以前、前回の直木賞受賞作 池井戸潤氏の 「下町ロケット」をご紹介しましたが、今回の葉室麟氏 「蜩ノ記」も誠に素晴らしい作品でした。
坂城町国際交流協会米国研修(ホノルル)
坂城町国際交流協会(会長:安島ふみ子さん)の研修旅行が米国(ホノルル)で開催され(1月11日~16日)、皆さん無事に帰国されました。
総勢18名で5名の子どもたちも含まれ、米国文化、ハワイの文化、サバイバル・イングリッシュ(生活に必要な英語訓練)などなど有意義な研修を受けられたとのことです。
(歓迎のボード)
(JAIMS正面玄関にて)
(JAIMSのMBA学生たちとの交流)
(ハワイ文化の勉強:ビショップ・ミュージアム)
研修をした場所は、日米経営科学研究所(JAIMS)で、ハワイ、ホノルルにあるMBAスクール(経営修士号の学校)です。 このビジネススクールは私が昔(20年前)、経営に関与していた学校で、今回の研修にあたり昔の仲間にお願いしお世話になりました。 なお、このビジネス・スクールの所長は日本を代表する国際的な経営学者の野中郁次郎(一橋大学名誉教授)さんです。
今回のプログラムは坂城町国際交流協会の新しい取り組みですが、今後とも国際交流協会の皆さまの益々のご活躍を期待します。
坂城町長 山村ひろし
老子の続き(第31章)
この章も前章に続き、老子の戦争論です。 過剰な武力の戒め、武力を持たざるを得ない場合にも 「恬淡(てんたん)とすべき」また、「勝ちて美とせず」 など重い言葉ですね。
夫佳兵者不祥之器。物或惡之。故有道者不處。君子居則貴左、用兵則貴右。兵者不祥之器、非君子之器、不得已而用之、恬惔爲上。勝而不美。而美之者、是樂殺人。夫樂殺人者、則不可以得志於天下矣。吉事尚左、凶事尚右。偏將軍居左、上將軍居右。言以喪禮處之。殺人之衆、以悲哀泣之、戰勝以喪禮處之。
夫(そ)れ佳兵(かへい)は不祥の器なり。 物或(つね)に之を悪(にく)む。 故に有道者は處(を)らざるなり。 君子處(を)りては即ち左を貴び、兵を用ふるときは則(すなわ)ち右を貴ぶ。 兵は不祥の器、君子の器に非ず。 已(や)むを得ずして之を用ふるも、恬淡(てんたん)を上(じょう)と為す。 勝ちて美とせず。 而(しか)るに之を美とする者は、是れ人を殺すを楽しむなり。 夫れ人を殺すを楽しむ者は、則ち以て志を天下に得る可(べ)からず。 吉事には左を貴び、凶事には右を貴ぶ。 偏将軍は左に處り、上将軍は右に處る。 喪礼を以てこれに處るを言ふ。 人を殺すことの衆(おお)きときは、悲哀を以て之に泣き、戦い勝ちては喪礼を以て之に處る。
優秀な武器というのは不吉なものです。 常に憎まれているものなのです。従って、道を修めた者は軍備に携わるようなところにはおりません。 君子は普通は左席の将軍を尊びますが戦時には右席の将軍を尊びます。 そもそも武器は不吉なものなのです。 君子が用いるものではありません。 やむを得ず使う場合でも必要最小限、あっさりとした使い方でなくてはなりません。 勝ってもそれを素晴らしいこととしてはなりません。 そのようなことになれば殺人が素晴らしいということになってしまいます。 人殺しを楽しむ様な者は天下を支配することはできません。 吉事には左将軍を尊び、凶事には右将軍を尊びます。 通常、軍事では副将軍が左席にいて正将軍は右席にいますが、これは葬礼の形式に習っているからです。 人を多く殺さなくてはならない悲哀を持ち、たとえ戦いに勝っても葬礼の様式に則っているからなのです。
かつて佐藤栄作総理がケネディ大統領にこの老子の一節を渡したと言われています。 必要最小限の武力は持たざるを得なくてもその使い方への戒めですね。
坂城町長 山村ひろし
坂城町ワイン事業のスタート(キックオフ)
坂城町では、巨峰を中心としたぶどう作りは町の基幹農産物として発展をしておりますが、今後の10年、20年を考えた場合、ぶどう作りの高齢化、後継者不足、遊休荒廃地対策など深刻な問題が横たわっております。
昨年6月の定例議会での所信表明でも申し上げましたが、坂城の農業の伝統、土壌などを考えた場合に一つの大きな可能性として、ワインぶどう作りがあげられます。
農業委員会の皆さん、関係団体、有識者の方々、役場スタッフの皆さんと種々お話を進めて参りましたが、いくつかの進展がありました。
その一つとして、農業委員会で海外のワイン作りの視察をすることになりました。 行き先は米国カリフォルニアのナパです。 ナパでのワイン作りはここ30年で大きく飛躍し、国際的にも大変高く評価されるようになりました。 これからワインを始める坂城町にとっても大変参考になるものと思われます。 今月25日から29日までの日程で、総勢15名で出かけて参ります。(私は行きませんが)
二つ目として、「第1回坂城町ワイナリー形成事業検討会」が開催されました。(1月20日)
これは、いわばワイン事業を始めるにあたってのキック・オフ・ミーティングです。 坂城町で以前からぶどう作りに関与されておられる方々、長野県地方事務所、ちくま農協、坂城町商工会、これからワイン作りを本格的にはじめようとされておられる方、など様々な方にお集まりいただいて今後の方向性について議論していただきました。
今年度中には坂城町でのワイン作りに関する方向性を出せればと思っております。
単にワインぶどうを作るだけでなく、製造加工、流通、販売をし、いわゆる6次産業化を目指したいと思っております。 また、レストラン、観光も視野にいれた夢のある産業としても育てたいと思います。 皆様方の種々なご意見を賜れば幸いです。
坂城町長 山村ひろし
坂城町循環バスの上田市への乗り入れ
坂城町では10年以上前から、町の重要な「交通のインフラ」として循環バスを委託運営しております。 しかしながら、町内には総合病院が無いことから、お年寄りや足のご不便な方々から上田市の総合病院へ循環バスを乗り入れてもらえないかとのご要望を承っておりました。 このたび、上田市の地域公共交通会議のご了解もいただき、本年4月から上田市への乗り入れが可能となりました。
詳細につきましては種々詰める必要がありますが、北回り、南回りそれぞれ一便づつを信州上田医療センターへ回すように致します。
内容が固まりましたら詳細スケジュールをご案内しますが、是非、ご利用ください。
坂城町長 山村ひろし
「お話の会」
昨年のクリスマス会の時にもお邪魔しましたが、本日(1月14日)坂城図書館で開かれた、「お話の会」(代表:氷沢清美さん)に参加しました。 この会は昭和61年(1986年)から始められ、今年で26年目を迎えました。
今日は紙芝居、紙細工、などの指導もありましたが、私は新年ということもあり十二支の話をさせていただきました。
(私の使った十二支のカード)
紙芝居などの後の切り紙細工。 今日は龍の切り絵です。
(龍の切り絵作成中)
(作品見本)
(依田 よう 君の素晴らしい作品)
今日は15名程度の子どもたちがお話の会に来ましたが、もっと多くのお友達に来てもらいたいですね。
坂城町長 山村ひろし
老子の続き(第30章)
この章は老子の戦争観です。 また、単なる武力に関する見方だけでなく、人生観にも通ずる所があります。
以道佐人主者、不以兵強天下。其事好還。師之所處、荊棘生焉。大軍之後、必有凶年。善者果而已。不敢以取強。果而勿矜。果而勿伐。果而勿驕。果而不得已。果而勿強。物壯則老、是謂不道、不道早已。
道を以(も)って人主(じんしゅ)を佐(たす)くる者は、兵を以って天下に強くせず。 其の事好く還る。 師の処(お)る所には、荊棘(けいきょく)生ず。 大軍の後には、必ず凶年(きょうねん)有り。 善なる者は果(くわ)なるのみ。 敢えて以って強(きょう)を取らず。果(くわ)にして矜(ほこ)る勿(なか)れ、果にして伐(ほこ)る勿れ、果にして驕(おご)る勿れ、果にして已(や)むを得ざれ、果にして強なる勿れ。 物壮(さかん)なれば則(すなは)ち老ゆ。 是を不道と謂う。 不道なれば早く已(や)む。
道を心得て君主を補佐するものは決して武力をもって強圧的な統治は行いません。なぜならばそのようなことを行うとかえってそれが跳ね返って来るからです。 軍隊のいるところは耕地としての手入れが出来ないので荊(いばら)などの生えた荒れた土地となってしまいます。 大きな戦いの次の年は必ず凶年が訪れます。道を心得たものならば勝って成果をあげたのならそれで良しとします。 相手に対しそれ以上の強圧的な態度は取らず、尊大な態度も取らず、武力で脅かすこともせず、傲慢にもならず、やむを得ずそうなったと言うような態度を持ち、脅かすようなことはしないのです。 何事も激しくやりすぎてはいけません。人間でもあまりにも強壮がすぎれば早く衰えてしまいます。このような行いを不道と言い道に逆らう行いです。不道の行いを続けていればたちまちに滅亡をむかえることになります。
これは、用兵の極致でもありますし、「強壮」「強引」への批判でもあります。「不道なれば早く已(や)む。」、道のありようから外れてしまうといずれ滅びてしまうということですね。
坂城町長 山村ひろし
第7回坂城町経営革新塾
昨日(1月12日)、「第7回坂城町経営革新塾」が開催されました。
この塾は、坂城町の若手経営者養成のために昨年7月にスタートしたもので、毎月開催されておりましたが、昨日で第7回を迎えました。 来月(2月9日)が最終講義となります。
(第1回目の様子)
「坂城町経営革新塾」開催
昨日は、島田先生((財)さかきテクノセンター技術顧問)の講義の後、受講者の中から、3社の発表(「我が社の強み」について)がありました。(発表されたのは、ミクロン精工、高松製作所、カヤマの3社)
昨年の講義開始の頃に比べ、皆さん自信をもって参加されておられ、自社の強み、これから強化すべき点など積極的に議論を行なっておられました。
これからの坂城を支える若手経営者各氏に大いに期待します。
坂城町長 山村ひろし
五色百人一首 西念寺大会に参加
本日(1月9日)、中之条の西念寺さん(若麻績実豊住職)で、TOSS(Teacher’s Organization of Skill Sharing)の開発した、五色百人一首西念寺大会に参加しました。(主催:TOSS上小教育サークル、後援:坂城町教育委員会、上田市教育委員会、東御市教育委員会)
約90名の子どもたちが参加し、熱心に百人一首の腕を競い合っていました。
この五色百人一首は、日本の伝統文化である百人一首を小学校などのクラスみんなで楽しめ、短時間で行えるように開発されたものだそうです。
100枚の札を5色に分け、1色あたり20枚にすることで、1試合が5分以内に終わることができるようになりました。 5分間以内なら、朝の会などでもできるようになり、現在では、長野県大会(1月に善光寺で開催)なども開かれるようになったそうです。
残念だったのは、坂城から参加した子供が大変少なかったことです。
今年は、NHKの大河ドラマで平清盛が取り上げられており、同時代の藤原定家選と言われている百人一首にも大きな関心が持たれています。
坂城の子どもたちも百人一首にもっと関心を持ってほしいものだと思いました。
坂城町長 山村ひろし
老子の続き(第29章)
老子の中で政治的な発言として大変興味ある章です。 天下を取る、政権を取る、社長のポストを取るなどと我利我利になればますます天下は遠のく。 ここでも無為自然でなければならぬと説いています。 今年も国内外とも大きな国政選挙が予定されています。 老子先生はどのようにご覧になるか。
將欲取天下而爲之、吾見不得已。天下神器、不可爲也。爲者敗之、執者失之。故物或行或隨、或呴或吹。或強或羸、或載或隳。是以聖人、去甚、去奢、去泰。
天下を取りて之を為(をさ)めんと将欲するは、吾れ其の得ざるを見るのみ。 天下は神器、為(をさ)む可(べ)からずざるなり。 為(をさ)むる者は之を敗(やぶ)り、執(と)る者はこれを失う。 故に物或(あるひ)は行き或(あるひ)随(したが)ふ。 或(あるひ)は呴(く)し或は吹く。 或いは強め或いは羸(よわ)む。 或いは載(の)せ或ひは隳(おと)す。 是(ここ)を以(も)って聖人は、甚(はなは)だしきを去り、奢(しゃ)を去り、泰(たい)を去る。
天下をとってこれを我がものにしようとする者には決して天下は取れません。 なぜなら天下はまるで神器のように不可思議なもので容易に治めるようなことは出来ないのです。 人為的に治めようとすればうまくいかず全てを失ってしまいます。物事にはいろいろあります。 先に行く人があれば後から行く人があり、強く吹きかける人もあればそっと吹く人もあり、強める人があれば弱める人もおり、載せる人があれば落とす人もあります。 従って、聖人は極端に偏ったことをせず、驕り高ぶらず、ごくごく自然のままに過ごしていくのです。
とにかく作為的な政治が横行していますね。本質論を議論し、自然体で有りたいものです。
坂城町長 山村ひろし