来年はどういう年

今年もあと残すところ一か月半となりました。 世界中が新型コロナウィルスの脅威に苦しんだ年でした。

来年の令和3年はどういう年になるのか干支から見てみましょう。


来年(令和3年)「辛丑」(かのと うし・しんちゅう)はどんな年。

来年は、「多少の傷も覚悟しながら、しっかりと新たな試みを始める年」です。

今年は新型コロナウィルスに圧倒的に攻撃された年になってしまいましたが、来年は言わば、「捲土重来」の年にしなくてはなりません。

令和2年、今年の干支は、庚子(かのえ ね・こうし)でした。

庚(かのえ)の年は、今まで行ってきたものを継承・継続させ、さらに進化させるための新たな環境や体制を整える年とされている一方、子(ね)には生い滋る・繁栄するという意味があり、十二支の始まりでもあることから、過去の反省や検証をしっかり行い、継続してきた物事を進化・発展・チャレンジする年でありました。

しかしながら、昨年の東日本台風災害からの復旧、復興、新たなチャレンジを行うところでありながら、「子(ね)」が繁栄するのではなく、新型コロナの生い茂る大変な年になってしまいました。


来年は、辛丑(かのと うし・しんちゅう)です。

「辛丑」の言葉の意味は白川静さんによれば、「辛」は把手のある大きな直針の形で、入れ墨などの時につかうもの。従って、文字の意味には「つらい」、「むごい」、「きびしい」などがあり、「罪人」、「大きな罪」との関連もあります。

そこから、「斎戒自新」、「辛は新なり」の解釈も出てきます。
安岡正篤氏によれば、「辛は革新を意味する。その際、殺傷を生ずることがある」としている。(安岡正篤 「干支の活学」)

殺傷を生ずることがあるが、新たな革新を求めてスタートするが求められています。
一方、「丑」は手の指先に力を入れて、強くものを取る形。(白川静「字統」)

また、「母のおなかの中にいた嬰児が体外へ出て、右の手を伸ばした象形文字で、今まで曲がっていたものを伸ばすところから、「始める」「結ぶ」「掴む」という意味があり、丑に糸偏をつけると紐となります。(安岡正篤 「干支の活学」)

いずれにしても、来年の「辛丑」は「多少の傷も覚悟しながらしっかりと新たな試みを始める」年になりそうで、強い覚悟が求められています。
言わば、新型コロナに対して「捲土重来」を期する年にしなくてはなりません。

覚悟をもって新年をスタートさせましょう。

前回の「辛丑(かのと うし しんちゅう)」は1961年、昭和36年でした。

この年は正に、復活から、捲土重来、新たな時代のスタートとなりました。

2年前の伊勢湾台風などの災害からの復興をし、東京オリンピックを3年後に控え、力強くスタートしたのがこの年でした。

海外では、ケネディ大統領が就任し、ソ連のガガーリンが初の宇宙飛行を行いました。

日本では、柏戸、大鵬が同時に横綱に昇進しました。

芸能界では、石原裕次郎の「銀座の恋の物語」、坂本九の「上を向いて歩こう」、村田英雄の「王将」、植木等の「スーダラ節」、小林旭の「北帰行」、ウェストサイド・ストーリの上映、NHKの朝ドラのスタート「娘と私」、「夢で逢いましょう」、「シャボン玉ホリデー」などが続々と登場した年です。

その前の「辛丑」は1901年。新世紀、20世紀の始まる年でした。

さあ、来年の「辛丑」。

新たな心持で、「多少の傷も覚悟しながらしっかりと新たな試みを始める年」、「捲土重来」の年としなければなりません。

坂城町長 山村ひろし