 一般的に公表はされておりませんが、この「令和」の命名者とも言われている、中西進さんによれば、この「令和」の和は単なる平和ではなく、大和の和だとおっしゃっています。 
 従って、令和の意味は厳かな平和と言うことだけでなく、「厳かな、立派な日本」と言う意味になります。この意味を皆さんともう一度、深く考えたいと思います。
 さて、私の大切にしている言葉に「意味のある偶然」という言葉があります。
 これは私が使い始めて、いろいろな機会にお話しています。
 人は毎日、毎日いろいろな人と「偶然的出会い」を続けています。
皆さんの多くは、この坂城町で生まれ、育ちました。
 そして、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、あるいはいろいろな職場で毎日、いろいろな人と「偶然的な出会い」を続けています。
 しかしながら、この「偶然」を単なる「偶然」として送りすごすか、自発的な能動的なアクションをとることにより「意味のある偶然」にするかどうかはその人の人生にとって大きく意味合いが違ってきます。
 毎日毎日、刻一刻と「偶然的な出会い」が皆さんの前に訪れます。
これからの人生にとって、この「偶然的な出会い」を「意味のある出会い」にするよう心がけていただければと思います。 
いくつか関連したお話をします。
 まず、皆さんよくご存知の、日野原重明さんが、8年前105歳でお亡くなりになりました。日野原先生は100歳を越えても現役の医者として活躍し、たくさんの本をお書きになったり、ミュージカルの脚本をお書きになったりしていました。
 日野原さんは生前「命」について、いろいろな講演会、著書で述べられていました。
 それは、「命」とは何かです。 
 日野原先生は常に、「皆さん、皆さんの命は見えますか。」という問いかけをされます。
 命は見えません。「命」とは皆さんの持っている「時間」のことだというのですね。死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまうわけです。
 したがって、一度しかない自分の時間、命をどのように使うかしっかり考えながら生きていってほしい。 
 さらに言えば、その命を今度は自分以外の何かのために使うことを学んでほしい。ということです。 
 さきほど、私が申し上げた「意味のある偶然」も含めて、それを意味のある「時間」として使っていただければということですね。
 また、私は、毎年、二十歳の集いに際して、「命」の大切さについてお話をしています。これは毎年同じ話をしています。
 皆様方は、ご両親から頂いた「命」の大切さについてどう考えておられるでしょか。
 昨今、毎日のように悲惨なニュース、それも今までは考えられなかったような事件が発生しています。
 皆さん、私は、「命」は大自然からお借りした大切な「宝物」だと思っています。
 皆さんの命は皆さんのご両親が突然作り出したものではありません。皆さんのご両親、ご両親のご両親、どんどん遡れば地球誕生から約46億年、太陽系の起源から考えれば約130億年前から営々と皆様のDNAが脈々と続いてきているわけであります。
 大自然からお借りした「命」を立派に、立派に磨き上げ再び大自然にお返ししなくてはならないのです。
 仮に、皆さんが友人からゲーム機を借りたとします、これを傷つけたり、ベタベタに汚して返したら皆さんの友人は何と思うでしょう。
 借りた時以上に見事に磨き上げピカピカにして返したら皆さんの友人は何と喜ぶことでしょう。
皆さんの「命」もこのようにピカピカにして命を全うし、大自然にお返ししなくてはならないのです。
 今から80年以上前、戦時中では成人するということは即、戦場に行くということでありました。敵と戦うということでありました。見も知らぬ人間の命を奪う戦いをせざるを得ないということでもありました。
今日、この際にもう一度皆様方各々で皆さんの「命」の大切さについて考えていただきたいと思います。
 最後に、大人が子どもの命を救ったという話です。 
シベリアに置き去りになったポーランドの孤児を日本が救ったという話です。
昨年、10月に坂城町とポーランドのツェレスティヌフ郡と友好協定を締結するために、ポーランドへお邪魔しました。
以下お聞きください。
 新型コロナの流行する前でしたが、ポーランドのワルシャワで日本語学校を経営されておられる、坂本龍太朗さん経由で、ツェレスティヌフという郡のウィトルド・クウィトフスキーさんという郡長さんから、坂城町との間で「パートナーシップ協定」を結びませんかと言う申し入れをいただきました。 
 坂城町では10数年前から、ワルシャワ日本語学校の生徒さんのサマープログラムとして、ホームステイの皆さんを受け入れていました。 
 この学生さんたちはわずか2~3年日本語を勉強しただけなのですが、皆さん素晴らしい日本語を話しますし日本の文化、歴史など大変詳しい方々で、大の親日家です。
 これからお話しするのは、日本ではほとんど知られていない近現代史の秘話、「シベリアにいたポーランド孤児を日本が救った。」と言う物語です。
 これは、約100年以上前の1918年(大正7)から始まった当時の日本陸軍による「シベリア出兵」最中の出来事です。
 まず、なぜシベリアにポーランド人がいたのだろうかということですが、ポーランドは、ロシア・ドイツ・オーストリアという強大な隣国に分割され続け、ナポレオン戦争後のウィーン会議(1814~15年)で形式上独立するも、ロシア皇帝が君臨するという実質上のロシア領であり続けたわけですが、ポーランド人は決して屈することはありませんでした。
 19世紀、ポーランド人は真の独立を勝ち取るべく二度にわたって帝政ロシアに対して独立戦争を挑みました。しかし、蜂起は鎮圧され、さらに蜂起に立ち上がった多くのポーランド人は政治犯としてシベリアに強制的に送られました。
 その後、第一次世界大戦で戦場となったポーランドの人々がシベリアに逃れ、シベリアのポーランド人は15万人から20万人に膨れ上がりました。そんな最中の1917年にロシア革命が起き、翌年1918年に第一次世界大戦が終結してようやくポーランドは独立を回復します。
 しかしながら、シベリアのポーランド人は、ロシアの内戦で祖国への帰還が困難となり、それどころか生活は困窮を極め、餓死者などが続出したのだった。
 そんな同胞の惨状を知ったウラジオストク在住のポーランド人が彼らを救済するため「ポーランド救済委員会」を立ち上げた。そして彼らは、せめて子供達だけでも救って祖国へ帰してやりたいと欧米各国と折衝をしましたがことごとく断られてしまいました。
 もはや万策尽きたなかで、ポーランド救済委員会はシベリアにいた日本軍ならびに日本政府に救援のお願いをしました。
 その申し入れを受けて、当時の外務省は、日本赤十字社に救済事業を要請し、7月5日に子供らの救護活動に入ることを決定します。
 ただちに日本陸軍が救援活動に動き出し、救援決定からわずか二週間後の7月20日に56名の児童とポーランド人の付き添い5名を乗せた日本陸軍の輸送船「筑前丸」が第一陣としてウラジオストクの港を出港した。
 3日後の7月23日、筑前丸が福井の敦賀港に入港し子供達が上陸するや、日本赤十字をはじめ軍や警察、役場、さらに一般の敦賀の市民までもが孤児たちを温かく迎え入れた。
 病気に罹っている子供を治療し、お腹を空かしている孤児らに食事や菓子を与え、そして入浴させて新しい衣服に着替えさせてやるなど、皆が孤児らを慈愛の心で包み込んだのです。
 そして手厚く看護されて元気を取り戻した子供達が横浜港から船でアメリカに向かうことになった。ところがそのとき、ちょっとしたハプニングがおきました。ポーランド孤児達が、泣きながら日本を離れたくないと言い出しましたのです。
 極寒のシベリアで極貧の生活を強いられ、親を亡くして人の愛情に触れることのなかった孤児達にとって、誰もが親切な日本はまさに天国でした。彼らにとって日本はもう“祖国”になっていたのです。
 横浜港から出発する際、幼い孤児たちは、親身になって世話をした日本人の保母さんとの別れを悲しみ、ポーランドの付添人に抱かれて乗船することを泣いて嫌がりました。
 埠頭の孤児たちは「アリガトウ」を連発し、『君が代』の斉唱をして幼い感謝の気持ちを表して別れを惜しみました。
 だがそれでもまだシベリアにはおよそ2000名の孤児が救援を待っていた。
 再び日本に対し救援を求め、日本赤十字も最終的に急を要する孤児約400名を受け入れることを決定、再び陸軍が支援に乗り出しました。
 1922年8月、輸送船「明石丸」と「臺北丸」が3回にわけて孤児390名をウラジオストクから敦賀に運びました。もちろんこの第二陣の児童らも前年同様に敦賀の人々に温かく迎えられ、大阪の天王寺に建てられた大阪市立公民病院宿舎に収容されました。
 大阪での歓迎ぶりもまた、東京でのそれに勝るとも劣らぬものがありました。
神戸港からの離別風景も同じで、帰国児童一人一人にバナナと記念の菓子が配られ、大勢の見送りの人たちも、涙でこの子たちの幸せを祈りながら船が見えなくなるまで手を振って別れを惜しみました。
 この8回にわたる救済活動で、合計765名の子どもたちが救われました。
 しかし、この物語はこれで終わりではありませんでした。
 平成7年(1995年)、阪神淡路大震災が起きました。この際に、ポーランドの人々は、この震災で孤児になった人々の救援に立ち上がります。
 平成7年と8年、ポーランド政府が阪神淡路大震災の被災児童らをポーランドに招待し、ワルシャワで4名のかつてのポーランドのシベリア孤児との対面などを通じて子供達らを温かく励ましました。
 その後も、ポーランド政府は、平成23年に発生した東日本大震災で被災した岩手県と宮城県の子供達を2週間もポーランドに招いてくれました。
知られざる日本とポーランドの交流秘話~両国の絆は日露戦争にさかのぼり、その後のシベリア出兵で結果として、765名のポーランド孤児を救援することができた、両国の感謝の応酬は今も続いているのです。
 また、2018年11月20日には、このツェレスティヌフ郡に近い、スタラ・ヴェシに「ポーランド・シベリア孤児記念小学校」も設立されました。
2019年には、日本とヨーロッパ一の親日国家ポーランドとの国交樹立100年を迎えました。 
そして、数年前には、シベリア孤児来日100周年を経過しました。

最後に、命の危険にさらされながら、2014年に17歳でノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身のマララ・ユスフザイさんは、こう言っています。
“One Child, One Teacher, One Book and One Pen Can Change The World.”
「一人の子供、一人の教師、一冊の本、一本のペンが世界を変えることができる」です。
 さあ、本日は、皆様で二十歳の集いをお祝いするとともに、先ほどお話した内容なども含めて、世界の平和、命の大切さなどについて、皆様でディスカッションをしていただければと思います。
    
 令和7年8月15日  坂城町長 山村弘

(参考:「日本ポーランド国交樹立100周年記念誌」、「親日を巡る旅」(井上和彦著)など、多数の資料から引用させていただきました。)

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 以下は、坂城町ニュースより。ご覧ください、

 8月15日(金)、町文化センターにて「第70回 坂城町二十歳のつどい」を開催しました。町内では、平成16年4月2日から平成17年4月1日生まれの156名が二十歳を迎え、そのうち105名が式典に出席しました。式典前の受付では、数年ぶりの再会を喜び、抱き合ったり、笑顔で近況を語り合う姿が見られ、会場は温かな空気に包まれていました。

 式典では、戦没者への追悼と世界平和を祈る黙祷から始まり、続いて二十歳のつどい実行委員会代表の伊達亮哉さんがあいさつを行い、中学校時代の担任の先生からはお祝いの言葉や動画によるメッセージが贈られました。その後は、小・中学校時代の写真や動画を集めた「二十歳のつどい記念動画」が上映され、懐かしい映像が流れると会場からは歓声や笑い声が響き、喜びや照れくささ、懐かしさが入り混じるひとときとなりました。

 二十歳を迎えられた皆さん、本当におめでとうございます。これからの人生が笑顔と希望に満ちたものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。

坂城町長 山村ひろし