シリル・コピーニさん

昨日(6月14日>、長野県経営者協会更埴支部総会(支部長:日精樹脂工業 依田穂積社長)が行われました。

総会に引き続き行われた講演会でシリル・コピーニさんのお話を伺いました。

テーマは 「RAKUGOと仏蘭西」 です。

シリルさんの日本語名は、尻流複写二 (シリル・コピーニ)

シリルさんはフランス・ニース生まれ、縁あって日本文化に興味を持たれ、現在は、落語パフォーマーとして日本をベースに世界中で落語の高座をもたれています。

昨日は、落語と講演で誠に面白いお話を伺いました。

私が、米国と北朝鮮の 「米朝」 会談についての話題をお話したところ、シリルさんから、「米朝問題より、桂米朝の話のほうが面白いですね。」と言われ一本とられました。

これからのご活躍をお祈りします。

高座のあとの懇親会で

前列左から:長野電子工業(株)市川和成社長、シリルさん、(株)竹内製作所竹内明雄社長

後列左から:千曲市山本高明副市長、長野県経営者協会藤澤令子さん、山村、宮後工業(株)宮後睦雄社長、日精樹脂工業(株)依田穂積社長

シリル・コピーニさんのプロフィールは以下

http://www.pacvoice.com/manage/cyrilcoppini/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

平成30年第2回坂城町議会定例会閉会あいさつ

本日(6月15日)、平成30年第2回坂城町議会定例会が閉会しました。

以下、閉会のごあいさつを掲載させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成30年 第2回 坂城町議会定例会の閉会にあたり、一言あいさつを申し上げます。

 6月4日に開会されました本定例会は本日までの12日間にわたりご審議をいただきました。

提案いたしました専決報告、条例の一部改正、一般会計補正予算、全ての議案に対して原案どおりご決定を賜り、ありがとうございました。

さて、今議会の一般質問でも市町村の交流についてお答えをしたところですが、過日、福島県葛尾村の篠木村長から、今春4月に、村立の幼稚園、小・中学校が7年ぶりに学校再会を果たしたとのメッセージをいただきました。学校の再開式には、多くの村民が駆けつけ、子ども達を笑顔と拍手で迎えられた様子が広報紙で紹介されておりました。葛尾村の再生・創生に村が一丸となって取り組んでいるとのことですので、早期の復興を願うところでございます。

また、同じく一般質問の中で、標高1,000mの深緑の癒しのスポットである和平公園について、「うち捨てられている」とされ、また、施設、設備等の不備の指摘がありましたが、利用者の皆さんが安全に、そして快適に過ごしていただくよう、宿泊施設も園内遊具等も適正な維持管理を行っています。

特に、公園の宿泊施設「山の家」は、就寝する場所について、昨年春に坂城小学校PTA総会での要望を受け 子ども達のキャンプ前に、畳からクッションフロアにリフォームしましたし、今年もシーズン前には、スリッパの新調等を行うなど 整備を行っています。

また、消防法の規定により、6月6日に実施された消防署の「立ち入り検査」においても「指摘事項なし」という結果通知もいただいておりますし、飲料水の水質検査も「飲料適」という結果でございます。

いよいよアウトドアの季節となる夏のさわやかな和平公園を、家族やグループ、育成会など、大勢の皆さんにご利用いただければと存じます。

12日には、坂城高校の政治経済を選択している3年生 24名 が一般質問を傍聴に訪れました。

選挙権年齢が18歳に引き下げられたことを受け、授業の一環として実施されたもので、これに先だつ522日に町選挙管理委員会職員と議会事務局職員が坂城高校への出前講座で、選挙制度や町の議会制度について説明を行ないました。

来る85日は、長野県知事選挙の投票日となっております。若者たちが政治に関心を持ち、また、自ら投じる一票で、政治へ参加するよう期待しているところでございます。

さて、「第13回ばら祭り」が、6月10日(日)をもちまして幕を閉じました今年は、暖かい陽気に恵まれ、開会当初から見ごろとなったこともあり、初日から大勢の皆さんにご来園いただき、ほぼ満開となったきれいなバラを楽しんでいただきました。

特に6月2日(土)・3日(日)には、イベントも開催したこともあり、両日で1万人ほどご来園いただき、臨時駐車場もいっぱいになるなど たいへんな盛り上がりをみせました。

期間中は、例年になく開花が早まったことや天候の影響もあり 心配されたところですが、町内観光バス受入事業者のご協力により、ばら公園を周遊ルートに設定していただいたことから、バスの来園台数が昨年の23台から56台と大幅な増加となりました。

また、テレビでの2回にわたる生中継のほか、ラジオ、新聞などマスメディアでの情報発信を強化するとともに、今年から回数券の販売や週末のイベントを増やすなど、集客に努めたところでございます。

こうした取組みの効果もあり、今回のばら祭り期間中は、昨年より若干多い約42,000人のお客様にバラ公園にお越しいただきました。これもひとえに日ごろからご尽力いただいております「薔薇人の会」をはじめ、出店者の皆様、イベントに参加いただいた皆様、実行委員会の皆様のおかげと心から敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。

併せて、ばらまつり期間中、建設課をはじめとし、ほぼ全員で運営に携わっていただいた町職員にも感謝いたします。

さて、新工業団地造成につきましては、事業の開始にあたり、7月6日(金)に、「金井地区麦・大豆等生産振興センター」において、関係地権者や地元区役員・農業用水役員の代表者など約70名にお集まりをいただき、事業説明会」を開催いたします。

町の一大プロジェクトとなりますので、地権者、地元の皆さんなどと十分な話し合いをし、進めてまいりたいと考えております。

A01号線の若草橋の架替え事業について、7月20日頃から普通車の片側交互通行とさせていただき、仮り橋と谷川左岸側(南側)の橋台設置工事を進める予定です。大勢の皆様に大変ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

町内初のワイナリーレストランが 7月7日、いよいよグランドオープンいたします。また、同ワイナリーによる待望の自家醸造による2018ヴィンテージワインも来年の今頃にはお目見えする予定と聞いております。

新たなステージを迎える坂城のワインづくりに期待するとともに、坂城産ワインの振興と町内におけるワイン文化の醸成を図ってまいりたいと存じます。

信州さかきふるさと寄附金の返礼品につきまして、これまでも、ぶどうやりんごなど、町の特産品をお届けし、ご好評をいただいておりますが、この度、郵便局のご協力をいただき、初めてのサービス提供型の返礼品を新たに加えました。町内にお住いの親御さんなどを訪問し、その様子を定期的に町外に住むご家族などに報告する高齢者等の見守りサービスです。返礼品の幅を広げ、更なる魅力アップに繋がればと考えております。

あさって、6月17日(日)、午後1時30分から、さかきふれあい大学教養講座を開催いたします。今回は、NHKラジオの「声」として活躍された 元アナウンサー 村上 信夫さんをお迎えし、

まず、文化センターにおきまして「嬉しいことばが自分を変える」と題して、講演をいただき、続いて、図書館にて朗読会も行う企画となっています。入場は無料ですので、大勢の皆様のご参加をいただきたいと存じます。

「第22回機械要素技術展」が、6月20日(水)から22日(金)まで東京ビックサイトにて開催されます。

この技術展は、世界最大級の規模で機械要素や加工技術を一堂に集めた展示会で、国内外から約2,600社が出展し、町内からも製造業8社が出展いたします。期間中は、約9万人の来場者が見込まれ、設計、製造、生産技術部門等の製造業ユーザーも多数来場して、出展社との商談が行われますので、新規取引先や受注が獲得できることを期待しております。

繰越事業としてお認めをいただき工事を進めてまいりました、隣保館のトイレ改修工事が完了いたしました。新たに出入口を設け、男女別となったトイレは、双方に洋式を設置したほか、段差をスロープ化し、バリアフリーにも配慮いたしました。

その隣保館にて、6月30日(土)の午前中から 日頃の文化活動等の発表を行う交流フェスティバルを開催いたします。第1部につきましては、作品展示とグループ発表を行い、第2部のコンサートについては、多くの皆さんに鑑賞いただけるよう鉄の展示館ホール=中心市街地コミュニティセンターで開催いたします。

チェロ、ピアノ、ヴァイオリンのトリオによるコンサートで、入場は無料です。大勢の皆さんの参加をお願いいたします。

7月1日(日)、操法訓練場において、町消防団ポンプ操法大会が開催されます。地域を守る消防団員が、有事の際の機敏な対応や消防技術の向上を目指し、日頃の訓練の成果を発表いたしますので、多くの町民の皆様の応援をお願いいたします。

なお、この大会の優勝分団とラッパ分団は、7月8日(日)に千曲市大西緑地公園で開催されます、埴科消防ポンプ操法大会及びラッパ吹奏大会に出場いたします。

坂城の夏を彩る町民祭り、「第41回坂城どんどん」は、長野県知事選挙の日程を考慮して 例年より1週間前倒しとなる、7月28日(土)に、横町・立町通りで開催されます。

ステージ発表や子ども達が楽しめるイベント企画のほか、今回は、坂城中学校総合文化部 美術専攻の皆さんにご協力をいただき、行灯を更新いたします。

新たに中学生が描く絵画が、ろうそくの優しい光に照らされ、おどり流しを盛り上げる演出の1つになるものと考えておりますので、踊りに参加される皆さん、見学される皆さん ともども 夏の夜のひとときを楽しんでいただければと思います。

今議会の「招集あいさつ」でも申し上げましたが、町内企業などからの参加者16名と、議長さんと私、職員2名の総勢20名で、来週18日 月曜日から24日 日曜日まで、「国際産業研究推進協議会」アメリカ海外産業視察研修として、日精樹脂工業さんの新工場や、竹内製作所さんの工場、更には、シリコンバレーなどを訪問してまいります。アメリカで活躍する町内企業や現地の様子を視察し、今後に繋げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

これから暑さが増してまいります。議員各位におかれましても、健康に留意され、ご活躍されますことを祈念申し上げ、閉会のあいさつとさせていただきます。

・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

柳沢謙二さんが全国危険物安全協会から表彰

本日(6月7日)、坂城町新地でガソリンスタンドを経営されておられる、柳沢謙二さんが全国危険物安全協会から表彰をされたということで坂城町役場へお出でになられました。

永年にわたり危険物の安全管理をされたことによる表彰です。 今回、長野県からはお二人が表彰されました。

左:柳沢謙二さん

以下、坂城町ニュースからご覧ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

柳沢謙二さんが全国危険物安全協会から表彰されました

柳沢謙二さん

坂城町在住で、千曲坂城危険物防火管理協会の会長を務めている柳沢謙二さんが、長年にわたり、危険物の安全管理や災害防止に関する事業を積極的に推進し、保安体制の確立に貢献したとして、一般社団法人全国危険物安全協会から表彰されました。

表彰を受けて柳沢さんは「事故を未然に防ぐため、安心安全について日頃から心がけてきました。今後も大きな事故を出さないようにしたい。」と話されていました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

平成30年第2回坂城町議会定例会招集あいさつ(2)

(招集あいさつ(1)より)

・・・・・・・・・・

 坂城町国際産業研究推進協議会では、6月18日から6月24日まで、アメリカ海外産業視察研修を実施いたします。

 企業関係者16名に加え、議長さんと私、随行職員2名の合計20名がこの視察研修に参加いたします。

アメリカの最先端工業地域であるシリコンバレーの状況や 坂城町からサンアントニオへ進出した日精樹脂工業(株)、また、アトランタへ進出している(株)竹内製作所の工場などを視察してまいります。今後の企業戦略や経営計画などを考える一助としていただければと考えております。

子どもに対する福祉医療費につきましては、長野県においても、本年8月診療分から、県内の医科・歯科・調剤の受診に際し、受給者負担金を除き、窓口での支払いが不要となる、いわゆる現物給付方式が導入されます。

当町での対象者は2,100人~2,200人程度が見込まれ、対象となる皆様には、7月中旬頃、新たな受給者証をお届けできるよう作業を行ってまいります。

また、制度の変更に関する周知や広報など、医療機関とも連携を図る中でスムーズな制度移行に向け準備を進めてまいります。

さて、「自殺対策計画」については、自殺対策基本法により、これまで都道府県に策定義務がありましたが、法改正がなされ、市町村においても計画を策定するよう定められました。

自殺の背景には、精神保健上の問題だけでなく、過労や生活困窮、育児や介護の疲れ、いじめや孤立など様々な社会的要因があると言われていることから、町では、「自殺対策連絡協議会」を設置し、自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、計画の策定を進めてまいります。

  続きまして、国民健康保険につきましては、本年4月の制度改正に伴い、市町村とともに都道府県も保険者として、財政運営を担っていくこととなりました。長野県においても、将来的には県下統一の保険税率を目指すこととなりますが、現状では市町村間の医療費水準に大きな差異があることなどから、当面は市町村ごとの税率設定になったところで、町でも全体で平均2.07%の改定をお願いしたところでございます。

  先般、平成29年度国保一人当たり医療費の速報値が発表され、県下市町村の平均額が352,061円で前年に比べ2.15%、7,400円ほど増加したのに対し、当町は385,403円で、平均額よりは高いものの、前年に比べ3.6%、14,000円余りの減少となり、高い方から7番目だった順位も、13番目に下がったところであります。

  本年度からは、国保の特定健診に係る自己負担額を無料といたしましたので、対象となる皆さん全員に受診いただきたいと存じます。引き続き、受診率65%を目標として取組みを進め、あわせて、医療費の削減につなげてまいりたいと考えております。

ごみの減量化・資源化の推進につきましては、町民の皆さんの利便性を図るため、役場南駐車場(国道のそば、埴科用水沿い)に資源物リサイクルボックスを新設し、6月1日から運用を開始いたしました。土・日・祝日を含めて年365日、午前8時30分から午後5時まで、新聞、雑誌、チラシ、ダンボール、牛乳パックを回収いたします。町民の皆さんにおかれましては、ごみの減量化・資源化に向けて、一層のご協力をお願いいたします。

 A01号線の若草橋の架替えにかかる事業については、仮り橋と谷川左岸側(南側)の橋台設置工事に近々着手する予定となっております。

橋の架替えという大規模工事のため、7月以降 仮り橋による普通車の片側交互通行、あるいは対面通行といった交通規制が必要となり、長期間、大勢の皆様に大変ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

また、このたび、国からの交付金増額を受け、補正予算を計上いたしましたが、残る右岸側(北側)の橋台及び橋梁本体につきましても、工事を進め、平成31年度中の完成を目途に事業推進を図ってまいります。

公共下水道事業の整備については、鼠の国道歩道部、新地の国道東側、新地団地、金井の産業道路東側地域の工事を実施してまいります。

平成32年度の整備完了を目指し、事業を進めてまいります。

住宅リフォーム補助事業につきましては、5月9日から申請受付を開始し、現在までに9件の申請がありました。今後も継続して申請を受け付けておりますので、住みよい住環境の整備と町内事業者の活性化につながればと考えております。

国道18号バイパスにつきましては、平成29年度補正予算で工事費・測量設計費として4億円の事業費が付き、現在、長野国道工事事務所において工事着手に向けた調査設計を行っていると聞いております。

 今後の事業進捗に向けての加速を期待するところであり、一日も早く完成できますよう、引き続き協力してまいりたいと考えております。

また、県道坂城インター先線につきましても、いよいよ工事が始まります。秋頃から町道の付替えや用水路工事に着手するというお話ですので、事業の推進をお願いするところでございます。

続きまして、これまでも力を入れてまいりましたインクルーシブ教育につきましては、今年度からは福祉健康課所管の「子育て推進室」を教育文化課へ移し、「子ども支援室」として、スタートしました。これまで以上に福祉、教育、医療等が一体となって、就学前の教育相談から就学後の適切な教育的支援を含めた「早期からの一貫した支援」に、更に取り組んでまいりたいと考えております。

さて、「学校における働き方改革推進のための基本方針」を、この4月の定例教育委員会にて定めたところでございます。

「町内小中学校において、質の高い授業を実現するために、学校内の業務等を明確にし、分業化、効率化を進め、教員の長時間勤務という働き方を改善する」ことを目標とし、「業務の削減・分業化、協業化」等の項目に沿い、直ちに取り組むことと、中期的な取組みに分けて定めております。

直ちに取り組むことには、昨年から町内企業にご協力をいただいて行っている「中学校放課後学習支援」や 「時間外の一定時刻以降の電話には、留守番電話にて対応する」といった方針を定めており、現在小中学校において、電話の対応方法(対応時間、伝言方法など)について、検討を進めているところでございます。

小学生の「中国との教育交流事業」につきましては、夏休み期間中の7月26日から29日の3泊4日の行程で、上海市嘉定区への訪問を予定しております。現在参加者の募集を行っているところで、有意義な交流となるよう準備を進めてまいります。

また、次年度以降に中学生の海外交流事業を計画しており、米国シリコンバレーなどでの研修実施について、調査を含めた準備を進めてまいります。

南条小学校のプールろ過機につきましては、夏のプールの使用に間に合うよう6月20日までの工期で更新、改修工事を実施しております。

続きまして、6月補正予算の主な内容について申し上げます。

テクノさかき工業団地組合の20社の企業の皆さんから、条小学校金管バンド楽器購入のためのご寄附をいただきました。厚く御礼を申し上げるところでございます。

南条小学校は、全国大会出場の常連校となり、昨年は金賞を受賞するほどになっています。

新たな楽器購入の費用を計上したところであり、子ども達の さらなる活躍を期待するところでございます。

国からの社会資本整備総合交付金の増額を受け、先に申し上げましたA01号線の道路改良工事費のほか、鼠橋の橋梁修繕工事の増額を計上いたしました。

 地域住民が主体となって実施する「県地域発元気づくり支援金事業」が採択となりました。農道「七曲線」や林道「農山線」などの4路線について原材料支給、重機手配などの支援をしてまいります。

以上、30年度の主な事業の進捗状況並びに6月補正予算の概略について申し上げました。

今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が8件、条例の一部改正が2件、一般会計補正予算の計11件でございます。よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申し上げて、招集のごあいさつとさせていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

平成30年第2回坂城町議会定例会招集あいさつ(1)

 本日ここに、平成30年 第2回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から御礼申し上げます。

緊迫した世界情勢の中、南北朝鮮の融和の動きが進み、4月には、南北首脳会談が実現、ついで、6月12日には、米朝首脳会談の日程も設定がなされました。この会談は、両国の思惑から一旦中止となりましたが、日々、調整が続けられ、先ごろ、当初予定どうり首脳会談が再設定されました。会談を契機に、北朝鮮の核・ミサイルの放棄に向けての関係国の協議が進展することを期待するものであります。

国内では、大学スポーツ界にて、アメリカンフットボール選手が悪質な反則により、負傷者を出した問題が生じ、運動部の指導方法や大学の危機管理体制が問われています。1日も早くスポーツ本来の姿を取り戻すことを願うところでございます。

さて、今年は暖かな陽気に恵まれ、見ごろになったバラが公園いっぱいに広がる中で、第13回「ばら祭り」が5月26日(土)から始まりました。ばら祭り実行委員会の皆さんにより、6月10日(日)までの16日間の日程で開催しており、330品種、2,300株の色とりどりのバラが、連日多くの皆さんを迎えています。

開会から1週間が過ぎましたが、昨日までで来園者が約22,500名、特に一昨日の土曜日には3,000名、昨日の日曜日には5,000名の方にご来園いただいております。

今年のばら祭りでは、野外コンサートのほか、太鼓やマリンバなどのイベントを増やしましたので、ご来場の皆さんに満足していただくとともに、「ばらのまち・坂城」を町内外に発信していきたいと考えております。

 昨年度、地方創生拠点整備交付金により、施設改修をいたしました、さかき地場産直売所「あいさい」は、3月12日のリニューアルオープンから2ヶ月半が経過しました。

 この間、農産物の品数の確保に努め、また、食堂は面積が拡張されたことにより、前年同期比、販売額は47%、来場者数では61%増加と順調に推移しております。

さて、経済情勢でありますが、日本総研によりますと、アメリカの景気は、個人消費が減速し、伸びが鈍化したものの、13月の実質GDPは前期比年率プラス2.3%と、設備投資や輸出は堅調な増加が続き、全体としては景気拡大基調が持続しております。

ヨーロッパにおいては、ドイツの輸出拡大に変調の兆しが見え、英国の13月の実質GDPも前期比年率プラス0.4%と、成長ペースが低い伸びになっており、ユーロ圏景気は、雇用環境の改善を背景とした個人消費の緩やかな回復が下支えをしているものの、先行きに不安を感じるところです。

 また、中国においては、13月期の実質GDPが前年同期比プラス6.8%と、3四半期連続で同じ伸び率となっており、内外需要が堅調を維持して、今後の展望においても、堅調な官民需要に支えられ、高めの成長が見込まれるところですが、中国をとりまく通商摩擦の動向もございますので、引き続き注視していく必要があると考えております。

次に国内の状況でありますが、内閣府による5月の「月例経済報告」では、「景気は、緩やかに回復している。」とし、先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。」とする一方、「海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」としております。

また、日銀松本支店が5月に発表した「長野県の金融経済動向」によりますと、設備投資、住宅投資、個人消費などの個別観測から「生産の動きは増加している。雇用・所得は、着実な改善が続いている」とし、「総論として長野県経済は、緩やかに拡大している。」としております。

当町におきましては、4月に実施いたしました町内の主な製造業20社の1月~3月期 経営状況調査の結果では、生産量が3ヶ月前のマイナス2.67%からプラス5.01%と7.68ポイント増加し、売上げについてもほぼ同様な傾向が見られます。

また、雇用については、3ヶ月の総計でプラス77人と、前回調査のプラス61人から更に増加しており、来年4月の雇用予定は、ほとんどの企業が増員又は減員分の補充を予定しており、全体では133人の増員予定となっております。

いずれにいたしましても、当町の企業や経済が順調に伸びていくことを願うところでございます。

さて、続いてでございますが、町では「子育て、福祉、ものづくりの分野に重点を置き、安心して暮らせる」ことを目指して、様々な施策の展開を図っておりますので、本年度の主な事業の進捗状況について申し上げます。

 高校生のタイ国研修につきまして、29年度は去る3月21日から25日の日程で実施し、5月16日に報告会を開催しました。

 参加した高校生8名から、タイで活躍する(株)桜井製作所、(株)都筑製作所、 日精樹脂工業(株)での現地視察や大使館での研修、あるいは、タイの学生との交流、歴史・文化などの異文化体験を通じて、彼ら自身が感じ、新たに発見した多くの思いが語られました。

「町の企業の技術力の高さと働く人たちの情熱を感じ、町を誇りに思った。」、「言葉が通じなくても身振りで通じることができた」などの報告を聞き、これからの成長と自信につながる有意義な体験であったと感じたところでございます。

 今年度も、より多くの高校生が坂城町の産業を肌で感じ、異国文化に直接触れる機会として、タイ国への研修を実施してまいりたいと考えております。

次に、新制度に基づく農業委員会については、5月18日に臨時総会を開催し、農業委員会長に入横尾の田中克人さんが、会長代理に春日忠雄さんが就任され、新体制がスタートいたしました。

農業委員の皆さんには、農地の権利移動等に関する業務のほか、新たに必須業務となりました担い手への農地利用の集積・集約化、遊休農地の発生防止・解消、新規参入の促進といった「農地利用の最適化」の取組みについて、ご期待いたすところでございます。

 4月から運用を開始しましたトータルメディアコミュニケーション施設整備事業につきましては、戸別受信機の配布を有線放送電話にご加入いただいていた世帯について ほぼ完了し、現在、未加入世帯を中心に配布を行っています。5月末現在で、全戸の80%にあたる5,250戸への配布を完了しております。

 また、4月以降は、有線放送の施設の撤去も併せて進めており、各ご家庭のスピーカーや引き込み線などについて順次お伺いしながら撤去を進めております。

 なお、千曲川への水位計、雨量計などの気象観測装置の設置工事、すぐメールや町ホームページなどとの連携につきましては、7月末までに完了させ、全てのシステムの運用を開始できるよう進めてまいります。

また、「移動系無線通信システム整備」につきましては、5月30日にプロポーザル選考会を開催し、実施設計委託業者を決定いたしました。今後、電波の受信状況調査等を実施し、平成31年度の整備に向け、事業を進めてまいります。

次に、ワインに関する事業につきましては、29年度まで 試験圃場にて品種の特性の把握などの実証試験を行い、一定の評価が得られました。また、町内の青年たちが7月にワイナリーを開業することから、試験圃場の管理やワインの醸造については、彼らに引き継ぎ、町といたしましては、ワイン文化の醸成をはじめ、坂城産ワインのブランド化などのワイン文化の推進にシフトしてまいります。

 その取組みとして、5月19日(土)と20日(日)にアリオ上田店で開催された千曲川ワインバレーフェスタに参加し、同日発売の2017年産坂城プレミアムワインをはじめとする坂城産ワインのPRを行いました。多くの方々に坂城産ワインに親しんでいただいたところでございます。

さて、信州さかきふるさと寄附金につきまして、29年度末で1,853件、45,588千円余りの寄附をいただきました。引き続き、多様な返礼品の充実を図っていくとともに、事業者の皆さんの募集に努め、地域の活性化につなげて参りたいと考えております。

なお、この夏から、返礼品に 町のマスコットキャラクター「ねずこん」をデザインした共通のシールを貼り付けることとし、ふるさと納税を活用した町のPRを強化してまいります。

 続きまして、移住・定住促進事業の新たな取組みとして、実際に町内に宿泊していただき、当町の魅力や、生活について、より具体的にイメージしていただける宿泊体験施設を整備いたしました。今後、移住相談会などを通じて希望者を募り、多くの方に当町を体験していただき、実際の移住につながるよう積極的にPRしてまいりたいと考えております。

 また、就職を契機とした移住・定住を促し、町内企業に勤めていただけるよう企業の人材確保の支援を行っております。

その一つとして、4月17日には、金沢工業大学において、2019年3月卒業予定者を対象に合同企業説明会を開催し、町内企業7社から参加をいただきました。

また、7月の開催に向け準備を進めているところでございますが、今年度から新たに長野大学での合同企業説明会の開催を計画しております。

さて、新たな工業用地の確保につきましては、現在のテクノさかき工業団地の西側に約4haを拡張する形で計画しております。現在、各種の法規制について、長野県と協議を進めており、今後、地権者の皆様や関係団体等を対象に、事業説明会の準備を進めてまいります。

「松くい虫被害 防止対策」では、空中散布につきまして、4月13日に住民説明会を行い、住民の健康に対する配慮を図る中で、6月20日に有人ヘリによる散布を予定しております。

また、有人ヘリでは散布できない急峻な箇所につきましては、6月20日と7月11日の2回、無人ヘリコプターによる薬剤散布を実施してまいります。

空中散布のほか、伐倒駆除、枯損木処理、樹幹注入、松の植樹を行うとともに、県の森林づくり県民税を活用した松くい虫被害木の搬出やバイオマス燃料化事業も加え総合的な防除対策を講じてまいります。

(あとは、招集あいさつ(2)へ)

・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

ハワイアンフェスタ in びんぐし

昨日(6月3日)、坂城町 びんぐしの里公園のびんぐしわくわくステージで、『ハワイアンフェスタ in びんぐし』が昨年に引き続き、開催されました。

ハワイのような素晴らしい天候のもと、約150名の皆さんがステージに登場しました。

東京から来られた、ハーラウ フラ オーマヒナヒナ の皆さん

左:私も一曲、右:今年は多くの方がパラソル持参で来られました。 ハワイのムード満喫。

以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハワイアンフェスタ in びんぐし

ハワイアン01

6月3日(日)、びんぐしの里公園のびんぐしわくわくステージで、『ハワイアンフェスタ in びんぐし』が開催されました。

色鮮やかな衣装を身に着けた各サークルの皆さんが、陽気なハワイアンの音楽にのせてフラダンスを披露しました。また、「モアナハワイアンズ」の皆さんによる生演奏もあり、会場からはダンスや演奏が終わると大きな拍手がおくられていました。

ハワイアン02ハワイアン03

ハワイアン04ハワイアン05

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

坂城町内3小学校で運動会

一昨日(6月2日)、坂城町内3つの小学校で運動会が行われました。

私は南条小学校の運動会に参加しました。

南条小学校運動会開会式。 右は運動会の間も草取りに励むヤギ 「ひめ」 さん。

以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

町内3小学校で運動会

南小運動会01

6月2日(土)、町内3小学校で運動会が開催されました。(写真は南条小学校の運動会)

天候にも恵まれ、運動会日和の一日となりました。大勢集まった保護者の皆さんの前で児童たちは、運動会のために日々一生懸命練習してきた成果を発揮しました。
 保護者の皆さんもカメラやビデオを片手に、児童たちに声援を送っていました。

運動会02運動会03

運動会04運動会05

運動会06運動会07

運動会08運動会09

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

第12回トポス会議

昨日(5月31日)、六本木ヒルズで、第12回トポス会議が開催されました。

今回のテーマは、「社会への満足度と幸福度を高める ”オルタナティブ創造社会への挑戦」 です。

世界各地からこの分野の最先端の知見と実践知を持たれるそうそうたる方々の議論は行政にとっても大変有意義なものと感じました。

以下、共同発起人の野中郁次郎先生と紺野登先生のメッセージを掲載します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

野中郁次郎 トポス会議代表発起人 一橋大学名誉教授

二項対立から二項動態へ

 今回のトボス会議は「オルタナティブ創造社会への挑戦」をテーマとして掲げた。通常、オルタナティブは「二者択ーの」「代替の」などと訳される。企業経営、組織運営において日々直面するさまざまな矛盾、「アナログとデジタル」、「アートとサイエンス」、「安定と変化」、「人間とAl」などは、「あれか、これか(either/or)」で論じられることが多い。しかし、一見相反しているかに見える二つの概念を二項対立(dualism)としてとらえるのではなく、それを乗り越える思考の実践が重要だ。一見矛盾する考え方や手法、要素は相互補完関係にあり、二つの要素が一つの事象に共存しうる。これらを状況や自的に合うようにうまく組み合わせ両方の利点を生かし新しい価値を見出す創造的思考が重要である。

このいわば「二項動態(dynamic duality)的思考」の実践には、矛盾する要素間の関係性における本質に対する深い洞察が必要だ。現実をデジタル的に白か黒かで見るのではなく、アナログ的に白と黒の両極の連続的なグラデーションとして捉え、両極を総合する勘どころを洞察するのである。また、変化する状況や文脈に合わせて、二つの要素の「動的均衡」を探り続けることが重要である。そして、闘争を通じて他項を排除する「死」の弁証法ではなく、対話を通じて中庸を探っていく「生」の思考でなければならない。

対立項が競い合いつつも両立し、個を貫きつつ全体の調和をダイナミックに追及する「あれもこれも(both/and)」の二項動態的思考が、危機に対峙する社会、そして我々一人ひとりの生き方に求められるのではないか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

紺野 登 多摩川大学大学院教授

「オルタナティブ」とは、伝統や確立された制度や思想に対する選択肢、代替の道のことである。「トポス会議」ではこれまで何回かオルタナティブなテーマをとりあげている。「シンギュラリティ」つまり知性のオルタナティブ。ポスト資本主義など経済のオルタナテイプ、「エイジング2.0」あるいはヒューマン・エンハンスメント(人間拡張)すなわちオルタナティブな人間。生圏倫理学(エコエチカ)、脱・一極集中、グローバルシティ、「リビング・ラボ」などオルタナティブな環境や都市のあり方である(「過去のトポス会議」より)。しかし、この数年の大きな世界情勢変化の中で、オルタナティブに正面から向かい合う要請が生まれてきたように思われる。

フランスの経済学者トマ ピケティの「2 1 世紀の資本」 (2013)は、資本主義の格差拡大論争を世界中に巻き起こした。そこで、ピケティは社会主義者か、といった問いが少なかからずあったようだが、彼は資本主義が生み出す格差を問題にしたにすぎなかった。資本主義対社会主義、などというが、社会主義であっても格差は存在する。実は、両者は本質的に対立した概念ではなく、市場主導か国家主導の貢本主義かの違いでしかない。ところがこれらが対立概念や選択肢として捉えられて論争が起きる。しかしそこから答えはでてこない。その時これらのいずれでもない道を探ろうとするのが「オルタナティブ」だといえる。

市場が支配するのでも国家が支配するのでもない、とすれば、その一つのオルタナティブは人間や環境主導の資本主義であろう。1970年代頃から生まれた「エコロジー運動」は、これらの対立軸にこだわらない、人間と自然環境との共生や直接民主主義を主張した。西ドイツ(当時)の「緑の党」運動は、それが政治的な活動に繋がったものだ。SNSの広がりやブロックチェーンなどの技術は次の社会・経済システムを暗示しているようにも見える。

しかし、一方でこれまでオルタナティブはサブカルチャーと同義の「いかがわしさ」をまとっていた存在だった。オルタナティブ・ファッション、カルチャー、音楽(ロック)などは、時代の流れや商業主義にとらわれない前衛やアンダーグラウンドな文化を代表していた。他方、オルタナティブな教育、民間療法などを含む代替医療は、現在の制度やシステムを補完したり、共存を目指したりすものだった。いすれにせよ、それらは「中心」に対しての「周縁」に位図し、常に中心に向かって、刺激や圧力を与える存在だった。あるいは、代替エネルギーや代替技術、代替労働(多様な働き方)のように、従来の社会システムを根底から変化させつつ「持続可能性」を追求しようとする「外野」がオルタナテイプの真骨頂だった。

ところが、ここ数年の政治的・経済的・技術的な世界情勢の変化は、我々に本質的な解決や社会的イノペーションを、こうしたオルタナティブな道に求めさせるようになったといえる。それはこれまでの「オフィシャルな」未来に対する完全なアンチテーゼである。背景には政治や企業への信頼の低下現象がある。また、人工知能の台頭によって、知性そのもののオルタナティブなあり方を議論せざるをえないようになった。科学もその存在を問われるようになった。従来とは異なる思考の枠組みでの実践、価値観の逆転が起きている。月並みな表現だが「パラダイム・シフト」が現実化しているのである。もちろん、ただ一つのオルタナティブなど存在しない。多様なオルタナティブのパージョンがありえるだろう。

今回のトポス会議では、次の3つの切り口からオルタナティブを議論する。

 (1)オルタナティブな社会とはどんな社会だろう。ドイツの社会学者、ニクラス・ルーマンは、現代社会が階層的な構造ではなく、人々のコミュニケーションによって多層的なシステム群として形成されるという社会のモデルを提示して見せた。これは閉塞した既存の社会に対しての変革実践のための知見ともいえる。このモデルの類推から、社会におけるオルタナティブなあり方の具現化・実践には、個々の社会システムを超えて繋げるような機能を持った社会経済セクターの存在が求められる。

ヘンリー・ミンツパーグの「プルーラル・セクター」は、こうした新たな役割を担う組織体のモデルとして意味深い。従来の一業界、一企業、一省庁の戦略や政策には限界が訪れている。そこで、産官学民の相互参画を介して、社会・経済の「リパランシング」を図るのがプルーラル・セクターの役割である。デンマークの「オルタナティブ党」は、エコロジー運動の末裔ともいえる、現在の経済・社会の代替の道の確立を目指しているオルタナティブなセクターと言える。そこではフューチャーセンターやリピングラポなどの都市の「場」における、社会的、参画的な対話的実践が重要になる。その主役は当然ながら従来のシステムの保護者ではない、女性や若者、あるいはダイパーシティの垣根のない社会だろう。

 (2)オルタナティブな道の実践とは、いかにあるべきか。オルタナティブなイノベーションの実践とは既存の常識や制度に立ち向かっての新たなカテゴリーの創出であり、時として常識に挑むような生き方でもある。それは単純な「破壊的イノベーション」などでもない。個人の哲学や、長期的にわたる真剣な持続的努力が背後で求められる。彼らは、共通善や真実を追求しようとする、社会や文化のアントレプレナーである。それは企業のイノベーション、オルタナティブな社会システムの創出など、異なった分野にも共通している。

 (3)オルタナティブな経済がありえるなら、企業経営やイノベーションのオルタナティブとはどのようにあるべきか。今や、本業も全てイノベーションを軸にした経営の時代に入っている。既存の延長線にある経営の知には限界があると考える方が妥当だろう。既存の競争軸にはない、オルタナティブな戦略を考えねばならない。しかしそれはアイデンティティの喪失につながるかもしれない。逆に現在忘れられた伝統的な知の意味合いが高まるかもしれない。その場合、いすれにせよその最初の問いは、「一体自分たちは何のために存在しているのか」であろう。

多摩大学大学院教授

一般社団法人Japan Innovation Network代表理事

KIRO株式会社(Knowledge Innovation Research Office)代表

知的経営変革、ナレッジマネジメント、知識、産業における事業開発、デザイン経営戦略やリーダーシッブ・ブログラム、研究所などのワークプレイス戟略等実務に即した知識経営研究と実践を行う。

            

 

▼左:野中郁次郎先生と 右:Women Help Women 代表で女性による企業促進や、ソーシャル・ビジネスの普及に取り組まれている、西田治子さん。今回も素晴らしいお話をしていただきました。(西田さんには坂城町での講演会のお願いもしております。)

以下、トポス会議のプログラム、講演者について。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第12回トポス会議

社会への満足度と幸福度を高める
オルタナティブ創造社会への挑戦

一般社団法人Future Center Alliance Japan(FCAJ)が実施した調査の結果では、「日本の社会に満足していない」と回答した人が何と76%に上り、逆に「満足している」という人は1.7%足らずであった。

こうした「社会への不満足度」の高まりは、アラブの春、オキュパイ・ウォールストリート、最近ではブレグジットや#MeTooなどの大衆運動として噴出するだけではない。最近では、現状を修正・改善・変革する「オルタナティブ」となって表れることが少なくない。それらは、概して自生的であり、「時代の要請」と呼ぶべきものである。

ビル・ゲイツが「既存の銀行は不要になる」と予言したように、ビットコインやブロックチェーンはまさしく世界的なオルタナティブである。このほか、政治、教育、医療、福祉、エネルギーなどの社会システムにおいて、多種多様なオルタナティブが登場している。一見、デジタル技術によって制約や限界から解放された結果のように見えるが、既存のシステムや手段への「異議申し立て」と理解すべきではないか。

オルタナティブとは、通常「既存とは異なる代替」を意味し、これまでは「アンチ」「ポスト」「少数派」などと表現されることが多かった。しかし現在では、敵対・対立でも脱でもなく、むしろ相互に影響を及ぼしながら修正や進化を促す「推進力」といえる。

その方向性はすでに示されている。事実、いま生まれつつあるオルタナティブの多くが、経済的繁栄よりも、民主的で共生的な社会やコミュニティを目指すものであり、それゆえにイノベーティブである。

オルタナティブが増えるほど、変革や進歩が加速され、同時に多様性や寛容性が高まる――。

これが、第12回トポス会議が投げかける「仮説」である。今回は、代表発起人の野中郁次郎、神戸大学名誉教授の加護野忠男氏、そしてマギル大学のヘンリー・ミンツバーグ氏の3人の賢慮によるクロストークを起点に、オルタナティブが大量に創造される社会のダイナミズムについて議論する。

プログラム

                     

講演者

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし