上田地域広域正副連合長行政視察

昨日(7月9日)から今日まで平成30年度上田地域広域連合正副広域連合長行政視察で茨城県守谷市の常総運動公園、埼玉県防災学習センターに行ってまいりました。

メンバーは土屋陽一広域連合長(上田市長)、花岡利夫副広域連合長(東御市長)、北村政夫副広域連合長(青木村長)、羽田健一郎副広域連合長(長和町長)、山村弘副広域連合長(坂城町長)と事務局です。

広域連合長が土屋陽一上田市長になられてから初めての行政視察です。

9日は常総運動公園(常総市、取手市、守谷市、つくばみらい市で構成する広域連合で運営)を中心に視察しました。ここでは、クリーンセンターの余熱を利用した各施設の運営方法などについて細かく説明をしていただきました。

上田地域広域連合の最大の課題である、資源循環型施設建設に向けて大変参考になりました。

常総地域交流センターの前で

10日は埼玉県鴻巣市にある埼玉県防災学習センターの説明を受けました。

この施設は万一の災害に備え災害に強い地域づくりのため、地震や暴風などの災害時の対処方法を楽しく体験・学習できる施設で大変充実しているものでした。

展示内容も直近の災害内容あわせにタイムリーに修正されており大変生々しいものでした。

坂城町の防災関係者あるいは子供たちの学習などにも利用させていただければと思いました。

大変熱心に説明していただきました。

2階の展示コーナーで

前列左から:北村青木村長、花岡東御市長、土屋上田市長、山村

後列:一番右が埼玉県防災学習センター新井孝佳所長、左から2番目が説明員の富山加代子さん

坂城町長 山村ひろし

人はどう動くか(福井 俊彦さんのメッセージ)

キャノングローバル戦略研究所理事長で元日本銀行総裁の福井 俊彦さんの興味あるメッセージをいただきましたので、以下、ご紹介します。

 現在、AIとかIOTとか騒がれているけれども、気を付けないと、いずれ、「ヒトがサルに退化するのではないか」 という警鐘です。

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2018.7.2

福井 俊彦

福井 俊彦さん

人はどう動くか

 自分は若い頃、数学や理科など、どちらかと言えば自然科学系の学科の方が好きであった。とくに物理や解析・幾何の場合は、どんな難問に直面しても、正しく道筋を辿れば必ず明確な一つの答えに行き当たる。非常にスッキリしている。

 ところが長じるにつれ、何時しか人文科学、中でも社会科学の方向へ身を転じる羽目に陥った。社会科学は、対象が自然現象ではなく人間の生き様みたいなもので、馴染み易いが、いざ取り組んでみると、人間の行動ほど捉えどころが難しいものは無いことに気付く。

 経済政策や金融政策は、マクロ経済のより良き姿を目指して、この難しい人々をその方向へ沿うよう上手く誘導することを命題としている。経済金融理論や経験則あるいはこれらに基づくrule based approachなどを駆使するわけだが、勿論それだけでは不十分で、結局のところ、あらゆる要素を考慮しつつ苦労して練り上げた政策の真意が人々の心に伝わり、先々のことを真剣に考える切っ掛けとなり、遂には自発的な行動を促す。そこが味噌だ。

 通常のマクロ経済・金融政策の域を離れて構造改革の分野に入っても、同様のことが言えよう。むしろ昨今は、この分野でより多くの難問に逢着しているように思える。例えば、構造改革の動脈とも言えるinnovationについてみても、これまでとは異なり、単なる技術進歩に止まっていては成果を極めるところまでは及び難い。大きく変わる次の時代への深い思索を通じて未知の価値観を探り当て、そこから湧き出る夢を実現させるところまで行き着くことが出来るかどうか、に生命線が架かっている。

 端的な話、目前で急速に展開するAI、IoTあるいはFintechにしても、ひたすら技術を進歩させるだけで、果たして本当の「解」に行き着くことが出来るかどうか。技術進歩の成果を享受する一般の人々が、それを新たな出発点として将来への思索を一層深め、真に人間らしい次の世界を切り拓いてこそ本物と言えるのではないか。逆に、便利さに感け最早これ以上考えなくて済むということになってしまわないか。もっと心配すれば、進歩した技術が自己利益の実現に好都合だからといって、初めのうちは悪意が無くても、やっているうちに調子に乗って次第に倫理に悖るところまで深入りしてしまうことはないか。ネガティヴな面も探れば切りがない。

 このように、今後の政策や改革については、表裏両面から十分検討を尽くすことが求められよう。要は、全ての人々がより深く物事を考え、より高いレベルの価値観を形成しながら未来に向かって希望を抱いて行動する。そういう内容を盛ったものでなければ、本当に正しい政策、改革とは言えない。ロボットがあまりに賢くなって、これに頼れるからといって人々が物事を考えなくなれば、折角ここまで進化して来た「ヒト」が逆に「サル」へ向かって退化しかねない。

 電車の中で、乗ってから降りるまでスマフォを操作し続けている人達を見て、かつて電車の中で書籍を読み耽っていた人達と較べて、どちらがより深い思索をしているのか、これが私の疑問の出発点である。

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 坂城町長 山村ひろし