平成31年元旦マラソン

昨日(1月1日)、恒例の坂城町元旦マラソンが開催されました。 今回で48回目になります。

雲一つない、素晴らしい天候のもと約500名の皆さんが6キロ、3キロ、1.5キロ、ペア1.5キロのコースに分かれ、皆さん、元気よく走り回っていました。

以下、坂城町ニュースをご覧ください。

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第48回元旦マラソン

元旦マラソン01

1月1日(火)、澄み切った青空のもと、毎年恒例の元旦マラソン大会が開催されました。

 今年も町内外から約480名を超える方が参加し、小学生の部と一般の部は6km、3km、1.5kmのコースを、親子ペアの部は1.5kmのコースを走り、沿道からの声援を受けながら一生懸命ゴールを目指しました。平成最後の元旦マラソンとなりましたが、参加された皆さんからは、「風が冷たくて体が硬かったけど、無事ゴール出来て良かった。」「走っていてとても気持ちよかった」などの感想が聞かれました。

        

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坂城町長 山村ひろし

平成31年 新年のごあいさつ

今年も伊達八重子さんから素晴らしい切り絵をいただきました。

伊達八重子さん作 切絵 「亥と童子」

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明けましておめでとうございます。

皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられましたこととお慶び申し上げます。

今年の干支は、己亥(つちのとい・きがい)です。己の年は、筋道を通すことが大切であり、わがままにならず、規律を守ることが大切であると言われています。一方、亥の年は、「何事かを生もうとしている」、「いろいろのエネルギー・問題をはらんでいる」と言われ、「核エネルギー」のように「起爆性」をはらんでいると言われています。今年は改元の年となり、あと四ヶ月で新しい元号に入ります。自らの思いを筋道を通して着実に実行し、その中から、大爆発・大飛躍の可能性を期待し、大いにチャレンジしたいと思います。

条小学校建設事業につきましては、広報「さかき」12月号及び町ホームホージにてご説明いたしましたが、当時の校舎は、耐震性、設備の老朽化、防犯上の安全面で十分とは言えず、建設委員会などで、地域の皆様のご意見をいただきながら、耐震性と安全性を満たした現在の学校を建設させていただきました。

しかしながらこの度、会計検査院の指摘により、町が交付を受けた交付金うち、過大とされた約2億5千3百万円について、12月の町議会において、補正予算をお認めいただき、返還することになりました。

町民の皆様、ご関係の皆様には、ご心配とご迷惑をおかけいたし、改めてここにお詫び申し上げます。

さて、昨年を振り返りますと、何十年に一度といわれるクラスの自然災害が一年のうちに何度も起こり、全国各地に大きな傷跡を残しました。そのような災害に備え、町では、防災情報や町からのお知らせをいち早く町民の皆さんへ伝達する仕組みとして「防災行政無線(同報系)」を整備し、全戸・全事業所を対象に戸別受信機を無償貸与したほか、町内25箇所に屋外スピーカを設置いたしました。今後も、防災行政無線(移動系)や中核避難所への無線LAN整備などを進め、「つながるあんしん 坂城町」を目指してまいります。

国では、「生産性革命」「人づくり革命」「働き方改革」により、生産性の向上と少子高齢化という大きな課題に立ち向かおうとしています。

当町においても、少子高齢化による人口減少は大きな課題であり、将来の人口動態の変化は、町の経済活動や行政サービスに大きな影響を及ぼすことになります。これらの影響を最小限に抑え、快適で住みよい環境を確保するため、「坂城町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、将来を見据えたまちづくりを着実に進めてまいりました。

平成24年度から取り組んでまいりましたワイナリー形成事業は、昨年7月に町内初のワイナリー開業を契機に、ワイン文化推進事業にシフトし、坂城産ワインのブランド化や産地としての認知度向上、そして町の新たな文化としての浸透を図っております。

福祉と健康のまちづくりでは、ひとり暮らし高齢者の見守り・支援と緊急時の通報体制の整備、第三子以降の保育料等無料化や18歳到達年度末までの医療費無料化による子育て家庭の負担軽減、国保特定検診受診料の無料化などに取り組んでおります。

また、創造性と人間性を育むまちづくりとして、子どもたちの英語力向上に向け、海外との交流を通じた国際力向上に取り組んでおります。

今後のまちづくりの展開としては、引き続き人口減少対策や地域経済の活性化とともに、国・県による国道18号バイパスや坂城インター線先線の建設推進のほか、企業のニーズに沿った新たな工業団地の造成、老朽化している町内公共施設の統廃合や再配置に関する計画策定など、次代の坂城町を形成するための骨格づくりが必要となってまいります。

これらの取り組みを通じて、皆様とともに、今年も「活力あふれた、元気で、明るい坂城町」を創るべく努力してまいります。

町民の皆様におかれましても、本年が良き年となりますようお祈りし、新年のごあいさつとさせていただきます。

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坂城町長 山村ひろし

坂城町平成の3大ニュース(信濃毎日新聞)

 今日はいよいよ大晦日。 この一年、多くの皆様に大変お世話になりました。

 例年、信濃毎日新聞では、12月30日に各自治体のその年の3大ニュースを発表しています。

 今年は、坂城町として何が取り上げられるかなと思っていましたが、今年は平成最後の年ということで、「平成30年間」の3大ニュースが発表されました。

 

 以下の通りです。

 坂城町3大ニュース(平成30年を通して)



1.坂城テクノセンター完成

2.びんぐし公園、びんぐし湯さん館オープン

3.坂城産ワイン誕生とワイナリー創業

 長い間の多くの関係者が作り上げてきた平成時代の3大ニュースです。

 これに今年開業したワイナリーも含まれたことについて大変うれしく思っています。


 さて、今年は年明けから全国各地で大きな自然災害があり、国際的にもトランプ大統領の発信するニュースで激動が止まらない大変な年となりました。

 その中で、坂城町では坂城町の皆さんのご協力、職員の頑張りなどあり、 3つの重点プロジェクト「さかきワイナリー形成事業」、「トータルメディア・コミュニケーション」(つながるあんしん坂城町)、「坂城スマートタウン構想」(町全体のエネルギー効率化)など順調に進展いたしました。         

 個別の取組として、防災情報や町からのお知らせをいち早く町民の皆さんへ伝達する仕組みとして「防災行政無線(同報系)」を整備し、全戸・全事業所を対象に戸別受信機を無償貸与したほか、町内25箇所に屋外スピーカを設置いたしました。 今後も、防災行政無線(移動系)や中核避難所への無線LAN整備などを進め、さらなる「つながるあんしん 坂城町」を目指してまいります。

 そのほか、《移住・定住の促進、就業・産業大》については今まで減り続けていた人口が横どまりとなりつつあり、いろいろな効果が出てきました。

 子育て・教育・福祉施策の充実、についても18歳までの医療費無償化、水道メーターをつかった高齢者見守り事業など積極的な取り組みを継続的に行ってきました。 特定検診につきましては、全額無償といたしました。 来年に向けて更なる取り組みを行ってまいります。

 また、国・県による国道18号バイパスや坂城インター線先線の建設が推進されたほか、企業のニーズに沿った新たな工業団地の造成、老朽化している町内公共施設の統廃合や再配置に関する計画策定など、次代の坂城町を形成するための骨格づくりを進めてまいりました。   

 一方、南条小学校の建設にかかわる件につきましては、会計検査院の指摘により、町が文部科学省より交付を受けた、約2億5千3百万円につきまして、12月議会でもお認めいただき返還することになりました。

町民の皆様、ご関係の皆様には、ご心配とご迷惑をおかけいたし、改めてここにお詫び申し上げます。       

坂城町役場では、今年一年の感謝を心にもち、恒例の「だるま目入れ式」を全員で、心を込めておこないました。 来年もよろしくお願いいたします。

役場職員全員にねぎらいの言葉と来年に向けた取り組みについてお話ししました。

皆様にとりまして、来年が素晴らしい年となりますようお祈り申し上げます。

坂城町長 山村ひろし

坂城中学校堀口校長先生の校長講話より

坂城町立坂城中学校の堀口校長先生が、先日(11月12日から16日)、来年度予定されている、中学生のシリコンバレー・ホームステイプログラムの事前調査のため、坂城町英語教育コーディネーターの和田先生とともに出張されその内容について、校長講話としてお話されました。

素晴らしいお話ですので、以下、内容を掲載させていただきます。

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◎2 学期終業式 校長講話より(※一部省略 文川)

「坂中生よ 大志を抱け

坂城町中学生アメリカ教育交流事業に関する事前視察報告

坂城町では、小学生が中国上海へ、高校生がタイヘの海外教育交流事業を行い、国際交流を推進しています。皆さんの中にも小学生時代、中国へ行った人もたくさんいると思います。この度、来年度より中学生もアメリカシリコンバレーヘの海外教育交流が計画されています。IT世界最先端の都市を訪れることで世界に羽ばたく人材を育てたい町長さんたっての願いから計画された事業です。その事前視察として11月12日から16日まで坂城町英語教育コーディネーターの和田先生とともに米国カフォルニア州サンフランシスコ市コンバレーと言われているサンノゼ市周辺地区を視察調査してきました

1 日目11月12日(月)の午前11時に坂城を出発し、現地時間午前9 時過ぎにサンフランシスコ国際空に到着しました。日本とカリフォルニアの時差17間、月曜日の夕方出発して、着いたのは月曜日の午前中、なんか変な気持ちになりました。空港で待ってくれていたのは、JTBサンフランシスコ支店の宮坂支店長とガイド金松さんでした。持参した資料を示して、研修の目的やイメージ、参加予定数などを共有し、金松さんからの提案でスタンフォド大学をまず視察することにしました

スタンフォード大学は、アメリカでも有数の大学です。その敷地は広大で993万坪といいますか 33キロ平米。54キロ平米ある坂城町の3分の2くらいの広さがあります。

次に行ったのは富士通の Open Innovation Gateway。そこでは Senior Director Mohi Uddin Ahmed 博士とManager の大橋竜馬氏に対応していただきましたMohi Ahmed 博士に「ただ見て帰るという研修でなく、人と出会いその人の思いや志をきいた生徒自身の夢を語ったりするなど対話をしたい「アメリカでの経験や得たことを他の生徒に伝えて共有してほしいという思いを伝えました。「昔からある地域でホームステイをすることでシリコンバレーの変遷や地域の人の思いを聞くことができるのではないかと提案ただき、具体的にRed Wood Middle School を紹介していただきました。大橋氏からは日本人の先生や中2 にあたる日本人の生徒がいるLos Ga tos Hi gh School
を提案いただきました

2 日目1113日(火)は、まずテック・イノベーシン博物館を視察しましたサンノゼ市と郊外にある約 300 の企業からの寄付金で設立された博物館です。

次にホームステイ候補地を視察しました。サンノゼ日系移民博物館では当時移民が使っていた農作業具や生活用品、第二次世界大戦時の日系収容所の生活の様子が展示してあり、異国に渡った日本人がたくましく生き抜いた歴史が学べます。ホームステイ候補地のサンタクララ、ミルピタスを車窓から見学。シリコンバレー勤務者のベッドタウンで、オレンジやプルーンの畑だったところが転用された比較的新しい建売の住宅地でした。レッドウッド中学校。閑静な住宅街の中学校で、学校訪問の候補の一つです。

3日目】1114日(水)は、シリコンバレーの視察でTwitter本社は車窓から見学しYouTube本社では降車して正面の看板を撮影しました。Apple本社、新社屋は、(東京ドームの3つ分)くらい広大で、バーチ ャルであるが最先端の企業を最先端の技を使って見ることができるのは中学生に良い体験になりそうです。ロスガトス・ハイスクールは、シリコンバレーで働く日本人が多く住む地域にある学校で、この学校には日本人の先生、日本人生徒がいるそうです。日本語を学んでいたり日本に興味があったりする生徒がいれば授業参蜆だけでなく交流などもできるかもしれません。

まとめ

坂城町中学生アメリカ海外教育交流事業の主眼は、「大志を抱く」ことです。世界テクノロジー最先端の街として有名なカリフォルニア州シリコンバレーを訪れ、単なる観光旅行とはしたくありま せん。訪問時期は2学年の春休みを予定しています。坂城中学校では、毎年クラス替えをすることから、通常3年4月に実施していた修学旅行を2年3月に研修旅行として実施する計画でいます。

研修旅行で京都・奈良を旅行することにより、日本人としてのアイデンティテーを高め、その上で、異文化体験を計画しています。アメリカシリコンバレーを訪れ、現地でホームステイすることにより、異文化の生活を体験し、現地の方と交流するとともに、現地中学校を参観し、同年代の学生と交流を深め、また、世界から集まる大学の留学生や現地企業で活躍する人々との対談を通して、世界情勢を知るとともに、自分の夢を語り、将来に対する志を高めることを目指しています。

帰国後は、アメリカ視察を通して肌で感じ取った異文化について、友に語り、坂城中生徒全体に大志を抱くことの大切さを広めてくれることを期待しています。

今後は現地交流中学校と連絡をとりながら準備をすすめていきたいと思います。

明日から冬休みに入ります。ぜひ皆さんには「大きな志を持ってもらいたいと思います。新し い年の始まり。将来に向けた夢を是非考えてみてください18日には3学期が始まります。新たな目標を胸に、全員元気で登校することを待っています。これで校長先生の話を終わります。みなさんよいお年をお迎えください。

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坂城町長 山村ひろし

平成30年 消防団歳末特別警戒開始

昨日(12月27日)、消防団の歳末特別警戒が開始されました。

午後8時から約2時間をかけ、12箇所の分団詰所を長谷川消防団長、柳町消防署長、高橋千曲警察署長、荒井坂城消防署長、郷津交番署長さんなどと一緒に巡視を行いました。

雪が降り始め、大変寒い中でしたが、消防団員全員が規律正しく歳末特別警戒を実施されていました。 皆様の大変なご尽力に敬意を表します。

今年は坂城町で、18件もの多くの火災が発生しました。 (昨年は12件。)

また、家屋の火災も7件と多く、なくなられた方もおられました。

そのなかで、そのつど、現場にいち早く駆けつけ、消火活動にご尽力いただいた消防団の皆様に心から敬意を表します。

第1分団

第7分団

第11分団

坂城町長 山村ひろし

若者コン in 坂城町 2018 ~ 冬 ~

昨日(12月23日)、坂城テクノセンターで、「お笑い芸人 こてつ の 若者コン in 坂城町」が開催されました。(主催:テクノハート坂城協同組合 理事長:宮後睦雄さん)

先日(11月17日)開催された、「若者コン in 坂城町2018 ~ 秋の陣 ~」に続いての開催です。 

前回は川島亜子さんを中心としたサキソフォンのコンサートでした。以下は、その様子。

https://yamamurahiroshi.sakura.ne.jp/?itemid=47872

さて、自治体や公的団体のいわゆる、「婚活」は種々開催されていますが、テクノハート坂城協同組合のような民間団体が企業の枠を超えて交流の場を作っていることは大変素晴らしいことだと思います。

今日も坂城町近辺にお住いの若者、約40人がお出でになりました。

「こてつ」さんのお話の後、「坂城 インスタ映え コンテスト」、「グループ交流会」、「じゃんけん大会」など大いに盛り上がりました。

開会のごあいさつ

「こてつ」さんのトーク・ショー

全員で「じゃんけん大会」

「こてつ」さんにお礼のプレゼント

左から:北村智(とも)さん、河合武俊さん、山村

プレゼントは坂城のワイン

なお、「こてつ」さんは、吉本興業所属の「あなたの街に住みますプロジェクト」の長野県担当芸人として大活躍中です。

坂城町長 山村ひろし

平成30年 年末交通安全運動

本日(12月21日)、年末の交通安全運動の一環として、朝7時から田町交差点で恒例の交通安全指導を行いました。

交通指導所の開設に当たっては、千曲警察署、坂城町交通指導員、千曲交通安全協会、ヤングドライバークラブの皆様のご協力を得て実施いたしました。

寒い中、大勢の皆さまに参加していただきました。

坂城町の交通事故の状況については昨年同期と比べて、件数が―6件(51件)、死者は+1人(1人)、傷者は+-0人(73人)です。

また、交通死亡事故「0日」は現在、233日経過です。

1,000日を目指して活動をしております。

また、坂城町の地区別、死亡事故「0日」は以下の通りです。

坂城地区:3,012日、中之条地区:233日

南条地区:1,515日、村上地区:5,891日(16年以上!)

交通指導所開設の後、パトロールカーで坂城町を巡回し、通学中の子どもたちに交通安全の声かけを行いました。

年末交通安全運動は12月31日まで実施されています。(12月1日から)

年末、何かと忙しく交通事故も多く発生します。

交通事故の無い、「安心安全で住みよい町」を目指して、交通安全に努めてまいります。

坂城町長 山村ひろし

瀬口清之さんのレポート(ファーウェイ事件に関連して)

キャノングローバル戦略研究所研究主幹の瀬口清之さんの最新レポートです。

瀬口さんならではの核心部分をついた迫力あふれるレポートです。 日本はますます重要な位置づけにあることを認識しなくてはなりません。

以下、瀬口さんのレポートをご覧ください。

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「ファーウェイ事件の本質と、この先起きること~米中2か国の対立が深まるなか、日本に求められる外交姿勢~」 

(キャノングローバル戦略研究所 研究主幹 瀬口清之)

1.ファーウェイ事件の背景は米国が感じる中国の脅威

ファーウェイのCFO(最高財務責任者)逮捕という衝撃的なニュースは米中両国の底知れぬ対立の根深さを改めて深く認識させた。

足許の米中関係は貿易摩擦が目立つ形で進行中のため、米中摩擦という言い方で表現することが多いが、現在の米中摩擦とかつての日米貿易摩擦とは質が違うものであることが今回の逮捕劇でより一層明らかになった。

米国が国家として最も重視しているのは経済問題ではなく安全保障問題である。

それは米国の主要な経済権益が一極覇権主義体制に依存しており、その体制が圧倒的な軍事力によって支えられているからである。

冷戦終結直後の1990年代初頭、日本のGDP(国内総生産)の規模が米国の60~70%にまで近づき、日米間で貿易摩擦が激化し、日本が米国の同盟国であるにもかかわらず仮想敵国扱いされたことがあった。

しかし、この時は政府間交渉が厳しかっただけで、関係者が逮捕されるようなことはなかった。

日米間関係においてファーウェイ事件と若干似たような出来事を思い起こすとすれば、ロッキード事件で田中元首相が逮捕されたことであろう。

この事件の裏にはやはり安全保障問題が関わっていたと考えられる。

つまり、米国との間で安全保障に関わる問題が生じた場合、米国政府は経済問題への対応に比べて厳しい反応を示すということである。

そうした観点から言えば、米中関係は安全保障上の問題と切り離すことができない。

中国は米国の同盟国ではなく、政治体制まで異なる、安全保障面で完全に独立した存在である。

そのうえ、中国の経済力は年々米国に近づいてきており、このまま10年程度中国経済が緩やかで安定的な減速局面を続ければ、2030年頃には中国のGDPが米国とほぼ肩を並べる可能性が極めて高い。

2040年頃には中国経済の規模は米国を逆転し、世界一の経済大国の地位を固めている可能性も十分ある。

経済力が高まればそれに比例して軍事力も高まることは自然な結果である。

中国の軍隊は戦争における実戦経験が乏しいため、たとえ経済規模が米国に追いついたとしても、実質的な戦闘能力の差はそう簡単には縮まらず、米国の軍事力がその後も長期にわたって優位を保ち続ける可能性が高い。

それでも、米国にとって中国の経済力・軍事力の拡大は確実に脅威となる。

これが米中関係のベースの部分を規定するため、米中関係は今後長期的に緊張関係が続くことを覚悟せざるを得ない。

今回のファーウェイの事件はそうした緊張関係が生み出したものであり、今後も長期的に続く緊張関係の中で類似の事件が繰り返される可能性が高いと考えるべきである。

2.中国は国内改革最優先

このように米国にとって中国の脅威が今後長期的に高まり続けるのは不可避であり、その脅威を少しでも抑制するために今後も中国に対して様々な圧力をかけ続けていくものと考えられる。

一方の中国は米国が考えているほど米国の一極覇権主義体制に挑戦しようとしているわけではないように思われる。

というのは、中国自身は目下深刻な問題を国内に抱えており、米国に対抗してグローバルな安全保障戦略を展開するどころではないからである。

中国は従来から地方政府が脆弱な税収基盤を補うため不動産開発によって収入を得て、それをインフラ建設などの財政支出の財源に充当してきた。

しかし、この地方財政の構造は行き過ぎた不動産開発を招き、それがバブル崩壊や不良債権問題の温床となるリスクが高い。これらのリスクが表面化すれば長期経済停滞に陥ることは不可避である。

この構造欠陥を修正するために、現在中国政府は地方財政改革と金融改革に取り組んでいる。

本来この改革は10年以上前から着手すべきだったが、改革の副作用がもたらす景気後退リスクが大きいため、ずっと先送りされてきた。

習近平政権はその難題克服を目指して今年から本格的に改革推進に取り組み始めた。

それにより今年の夏場以降、予想通り経済が減速し始めたが、それでもなお改革最優先の方針を変えずに決然とした姿勢で改革に取り組み続けている。

(詳しい内容については11月の筆者記事参照)。

どうしてそこまで無理をして改革に取り組まざるを得ないのだろうか。

中国は共産党一党独裁体制であるため、国民全体による共産党に対する安定的な支持確保が政権安定の基盤となる。

共産党員は1億人に満たず、その十数倍が非党員の一般国民である。

現在国民の大多数が共産党による統治体制を受け入れている実質的な主因は共産主義のイデオロギーに対する支持ではなく、共産党政権が的確な経済政策運営により中国経済の長期持続的発展を実現してきたことにある。

もし中国経済が長期にわたって深刻な停滞に陥れば、共産党に対する信認が揺らぐことは言うまでもない。

もし信認を維持できなくなる場合には、共産党指導層が得ている様々な特権が剥奪される可能性が高い。これは指導層の本人のみならず、その家族、親戚すべてにかかわる切実な問題となる。

このリスクの深刻さを考慮すれば、こうした将来リスクを回避するために現在取り組み中の改革推進を最重視せざるを得ない。

中国の軍事力が長期的に米国に追いつかなくても共産党の存立基盤にはほとんど影響しないが、国内経済が不安定化すれば深刻な内政問題を引き起こす。

中国の共産党・政府指導層がどちらを重視するかは明らかである。

3.米国の長期的低下傾向と多極化の到来

しかし、中国がそれを重視しようがしまいが、中国が改革の推進に成功し、長期安定的な経済運営に成功すれば中国経済は着実に成長を持続し、それに比例して軍事力も強まっていく。

こうした事実は米中2国間の問題にとどまらず、世界全体の秩序形成の長期的な変化と深く関係する。すなわち、米国の一極覇権主義体制は終焉に近づき、世界は多極化体制へと移行していく。

こうした将来の世界秩序の変化は米国内において、すでに1970年代には認識されていた。

それが21世紀入り後、一段と明確に認識されるようになり、ドナルド・トランプ政権はそれを加速している可能性が高い。

元々米国経済は第2次大戦直後の時点では世界経済全体の半分以上を占めていた。

IMF(国際通貨基金)世界経済見通しのデータベース(2018年10月)によれば、平成元年=1989年当時、米国GDPが世界経済に占めるウェイトは28.2%だった。

同年、EUは30.2%、日本は15.3%、中国は2.2%だった。

それが今年(同上IMF見通し)は、米国24.2%、EU22.1%、日本6.0%、中国15.9%と中国以外の国・地域は大幅に低下している(下のグラフ参照)。

世界経済全体に占める国・地域のGDPウェイトの推移

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資料 IMF世界経済見通しデータベース(2018年10月)

これが平成30年間の世界秩序の大きな変化を示している。

為替レートの変動によりGDPの数値が上下するが、長期的に見て米国のウェイトが低下し続けていることは間違いない。

先行き為替レート次第では、2030年頃に米国のウェイトが20%前後にまで低下する一方、中国のウェイトが若干上昇し、やはり20%前後に達する可能性がある。

その後、両国の経済成長率が低下し世界経済全体のそれを下回れば、ウェイトは長期的に低下し続ける。

かつて米国1か国で50%を上回っていたが、米中両国を合わせても40%に達しない時代が近づいている。これが多極化の到来である。

4.日本の針路

米国の圧倒的な経済力・軍事力に支えられた一極覇権主義体制が変質すれば、米国も余裕がなくなってくる。

他国の経済力・軍事力に対して脅威を感じやすくなり、日本も再びそうしたリスクにさらされる可能性が高まる。

その延長線上で考えられることは日米同盟の相対的な弱体化と日本に対する負担増加要求の強まりである。

長期的な米国の相対的地位低下は、日米同盟を堅持するとしても米国側に日本の面倒を見る余裕がなくなっていくことを意味する。

日本は、米国にとって最大の脅威となる中国の隣に位置しており、米国の西太平洋地域の安全保障政策上極めて重要な同盟国であるが、中国の軍事力増強とともに米国は安全保障体制維持に必要なコスト負担に耐えられなくなってくることが予想される。

その結果、日本は米国への依存度を徐々に低下させざるを得なくなり、自立的な防衛力の確保が重要課題となっていくことが予想される。

そうした状況下で、もし日中関係が緊張していれば、日本の防衛力維持のための自助努力が日中関係に悪影響を及ぼしやすくなる。

逆に日中両国が経済文化交流を通じて緊密な関係を保持することができれば、そうした変化にも動じにくい関係を構築することができる。

つまり、将来の日米同盟の緩やかな変化に備えて、日中関係をより安定的なものとしていくことが必要である。

ファーウェイ事件のような問題がこれからも繰り返され、米国の日本への圧力も強まる可能性が予想されるなか、日本として安全保障上のリスクを回避するには、中国との関係強化は非常に重要である。

米中両国の間にあって、両国との良好な関係を安定的に保持し続けていく工夫が必要となっている。

そのためには場当たり的な対症療法で日米中3国間のバランスを取るやり方では長期的な安定確保は難しい。

日本として世界に向けて発信する堂々たる国家理念とそれに基づく基本戦略を明確にし、軸がぶれない体制の下で、米国とも中国とも一定の距離を取りながら世界中の国々から信頼される国として独自路線を歩んでいく方向を目指すべきである。

ファーウェイ事件を契機として、日本の針路の確立を真剣に考え直す局面に入ったことを強く認識し、政官財学の垣根を越えて有識者の間でそうした議論を繰り返し、国家としてのあるべき方向を早期に示すべきである。

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坂城町長 山村ひろし

美山園・美里園の作品が表彰されました

昨日(12月17日)、社会福祉法人坂城福祉会坂内孝之理事長と、美山園井登雄揮施設長がお出でになり、このたび、美山園の作品が県知事賞、美里園の作品が一般社団法人高齢者福祉協会長賞をそれぞれ受賞されました旨のご報告がありました。 素晴らしいですね。

左から:井登美山園施設長、坂内理事長、山村

以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

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平成30年度一般社団法人高齢者福祉施設利用者作品展で美山園・美里園の作品が表彰されました

平成30年度一般社団法人高齢者福祉施設利用者作品展において、特別養護老人ホームさかき美山園の作品が県知事賞、特別養護老人ホームさかき美里園の作品が会長賞をそれぞれ受賞されました。
 県内の高齢者福祉施設から48作品が応募され、県知事賞は6作品、会長賞は10作品が選ばれました。入所者の方々がアイデアを出し合い、町の象徴であるバラとマスコットキャラクターのねずこんをモチーフに作品を制作されました。
 美山園作成の『ねずこんと薔薇の輝き』の制作期間は約2か月半で、作成された皆さんは「力がいる作業で大変だったが、素晴らしい作品ができたと思う。」と話してくれました。また、美里園作成の『バラ神輿』の制作期間は約1か月で、「ペーパーアートのバラとお花紙のバラを飾り付け、きれいなお神輿ができた」と話してくれました。

▼作品は役場1階ロビーに展示されていますので、ぜひご覧ください

作品展01

作品展02作品展03

表彰報告

▲本日(12月17日)、坂内理事長と井登施設長が受賞報告のため来庁
 (左から)山村町長、坂内 孝之 社会福祉法人坂城福祉会理事長、井登 雄揮 社会福祉法人坂城福祉会さかき美山園施設長

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坂城町長 山村ひろし

ダンスフェスティバル(長野県スポーツダンス教師協会)

昨日(12月16日)、長野県スポーツダンス教師協会主催のダンスフェスティバルが坂城町テクノセンターで開催されました。(代表:後藤敏一会長)

今年も、ソシアルと車椅子のダンスで、紅白戦、発表会、ダンスタイムなど午前10時から午後5時まで皆さん日頃の鍛錬の成果を発表されていました。

長野県スポーツダンス教師協会は今年で設立19年目になるそうです。 このような大会を坂城町で開催していただくことに感謝申し上げます。

右の写真、右側、後藤敏一さん

上の写真2枚はいずれも、坂城町勤労者総合福祉センターで練習されておられるメンバーです。

坂城町長 山村ひろし