小中学校入学式

本日(4月5日)、午前中に村上小学校、午後、坂城中学校の入学式に出席しました。 

眼をキラキラ輝かせ、希望に胸張る子供たちの姿にはいつも心弾みます。

「人創りによる町創り」 教育を大切にします。

村上小学校の新入生 25名

坂城中学校新入生 141名

なお、今年の各学校の新入生は、坂城小学校:47名、南条小学校:63名、村上小学校:25名、坂城中学校:141名 でした。

以下に、坂城中学校での私の祝辞を掲載させていただきます。

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坂城中学校入学式挨拶(平成24年4月5日) 
皆さん、こんにちは。
今年はいつまでも寒い日が続く長い冬でしたが、先だっての全国的な暴風雨のあと漸く春が来たようです。 これから坂城の町に一斉に花が開くことになりますね。
皆さん、ご坂城中学校入学おめでとうございます。
どうですか、この学校の校門をくぐってはじめてこの坂城中学校へ新入生として入った気分はどうですか。
先日、皆さんの先輩の坂城中学校の卒業式の際に、卒業生の皆さんに、「皆さんはこれで義務教育が終わるのです」という話をしました。
今日、新たに中学生になられた皆さんにもお話をしておいたほうが良いと思いますのでお話します。
皆さん、「義務教育」という言葉を聞いたことがありますね。
皆さんはどう思われていますか。
何となく、「義務として勉強するのはいやだな」と思っている人がいませんか。
ところが意味は全く違うのです。 日本国憲法第26条で、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」 また、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」ということです。
つまり、日本の憲法で義務教育と定めているのは、「中学卒業までの期間、保護者のみなさんが皆さんに勉強の機会を与える義務があるし、皆さんは勉強を受ける権利がある」ということなのです。
つまり中学を卒業して、義務教育の年限を終了すれば保護者の方々はもう皆さんを教育させる義務がなくなると言うことなのです。
さあ、そうなると、皆さんに残された義務教育の時間はあと3年しかないと言うことですね。 わかりますか。
3年間はあっという間にすぎてしまいます。
そろそろ、皆さんはなんのために勉強するのか、もっと言えばなんのために今日ここにいるのかなどしっかりと考えていただかなくてはならないときに来たということです。勉強の仕方も小学校とはだいぶ変わります。自分で自主的に考えたり、研究したりする時間も多くなります。
どうか時間を大切にしてください。自分の意思をはっきりと持ち、自分で取り組むという習慣を身につける時が来たのです。チャレンジしてください。
さて、皆さんは、アメリカの作家でアンディ・アンドルーズという人の名前を聞いたことがありますか。
現在、50数才の方ですが、高校を卒業したあと、ホームレスになったりいろいろ苦労をして、俳優になったりしたあと作家になり多くの本を出されている方なのですが、彼の本に「希望をはこぶ人」というのがあります。
その中で、こういう話があります。
「5羽のカモメが防波堤にとまっている。そのうちの一羽が飛び立つことを決意した。残っているのは何羽だい?」というのです。
さあ、何羽、波止場に残っているのでしょう。
答えは、5羽です。 心の中で考えただけでは何も起こらないのです。
これからは自分で考え、なおかつ自分で行動を起こさなければ何事も変わらないのです。是非とも、みなさんでチャレンジすることをお願い致します。

さて、改めまして保護者の皆さんには、お子様方の中学校へのご入学、誠におめでとうございます。
まだあどけなさが残り、幼かったお子さん方がこのように立派に成長され、小学校からこんどは中学校に入学されました。感慨もひとしおのことと思います。
中学新入生のお子さん方にとりましては、今までとは生活環境が変わり、しばらくは緊張の毎日を過ごされることと思います。
また、これからすこしづつ、大人になり反抗期をも体験する年齢になります。 ご家庭では健康第一に、そして、お子さん方とできるだけたくさんの会話を交わして、ご家族ともども、心身ともに健やかに育つことのできる家族生活をも送っていただきますようお願い申し上げます。
また、校長先生、教頭先生をはじめ、諸先生方におかれましては、次代を担う子どもたちの教育のために、引き続きご尽力を賜るとともに、PTAの皆さん方には、学校運営の各般にわたり大変お世話になりますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。
なお、町として一番力をいれているのは教育です。昨年は坂城中学校の生徒さんにも参加していただき、ICTに関する先端的な教育の取り組みをしていただきました。
本年度も種々あらたなプログラムを展開したいと思っております。
また、必修科目として武道が、坂城町では剣道が始まりました。
なにとぞ、生徒たちが新たなチャレンジが出来ますよう、皆様方のさらなるご協力をたまわりますようお願い申し上げます。
結びにあたりまして、坂城中学校新入生の皆さんの健やかな成長を心からお祈り申し上げますとともに、坂城中学校のますますのご繁栄と、ご列席の皆さん方のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げまして、私からの祝辞とさせていただきます。
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 坂城町長 山村ひろし

季刊「理想」のニュース

公益財団法人理想教育財団さんからは昨年、「はがき新聞」 作成事業の一環として坂城町の3小学校にプリンターならびに諸備品をご寄贈いただいておりますが、季刊「理想」(2012年4月号)に南条小学校での取り組み等について特集していただきました。

山田前校長にご執筆いただきました。 南条小学校の不思議な木(タラヨウ)について記述されています。(山田先生は4月から茅野市永明小学校に校長として赴任されています。)

以下のサイトにアクセスしていただくともう少し鮮明な記事が読めます。

11、12頁をご覧ください。

http://www.riso-ef.or.jp/webr/wysiweb_win_viewer.html

坂城町長 山村ひろし

坂城町循環バスの上田市乗り入れ今日からスタート

坂城町では10年前から、町の重要な「交通のインフラ」として循環バスを委託運営しております。 しかしながら、町内には総合病院が無いことから、お年寄りや足のご不便な方々から上田市の総合病院へ循環バスを乗り入れてもらえないかとのご要望を承っておりました。 このたび、上田市の地域公共交通会議のご了解もいただき、本日から上田市への乗り入れが可能となりました。

信州観光バスさん(久保社長)には大変ご足労をおかけして実現しました。

ありがとうございます。 

坂城町の皆様、ご利用ください。

スタート前のテープカット:左から信州観光バス久保社長、山村、宮島議会議長

朝日に輝いて出発、ベイシアさん前から

運行スケジュールが新しくなっておりますので運行時間帯をよくご覧になってお乗りになって下さい。

坂城町長 山村ひろし

TPP講演会

昨日(3月30日)、坂城町主催で、全国町村会経済農林部長  柴田寛先生をお招きし、「TPP(環太平洋経済連携協定)をめぐる動き」というテーマで講演会を実施いたしました。

全国町村会経済農林部長 柴田寛先生

TPPを巡っては日々交渉が続けられていますが、その実態がほとんど伝えられていないのが実情です。

坂城町を含め全国町村会はTPP参加に反対の立場を表明しておりますが、今回は、TPPの実態について最新の情報を確認するための研修会を実施しました。

  TPP交渉のポイントとしては、昨年発効した米国・韓国のFTA交渉の内容がキーになりそうです。

今年の春~夏に一つの山がくると思っておりますので、これからも適宜このような研修会、あるいはシンポジウムを開催したいと思っております。

坂城町長 山村ひろし

日本刀のご寄贈(井原重之さん)

先日(3月26日)、千葉県佐倉市ご在住の井原重之さんから、坂城町鉄の展示館へ幕末の名工・細川正義作の刀一点、付属打刀拵(そろえ)一点、付属白鞘一点をご寄贈いただきました。

左から、井原重之さん、山村、宮入小左衛門行平刀匠

井原さんは永年、佐倉市役所に勤務される傍ら趣味として刀の収集・研究をされておられます。 このたび、貴重な刀等を寄付いただきましたので、鉄の展示館で大切に保管・展示を行いたいと思います。

ありがとうございました。

坂城町長 山村ひろし

葛尾組合臨時会閉会挨拶

葛尾組合は千曲市と坂城町で構成される一部事務組合です。

主に千曲市、坂城町のごみの焼却、不燃ごみ・資源ごみの処理、亡くなられた方の火葬、霊園の管理を業務としております。

 先日(2月29日)、千曲市議会で、東日本大震災で生じたがれき引き受けの決議がなされましたが、昨日(3月29日)私が組合長をしている、葛尾組合議会でも東日本大震災のがれきを引き受ける決議案が賛成多数で可決されました。(賛成:千曲市議7名、反対:坂城町議4名)

そもそも構成メンバーが坂城町議4名対千曲市議8名なので千曲市議の主張について議事にかければ決議されてしまうのですが、このような重要なテーマについて数の論理だけで決めてしまうことについては誠に遺憾なことだと思っております。

議会の決議についてはそれなりに尊重をしなくてはなりませんが、組合長、あるいは行政の責任者として慎重に対応しなくてはならないと考えております。

閉会のご挨拶の中で私の考えも述べましたのでご覧ください。

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平成24年第1回葛尾組合議会臨時会 閉会あいさつ
平成24年3月29日 組長 山村弘
 
 平成24年第1回葛尾組合議会臨時会の閉会にあたりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 国は東日本大震災から1年が経過する中、膨大に発生した災害廃棄物の処理が進まないことから、広域処理の必要性を訴え、全国の自治体に受け入れの要請をしているところであります。
 全国の自治体の中には、被災地の早い復興を願い、がれきを受け入れる動きもありますが、一方で処理施設の不足やがれきの放射線量などを不安視する焼却施設、最終処分場の周辺住民の反対から受け入れをしない自治体もあることも事実でございます。
 私も被災地の一日も早い復興を願うものでありますが、がれき処理は地方に分散せず、国の責任において東北地方に仮設の焼却施設を建設し、分別を確実に行う中で、早急に処理すべきものと考えております。
 千曲市議会におかれましても、去る、229日、3月議会定例会の開催日に「東日本大震災に係る災害廃棄物の受入処理に関する決議」が採択されところでございますが、本日、葛尾組合議会としても、東日本大震災に係る災害廃棄物の受入処理に関する決議が(賛成多数により)されましたが、安全が確保された被災地のがれきであっても、葛尾組合において焼却する場合には、地域住民の皆様にご理解をいただくことが何より重要であり、かつ最優先事項であると考えます。
 しかしながら、どうしても、千曲市が被災地のがれきを受け入れられる場合には、放射能物質の基準値以内の安全が確保されたがれきとし、チップ化や、分別処理の徹底、また、葛尾組合への搬入基準の大きさに処理し、さらに、千曲市のゴミを減らすことなど、千曲市民の理解と同意が前提となります。安全なものでしたら焼却も可能かと考えられますが、被災地のがれきを受け入れる場合は、事前に輸送経路、がれきの処理方法、焼却灰の処理等の諸条件を満たし、千曲市、坂城町の住民の不安も解消し住民のご理解を得ていただく必要があります。
 国、県、のみならず、自治体、国民の理解、そして、地元住民の同意が得られない限り前には進みません。
 県においても、阿部知事は従来どおり、まずは現在未処理となっている県内汚泥焼却灰の処分を考えるという姿勢を変えず、また、先日行われた県主催の市町村・一部事務組合等との意見交換会でも、災害廃棄物処理については、国、東京電力、都道府県、市町村の責務を明確にするよう、国に対し法改正を求めている段階であり、受け入れには慎重に対応しているとの説明がされたところです。
 過日は、葛尾組合の組合長及び議会議員あてに、千曲市の市民団体から「東日本大震災で発生したがれきの受入れ中止」についての要望書が提出されました。千曲市におかれましても十分に市民の皆様のご理解を得ていただくことも必要であると考えます。
 また、当組合の焼却施設は、建設から32年が経過する中で、確実に老朽化が進み、本年度、大規模改修を行うも本来の処理能力180トンには回復せず、現在65トンという状況であり、処理能力の限界に達しているものと考えます。
 このような状況の中、新たながれきの受け入れは非常に厳しいものがあり、長野広域連合が建設を予定している、千曲市のB焼却施設の建設が急務であると考えますが、本日、合わせて、長野広域連合長に対しまして、B焼却施設の建設事業の推進についての意見書を提出するというご決定をいただきましたことにつきましては、敬意を表するところでございます。
 一般廃棄物の処理につきましては、いろいろな課題がございますが、構成市町、組合議会、広域連合などの関係機関と、より一層の連携を図り、また、地域の皆様のご意見等をお聞きしながら、今後も適正な運営に努めてまいりたいと思います。
 本日は、ありがとうございした。
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 坂城町長 山村ひろし
                                      

老子の続き(第41章)

この章は「道」のあり方、あるいは「道」についていろいろな面から述べています。 また、「大器晩成」という言葉もここから出てきたものです。

上士聞道、勤而行之、中士聞道、若存若亡、下士聞道、大而笑之。 不笑不足以爲道。故建言有之。 明道若昧、進道若退、夷道若纇。 上徳若谷、大白若辱、廣徳若不足。 建徳若偸、質眞若渝。 大方無隅。 大器晩成。 大音希聲。 大象無形。 道隱無名。 夫唯道善貸且成。

                                 

 上士は道を聞へば、勤めて之を行ひ、中士は道を聞けば、存(そん)するが若(ごと)く亡(な)きが若く、下士は道を聞けば、大(だい)として之を笑う。 笑わざれば以(も)って道と爲(な)すに足らず。 故に建言(けんげん)之あり。 道に明かなるものは昧(くら)きが若く、道を進むものは退くが若く、夷道(いどう)は纇(るゐ)なるが若く、上徳は俗なるが若く、大白(たいはく)は辱(じょく)せるが若く、廣徳(くわうとく)は足らざるが若く、建徳(けんとく)は偸(とう)なるが若く、質眞(しつしん)は渝(ゆ)なるが若し。 大方(たいほう)には隅(ぐう)無く、大器は晩成し、大音(だいおん)は聲希(こえな)く、大象(だいしゃう)は形無し。 道隠れて名無し。 夫(そ)れ唯道のみ善(よ)く貸し且(か)つ成す。

                         

 すぐれた人物は「道」について聞けば努めてこれを実践していると言いますが、普通の人に聞いた場合には半信半疑でよくわからない。 道について全く理解していない人に聞けば大声を出して馬鹿にして笑います。 このように笑われるくらいでなければ本物ではないのです。  格言として次のことが言われています。 「明るい道というのは照らし出されているものなのでかえって恐ろしく、暗い道ならば慎重に進むことになる」、「道を進む場合にもあたかも後ろへ戻るかのように慎重に歩を進める」、「平坦と思われる道もむしろごつごつしているものと思わなければならない」、「最高の徳を身につけた人はかえってへりくだっている」、「本当に真っ白に、潔白に見えるものはかえって汚れをよく知っている」、「広大な徳を身につけている人はむしろ、まだまだ足りないとへりくだっている」、「しっかりした徳を身につけている人はかえってだらしなく見える」、「ゆるぎない徳を身につけている人はかえって柔軟に対応し変わりやすいように見える」、「本当に大きなものにはその角などわからない」、「すぐれたものはすぐには出来ない」、「偉大なる大きな声はなかなか聞き取れない」、「大きな存在というものは、かえって、なかなか目に見えない」 道はそもそも目に見えるものでもなく、名もありません。しかしながら道のみが万物に力を貸し育て上げてくれるのです。

                    

 この章では、「道」のいろいろな側面から議論しています。 いわば「俗世間の基準から見ていてはなかなか理解できない」 ということを述べています。

                      

 坂城町長 山村ひろし

新しい英語の先生

今日(3月27日)、4月から坂城中学校で英語の指導をされる、ベン・ミンコフ (Ben Minkoff) さんが役場に挨拶に来られました。

お名前はベン・ミンコフさんで、出身はニューヨーク州、ブロンクスで、大変若い元気な方です。

また、ミンコフさんはバサー・カレッジという有名な人文系の大学のご出身です。

アジア研究で学位を取られ、日本についても専門的な研究をされており、日本語もそこそこ堪能です。

少しでも早く坂城の空気に慣れていただき、ご活躍されることをお祈りします。

坂城町長 山村ひろし

スター混声合唱団 チャリティー トーク&コンサート

昨日(3月24日)、 更埴文化会館 あんずホールで、タレントの山田邦子さんが団長をされておられる、「スター混声合唱団 チャリティー トーク&コンサート」が開催されました。 主催: 国際ソロプチミスト千曲(代表 中村トモエさん、実行委員長 日置妙子さん)、 共催:千曲市、 後援: 坂城町、坂城町教育委員会

本コンサートに千曲市の近藤市長ともどもお招きいただき、児童館充実のための御寄付もいただきました。 感謝感激です。

 (中央、赤いカーディガンが山田邦子さん)

スター混声合唱団は、2008年にがん撲滅を目指して結成された合唱団で、団長は自ら乳がんを経験され、いまだにがんと闘っているタレントの山田邦子さん、副団長は直腸がんを経験されたジャーナリストの鳥越俊太郎さんです。 メンバーはタレント、俳優、歌手、アナウンサー、ボクサーなどなど多彩な方々です。 活動を通じてその収益を関連団体に寄付されたり、がんの早期発見の呼びかけ、がん患者や家族への勇気づけなど積極的に活動されています。

昨日のコンサートでは、山田邦子さんの縦横無尽の活躍で涙と笑い、感動の素晴らしいステージを作っていただきました。

トークショウで、上田市出身のボクサー西澤ヨシノリさんと

西澤ヨシノリさんはかつて、日本チャンピオン(ミドル級)、東洋チャンピオンなどのを経験され、現在、オーストラリアに移られ、クルーザー級の世界チャンピオンになられています。 40歳を過ぎての世界チャンピオン、西澤さんもすごい。

久々に素晴らしいコンサートに出会いました。

(出演者の方々:順不同、敬称略)

山田邦子、清水よし子、服部真湖、石原裕子、原元美紀、森川泉、河村右、鈴木直人、西澤ヨシノリ、嶋崎伸夫、進藤学、鼓太郎、八反安未果、一谷のぶえ、河相我聞、上田悟、黒田アーサー、(演奏:奥村伸樹、赤星裕子他)

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第40章)

前章は、老子の中でも一番長い章でしたが、この章は一番短い章ですね。

しかしながら、この章も老子の本質が語られています。 この章はいわば老子の「生死論」とでも言えます。 冒頭の「反」は反対というより、「もとに戻る、立ち戻る」という意味です。

 反者道之動、弱者道之用。天下萬物生於有。有生於無。

                                      

 反(はん)は道の動(どう)、弱(じゃく)は道の用なり。  天下の萬物有(う)より生じ、有は無より生ず。

                                 

 常に根源に立ち戻るのが道の動きなのです。 また、「道」は一見、弱々しく見えても常に柔軟に働きつづけます。 天下のすべての萬物は、「有(う)」、何かしらの存在から生まれてきますが、その「有」そのものは「無」といわれるすべての根源としての「道」から生まれてきます。

                      

 この章は私にとって大変大切にしている章です。

 私たちの人生は、「道」から「出生」し、人それぞれの人生を経験し、「入寂」します。 私たちの人生はいわば「道」からお借りして、「道」にお返しするようなものです。 従って、大切に、大切に磨き上げてお返ししなくてはならないのです。

 このような話をいつも学生、若者、あるいはお年寄りにも話してきました。

                    

 坂城町長 山村ひろし