先日(1月25日)、上田の高砂殿で恒例の、AREC(浅間リサーチエクステンションセンター)の新春講演会・賀詞交換会が開催されました。
今回の講師は曽祖父が真田家(松代)当主にあたられる、愛知淑徳大学教授の真田幸光先生です。
真田先生は愛知淑徳大学のビジネス学部・ビジネス研究科教授で国際ビジネスの第一人者です。
本講演会のテーマは 「混沌とする国際情勢への対応」 で世界中で起こっている様々な事象について具体的に説明していただきました。
開会の挨拶をされるAREC 白井汪芳 理事長
講演される真田幸光教授
講演の内容は多岐に渡り、なかなかまとめるのは大変ですが、配布された資料をもとに話されたポイントを記述します。
まず、現在は世界中が「混沌(CHAOS)」の状態にあり、これが進むと、「混乱(DIS-ORDER)、の状態となり、さらに進めば、「無政府状態(ANARCHY) となり収拾がつかなくなる。
世界秩序は崩れるのか、国際金融情勢は、何時、安定した 「STABLE 」 の状態になるのか。
以下の項目についてお話されました。
(1)欧州情勢の行方
英国の覇権は崩れるのか? ドイツの不安とフランスの混乱、そして仏独連携は?
欧州での過激派の活動は水面下で続く? 欧州の不安定は世界経済の不安定?!
そしてロシア情勢は? イタリアの不穏な動き BREXITの行方は?
(2)威信を落とす米国、当面は期待感先行、それは先進国総崩れの回避のため?!
トランプリスクは存在する。しかし、トランプ政権に対する期待感もまだまだ間違いなく存在する。
実効性のある経済政策。自動運転、グローバル物流とグローバルスタンダード。
米中摩擦の行方。北朝鮮とは和睦、当面の敵はイラン!!
中国本土との覇権争いの姿勢を示すトランプ政権
(3)中国本土の光と影。
「一帯一路戦略とAIIB戦略のセット商品」 により、光が更に増す?!
世界の不安定を横目に粛々と影響力拡大を目指す中国本土。
米国との対立をかわせるか? しかし、一帯一路にも影?
(4)先進国株価の動きと当面の日本の株価動向、そして円ドル相場、今後、安定に転じれば、日本株高、円安。
(5)マイナス金利の意味と日本の金融当局の動き、当面は物価上昇がターゲット。
地域金融機関は統廃合?
日本の財政問題を背景とした金融混乱は日本では本当に起こらないのか?
そして、消費税引き上げの影響は?
(6)国際金融市場が促す今後のベストシナリオ、しかし、実は不透明?!
(7)原油価格動向
(8)そのほか
このような混沌の中で、日本企業のなすべき道は
(コストを意識した上で) 売上高拡大に全力投入を!! しかし、量を追わず、質を追う経営姿勢も意識すべき!! 混沌の中でも生き残れる経営姿勢を!!
最後に。 このような世界情勢の混沌が収まれば、今年年末の日経平均株価は、24,000円で円ドルレートは105円から115円となる。
しかしながら、混沌が収まらなければ、年末の株価は、15,000円で円ドルレートは90円となり、日本にとって最悪の状態となる。
いずれにしても、世界の混沌をよくウォッチして着実に先手を打っていくことが重要なようです。
坂城町長 山村ひろし