第2回ものづくり中小企業連携セミナー開催(さかきテクノセンター)

本日(9月16日)、さかきテクノセンターで第2回ものづくり中小企業連携セミナーが開催されました。(テクノハート坂城協同組合共催、財団法人さかきテクノセンター後援)

今回は、平成21年度の国の緊急経済対策事業として取り組まれた「ものづくり中小企業製品開発等支援事業」で採択されたDTF(Desk Top Factory)研究会の試作開発事例の発表が行われました。 発表されたのは、高島産業 、 平出精密、 KEC、東洋精機工業 、エンジニアリングシステム の5社の連携事例です。

基調講演として、経済産業省中小企業庁の岸本拓哉氏、(独)産業技術総合研究所の島田享久氏のお話がありました。

会場、溢れんばかりの参加者があり大変熱のこもった発表、議論が行われました。

今回は諏訪をベースにした企業のお話が中心でしたが坂城の企業としても大変参考になる話が多く、企業間の連携が進むことを期待します。

坂城町長 山村ひろし

宮後工業(株)野球部優勝!

9月10日(土)、中野市営球場で開催された、第56回中部日本都市対抗軟式野球大会長野県代表決定大会で、宮後工業株式会社野球部の皆さんが見事優勝を果たし、全国大会への出場権を獲得しました。

左から 宮後社長、山村町長、佐塚監督、峯村野球部長

社長の宮後睦雄さんは長年、野球の振興に努力され、リトルリーグの支援にも大変なご尽力をいただいておりますが、会社の野球部の運営にも並々ならぬご努力をされてこられました。(社長ご自身もかつては選手、監督としてチームを支えてこられました。)

このたび、ついに県大会で優勝され、昭和56年の野球部創立以来、30年にして全国大会に出場されることになりました。 チームの活躍で会社の士気も大変高まっているとのことです。 

昨今の経済環境下、企業内スポーツの維持が大変難しい時代ですが、それだからこそ、野球部のようなチームスポーツはますます大切だと考えます。

坂城町としても大いに応援して行きたいと思います。

尚、全国大会は、11月12日(金)~15日(月) 知多市で開催されます。

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第15章)

この章で、「微妙玄通」という言葉が出てきますが、これは正に、老子の神髄、「玄人」 について述べています。

「玄人」は「素人」と違い、「見えないところが見える、先が読める、明日が見える」などともいえますね。  玄妙に通じている、「人間の最高峰」のあり方について述べています。 ただ、この人がどんな人なのかについては、いろいろな言い方、喩えをして説明をしています。 この表現を味わってみてください。

古之善爲士者、微妙玄通、深不可識。夫唯不可識、故強爲之容、與兮若冬渉川、與兮若畏四隣、儼兮其若客、渙兮若冰之將釋、敦兮其若朴、曠兮其若谷、混兮其若濁。孰能濁以靜之徐清。孰能安以久動之徐生。保此道者、不欲盈。夫唯不盈、故能蔽復成。

古の善く士たる者は、微妙玄通、深くして識る可(べ)からず。 夫れ唯識る可からず。 故に強ひて之が容(かたち)を為せば、與(よ)として冬川を渉るが若く、猶(いう)として四隣を畏(おそ)るるが若く、 儼(げん)として其れ客たるが若く、渙(かん)として氷の将に釈(と)けんとするが若く、敦(とん)として其れ朴(ぼく)の若く、曠(こう)として其れ谷の若く、混として其れ濁(にご)れるが若し。」  孰(た)れか能く濁も以て之を静にして、徐(おもむろ)に清まさん。 孰れか能く安んじて以て久しく之を動かして、徐に生ぜん。」 此の道を保つく者は、盈(み)つるを欲せず。  夫れ唯だ盈たず。 故に能く藪(やぶ)るるも復(また)成すなり。

 

 昔の「道」をよくわきまえた人は微妙な奥深いところに精通していてその有り様はなかなか理解できません。 なかなか理解しにくいのですが、仮にどのような態度ですかと例えれば、そっと冬の川を渡るようであるし、ためらいながら四方に気配りをするようであり、威儀をただして客人のようにしている風でもあり、ゆるやかに氷が融けるようであり、朴(あらき)のように純朴のようであり、滔々として水の流れる谷のようであり、混沌とした濁り水のようでもあります。
 濁った河の水を静かに澄ませたりするようなことは誰に出来るでしょう。 安定した状態であらゆるものを動かし物を作り出していくようなことは誰が出来るのでしょう。 それが道の働きなのです。
 この「道」を体現している者は、完全に満ちてしまうことを欲しません。 一杯にしないからこそ何か問題があっても元に戻ることが出来るのです。
 
   
      どうやら、すごいリーダーシップを持ちながら、傲慢なところがなく、用心深く、厳然としていて、なおかつ温かい人間性を持った最高のプロフェッショナルのようですね。
 
  
  坂城町長 山村ひろし

敬老ご訪問

  昨日(9月10日)、坂城町にお住いのご高齢の方々のお宅を訪問させていただきました。

訪問させていただいた方は、今年度、88歳になられる方、99歳になられる方、100歳以上になられる方々です。 この方々で合計100名おられます。 

朝8時から、午後4時半頃まで、一軒一軒お邪魔し、お会いし、些少ながら町からのお祝いをお届けしました。

このうち、88歳の方々は84名、99歳の方々は7名、100歳以上の方々は9名おられます。 

100歳になられてもまだまだ、かくしゃくとされ、一人で買い物などに出歩かれる方、毎日のように湯さん館に来られる方、大勢の孫・ひ孫さんに囲まれ敬老のお祝いをされておられる方など、お元気な方々が多く、大変感銘を受けました。 

明治、大正、昭和、平成と日本の国づくりに大いに貢献されてこられた方々に大拍手を送るとともに心からお祝い申し上げます。

今日(11日)も各地で敬老会が開催されます。 これから皆様と一緒に敬老会に参加し、お祝いを申し上げてまいります。

坂城町長  山村ひろし

「絆」(きずな) のCD,DVDカラオケ完成

以前(8月8日)、田口佳史作詞、小川マキ作曲の「絆」について記述しましたが、このカラオケのCDとDVDが完成しました。

以前、私がブログに書いたところを再掲しますと、 

「小川さんは3年前、リンパ球が赤血球のもととなる細胞を破壊する難病「赤芽球ろう」を発病されました。   今はだいぶ良くなられたとのことですがいまだに副作用に悩まされておられるようです。 また、この曲の作詞をされたのは私も以前から存じ上げている、経営思想家の田口佳史さんですが、田口先生も今から40年ほど前に取材で訪れたタイで、2頭の水牛に八つ裂きにされ奇跡的に命を取り留めた経験があり、いまだに後遺症に悩まされておられます。  このお二人がこのたびの震災で被災された方々に勇気と元気を取り戻していただくためにつくられた曲がこの「絆」です。」

  先日(8月26日)、小川マキさんにお会いしたときに、「皆で歌うためにカラオケを作ってください」 とお願いしていましたが、このたび、早速作っていただきました。

注文されたい方は以下にご連絡ください。
価格は CD,DVDセットで 1500円です。    
 
 
「きずな」作詞:田口佳史, 作曲:小川マキ
 
尚、音源はYU-TUBEに登録されていますのでまだお聞きになっていない方は以下をご利用ください。

http://www.youtube.com/watch?v=W_D1Y7tCRxY

 
   川は 母のように やさしく流るる
清らかな水に 導かれて
やがて 辿(たど)り着く 大きな世界へ
たゆたいながら 我が道ゆこう
いつか見た 岸辺のタンポポ 今も道標(みちしるべ)
 
(*)変わり続ける時代の中で 
   変わらぬものがあるはず
   この手の中に 希望の光
   あなたとの絆
 
   山は 父のように 無言で佇(たたず)む
険しき岩影 厳しさ覚えて
明日を生きてゆく 確かなひとあし
躓(つまず)きながら 続く坂道
あの日見た 夜明けの地平線 今も道標
 
(*)
 
   風は 友のように 明るく囁(ささや)く
励まし 時には 背中を押されて
空の青に浮かぶ 雲のまにまに
僕らは歌うよ 旅立ちの瞬間
忘れない 涙と笑顔が 今も道標
 
(*)
 
ラララ・・・
この手の中に 希望の光
あなたとの絆 それは宝物
   
以上。  坂城町長 山村ひろし

久々の寄席

心配していた、台風12号が西寄りのコースをとったため、今日のところは、坂城としては一安心ですが、被害を受けられた地区の皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

さて、本日(9月3日)は、午前中、坂城勤労者総合福祉センターの「第13回センター祭」に参加しご挨拶させていただきました。 日頃の練習ぶりを、皆さま精一杯、ステージで発表されたり、あるいは展示室でお作りになった作品を発表されておられました。 皆様の素晴らしい、活動、作品に大変大きな感銘を受けました。

午後は文化センターで開催された「第19回坂城寄席」にお邪魔しました。

久しぶりの寄席でした。 私は東京の神田と上野の間の湯島天神のふもとで生まれました。 その当時の湯島天神界隈は正に「熊さん」や「八っつぁん」、「鳶の親方」などが元気な時代でありました。(「3丁目の夕日」の世界でもあります。)

すぐ近くには、人間国宝になられた一龍斎貞水さんがおられ、若いころは大学芋を売りながら講談会を開いておられました。 また、近くの黒門町には桂文楽師匠がおられました。(当時、落語会で「黒門町」といえば桂文楽師匠を意味するくらい有名で尊敬されておられました。)

鈴本演芸場にもよく通ったものです。 先日のニュースで、本牧亭がついに閉場することになったとのこと、残念ですね。

さて、本日の坂城寄席は「坂城笑いの中楽校」と称して、6時限の授業がありました。 演目は神田京子さんの講談(山之内一豊の話)に続き、橘家半蔵さんの落語(お伊勢参り)、神田陽子さんの講談(四谷怪談)、神谷ありこさんの歌声指導、橘屋半蔵さんの落語(車屋)、柳家はん治さんの落語(鯛)という内容で、午後1時半から5時までの本格寄席でした。

坂城で本日のような実力者ぞろいの本格寄席が開催されることに大きな喜びと、敬意を表します。

   本当に、久しぶりに生の落語、講談に触れることができ、最大の幸せでした。

   また、神田京子さんとは、以前、裏千家のお茶会でご一緒する機会があったり、独演会にもお邪魔する機会がありましたので、久々に成長した神田京子さんのお話を聞くことができ誠に満足でありました。

来年は、20回目ということもあり、「大喜利」なども企画されるとのこと、来年も期待したいですね。

長谷川事務局長さん、小宮山さん、川島さん、はじめ多くの運営スタッフの皆様方のご努力に感謝いたします。

本日はありがとうございました。

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第14章)

この章では、世界の森羅万象の大本とでもいうべき「道」とはいったいどんなものなのか、いろいろ自分で考え、探り出していただきたい、ということです。 いわば座禅をやるようにとにかく自分でつかんで欲しい、「道」の本質を理解して欲しいということです。

  

視之不見。名曰夷。聽之不聞。名曰希。搏之不得。名曰微。此三者不可致詰。故混而爲一。其上不�涼、其下不昧。繩繩不可名、復歸於無物。是謂無状之状無物之象。是為忽恍。迎之不見首。隨之不見其後。執古之道、以御今之有、以知古始。是謂道紀

 

 之を視れども見えず、名づけて夷(い)と曰う。之を聴けども聞こえず。名づけて希(き)と曰う。之を搏(とら)へんとすれども得ず。名づけて微(び)と曰う。此の三者は致詰すべからず。故(もと)より混じて一と為る。」其の上�涼(あきら)かならず、其の下昧(くら)からず。縄縄(じょうじょう)として名づくべからず。無物に復帰す。 是れを無状の状・無物の象と謂う。是れを惚恍と為す。」之を迎ふれども其の首を見ず、之に随へども其の後を見ず。古の道を執りて、以て今の有をし、能く古始を知る。是れを道紀と謂う。

  

 道は見ようとしても見えるものではありません。そこでこれを形の無いものとして「夷」と名付けます。また、何かを聴こうとしてもなにも聴こえません。そこでこれを音の無いものということで「希」と名付けます。捕まえようとしても捕まえることはできません。そこでこれがあまりにも小さいものなので「微」と名付けます。これらの三者は各々をとらえても意味がありません。この三者が一つになって道となっているのです。
 ふつう物体であれば上のほうにあれば明るく、下のほうにあれば暗いことが多いのですが道の場合はそうでもありません。おぼろげで言いようがありません。結局物の無い無物の状態に立ち戻っていくのです。これを言葉で言い表せば、状態の無い状態、物の無い象とでも言えます。別の言葉で言えばぼんやりした惚恍と言えます。
 普通の場合、向こうから誰かが来ればその首を見ることができますが、道の場合にはどんなものかその首を見ることはできません。
 また、後ろから付いていっても後部を見ることも出来ません。道は大昔からのやり方を心得えて現在のすべての物をコントロールしています。すべての太古の状態を知っているのです。これを道紀(ものごとのおおもと)と言います。
  
 「道」はありとあらゆる宇宙の根源なのですが、それだけに具体的に手に捉えることはできません。まことに漠としたものであります。 さらに、その「道」が万物の根源であるとともに、いまだにこの宇宙のすべてのものをコントロールしているという凄さを感じていただきたい。
 
  坂城町長 山村ひろし

坂城町9月議会開会

本日(9月1日)、平成23年第3回坂城町議会(9月)が開会されました。

本議会は本日より、9月20日まで開催されます。 

いささか長文ですが、私の議会招集挨拶文を掲載させていただきます。(公式には、議会事務局から議事録として公表されますので、これは速報としてご理解ください)

 町長招集挨拶 (平成23年9月1日)
 
 本日ここに平成23年第3回坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、全員の御出席をいただきまして、開催できますことを厚く御礼申し上げます。
 
 さて、本日は9月1日、防災の日であります。 しかしながら本年は例年とは違う特別な意味があります。
 
 (震災からもうすぐ半年)
 
東日本大震災からもうすぐ半年になろうとしています。
私は、6月議会終了日の夜、坂城ライオンズクラブのメンバーとともに、陸前高田市を訪問いたしました。避難所となっておりました広田小学校では、坂城町のバラの花やバラ祭りの来場者の皆さんから寄せられた応援メッセージボードをお贈りし、町猟友会のご協力をいただいた猪肉のトン汁を作り、被災者の皆さんに食べていただきました。その後、陸前高田市役所の仮庁舎に表敬訪問をしましたが、自治体が無くなる、役所が被災するということはこういうことかと強い衝撃をうけました。
 遠く青く穏やかな太平洋が何事もなかったように輝いていましたが、目の前には一面の瓦礫しかありません。車のナビゲーションでは、繰り返し建物の名前や、商店の名前について繰り返し述べられますが、目の前には何もないのです。都市の目印が一つもない世界でした。「頑張れ 日本」「負けるな 日本」国民が、心を一つにして取り組んでいかなければならないと感じました。
 3月11日を境に、日本人の考え方、判断基準が大きく変わったと言われています。現地を見た人、テレビでリアルタイムの惨状を目の当たりにした人も、変わらないでいられるでしょうか。私たち行政に携わる者として、そんな住民の皆さんと同じ感覚を持ち続けたいと考えます。
 
 それにつきましても、現在の政局は、被災地の皆さん、我々国民とどれほど遊離していることかと思うのは、私ばかりではないと思います。一昨日、ようやく新たに野田総理大臣が選出されました。
新総理大臣には、早急な震災への対応のみならず、いまだに終息の見えない原発事故、放射能問題、加えてアメリカ、ヨーロッパの経済不安を起因とする円高、日本の政治はこのままでいいのか、一刻も早く、世界に信頼される政府、国際政治を担える国になるよう立て直しを願わずにいられません。
 
 さて、福島第一原発事故から、牛肉や野菜、一般廃棄物焼却施設、浄水場など空間放射線量が国民の不安を高めております。7月26日県環境保全研究所が実施いたしました役場と村上小学校での測定では1時間当たりの被ばく限度量(0.19マイクロシーベルト)を下回る測定結果となり、ほっとしているところでございます。また、葛尾組合の飛灰やいわゆる焼却灰(主灰)の測定におきまして放射性セシウムが検出されましたが、いずれも国の定める基準値を大幅に下回っておりましたが、今後も推移を見守ってまいりたいと考えます。
 夏休みの期間中、放射性セシウムに汚染された腐葉土がカインズ・ホームセンターで販売されたという報道がありました。調査したところ坂城中学校で購入されていたかとがわかりましたが、既に12袋がプランターで使用され、8袋が未使用の状況でした。教育委員会では、県農政部・県教育委員会と協議をし、プランターと未使用袋をシートにより覆い、販売した業者に回収をしてもらいました。回収後に同地で放射能量を検査し、人体への影響のない範囲であったと報告がありました。夏休み中ではありましたが、経過と結果については、全生徒に早急にお知らせをするよう指示をし、中学校において対応をしていただきました。
 私は、これら放射線量の問題につきましては、国の責任において、国民の不安を取り除くことが当然と考えますが、いまだ、対応がなされていない現状であり、県の対応も不十分であると考え、今回の9月補正に放射線測定器の購入を計上いたしました。具体的な測定場所を定め、定期的に測定し、結果についてはホームページや広報で公表してまいります。
 
 また、中部電力浜岡発電所など原子力発電所の相次ぐ運転停止も加わり、電力供給の不安も大きく、毎日、朝のニュースの中で使用電力予想が発表され、節電が呼びかけられています。国境を越えて他国からの電力供給が可能な欧州と比べることのできない日本の“ものづくり”が危機を向かえているのです。電力を一企業単位で考える現在の政府の考え方には、問題があると考えます。
 
 (電力問題への取り組み)
 
 
 「企業の町 坂城」として、自治体全体で電力を考える必要があり、今後のエネルギー問題への対応は、町の重要課題であると考えます。すでに、メガ・ソーラープロジェクトには手を挙げていますが、さらに、国の補助事業「スマートコミュニティ構想普及支援事業」に応募申請をいたしました。
この事業は、電力の需給両面での変化に対応し、情報通信技術を活用し、効率的に需給バランスをとったり、熱や未利用エネルギーを含め、エネルギーを地域単位で総合的に管理し、融通し合えるような「スマートコミュニティ」の導入につなげるための調査をするものです。大変競争率が高いということでありますので、採択の可否は厳しいと考えますが、町としての姿勢を示すことも重要なことと考え申請をいたしました。
 
    (円高問題)
 
  次に、円高問題でございます。輸出関連企業が多い坂城町にとって、円やドルの為替問題は、重要なポイントとなります。震災後の落ち込みから回復傾向が見え始めたところで、アメリカの経済不安を発端とした円高となり、戦後最高値となる75円台に突入する事態となり、国政の混乱の中、沈静化が見えてまいりません。このまま、打開策が打ち出されない場合、町内企業の業績に多大な影響を及ぼすことが懸念されます。町といたしまして、資金需要が高まる年末に向け、円高等の影響を受けやすい中小企業の資金繰りを支援するため、制度資金にかかる規則改正をし、併せて、預託金にかかる補正予算を今議会に計上いたしました。中小企業の円滑な資金供給を図ってまいりたいと考えます。
 
  (平成22年度決算)
 
 さて、9月議会は、決算議会でございます。22年度決算状況について申し上げます。 
歳入につきましては、平成20年秋以降の世界的な経済不況は、翌年度の個人所得に深刻な影響を与えたことから、平成22年度の個人町民税については、マイナス20.1% 1億5,537万5千円の減でしたが、法人町民税は、企業業績がやや回復にむかい、プラス26.7% 4,651万9千円の増で、町民税全体ではマイナス11.5%となりました。固定資産税については、主に償却資産分が減額となり、3.2%の減となりました。町税全体では前年度対比マイナス5.9%、約1億5千万円の減収となったところであります。
地方交付税につきましては、基準財政収入額が、税収について減額算定がなされたことを主な要因として、交付基準額が伸び、普通交付税、特別交付税合わせて前年度対比25.2%、約2億4千4百万円の増額となった次第であります。
財源にゆとりがあるとされる財政力指数は、3ヶ年平均が0.751でありまして、県下市町村の中では4番目に位置しております。
国庫支出金につきましては、平成21年度のような大型の経済対策臨時交付金がなかったことから、前年度対比約2億2千7百万円の減となり、歳入全体としては、前年度対比マイナス8.8%の61億7,302万円となりました。
 
 一方、歳出につきましては、持続的な行財政改革を進める中で、引き続き経常経費の削減に努めておるところであります。性質別に見ると、人件費が減少しておりますが、子ども手当の支給が開始され、扶助費が伸びました。22年度は、定額給付金事業や大きな税還付がなかったことから補助費が減少いたしました。
また、普通建設事業費につきましては、まちづくり交付金事業が21年度に終了したことから、前年度との比較では大きく減少いたしましたが、直売所の整備、県の安心こども基金を活用しての公園遊具整備などを実施しました。投資的経費全体では、前年度対比では、マイナス60.6%となったところであります。
 歳出全体では、前年度対比マイナス9.3%の60億7,007万円、実質収支8,078万円という決算になった次第であります。
 
 また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」による財政健全化の5指標でございますが、「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」については黒字でありまして、「実質公債費比率」が16.8%、「将来負担比率」が79.9%であります。なお、下水道事業に係る「資金不足比率」は資金の不足ありませんでしたので、数値が入りません
指標のいずれも早期健全化基準を下回っており、健全と言える状況ですが、引き続き、将来にわたる負担の軽減、健全な財政運営に努めてまいります。
 
(チャレンジSAKAKI)
 
さて、私が、今年5月に町長に就任した際、全職員に今後の町づくりに生かすための提案を、私に直接提出するようお願いしました。
職員からは、自分の仕事の枠を超えた、206の提案や目標などが寄せられ、これを集約、整理した提案は「チャレンジSAKAKI」と命名し、今後、町づくりの新たな取り組みとして、課題を検討し、精査しながら、実現できるものから各課の枠を超えたチームを立ち上げ、順次取り組んでいきたいと考えております。
チャレンジする内容は、「エレベーター・駅前活性化」「ワイナリー、農業振興、観光へ」「投票所のバリアフリー」「コンビニ収納」等があります。
すぐできるものは、今議会に補正予算を計上いたしました。また、来年度の予算に計上するもの、実施計画に反映させるもの等、私も、「チャレンジSAKAKI」が、今後の町づくりにどの用に反映されていくのか楽しみにしております。
 
また、私が選挙公約にかかげました「活力あふれた元気な町」「人の輝く町」「笑顔の町」「誇れる町」の4つの柱立てでの施策展開に関わりまして、平成24年度からの実施計画において具体化していくと申し上げて参りましたが、この8月から実施計画の策定作業を開始いたしました。既に、私と各課ごとのヒヤリングを実施しました。取りまとめた「チャレンジSAKAKI」での提案も含めて、政策の柱立ての調整を図りながら進めているところであります。
実施計画を、平成24年度予算策定に反映させるために、11月末までに方向付けを完了させたいと考えておりますが、その中間におきまして町民の代表や有識者の皆さんの意見を聞く機会を新たに設けてまいります。
 
 (上田地域定住圏構想)
 
 7月27日に調印式を行いました、上田地域定住自立圏構想につきましては、それぞれの部門ごとに「共生ビジョン」の策定作業が行われておりますが、その内容が見えてきた段階で実施計画との調整も図り、24年度予算の中において、係る経費を計上して参りたいと考えております。
  
(坂城どんどん)
  
    8月6日に開催されました第34回町民まつり坂城どんどんは、昼のイベント、夜の踊り流しと盛大に開催することができました。
今年は、「つながろう日本」をテーマに、栄村物産展の開催や被災地から坂城町に避難されている方の招待、踊り流しの賞品に東北地方の物を加えるなどの特色を設けました。また、夜の踊り流しには、48連約1,400人の参加をいただき、大いに盛り上がったところであります。
 来年は、35回の節目の年を迎えます。今年以上の参加を頂けますよう実行委員会の皆様には工夫頂ければ思います。
 
   (坂城町企業動向調査)
 
これまでなかなか把握できなかった町内企業の経済動向につきまして、町内主だった企業から、生産量・売上げについて、前3カ月との比較・前年同期との比較・3カ月後の見込を定期的に回答をいただくことの協力をお願いいたしました。
1回目は、4から6月の3月について、7月末までにお寄せいただき、回答率は85%でした。状況を申し上げますと、生産量では、3月前との比較で、プラス又は変わらないとの回答が大半を占め、3月11日発生の東日本大震災により落ち込みが懸念されましたが、プラス・マイナスでの平均値4.7%のプラスと生産量からは順調な回復がうかがわれました。
今後も、この調査を3か月をひとつのサイクルで行い、町行政に反映していきたいと考えております。
 
 (9月補正関連)
 
   特産品振興では、ねずみ大根キャラクターの名前募集に県内外から約800件の応募をいただきました。今後、決定に向けて審査を進めてまいるとともに、このキャラクターをPRしてまいりたいと考え、関連する補正予算を計上いたしました。
 
  子育て支援の一つとして、 6月議会でも答弁をいたしましたが、町として「ながの子育て家庭優待パスポート事業」に取り組むため、関係経費の補正予算を計上いたしました。 18歳未満の子どもさんをお持ちの世帯を対象とする本事業におきましては、当町でおよそ1450世帯が対象となる見込みで、町内の多くの店舗にも協賛をいただき地域全体で子育て家庭を応援できるよう、町商工会とも連携をしながら、来年の年明けにはスタートできるよう進めてまいりたいと考えております。
 
 (種々の取り組みなど)
 
   9月19日の敬老の日を迎えるにあたり、町でも高齢者の長寿を祝福し敬老の意を表するために、この9月10日に米寿、白寿、100歳以上の方々100名に敬老訪問事業を実施いたします。今年の敬老慶祝事業の対象者は、77歳の喜寿の方が169名、88歳の米寿の方が84名、89歳から98歳が318名、99歳の白寿の方が7名、100歳以上が9名でございまして、全体で587名でございます。
  なお、最高齢の方は明治40年生まれの男性で、この8月に104歳になられました。
 
公共下水道につきましては、下水道普及率の向上を図り、環境整備を計画的に進めており、現在、南条地区では町横尾地区を中心とし下水道の面的整備工事を実施中であります。村上地区では、上五明を通過する幹線の工事が完了し、引き続き、網掛・上平地区の面的整備が行えるよう、県道長野上田線と上室賀停車場線に布設する幹線の工事を行っていく予定であります。
 また、町横尾地区終了後は、産業道路東側の下水道の面的整備工事を進めるための補正予算を計上いたしました。
 
町総合防災訓練が8月28日、南条小学校において開催されました。南条地区の住民の皆さんには、たいへん暑い中、大勢の皆様にご参加いただき誠にありがとうございました。
今回は、東日本大震災及び長野県北部地震を受け、今まで以上に多くの住民の皆さんも体験、参加できる新たな訓練や避難所開設訓練加えるなど充実した防災訓練でした。
また、消防団の火災想定訓練、消防組合による高所救出訓練は、大変迫力ある、きびきびした訓練が行われました。
災害の未然防止また被害の軽減を図るためには、行政機関のみならず、地域住民の皆さんにおいても日頃から災害に対する備え、災害時における自主防災会等の防災活動が重要なものとなってきております。台風シーズンを迎えるにあたり、家庭と地域、行政の連携のもと、防災意識の高揚と防災対策の徹底に万全を期してまいります。
 
 消防関係でうれしい報告がございます。
7月31日、伊那市で開催されました第53回長野県消防ポンプ操法大会に坂城町として10年ぶりに出場した、坂城町消防団第2分団は、県下各地区の代表12チーム中、第7位の好成績を収めることができました。この成果が、坂城町消防団全体のさらなる操法技術の向上に繋がり、地域の防災活動にも生かされること期待いたします。
 
びんぐしの里薪能が8月27日びんぐし公園野外舞台において、町内外から1,200人を超える多くの皆さんが集まり開催されました。会場は長蛇の列ができ関心の深さがうかがわれました。
松尾実行委員長さん始め、実行委員の皆様には、準備から後片付けまでお疲れさまでした。
子どもたちは、1月から東京の能楽師、松木千俊さんから指導を受けた「鶴亀」の練習の成果を披露し、宮入小左衛門行平刀匠による緊張感ある「奉納鍛錬」、広い分野で活躍されている野村萬斎師の狂言「樋の酒」、「能」では重要無形文化財保持者の松木千俊師が「シテ」を舞っていただき、大変素晴らしい日本の中世からの伝統に触れることができました。
子どもたちには思いで深い舞台となり、今後もこういった地域の皆様の活動に対しまして、町として支援して参りたいと考えます。
 
8月15日に開催されました第56回成人式には、最近にない8割を超える新成人が出席をいたしました。新成人代表者からは「明るい未来を築く担い手となる立派な社会人を目指したい。」との決意発表がありました。
今後の町づくり、国づくりに力を発揮することを期待いたします、
 
22年度の繰越事業として進めてまいりました、南条小学校体育館の耐震化工事は予定どおり完成し、8月末に引き渡しがされました。
 引き続き、6月補正でお認め頂いている、南条小学校及び村上小学校の普通教室棟、特別教室棟の耐震化に伴う実施設計を進めてまいります。
 
 
    (子どもたちを対象とした高度ICT育成事業)
 
  このたび、東京に本社がある株式会社学研教育出版が文部科学省の補助事業「地域における子どもたちを対象とした高度ICT育成」事業に、坂城町とともに申請し、採択されました。
この、地域における「21世紀型生きる力」の育成目標の作成と活用に関する高度ICT育成人材開発のモデル化事業に坂城町が参加いたします。
文部科学省の発表した「教育の情報化ビジョン」の中で、21世紀を生きる子どもたちに求められる力として、確かな学力、豊かな心、健やかな体等の「生きる力」と必要な情報を主体的に収集・判断・処理・表現・発信・伝達できる能力等の「情報活用能力」をあげており、今回、坂城町の子どもたちに、この実証的学習に参加してもらい、21世紀の社会で貢献できる人を育てるための育成目標を策定するものです。
この調査研究会の委員に「東京工業大学 清水康敬 名誉教授」「東京学芸大学 伊藤一郎 準教授」に加え、私も委員の一人として、坂城町として関わってまいります。
 
 以上、町政の一端を申し述べましたが、本議会にご審議をいただきます案件は、人事案件3件、専決報告1件、一般会計・特別会計の22年度決算の認定8件、一般会計・特別会計の補正予算7件でございます。よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申しあげまして召集のご挨拶といたします。
 
    以上。坂城町長 山村ひろし

「チャレンジ SAKAKI」 について

最近、うれしいことが続いています。 一つは何と言っても、先日の「第1回坂城びんぐしの里薪能」が大成功に終わったこと。 (これは先日記しました) また、次の日も好天の中、南条小学校グラウンド・体育館を会場にし、南条地区の皆さんを対象とした、平成23年度坂城町総合防災訓練が無事、大成功に終わったこと。

もう一つが、「チャレンジSAKAKI」がスタートできたことです。 これは私が5月6日に初登庁した日に役場職員の方々にお願いした 「一人一人がチャレンジしたい目標設定」です。 何人の方々にご協力いただけるか若干の不安もありましたが、130名の職員全員から提案を得ることができました。(206件)

そのテーマ、一つ一つにこれから取り組みます。 

プロジェクトは課を超えた(クロスファンクション)チームで編成され、今までのような垣根を取り外し皆で共通のテーマとして議論し進めます。

主な内容につきましては以下をご覧ください。 また、町民の皆さま方から、種々ご意見、ご指摘をいただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。

(以下をクリックして下さい)

http://www.town.sakaki.nagano.jp/www/contents/1001000000169/index.html

以上。 坂城町長 山村ひろし

「第1回坂城びんぐしの里 薪能」 大成功(速報) 

多くの方にご協力いただき、足かけ4年前から準備された 「第1回坂城びんぐしの里 薪能」 がおかげさまで大成功裏に終了いたしました。 1200人以上の方にお出でいただきました。

感謝感激であります。

数日来の激しい驟雨が嘘のように晴れ渡り、びんぐしの大自然の中、幽玄の世界に触れ合うことができました。 

  奇跡は起こるのですね。 

  終演後、「湯さん館」でご出演いただいた、重要無形文化財保持者の武田志房先生、松木千俊先生をはじめ各出演者の皆様、松尾文子実行委員会会長他運営スタッフの皆様と懇親会を行いましたが、全員、本公演の大成功を涙が出るほど心より喜んでおられました。 次回公演についての意欲も固めました。(できれば2~3年後には再開したいですね)

  

私の開会にあたってのご挨拶文をご紹介させていただきます。

写真等は以下の坂城町ホームページ記載をご覧ください。

http://www.town.sakaki.nagano.jp/www/contents/1001000000169/index.html

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皆様今晩は。
ただ今、ご紹介いただきました、坂城町長の山村でございます。
坂城町を代表しまして一言、御礼とご挨拶を申し上げます。
 
まず、本日の「第1回坂城びんぐしの里薪能」の開催、誠におめでとうございます。
            
本薪能の開催に向けまして、足かけ4年にわたり準備をいただいた皆様、とりわけ、実行委員会松尾委員長ほか各委員の皆様、ならびに共催をいただいた、坂城町商工会、坂城町文化協会、坂城町教育委員会の皆様、さらにはご後援いただいた、長野県能楽連盟、坂城町観光協会、信濃毎日新聞、週刊上田、SBC信越放送、NBS長野放送、TSBテレビ信州、abn長野朝日放送、上田ケーブルビジョン、ケーブルネット千曲ならびに松謳会の皆様まことにありがとうございました。
             
それに4年前から強いリーダーシップでサポートいただいた中沢前町長に心より感謝申し上げます。また、本日、奉納鍛錬をしていただく宮入刀匠にも厚く御礼申し上げます。
 
また、なによりも、本日このように盛大に薪能が開催できますのは、松木千俊(ちとし)様の長年のご指導ならびに、ご紹介いただいた野村萬斎様にご登場いただくという誠にもったいなくも、ありがたいお話があったからでもあります。重ねて御礼を申し上げます。
 
それからもう一つ御礼を言わなくてはならないのが、半年前から松木先生のご指導で頑張って練習を重ねてきた坂城の子供たち19名です。このあと立派に鶴亀を歌い舞ってくれることでしょう。誠に有難うございます。
 
もちろん本日、県内外からこのように多数お出でいただいた皆様に最大の感謝を申し上げます。
              
さて、昨今の日本は長引く不況に加え、3月11日の東日本大震災、翌日の長野県北部大地震、されには人災ともいえる原子力発電のトラブル、円高、政治の混迷など、日本は現在、最大の難局にあるといっても過言ではありません。
 
昨日、菅総理が辞意を表明し、これから民主党の代表選挙へと進むわけでありますが、これでやっと日本が落ち着くとはだれも考えられないのではないでしょうか、誠に痛ましい限りであります。
 
 このような時、私たちは日本とは何か、日本人とは何か、日本の文化とは何かという私たちの基軸をもう一度しっかり持ち直すことが何よりも大切であり、自己とは何かということをはっきりと自覚せねばなりません。
 
本日、私たちが、坂城びんぐしの大自然の中、幸いにも目の当たりにさせていただくのはまさしく日本文化の神髄、日本の中世の文化であります。中世の文化でもやはり一番重要なのは、能であり、狂言であります。
             
本日は世阿弥に始まる600年前の文化をしっかりと堪能させていただき、ひと時、非日常的な幽玄の空間の中で皆様と一緒に時を過ごしたいと思います。
 
本日の薪能は「第1回」と銘打ってありますように、できますれば長くない期間をおいて、数年後には「第2回」を開催していただければと存じます。そのためにも本日の薪能が大成功裏に終わりますようお祈りし、簡単ではございますが御礼のご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
 
 
 坂城町長 山村ひろし