これまた、ショッキングな章ですね。 いきなり、「学を捨てれば憂いなし」 で始まります。 私たちが無意識に溺れている社会常識に真っ向から反撃を加えています。
絶學無憂。唯之與阿、相去幾何。善之與惡、相去何若。人之所畏、不可不畏。荒兮其未央哉。衆人煕煕、如享太牢、如春登臺。我獨怕兮、其未兆、如孾兒之未孩、乘乘兮、若無所歸。衆人皆有餘。而我獨若遺。我愚人之心也哉、沌沌兮、俗人昭昭、我獨若昬。俗人察察、我獨閔閔。忽兮若海、漂兮若無所止。衆人皆有以、而我獨頑似鄙。我獨異於人、而貴食母。
学を絶てば憂いなし。 唯(い)の阿(あ)と、相い去る幾何(いくばく)ぞ。 善の悪と、相去る何若(いかん)。 人の畏(おそ)るる所は、畏れざるべからざるも、荒(こう)としてそれ未だ央(つ)きざるかな。」 衆人煕煕(きき)として、太牢(たいろう)を享(う)くるが如(ごと)く、春、臺(うてな)に登るが如し。 我獨り怕(はく)として、それ未だ兆(きざ)さず、嬰児(えいじ)の未だ孩(がい)せざるが如し。 乗乗(じょうじょう)として、帰(き)する所なきが如し。 衆人皆餘(あまり)有り、而(しか)るに我獨り遺(わすれ)たるが如し。 我れは愚人の心なるかな、沌沌(とんとん)たり。 俗人昭昭(しょうしょう)たるも、我獨り昏(くらき)が如し。 俗人察察(さつさつ)たるも、我獨り閔閔(びんびん)たり。 忽(こつ)として海の如く、漂(ひょう)として止(とど)まる所無きが如し。 衆人皆以(な)す有り、而るに我獨り頑(がん)として鄙(ひ)なるに似たり。 我れは獨り人に異なりて、母に食(やしな)わるるを貴(たっと)ぶ。