この章も誠に老子の本質を突いた有名な章です。 私の大切にしている文章でもあります。
知人者智、自知者明。 勝人者有力、自勝者強。 知足者富、強行者有志。 不失其所者久。 死而不亡者壽。
人を知る者は智、自らを知る者は明(めい)なり。 人に勝つ者は力有り、自らに勝つ者は強し。 足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。 その所を失わざる者は久しく、死して亡びざる者は壽(じゅ)なり。
他の人のことを理解できるのは知恵者と言え、自分自身を理解できることはさらに素晴らしい明智を持っていると言えます。 他人に打ち勝つことの出来る人は力があると言えますが、自分自身に打ち勝つことの出来る人が本当に強い人間と言えます。 物事に満足できる人は豊かになることが出来、根気強く物事を続けられる人は本当に志を持っている人です。 自分のおかれている位置づけをはっきりと持っている人は長続きすることができ、たとえ死んでも道のあり方と一体となっていればその考えかたは滅びることなく長寿を全うできます。
「自知者明」(自らを知る者は明)、自勝者強(自らに勝つ者は強し)、「知足者富」(足るを知る者は富)いずれも深い言葉ですね。 特に「知足者富」がなければ幸せ感を味わうことが難しく、永久に不平不満を訴えることになりますね。
坂城町長 山村ひろし