一茶と松蔭集

先日、藤沢雨虹について記述しましたが、その中で、句集「松蔭集」に小林一茶の句が掲載されていると申し上げました。

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その点について何人の方から問い合わせがありましたので、追記させていただきます。

以下が、一茶の句が載っている頁です。

右から8番目、中央から右へ2番目の句です。

「時鳥(ほととぎす)鳴く空もちし山家かな」

なお、「一茶発句全集」の「夏の部」、動物編の「時鳥」の項にもこの松蔭集からの引用が載っていますが内容が一部異なっています。

(一茶発句全集より)

「時鳥笠雲もなし山家かな」(松蔭集、文政9年)

一茶発句全集には、この句が松蔭集からの引用であること、文政9年(松蔭集が発刊された年)の記述もあることから一茶が藤沢雨紅に寄せた句であることは間違いないのですが、内容の相違についてどのような経緯で変わってしまったのかは不明です。

しかしながら、一茶が坂城(?)の空を見上げ快晴の大空を飛ぶ時鳥と鄙びた山家を謳っている風景を想像するだけでも心がさわぎますね。

どなたか、この両句のいきさつについてご教授いただければ幸いです。

坂城町長 山村ひろし

八十八夜祭

本日(5月3日)、午前中、坂城神社境内横、「蚕国大神」 前で坂城町大宮区の皆様により八十八夜祭、葛尾祭が執り行われました。

八十八夜は立春から数えて88日目にあたる5月2日に養蚕の安全と発展を祈願するお祭りとして執り行われてきました。

本日は、多少肌寒かったのですが、快晴の中大勢の方が参列されました。

「蚕国大神」 前で神事を行った後、参列者の皆さんは葛尾城まで登山道を整備しながら登られました。 (私は前年同様祠前の神事のみの参加で失礼しました。)

「蚕国大神」の祠、横面には「明治8年 乙亥 再建」 とありました。

再建からも140年以上経過しているわけです。

坂城町大宮区の皆さんが営々とお守りしてこられています。皆さまに敬意を表します。

坂城町長 山村ひろし

平櫛田中展開催(鉄の展示館)

坂城町の「鉄の展示館」では、4月27日〜6月16日の予定で平櫛田中展が開催されています。

今年は故宮入行平刀匠(人間国宝)が生誕100年の節目を迎えるということもあり、生前親交があつく、刀剣と彫刻という分野を越えて生涯の師と仰いだ近代日本彫刻界の重鎮で文化勲章受章者「平櫛田中」の展覧会を特別に開催しております。

また、私が以前から懇意にさせて頂いている、平櫛田中さんの一番弟子とも言える文化功労者の橋本堅太郎先生にもお出でいただき講演会を開催する予定です。(6月8日(土)午後2時より)

以下、展示会の案内をご覧ください。

また、同時期には、「さかき千曲川ばら公園」で 「第8回ばら祭り」 も開催中ですし、坂城駅前には「169系」車両も展示されるなどいろいろな催しが予定されています。

ぜひ、足をお運びください。

 今年、生誕100年を迎える故宮入行平刀匠(人間国宝)が、刀剣と彫刻という分野を越えて生涯の師と仰いだ、近代日本彫刻界の重鎮で文化勲章受章者「平櫛田中」の展覧会を開催します。
日本の伝統的な彫刻に西洋流の彫刻を融合し、古彫刻の彩色技法や寄木造を研究して写実表現を追求した平櫛の作品は、仏像や肖像、身辺彫刻など多岐にわたります。本展では、東京都小平市の平櫛田中彫刻美術館の全面的な協力により、こうした平櫛の選りすぐりの作品を一堂に展示します。
また、平櫛は宮入が手掛けたノミや小刀などの道具を使って、数多くの名品を制作する一方、宮入と一緒に全国各地の展覧会へ出かけるなど、二人は親子のような関係でもありました。こうした両者の深い交流についても宮入宛に出された平櫛の書簡60通余りを通じて紹介します。

平櫛田中

  • 「いまやらねばいつできる、わしがやらねば、だれがやる」「六十、七十、はなたれ小僧、男盛りは百から百から」と、107歳の人生を最後まで現役で貫いた日本が世界に誇る不世出の彫刻家です。

開催期間

  • 4月27日(土)~6月16日(日)

開館時間

  • 午前9時~午後5時

入館料

  • 500円(中学生以下は無料)

期間中のイベント

記念講演会

平櫛田中門下で現代彫刻界の最高峰にあり、日本の美術界を背負われている文化功労者の橋本堅太郎先生の講演会です。

  • 日時 6月8日(土)午後2時
  • 会場 中心市街地コミュニティセンター(鉄の展示館隣)
  • 聴講料 無料(申込み不要)

学芸員のギャラリートーク

  • 日時 5月18日(土)、6月15日(土)午前11時~
    ※申込み不要
  • 会場 鉄の展示館
  • 料金 無料(鉄の展示館への入館料が必要です)

問い合わせ先

鉄の展示館

TEL 0268 82 1128
有線 82 1128

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坂城町長 山村ひろし

ラストランも終わり駅前設置準備

しなの鉄道で大活躍していた 「169系」 車両のラストランがさる、4月29日で終わり、いよいよ坂城駅前に設置されることになりました。

枕木も準備されました。

5月末には169系湘南カラーの車両3台が置かれます。

楽しみにお待ちください。

準備のために置かれた枕木

以下、坂城町のホームページからご覧ください。

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長い間ありがとう 169系ラストラン!

169ラストラン01

4月29日(月)、しなの鉄道の「169系」車両がラストランを行い、長年にわたり人々を乗せて走り続けてきた役目を終えました。この169系のうち、「S51編成」3両は坂城駅に静態保存されることになり、町としなの鉄道で現在その準備を進めております。

169系は、旧国鉄時代の1968年に誕生し、全国でしなの鉄道のみが運行していましたが、老朽化により、この4月27日(土)、28日(日)、29日(月)に企画された特別列車「ありがとう・さようなら169系 団体専用臨時列車」(軽井沢~屋代間)を最後に引退することになりました。

この3日間は、列車に乗る方、見る方、撮る方など、多くの鉄道ファンが駆け付け、坂城町のマスコットキャラクター「ねずこん」も最後の勇姿を見届けました。今後は坂城駅に保存され、皆さんにご覧いただけるようになる予定です。お楽しみに!

169ラストラン02-03 

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坂城町長 山村ひろし

「坂城の100人」第12回目 江戸期に有名な女流俳人藤沢雨紅

「坂城の100人」第12回目は江戸後期に坂城が生んだ当時の有名な女流俳人藤沢()(こう)(秀子)です。
 
 
藤沢()(こう)(秀子)
                 
1767(明和4)年~弘化2(1845)年
江戸時代後期に、坂城では数少ない女流俳人として名を成した藤沢()(こう)(秀子)がいます。
本名を秀子といい、坂木宿大門町の旅籠屋「大藤屋」の当主清蔵に嫁しました。
清蔵も貞雅と号する俳人でしたが、実力は雨紅に及ばなかったそうです。
雨紅は下戸倉宿の宮本虎杖に俳句を学び、享和元年(1801)の虎杖編の句集から俳句が掲載されるようになり、この後、内外の俳書に作品が数多く収録されていきます。
江戸の俳人小蓑庵碓嶺の俳書にも雨紅の作品が多数掲載されます。
天保4年(1833)に雨紅を訪ねた江戸の俳人大野景山は「婦人には珍しき俳人なり」と評しています。
60歳(耳順)になった、文政9年(1826)には、自句集『松蔭集』を刊行しました。これは坂城で刊行された唯一の句集であり、自句208首に雨紅と親交のあった俳人の句が掲載されています。
また、辞世の句(79歳で死去) 「散やけし 花ならまじる 日もあるに」 は満泉寺の墓に刻まれています。
               
「松蔭集」の所在が不明でしたが、私が偶然、長野県立図書館で発見し、鉄の展示館宮下学芸員の力を借りて調べています。
今回、その一部をご紹介します。
                       
「松蔭集」表紙
                   
「松蔭集」序文
                       
                     
「松蔭集序文」 (江戸の俳人小蓑庵碓嶺が記述)
                        

信濃のくに坂木の雨紅今年耳順(じじゅん:60歳)の春
を迎ひ君が代にとたひ(途絶え)澄べき水の色

を、くみて知りける山の春のな(名)と

古き世の御影を限なく歓びさゝれ石
盡せぬ千曲の流を汲て更級や
葛尾山の睦月の空をうつして
老のこころをなぐさめ月花の
冥加浅からずも自の句を撰みまた
英雄の句をも女手のたよわくも拾
ひ得てこれを酒肴にかえて賀莚を
ましけるの志目出度文政九年の
春の花とや言ん實や酒肴に
かえて並べたる発句の中々朽果
る世のあらざれば號は松蔭集
と呼ことしかり   碓嶺述
                    
              
「松蔭集」は自作の俳句が208句、その後に、江戸俳壇の大家を中心とした一茶を含む著名俳人9人の発句が続き、更に雨紅と仁井田(中村)碓嶺と八朗、3人の連句36首、雨紅と遠藤雉啄の連句18首、雨紅と碓嶺、如水の連句18首、そして、全国の俳人の発句100首という構成となっている大作です。
                
是非とも、この貴重な俳句集を再版したいと思っていますが、今回は、雨紅 自作の句集の始めと終わりの数句を掲載させていただきます。
                    
「松蔭集」の1頁目
                       
                     

「松蔭集」から初めの5句。(初春の句)
                
 ・元日やこころのはなのあさ朗(ぼらけ)
 ・元日や祝ふことさへありの侭
 ・親と子の無事を宝に花の春
 ・蓬莱や行義ただしく子はそだつ
 ・月雪や世の旅ころもきそはしめ
                  
                
「松蔭集」終わりの5句。(年納めの句)
                 
 ・小原女の柴には雨かみぞれ降
 ・友(共)に白髪(かみ)いだく迠(まで)を雪の様              
 ・行としを見に行頃やなごの海
 ・年の市挟莚売も一世界・・(挟莚:さむしろ)
 ・葛尾もとしのくれ行山路哉
                   
          
坂城町は素晴らしい歴史、芸術、文化の宝庫が山のようにあります。(一部はレア・アース化しているかも知れません。)
「松蔭集」についてもまだまだ不明な点が多く、今後とも継続して調査・研究していきたいと思っております。
                        
                
坂城町長 山村ひろし

 

交通死亡事故「0」500日達成!

本日(4月26日)、坂城町交番の清水慶久所長がお出でになり、「交通死亡事故ゼロ500日」となりましたというご報告をいただきました。

目標は1,000日ですが、その中間点を達成しました。

以下、坂城町ホームページの記事をご覧下さい。

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交通死亡事故「0」500日達成!

交通死亡事故0

▲写真左から、山村町長、清水交番所長

  平成23年12月以来続いていた、町内の交通死亡事故「0」日数が昨日(4月25日)500日を達成し、坂城町交番の清水慶久所長が山村町長に報告に来てくださいました。

  町では、千曲交通安全協会坂城支部、町交通指導員、関係機関、地域の方々と協力して、交通事故の撲滅に取り組んでおり、『交通死亡事故「0」1,000日』を目指しています。目標達成まで半分を切りました。行楽シーズンを迎え、外出する機会が増えますが、一人ひとりが「交通事故に遭わない、起こさない」ように交通ルールやマナーを守り、安全運転を心がけましょう。

交通死亡事故「0」  地区別経過日数(平成25年4月25日現在)

  • 南条地区        500日
  • 中之条地区  2,737日
  • 坂城地区        947日
  • 村上地区      3,826日

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村上地区の3,826日というのはすごいですね。

引き続きの安全運転、宜しくお願いいたします。

坂城町長 山村ひろし

先人木を植え、後人涼を楽しむ

本日(4月25日)、平成25年坂城町植樹祭が開催されました。

 今年は、南条の日向山町有林で、約90名の参加者を得て、カラマツ800本を植えました。

 

カラマツを植樹する、左から:宮島町議会議長、辺見林業委員長、山村

斜面の上までどんどん植樹

植樹祭02

植樹祭を記念して標柱の建立

坂城町では、森林への感謝と緑豊かな町づくりを推進するために町内の森林で毎年植樹祭を開催しております。

心配していた天候も絶好の植樹日和となり、全員怪我もなく、トン汁とおにぎりをいただいて終了しました。

坂城町長 山村ひろし

坂城町保健補導員会総会

坂城町保健補導員会は昭和40年に設立された歴史のある会ですが、昨日(4月24日)、平成25年度総会が開催されました。

現在、坂城町には223名もの補導員の方々がおられ、地域の健康増進に多大なる貢献をしていただいております。

昭和40年当時、長野県は日本一の脳卒中多発県でありましたが、現在は、男女とも日本一の長寿県となりました。

坂城町では、本年度の大きな目標として「特定健診受診率65%以上」を目指して活動を続けております。 皆様方のご協力をお願い致します。

保健補導員の皆様と力をあわせ坂城町の健康増進を推進してまいります。

坂城町の公用車に貼られた「特定健診」推進のステッカー

坂城町長 山村ひろし

第3回TOPOS(トポス)会議

昨日(4月23日)、坂城町でも昨年ご講演いただいた、野中郁次郎一橋大学名誉教授が発起人の第3回TOPOS会議(主催: 富士通総研)が六本木ヒルズで開催され出席しました。 

今回のテーマは:「日本の安全保障とグローバル・ビジネス」~ビジネス・リーダーの「外交」実践知を考える~ というものです。

日本人は、「安全保障問題」というと、残念ながら、自分に関する問題では無いと考えるのが一般的ではないでしょうか。

しかしながら、今回のパネリストとして来られた世界の錚錚たる識者がいろいろな形で日本人・日本政府に警鐘を鳴らされ、改めて考え直すべき点が多々あることを認識させられました。

冒頭の野中先生の言葉を借りますと、「日本人は安全保障問題に正面から向かい合っていない。企業のグローバル化が進む中、しっかりした文化、歴史観を持ち、経営の実践知を持ち、行動することが重要である。これには、あらゆるセクター、すべての日本人が当事者意識を持つこと、決して他人事と考えないことが重要である」 ということであります。

今回のパネリスト・スピーカー

マイケル・クラーク

(Michael Clarke)
英国王立防衛安全保障研究所所長
マーチン・ファン・クレフェルト

(Martin van Creveld)
ヘブライ大学名誉教授
筆口 秀一郎

三井物産株式会社 人事総務部 安全対策室長


ファン・ジン

(Huang Jing 黄靖)
シンガポール大学 リー・クアンユー公共政策大学院教授
森本 敏

前防衛大臣


西山 淳一

三菱重工業株式会社 航空宇宙事業本部 コンサルタント


野中 郁次郎 一橋大学名誉教授

株式会社富士通総研経済研究所理事長
大越 修

株式会社オオコシセキュリティコンサルタンツ代表取締役社長


辻 廣道 パナソニック エクセルインターナショナル株式会社

執行役員 所長

ビデオメッセージ

マイケル・グリーン

(Michael J. Green)
戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問・日本部長

この中で特に印象に残った講師は、イスラエルのヘブライ大学名誉教授のマーチン・ファン・クレフェルトさんのメッセージです。

クレフェルトさんは『戦争文化論』という著書でも有名ですが、「安全保障」は単に、「戦う」ということではなく、そこには「戦争文化」という考え方が必要であるということです。

つまり、「死んでも構わない」という覚悟で戦う 「人間の能力、決断力」 それのバックとなる「戦争文化」が安全保障の要諦であるということです。

現在の日本では安全保障を「外交」の問題としてのみ捉えがちであります。

今回かなり重いテーマで議論をしましたが、グローバルなビジネス環境を考えるうえでも「安全保障」に関する問題意識を常に持たなくてはならないということを改めて指摘された感がありました。

*クレフェルトさんについては、近日中に発売予定の 「戦略論の名著」 (野中郁次郎編著 中公新書)にも取り上げられています。

戦略論の名著 - 孫子、マキアヴェリから現代まで (中公新書 2215)

坂城町長 山村ひろし

(第1回トポス会議)

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(第2回トポス会議)

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ちくま手話サークル

 昨日(4月20日)午前10時半から、千曲・坂城両地区で活動されておられる「ちくま手話サークル」(会長:中村嘉子さん)の総会が埴生公民館で開催され、坂城町社会福祉協議会塚田事務局長ともども出席しました。


中央:会長の中村嘉子さん

 ちくま手話サークルは今年で42回目の総会を迎えましたが、もともとは坂城からスタートしたそうです。
 現在の会員数36名のうち坂城は7名です。
                     
 坂城で開催される種々の講演会などでの手話サービスにはこの会のメンバーの皆さんに大変お世話になっています。
 
 坂城でも毎週土曜日午後1時半~3時、坂城文化センター2階で定例会を開催されています。
                                         
 最近は高齢になって耳が不自由になり手話を勉強される方が増えているそうです。
                           
坂城町としてももっと積極的に取り組みたいと思っています。
                                               
                   
                          
 坂城町長 山村ひろし