老子の続き(第6章)

 この章では道の源泉を昏々と水の出ずる谷に喩え、さらに生命の源である女性に喩えて説明しています。いわば、道の働きを ”動態的創造活動” としてとらえています。

 
谷神不死、是謂玄牝。玄牝之門、是謂天地根。綿綿若存、用之不勤。
 谷神(こくしん)死せず、是を玄牝(げんぴん)と謂う。玄牝の門、是を天地の根と謂う。綿々と存するが若く、是を用ふれども勤れず。
 
道のおおもとは谷の神の様です。いつまでもたえることなく水を湧き立たせています。これはまるで神秘的な女神のようです。この神秘的な女神がものを生み出す女陰を玄牝(げんぴん)の門と言い天地の根源のようであると考えられます。この様に道の根源からはいつまでもいつまでも絶えることなく溢れ続けるのです。 
 
  坂城町長 山村ひろし

坂城町 消防ポンプ操法大会 開催

本日(26日)午前8時より、坂城町四ツ屋ポンプ操法訓練所で「坂城町消防団ポンプ操法大会」が開催されました。

大会長として、ご挨拶をさせていただきましたが、各分団とも力いっぱい日頃の訓練振りを発揮され、誠に頼もしい限りでした。

このポンプ操法大会は消防団が日頃の訓練成果を発表するとともに、消防技術の向上と士気の高揚に資することを目的として開催されます。消防団の皆さんはそれぞれ、職業を持たれる中で活動をされており、どの分団も5月上旬から約2か月間の長きにわたり、早朝、または勤務終了後、夜間に訓練を重ねてこられました。3月11日の東日本大震災、長野県北部大地震など、如何に各自治体の消防団の役割が如何に大きいか、如何に大切かということをあらためて再認識したところであります。

坂城町の消防団の皆様のますますのご活躍に期待します。

本日の優勝、準優勝分団は以下の通りでした。

1.ポンプ車操法の部:優勝分団は第2分団(金井)、準優勝第9分団(網掛、小網、月見)

2.小型ポンプ車操法の部:優勝分団は第10分団(上五明)、準優勝第11分団(上平)

坂城町町長 山村ひろし

「平成23年第2回(6月)坂城町議会定例会」終了しました。

皆さまのご協力をもちまして、「平成23年第2回(6月)坂城町議会定例会」が本日(24日)終了いたしました。

議事内容につきましては、別途、坂城町広報誌あるいは議会からご案内がなされると思いますので、本日は議会閉会にあたった、私のご挨拶を掲載させていただきます。

 坂城町平成23年第2回(6月)定例会閉会ご挨拶
 
 平成23年第2回坂城町議会定例会の閉会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 町長となりまして初めての定例会は、本日までの12日間の長きにわたり、ご審議を賜りました。提案いたしました、条例の新設、一部改正、一般会計補正予算を原案どおりご承認、お認めいただきました。ありがとうございました。
 いよいよ新しい町づくりのスタートと考えます。
 
 さて、「第6回ばら祭り」が、6月4日から6月19日までの16日間開催され、薔薇人(バラード)の会の皆さんや企業オーナーの皆さんの思いが見事に開花し、県内外から約38,000人の大勢の方が来園され、交流・観光の拠点となりました。更なる町全体への活性化へつなげることができるよう、皆さんとともに頑張りたいと思います。
 また、来園者の皆様から「ばらの気持ちを被災地へ」を合言葉に、被災された方々への応援メッセージを書いていただきました。明日(6月25日)陸前高田市へ、私が直接お届けしたいと考えております。
 
 明後日、26日(日)には、町ポンプ操法大会が開催されます。地域を守る消防団員が、有事の際の機敏な対応や消防技術の向上を目指し、日頃の訓練の成果を発表いたします。多くの皆さんの応援をお願いいたします。
 なお、この大会の優勝分団とラッパ分団は、7月10日(日)に同会場で行われる埴科ポンプ操法大会に出場いたします。
 
また、同日となりますが、26(日)午後、日本食育協会理事の引地(ひきち)ユリ先生が「21世紀を生きるために」と題して、「さかきふれあい大学」の教養講座が、文化センターにおいて開催されます。これからの未来を担っていく子供たちを、親が、地域がどのように接し、また、子供たちの個性をどのように伸ばすかを講演されます。子育て世代の皆さんなど大勢の皆様に参加いただければと思います。
 
 町民まつり「さかきどんどん」を8月6日(土)に開催いたします。今回は、東日本大震災による被災地を離れ、坂城町に避難されている方々もご招待したいと考えております。  
また、踊りコンテストの賞品には被災地の産品をということも、先日の実行委員会でお認め頂きました。大勢の皆様にご参加いただき、“坂城町から元気を”発信しようではありませんか。
 
 さて、私の町政運営に向けての考え方、方向性につきましては、所信表明や一般質問の答弁で、その一端をお示しできたかと考えます。
 メガソーラ発電につきましては、「クリーンなエネルギーを坂城町から」という思いで、手をあげました。
クリーンエネルギーについては、色々な方法があろうと思います。あらゆる知恵を使いたいと思います。
「ものづくりの町さかき」として、私たちの日常生活にとって、電力の安定供給は欠くことはできません。この点につきましても、皆様と一緒に研究を続けたいと考えております。
 
何回も申し上げますが、3月11日以降、私たち日本人の価値観に大きな変化があったと思います。防災に対する考えであったり、エネルギーのあり方、国家、自治体色々な視点が生まれていると感じます
また、中部電力浜岡発電所の停止が当町へどんな影響を及ぼすのかが懸念されます。日本国政府におきましても一刻も早く、長期的な新エネルギー政策を確立されるよう切に願うところであります。
 
 日本全体が重苦しい、暑い夏を迎えます。議員各位におかれましても健康にご留意され、ご活躍されんことを心からお祈り申し上げ、閉会のごあいさつといたします。以上。
 
坂城町長 山村ひろし

坂城にもソフトボールチームを!

数日前に長野県ソフトボール協会さんからボールが届けられました。

これは5月21日に行われた、第8回全日本一般男子ソフトボール長野県大会の始球式で私が投げたボールをわざわざ送ってきてくださったものです。

実はこのときはいささか忸怩たる思いで開会式、始球式に臨みました。この長野県大会は文化センターグランドと青木固グランドをお借りして開催されたものですが、そこに坂城チームがいなかったのです。予選で落ちたのかと伺いましたらこの大会には無条件で出場できるとのことでした。せっかく坂城のグランドを提供しながら我がチームがいないとは。

坂城には「坂城町体育協会ソフトボール部」はありますが、現在、選手不足によりなかなか大会に出場できないようです。是非とも、来年の大会に向けて準備しませんか。ソフトボールチームに参加を希望される方は、町教育委員会までご連絡ください。

ちなみに、今年の長野県大会優勝チームは「ミノワオールスター」で5連勝でした。

坂城町長 山村ひろし

「ばら祭り」でちょっと良い話。

皆様方のご協力で「第6回ばら祭り」が昨日(19日)無事終了しました。

ばら祭りの開催にあたりましては、薔薇人の会、坂城町商工会、ステキさかき観光協会、坂城食品衛生協会、(有)信州観光バス、味ロッジわくわくさかき、交通指導員会、信越花クラブ、 坂城町振興公社など多くの皆様さらには国土交通省、長野地方事務所、千曲川河川事務所のご関係の皆様に多大なるご協力をいただきました。お陰様で4日から19日までのご来場された方々が合計で38,000人を超えました。(昨年は3週間で35,000人) 誠にありがとうございます。詳細は別途、坂城町広報からご連絡がなされると思いますが、今日、お知らせしたいのは、松本にお住いのある方から以下のメールをいただきました。誠に心温かいメールをいただきましたので、ご紹介させていただきます。

以下、いただいたメールです。

突然のメール失礼いたします。本日坂城町のばら祭りに出かけ、とても素敵な1日を過ごすことができました。一緒に出掛けた両親も大変喜んでおり、メールをさせていただきました。

高齢の父親が数か月前 癌の手術をし、ようやく、出かけたり外食をする元気が出てきました。花好きの両親なのでどこか花の綺麗な所、どこへ連れて行こうかと考えていたところ、知人から「坂城町のばら祭り」をすすめられました。

両親も私も 坂城町は初めてでした。普段 上信越道で通り抜けてはいたんですが。大変失礼ながら東信なのか、北信なのかも曖昧でした。

もちろん、バラの花は美しく癒されました。でも、私が感激したのは、帰りに 交通案内(誘導)をしていた男性の方です。駐車場を出て少ししたところにいた方が、帰る車の1台1台に 帽子を取り丁寧に深々と頭を下げてくださっていたことです。思わず目頭が熱くなってしまいました。その方のお人柄はもちろん、町を愛する気持ちが伝わってきたようでした。

思えば 駐車場整理の方、案内所の方、ばらの説明をしてくださった方、イベントコーナーの方、帰りに立ち寄った直売所の方々。本当にみなさん温かく迎えてくださいました。みなさん いい人達です。

「こじんまり」という表現は失礼かとは思いますが、のどかで温かい雰囲気で・・・いい町だなと感じました。本日はバラ公園メインで伺いましたが、まだまだ見どころがありそうです。ぜひまた坂城町を訪れたいと思います。

今日は1日 ずっといい気分で過ごせたことが嬉しく、坂城町のみなさんに感謝いたします。ありがとうございました。H23,6,19 

 私もこのようなメールをいただき、関係スタッフ全員が素晴らしい活躍をしていることに誇りを持ちます。ありがとうございました。

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第5章)

第5章です。

ここでは大自然の働き、自然の道理、無為の大切さについて述べています。

  天地不仁、以萬物爲芻狗。聖人不仁、以百姓爲芻狗。天地之 、其猶槖籥乎。虚而不屈、動而愈出。多言數窮。不如守中。

  天地不仁、萬物を以て芻狗(すうく)と為す。聖人不仁、百姓(ひゃくせい)を以て芻狗と為す。
天地の間、其れ猶(な)お藁籥(たくやく)のごときか。
虚にして屈(つ)きず、動きて愈々(いよいよ)出ず。
多言は数々(しばしば)窮(きゅう)す。
冲(ちゅう)を守るに如(し)かず。

大自然は自然の道理に従っています。従って、仁とか愛とか言うレベルで動いてはいません。万物をあたかも芻狗(すうく 藁で作った犬)のように使い捨てにするものなのです。聖人もおなじように人々を芻狗のように扱います。つまり、ことさらに甘い言葉を使ったりオベンチャラを言ったりはしないのです。常に無為の状態で人々を自然に扱うのです。天と地の間は無限で、あたかも鞴(ふいご)のように中は空っぽでもいくらでも空気があふれ出てきます。一見、温かいうわべの言葉には注意をする必要があります。多言は慎み無為の状態を保つことが大切です。

 以上。

坂城町長 山村ひろし

小学校の英語の授業を参観しました。(南条小学校)

今年から、小学校5年、6年で外国語活動(英語)の授業が必修となりました。坂城町としても子供たちがよりよい環境で授業を受けられるよう種々手を打っております。まず、指導に当たられる先生方を対象とした研修会などを実施したり、信大の先生によるご指導を受けたり、信大の大学院生と児童の交流を図ったりするようなことをこれから実施する予定です。何といっても子供はもちろん、指導される先生方が自信を持って楽しくチャレンジしていただくことが大切です。

本日(6月17日)南条小学校で、英語の授業が行われるということで授業を参観させていただきました。

クラスは5年1組で担任は石川隆先生、英語指導助手は川久保洋子先生。 

どのようにご指導されるのか、期待をしつつ、若干の心配もしながら拝見しましたが、25名の元気な子供たちをうまくリードされ大変素晴らしい授業でした。一部電子黒板も使いながら、体を動かし、歌を歌ったりとなかなかダイナミックな授業です。英語としては Hello.   Do you like ?  Yes,I do.  No. I don’t.    Thank you. などの言葉を中心に種々の動物や食べ物、スポーツなどについてクラスの友達に質問を繰り返すものです。 私のところにも数人来られて質問をしてくれました。子供たちは臆することなく積極的に勉強していました。また、指導に当たられた石川先生、川久保先生も全身を使って元気よく、明るくご指導されておられました。これならば、南条の子供たちは全員英語が好きになってくれるかなと思い、教室を後にしました。現場の先生方のご努力に感謝です。

坂城町長 山村ひろし

坂城町役場野球部2連勝(坂城町早起き野球連盟)

今朝(15日 6時から)、坂城町早起き野球連盟の試合があり、我が「坂城町役場野球部」の応援に行ってきました。相手は坂城町唯一の企業チーム「長野石油輸送野球部」さんです。接戦の末、役場チームが2対1で勝利しました。

坂城町早起き野球連盟は以前、50チームほどでリーグ戦、トーナメント戦を行ってきましたが、今年は7チームで試合が行われています。

「坂城町役場野球部」は今年、3試合が終了し、現在のところ2勝1敗と健闘しております。また、何と言っても素晴らしいのは、役場チームには、早起き野球連盟、唯一の女性の選手がおられることです。南条保育園の石丸桂子さんです。本日の試合で見事に初ヒット初得点をしました。また、石丸さんの影響もあって今年の役場チームには4人の女性のスコアラーがおり誠に賑やかなベンチ風景となっています。早起き野球は平日の朝6時から毎日試合が行われています。(文化センターグランド) 是非とも、坂城各地区の地元チームが頑張っておりますので応援よろしくお願いいたします。

役場チームの今までの試合結果は以下の通りです。

5月25日 VS 坂城ジャイアンツ(昨年2位) 1対5で敗戦

6月 8日 VS 横町クラブ(昨年3位)     4対2で勝利

6月15日 VS 長野石油輸送(昨年5位)   2対1で勝利

*ちなみに、坂城町役場野球部は、昨年7位でした。

坂城町長 山村ひろし

最近の日米中関係について(瀬口清之氏のレポートから)

キャノングローバル戦略研究所の瀬口清之さんから最新のレポートをいただきました。

主な論点のみ掲載します。

瀬口さんは中国問題の日本における第一人者ですが、外交面からの日米中問題に大きく関わっておられます。今、日本国民が考えなければならないのは 「いま自分に何ができるか」 ということのようです。

坂城町長 山村ひろし

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各位

5月23日から6月3日まで米国に出張し、サンフランシスコ、サンディエゴ、ニューヨーク、ワシントンDC、ボストンの5都市を訪問し、外交専門家、国際政治学者、米国経済専門家等と面談を行いました。

今回のテーマは2つ。

1つは震災後の日米関係の変化、 もう一つは最近の米中関係でした。

震災後の日本に対する見方については、4月下旬に中国を訪問した際に中国側の見方を聞く機会がありましたが、震災直後の日本人の対応に対する極めて高い評価、日本企業のジャパンブランドは傷ついていないこと、一方、政府および東京電力に対する厳しい評価は米中ともほぼ一致していました。
この点は日本人として誇りに思える嬉しい評価でした。
しかし、今回の米国出張ではそれとは正反対に、日本の存在感の低下を深刻に思い知らされる出来事がありました。
つい最近の米中間の協議に絡んで日本が全く話題に上らなかったのです。
確かに現在の日本の政治状況では、総理の強いリーダーの下で日本が見事に復興を遂げるといった明るいビジョンが描きにくいのは事実です。
また、民主党は日本をどんな国にするのかという国家ビジョンを示していません。
しかし、その一方で、震災後、多くの日本人が「いま自分に何ができるか」という問いかけをするようになったのも事実だと思います。
震災以前、日本人の多くは政府の指示や命令を待つ受け身の姿勢が目立っていました。震災後は多くの日本人の心持ちが大きく変化したように感じているのは私だけではないと思います。
この日本人の心持ちの変化を土台にして日本をもう一度世界の一流国に復活させることを目指したいと強く感じました。

「いま自分に何ができるか」
この主体的かつ実践的な発想から日本の復活が始まることを信じたいと思います。
震災後に新たに生まれ変わろうとしている日本を前提として新たな日本の国家ビジョン、外交方針、重点施策を示すことが求められています。
それが今後の日米関係、日中関係、そして世界の中の日本の姿を創造していく出発点になると思います。
今回の出張報告に対するご意見、アドバイス等をお待ちしております。

瀬口清之拝
キヤノングローバル戦略研究所

<主なポイント>

◇ 震災後の日本人の対応について、我慢強さ、モラルの高さ、思いやり、治安の良さ等が称賛されている。今回の震災後の日本に対する米国人の同情や心配する気持ちは過去に例のないほど強く、そして長続きしている。

◇ 日本での原子力政策の失敗は米国の原子力政策への影響も大きい。このため米国のエネルギー政策関係者等を中心に、日本が福島原発の問題に対してきちんと対応し、必要以上に米国一般市民の不安感を駆り立てないようにすることを期待している。

◇ 日本政府と東京電力に対する評価は非常に厳しいが、その他の日本企業への評価は依然高いままであり、ジャパンブランドは傷ついていない。むしろサプライチェーンの早期回復などにみられた日本企業の危機対応能力の高さが改めて世界中に認識され、日本企業の評価が高まっている。

◇ 米国有力金融機関のチーフエコノミストは巨額の累積財政赤字を抱える日本政府のファイナンスそのものが大丈夫なのかとの懸念が強い点で一致している。

◇ 米軍が自衛隊と共に震災直後の被災者救援活動で多大なる成果を挙げ、高く評価された。これは日米関係改善にとっても大きな意義のある成果だった。しかし、日米両国の内政事情等から、この成功を土台として、今後さらなる日米関係の発展に向けた大きな.組みの構築へと踏み出すまでにはある程度時間を要すると見られている。

◇ 米中関係は昨年9月をボトムに明確に改善してきている。2009年11月以降、様々な出来事を背景に、米中関係は悪化の一途を辿った。しかし、その後、米国からの関係改善に向けての働き掛けを受けて、米中双方が歩み寄る形での改善が進んでいる。

◇ 今回の米中戦略経済対話において、米国は米中関係改善のさらなる進展を重視し、中国が突っ込まれたくないテーマに関する議論を意図的に避けた。その結果、戦略安全保障対話とアジア太平洋協議という2つのプロジェクトのスタートが合意された。

◇ 今回、米中アジア太平洋協議に絡んで米国政府は日本に一言も言及しなかった。これは「日本がどんな国を目指し、どのような外交方針を掲げ、具体的に何をしたいのかが見えない」ことが原因であると見られている。日本はこの状況を深刻に受け止め、早期打開に向けて努力することが必要である。

◇ 足許は米中関係の改善が進んでいるが、今後米中関係が一本調子で改善し続けることはありえない。米中間での競争と協力とが混在した関係が続くと考えられている。

以上。

平成23年第2回(6月)坂城町議会定例会招集ご挨拶と所信表明(後半)

次に「人の輝く町」でございます。

「人創りによるまちづくり」が重要と考えております。私は、長年民間在任中から教育問題にかかわりを持ってまいりました。町長選に立候補を決意した大きな要因でもあります。家庭内教育、小中の義務教育の大切さは当然でありますが、高校、大学、そして社会教育、生涯学習を通した地域の教育力の向上こそが、坂城町を変え、日本を変えてゆく大きな力になります。

江戸末期に大変大きな影響力のあった佐藤一斎の言志四録にあるように「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」であります。人間が学びを続ければ一生それぞれの立場で必ず開花するということであり、学びの大切さをこれほど端的に示したものはございません。学びを通して、地方自治が元気に、日本が元気になる第一歩を坂城町が歩みたいと願うものです。

世界はグローバルに展開しています。今回の震災における、世界の自動車産業の在り様が如実に示しています。町内企業の多くが世界に目を向けています。教育においても今年度から小学5年、6年の英語学習が必須となりました。英語が世界の広い範囲で使われ、共通語とまで言われているのが現状です。すでに2か月が過ぎましたが、いかがでしょうか。

6月補正で額は少ないですが、信州大学の教授による授業サポート、大学生と小学生の交流事業などを通じ、英語が楽しいと感じてもらえるよう努めてまいります。楽しい授業を受けられるかどうかの最大の課題は教員であることは、どなたも思うことです。小学校の教諭が自信を持って児童に接することが、英語学習を充実させるものですので、小学校の先生を対象とした英語教室、ゼミを開催する経費を計上いたしました。

「働く力・生きる力」の育成が求められます。学校教育と企業・社会人教育は密接な関係があります。今回テクノセンターの事業に対し「住民生活に光を注ぐ交付金」を活用し、小中学生・坂城高校のものづくり授業の充実や次世代経営者育成等に努めてまいりたいと思います。学校が、閉ざされた世界でなく、実質的に地域に根差し、愛される存在になるよう教育委員会の協力を得て、進めてまいりたいと考えます。

次に 「笑顔の町」 ハンディのある方にとっても“優しいまちづくり”を進めてまいりたいと思います。

子育ては「家庭の課題」であるとともに「地域の課題」にもなっていると感じます。子育てに関する悩みにつきましても、より気軽に相談していただけるよう、それぞれの保育園を子育て支援センターの分室と考え、各園長を中心に相談に対応する体制をとるようにいたしました。また、6月から毎週火曜日に子育て支援センターで実施しております家庭児童相談員による相談を各園で月1回は巡回で開催できるよう組み換えをいたしました。

さらに、今回の補正に組み入れましたが、家庭児童相談員に加えて、臨床心理士を配置し、子育て支援センター及び各保育園を巡回し、保護者や保育士の相談に応じるなど、子育てにかかる相談機能を充実し、子育てを応援したいと考えます。

次代を担う子供たちのために、子宮頸がんワクチンの接種を4月から中学3年生を対象としましたが、7月から中学2年、1年生にまで拡大いたしました。

公共施設のバリアフリー化が求められています。補助事業を取り入れまして、まず町民の皆様の利用度が高い、町体育館入口をバリアフリーにする改良工事をしたいと考えております。

また、選挙におきまして、私は坂城駅にエレベーターを設置したいと訴えてまいりました。駅前活性化、交通弱者・高齢者支援等の象徴的な課題ではないかと考えます。そうは言いましても、町長になったからといって、いきなり工事ができるわけではありません。しなの鉄道の本社に伺い、エレベーターの設置をお願いしてまいりました。また、駅舎の利用についてもお願いしてまいりました。しなの鉄道の経営状況もございます。補助事業の動向、沿線市町の事業順位、様々な制約もあるところですが、事業化に向けての手法や、利用者である町民の皆さんの協力体制など、取り組んでまいります。  

 次に「誇れる町」芸術・文化の振興でございます。「今年の夏は、坂城が熱い」とでも言いましょうか。8月最後の土曜日27日びんぐしの里公園で薪能が開催されます。実行委員会の皆さんがはりきって、計画を進めており、町といたしましては、教育委員会を窓口に各関係課との連携を図っております。重要無形文化財いわゆる人間国宝の松木千俊(まつき ちとし)さんや狂言師としていろいろな分野に挑戦している野村萬斎(のむら まんさい)さんが出演をいたします。また、町内の小学生も地域の皆さんにご協力をいただき能楽の勉強をし、同じ舞台に立てることに胸を膨らませています。日本の伝統文化を、次世代に継承し、芸術・文化活動振興の一つとして、応援してまいりたいと考えます。  

元気な町にとって、環境は大切な裏付けです。最近の一番の関心事は、福島第一原発の事故を受けて、目に見えない放射能に対する不安が高まっています。国民に安心を伝える責任は、まず国にある。「しっかりしろ日本!」と国民が声を上げています。長野県では、現在、長野市にあります長野県環境保全研究所での観測データーを発表しており、観測地点の拡大を検討されているようです。県民が安心できる状況を願うところであり、町といたしましては、県や広域、近隣市町村とどう歩調を合わせることができるのか、検討してまいりたいと考えます。 

道路環境も大きな問題です。18号バイパス坂城町区間の説明会がありました。今年度の調査をスタートに事業が進められますが、早期完成に向け、議員の皆様、町民の皆様とともに取り組んでまいります。また、町の基幹道路である産業道路整備につきまして、坂都1号線・A01号線整備を進めてまいります。  

下水道は、住民の関心の高い環境問題でもあります。22年度末の普及率は65.4%です。住民の3分の2の方々が利用いただける環境整備ができたといわれます。これは、いまだ3分の1の皆さんが利用できない状況であるということです。本年度は町横尾区、上五明区、網掛区、上平区で面整備、管渠工事等を進めます。未整備地域解消に向け引き続き力を入れてゆきたいと考えます。  

また、県営水道の市町移管問題につきましては、町民が安心できる水の確保は当然のこととして、町が事業運営ができるまでの体制整備が最低条件であり、新たな負担増がないよう、慎重に取り組んでまいります。  

なお、小網地区の上水道整備につきましても、地元区と連携をとり、効率的な事業執行ができますよう、県と調整をしてまいります。  

ごみ処理問題は、人間生活と切っても切れない問題です。今、私たちにできることとして、ごみ減量化に取り組みましょう。22年度の可燃ごみは前年比約170トン 6%の減となりました。私は、こういった問題も“地域の教育力”の表れと考えます。次代に私たち大人の伝えるべきことの一つではないでしょうか。「まぜればゴミ わければ資源」更なる減量化に町民の皆様のご協力をお願いいたします。  

次に、防災につきましては、今回の災害をみるにつけ、消防団の若い力がいかに地域を支えているかを再確認いたしました。消防団員の皆さん頑張ってください。地域の皆さんがきっと応援してくれるはずです。町として、皆さんの活動しやすい基盤整備に努めます。 今回の補正に第3分団消防コミュニティー建設を計上いたしました。場所は、町横尾・入横尾・泉の3区から要望のありました、泉区内の町有地に予定しております。また、一級河川谷川(やがわ)に面することを考慮し、水防にかかる資機材倉庫も併設してまいります。  

町有線放送電話につきましては、施設更新後16年が経過いたしました。災害発生時の情報通信のあり方が重要視されます。無線通信も視野に入れ、これからの整備の方向性の検討を行う組織を職員の中に再編させ、検討をしてまいります。

以上 私の町政運営の目指す所信を述べさせていただきました。

今議会でご審議をお願いいたしますのは、人事案件1件、協定の締結1件、条例の一部改正1件、一般会計補正予算1件でございます。

なお、私が選挙で、町民の皆さんにお約束した「町長の報酬減額」につきましては、議会最終日に、「町長の給与の特例に関する条例」をご審議いただくべく準備を進めておりますので、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、所信表明、招集のごあいさつといたします。

なお、本日、提案されました議案と発委の項目だけ示しますと以下のとおりです。

議案第31号 坂城町固定資産評価員の選任につき同意を求めることについて(宮下副町長が選任されました)

発委第1号 「東日本大震災」及び「長野県北部地震」に対する被災者支援並びに坂城町災害対策の推進に関する決議について(満場一致で決議されました)

以下、第32号、33号、34号につきましては20日以降の一般質問等で審議されます。

議案第32号 上田地域定住自立圏形成に関する協定の締結について

議案第33号 坂城町税条例の一部を改正する条例について

議案第34号 平成23年度坂城町一般会計補正予算(第1号)について

以上。 坂城町長 山村ひろし