「Gゼロ」後の世界(イアン・ブレマー)

久々に歯ごたえのある本を読みました。

「Gゼロ」後の世界 ( Ian Bremmer : EVERY  NATION  FOR  ITSELF)

イアン・ブレマーという米国のユーラシア・グループ社長でコンサルタントの著作です。

かつて、世界を牛耳っていた米国の国力が衰えただけでなく、G7あるいはG8に代表された先進国グループでは物事が解決できずに、G20となり、もはや有効で確固たるリーダーシップを持った国家が不在の「Gゼロ」時代に突入したということです。

「G20は、まるで巨大なポーカー・テーブルとそれを囲む人々のようだ。 すべてのプレーヤーが積み上げたチップの山を守りながら、他の19人のプレーヤーの様子を見守り、配られた手札で勝負する機会をうかがう。 これはグローバルな秩序などではない。 すべての国が、自分のために行動する世界なのだ。」 ということです。

つまり、この世の中はすでに 「Gゼロ」 の時代になったのだと言うことです。

 米国が世界の警察の役割を果たす余裕がなくなってしまった今日、勢いを増してきた国々が自国周辺地域での支配権を競って、地域レベル、局地レベルで武力に訴える場面が頻発してきています。

尖閣諸島、竹島の問題も単に二国間の問題として捉えるのではなく、今や 「Gゼロ」 の時代に突入しているのだという認識の上で対応する必要があると思います。

一方、イアン・ブレマーが指摘しているように、このような状況下では何よりも「しっかりとした経済力を持つ」ことが重要だということです。

日本国内でも政党がまさに、 「Gゼロ」 化しているような状況ですが、一刻も早く政治を安定させ、経済の再興が計られなければなりません。

是非、この本を一読されることをお勧めします。

坂城町長 山村ひろし

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