この章も老子の治世観、人生観を述べています。
「長生久視(ちょうせいきゅうし)の道」 という言葉も大切なメッセージですね。
治人事天莫若嗇。夫唯嗇、是以早復。早復、謂之重積徳。重積徳則無不克。無不克則莫知其極。莫知其極、可以有國。有國之母、可以長久。是謂深根固柢。長生久視之道。
人を治め天に事(つか)ふるは、嗇(しょく)に若(し)くは莫(な)し。 それ唯(た)だ嗇なる、是(ここ)を以(も)って早く復(ふく)す。 早く復す、之れを徳を重ね積むと謂(い)ふ。 徳を重ね積めば、則ち克(か)たざる無し。 克たざること無ければ、則ちその極(きょく)を知ること莫し。 其の極を知ること莫ければ、以って國を有(たも)つ可(べ)し。 國を有つの母、以って長久なる可し。 これを根を深くし柢(てい)を固くすと謂ふ。 長生久視(ちょうせいきゅうし)の道なり。
人を治めて天に仕えるには、嗇(ものおしみ)をして無駄遣いをしないことが大切です。 ひたすら嗇であるからこそ本来の道のありかたに早く従うことができるのです。 早く道に従うことが徳を積むことになるのです。 徳を積めばすべてのことに打ち勝つことが出来るのです。 すべてのことに打ち勝つことが出来ればとどまることなくいつまでも続けることが出来るのです。 その状態になれば国を治め保つことができます。 国を保つことのもとである「ものおしみ」は国を長く保つことの元となるのです。 これが根を深くしっかり張った、いつまでも続く「道」のことなのです。
「ものおしみ」 と 「徳」 と 「治世」 と 「長生久視」 なかなか興味ある組み合わせですね。
坂城町長 山村ひろし