ラグビー兄妹来訪

 昨日(12月19日)、兄妹でラガーとして活躍しておられる、羽毛田悟さんと莉奈さんが来られました。 二人とも今月末に近鉄花園ラグビー場で開催される全国大会に出場されます。 以下、坂城町のニュースをご覧下さい。

左から:羽毛田悟さん、莉奈さん

                   

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羽毛田 悟さんと莉奈さんが兄妹でラグビー全国大会出場!

ラグビー全国出場羽毛田兄妹

▲左から、羽毛田 莉奈さん、山村町長、羽毛田 悟さん

  坂城町出身で岡谷工業高校ラグビー部の羽毛田 悟さん(3年生)と、その妹で長野県ラグビースクール選抜の莉奈さん(坂城中学校3年生)が、それぞれこの年末に近鉄花園ラグビー場で開催される全国大会に出場します。

  岡谷工業高校ラグビー部は、10月から11月にかけて開催された第94回全国高等学校ラグビーフットボール大会 長野県予選で優勝し、12月27日から始まる全国大会への出場権を3年連続で獲得しました。悟さんは部長を務めており、ポジションはフランカー(フォワードの1人)。「全国大会では、部長として、試合だけでなく練習や生活部分でも部員をまとめあげ、県予選で戦った相手の想いも背負って、花園の舞台で絶対に勝ち、正月を花園で迎えられるよう頑張りたいです。」と意気込みを語られました。

  莉奈さんは、長野市少年少女ラグビースクールに所属しており、今年初めて長野県スクール選抜に選ばれました。ポジションはウィング(バックスの1人)で、選抜された22名中、女子は2名だけとのことです。長野県選抜は、10月から11月に開催された第34回東日本中学生ラグビーフットボール大会・ラグビースクールの部で第3位となり、12月29日から始まる第20回全国ジュニア・ラグビーフットボール大会へ2年連続で出場します。莉奈さんは、「初めての全国大会ですが、今まで練習してきたことを出し切って、外からもどんどん声を出して皆を支えたいです。」と話されました。

  年末の寒さが厳しい時期ですが、体調を万全に整えて、全国の舞台で悔いなく存分に力を発揮できるようがんばってください!

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 坂城町長 山村ひろし

坂城の100人 第44回目は山極茂吉

 坂城の百人、第44回目は前回に続き、坂城町の寺子屋の師匠として多くの弟子を育てた、山極茂吉(もきち)(1761年~1834年)について記述します。  

 内容については、坂城町の寺子屋について精力的に調査、研究を進められておられる、前坂城町図書館長の大橋昌人先生にご提供いただきました。代表的な寺子屋の師匠5名を選んで掲載しています。(今回で3人目です。)

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坂城町の寺子屋師匠(3)山極茂吉(もきち)(金井村)

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 南条小学校の西、旧道沿いに大きな石碑がある。江戸時代の寺子屋師匠、山城茂吉の筆塚・頌徳碑である。山極茂吉は字を高明、号を 高斎又碧山という。宝暦十一年(一七六一)に金井村の山金井に生まれる。

            

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 山極茂吉の筆塚の撰文は、佐久間象山によるもので、『象山全集』にも掲載されている。漢文で書かれているが、前の部分を読み下しにすると次のようになっている。>

 「山極高明茂吉と称す。世これを金井に居信す。人と為り寛蕑慈祥、人争訟有るを聞けば輒を循々これを解く。人亦往々これが為に渙然たり。故に茂吉の世を終る、里大訟無し。書札を善くし、其の筆蹟を学び、弟子の礼を執る者六百人、信上越の間に散居す。年七十三病家に散る。弟子追慕して已ます。乃ち其の退筆を其の家に需めて、瘞めて一塚と為す。」>

 茂吉は、非常に寛容の人で、争い事があると聞けば、よく言い聞かせ、そのため近郷には争い事は無かった。和漢の学や書に優れ、弟子の礼をとる者が六百人余もあり、なかには上州や越後から来る者もいた。七十三才で没し、弟子たちが師匠を悼んで遺品を納めて筆塚を築いた。>

 山極家文書は、上田市立博物館にわずかではあるが入っている。その中には、お手本の『千字文』などがあり、幕府領の取締役を勤めたことがわかる古文書も残されている。

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 坂城町長 山村ひろし

朝吹英和さんの新刊本(「蝉時雨」)

 私の学生時代からの友人で、現在、俳人として活躍しておられる、朝吹英和さんの新刊本が出ました。

 「蝉時雨」というエッセイ集です。

朝吹英和著「蝉時雨」 出版:ふらんす堂

                      

 朝吹家の嫡男として幅広いジャンルに関心を持ち、大きな宇宙観を持った壮大な構想ならびに音楽と俳句のコラボレーションが素晴らしい世界観を描き出した作品が多いのですが、今回のエッセイ集でも彼の本領が随所に発揮されています。

 今回のエッセイ集では、「子供の頃の思い出」、「交遊録」、「酒にまつわる話」、「音楽との出会い」、「数々の句会の様子」などなど軽妙洒脱ではありますが、深い内容の話題に満ちています。

 私に関する話題もありました。

 著者の了解は得ておりませんが、その部分を一部紹介します。

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 『句親会』

  学生時代の友人Yから「俳句と親しむ会」を企画したいので、相談に乗って欲しいとの依頼を受けたのは平成21年の春のことであった。Yはクラッシク音楽が好きでアマチュア合唱団のメンバーでもあるが、永年に亘って企業に於ける社員教育に従事してきたこともあって幅広い人脈の持ち主であり勉強家である。 

 退職後は老子についての輪読会を数年に亘って継続するなど多彩な活動を展開していた。そして、苦心して俳句を作る、句に親しむところから「句親会」と命名された句会がスタートした。メンバーは彼の奥様や友人の皆様でほぼ同世代での構成となった。

 平成21年7月から22年春まで開催し、その成果を「句集」としてまとめた。その後、Yが長野県坂城町の町長に就任したこともあって、句会は一時休止したが、随時ネット句会を開催したり、「居酒屋研究会」と称しての懇親会を続けている。Yの俳号である「無為」は老子の言葉「無為自然」に由来する。

               

 空高く風吹き抜ける稲穂かな(征之)

 かの窓に金木犀の花の散る(真二)

 焼け残る蘇鉄の幹に蝉一匹(庸一)

 茄子漬けて厨の夜は定まりぬ(恵子)

 グレゴリアン遠き響きに夏過ぎぬ(無為)

 父ねむる里は林檎の香に満ちて(英子)

 秋の蝶献花の列を横切れり(英和)

              

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 坂城町長 山村ひろし

(株)上田ケーブルビジョンさんとの協定

 本日(12月17日)、(株)上田ケーブルビジョン様と災害時における放送及び臨時災害放送局の運営に関する協定を締結しました。

 以下、坂城町のニュースをご覧ください。

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(株)上田ケーブルビジョン様と災害時における放送及び臨時災害放送局の運営に関する協定を締結

UCV災害協定01

▲左から、(株)上田ケーブルビジョン管理部部長 中村高章さん、代表取締役社長 中沢利樹男さん、山村町長、宮下副町長

  12月17日(水)、町と(株)上田ケーブルビジョン(UCV)様の間で、「災害時におけるケーブルテレビ放送の要請及び臨時災害放送局の運営に関する協定」が締結されました。

  UCV様の放送ケーブルは、当町の9割以上を網羅し、町内の加入率も70%近くあります。町では、災害が発生した場合に、住民の皆さんへ迅速かつ正確な情報提供をするため、今回の協定を締結しました。

  この協定により、J-アラートからの災害情報や、町独自の災害情報を、UCV様の1チャンネルで「L字放送(※)」により、発信していただきます。また、町が、臨時災害放送局を開設しなければならない事態になった場合に、UCV様の「臨時災害放送設備」を使って臨災局を立ち上げ、FMラジオ放送を行っていただけるようになりました。

(※)L字放送…放送されている映像を縮小し、余白部分(L字型)に情報を提供する放送。災害時は、この余白部分に災害情報が流れます。

UCV災害協定01

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 坂城町長 山村ひろし

村上小学校での楽しい外国語活動

 坂城町では、今年度から、ALT(外国語指導助手)のドナ先生に、村上小学校を拠点にし、外国語活動(英語)の指導を行っていただいています。

 今日(12月17日)は、村上小学校の1年生、2年生、5年生の授業を参観しました。

              

2年生の授業、前列中央が、ドナ先生  

                                     

 1,2年生ではクリスマスツリーにオーナメント(飾り付け)を付けることをクラス全員で賑やかに行っておりました。

 また、5年生の授業では英語で「アナと雪の女王」を歌ったり、英語のゲームを行うなど全員参加の元気で楽しい授業でした。

                   

「アナと雪の女王」を歌う子供たち(5年生)

                

10月末にサンタに送ったクリスマスカードのサンタからの返事を読む子供たち(5年生)

                         

 この授業は坂城町独自の取り組みですが、子供たちは誠に楽しく、自然に英語の勉強をしていました。  ドナ先生のご努力に感謝。                   

 来年度はこのような取組を坂城小学校、南条小学校にも展開する予定です。

                   

 坂城町長 山村ひろし

津久井さんからご招待(月影寮の皆さん)

 上五明で「トンカツ津久井」を経営されておられる、藤井豊久さんは、毎年12月に 「ともいきライフ月影」 の皆さんをご招待し、昼食のご接待をされています。

ともいきライフ月影の皆さんと。

後列右:藤井豊久さん、後列中央、ともいきライフ月影 大野寮長

 

 今年で14年目になるそうですが、今日(12月16日)も大変美味しい、特製うどんを月影のスタッフも入れ約70名の方に提供されておられました。 

 私もご相伴にあずかりました。 ありがとうございました。

 月影の皆さんは一同、大変大喜びで少し早い年越しうどんを堪能されておられました。

 親子2代にわたり、このような活動を長くされておられる「津久井」さんに心より感謝申し上げます。

 

 坂城町長 山村ひろし

第47回衆院議員選挙終了

 昨日(12月14日)投開票のあった第47回衆議院議員選挙が終了しました。

 「アベノミクス」の是非が最大の争点となったなりましたが、自民党は追加公認を含め、議席数を公示前の295から291に減らしたものの、公明党と合わせて衆院定数の3分の2を上回り、326議席を維持しました。 一方、民主党は公示前から上積みし、73議席になりましたが、海江田万里代表が落選し、辞意を表明するなど勢いを出すことは出来ませんでした。 公明党、共産党の議席増も印象的でしたが、「一強多弱」の状況が続きます。 第三次安倍内閣の手腕を期待したいと思います。

坂城町役場での開票作業

           

 今回は午後10時半過ぎにすべての作業が終了しました。

 前回より1時間も早い開票作業の終了でした。

 選挙管理委員の皆さん、投票・開票立会人の皆さん、役場職員など多くの皆さんのご協力に感謝します。           

                                 

 坂城町は長野県第3区に属します。

 小選挙区当選者は 井出庸生さんでした。

 木内均さんは比例代表で復活当選しましたが、寺島義幸さん、唐沢千晶さんは落選しました。

                                      

 なお、坂城町での小選挙区投票結果は以下の通りでした。(得票数の多い順)

                          

 有権者数:12,850    投票率:58.58% (前回:65.35%)

 投票総数:7,528 票 (無効 132)

                       

 井出 ようせい 2,971(当選)

 寺島 よしゆき 1,816

 木内 ひとし   1,707(比例当選)

 唐沢 千晶      902                           

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 坂城町長 山村ひろし

平成26年第4回議会定例会閉会あいさつ

 本日(12月12日)、平成26年第4回議会定例会が閉会いたしました。

 以下、閉会のあいさつを掲載させていただきます。

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平成26年第4回議会定例会閉会あいさつ

 

 平成26年 第4回 坂城町議会定例会の閉会にあたり一言ごあいさつ申し上げます。>

 12月1日に開会されました本定例会は、本日までの12日間ご審議をいただきました。提案をいたしました、専決報告,条例の新設及び一部改正、指定管理者の指定、一般会計及び下水道特別会計、介護保険特別会計の補正予算、追加日程でお願いいたしました給与条例の一部改正並びに一般会計の補正予算、すべての議案につきまして原案どおりご決定を賜り、誠にありがとうございました。

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 さて、これから、新年度の当初予算の編成作業に入ります。>

一般質問でも申し上げました通り、27年度は、統一地方選挙を控えておりますので「骨格予算」となります。>

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27年度の歳入見通しにつきましては、国の政局の動向をはじめ地方創生施策の方向など不透明な状況の中、地方交付税につきましては、国の概算要求額を見ても、一定の減額が見込まれます。>

また、町税につきましては、個人町民税について、ここ数年の実績からも、堅調な推移が見込まれるところですが、法人町民税につきましては、更なる景気回復を期待しつつも、国内総生産(GDP)のマイナス成長に伴う先行き不安等もあり、現状においては見込みが立てにくい状況となっております。固定資産税につきましては、評価替えに伴う家屋の建築後の経過年数による減額が予想され、下落傾向の土地の動向も相まって、減収を見込まざるを得ない状況であります。>

歳出につきましては、来年度の当初予算は、骨格編成となりますので、義務的経費や経常的経費など、必要最小限度の経費を計上する予算編成となりますが、2カ年の継続費として議会でお認めをいただいております「南条小学校建設事業」につきましては、当初予算に計上してまいりますことから、当初予算総額につきまして、今年度を大きく上回るものと考えております。 >

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何かと慌しい季節でもあります。>

12月1日(月)から31日(水)までの1ヶ月間は、「年末特別警戒」期間として、警察、防犯指導員、千曲交通安全協会や交通指導員の皆さんと連携し、防犯・交通安全の啓発を強化しております。>

年末年始は、犯罪や、交通事故の増加する時期でもあります。引き続き、振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害防止や交通事故の防止に向け、更なる啓発活動に取り組んでまいります。>

町民の皆さんには、犯罪や交通事故の被害に遭わぬよう、一層のご注意をお願い申し上げます。>

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また、12月27日(土)から30日(火)の4日間は、町消防団による「歳末特別警戒」が行われます。>

年の瀬の寒い中ではありますが、大切な生命、財産を守るため火の取り扱いには充分注意されますよう重ねてお願いいたします。>

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年が明けますと 元旦には1年間の健康を願う「元旦マラソン」、1月4日(土)には、新年の願いを込めて書初めを行う「席書大会」、同じく4日には、新春賀詞交歓会、1月には各区の新年総会も予定されております。また、町消防団の「出初式」につきましては、1月25日(日)に挙行されます。>

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 さて、先日、12月8日の一般質問で、宮島祐夫議員から、来年4月に予定されております統一地方選挙において、「坂城町長選挙に立候補するのかどうか」というご質問をいただきました。>

 その場では、いろいろな方のご意見をいただき、また、ご相談させていただき、本議会の最終日、本日でありますが、に何らかの方向性をお示ししたいと申し上げました。>

 その後、いろいろな方とご相談し、また、多くの方々からのご意見、励ましのお言葉を多くいただきました。>

 その多くは、私が提唱させていただいた、4本の柱、「活力あふれる元気な町」、「人の輝く町」、「笑顔の町」、「誇れる町」など、「実現できたもの、着手したものも多くあるが、まだまだ継続して責任を持って遂行しなければならない事業が多くある。次の4年間も頑張れ」というものでありました。>

 誠にありがたいお話をいただきました。>

皆様方のご声援をいただく中で、私は、本日、平成26年第4回議会定例会最終日に於きまして、来年4月に予定されております統一地方選挙での坂城町長選挙に出馬することを意思表示いたします。>

 本日、ここにおられる議員各位におかれましても種々思いをお持ちのことと存じます。>

 出来ますれば、皆様と一緒に手を携えて、次の4年間、「活力あふれた、元気で、明るい坂城町」を目指して頑張りたいと思います。>

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 さて、先ほども申し上げました通り、これから、年末、年始には、盛りだくさんの行事がございます。議員各位におかれましても健康に十分留意され、新しい年をお迎えいただきますようお祈り申し上げまして、閉会のあいさつとさせていただきます。

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 坂城町長 山村ひろし

坂城町消防団防災活動車入魂式ならびに贈呈式

 本日(12月11日)、坂城町役場前で、坂城町消防団防災活動車入魂式と贈呈式を行いました。

 この消防団防災活動車は公益財団法人日本消防協会から坂城町へ寄贈をいただいたものです。

 同協会では、火災等災害発生時の広報用あるいは資機材運搬用として毎年数多くの車両を各都道府県に寄贈しております。

 今回は、坂城町の松本消防団長が長野県消防協会副会長として活躍されておられることなどから、坂城町への寄贈が決まったものです。

 今後とも、坂城町の安心安全を守るため、同車両を有効に利用していきたいと思います。

                

左から:山村、松本消防団長

松本団長へ車両キーの贈呈

左から:宮 教育長、宮下副町長、鈴木消防副団長、松本消防団長、山村

                     

 坂城町長 山村ひろし

「国家経営の本質」(野中郁次郎先生他の新著)

 先月、六本木で開催された第7回TOPOS会議の際に、野中郁次郎先生からまだ発売前だった 「国家経営の本質」 という本をいただきました。

                    

(日本経済新聞出版社)

                       

 この本は、野中郁次郎(一橋大学名誉教授)、戸部良一(帝京大学教授)、寺本義也(ハリウッド大学教授)の共著ですが、「失敗の本質」、「戦略の本質」に続く姉妹編です。

 「政治の真のリーダーシップとは、明確な国家像を描き、その実現のための具体的政策を提示し、政策実施の基盤を構築して、その実施に支持者を巻き込み、人々を牽引してゆく力である。」

 本書は、1980年代を歴史的大転換期と位置づけ、同時期に国際的な観点で国家を運営した、サッチャー、レーガン、中曽根、コール、ゴルバチョフ、~小平といったリーダーたちを、「国家経営」という観点からとらえ、リーダーシップの本質を明らかにしています。

 6人の政治家が、危機をどのように逆手にとって再生に挑んだのか、あるいはなぜ改革に失敗してしまったのかに焦点を当てて、分析しています。

                  
 本書が書かれたきっかけは、東日本大震災の際に、日本の政治家のリスク管理力の欠如、リーダーシップの不在に危機感を抱き、『失敗の本質』『戦略の本質』の主要メンバーが再結集し、既刊の2冊では明らかにできなかった国家の指導者に必要とされる洞察力とは何かを追及しています。

                   

 この政治家6人に共通しているのは、全員が、野中先生の言われる「共通善」を持ち、しっかりとした歴史認識を持ち、理想主義的なプラグマティズムを持っていることです。

 ところが、昨今の現実で、マス・デモクラシーにおいては、多くの人は、リーダーの歴史的構想力などには無頓着で、リーダーが掲げる「共通善」にも関心を寄せず、その実践的行動を吟味することもなく、目先の利害を言い立てる政治家にしか関心を持たないと指摘しています。

 現在、日本では正に年末総選挙一色に染まっています。 本来は、このような観点からの政策論議が最も求められているのですが、残念ながら、選挙目的の近視眼的な論争に終始しているように思えます。

 いずれにしましても、本著は3名の著者が温めてきた戦略論の集大成であります。

 また、野中先生が今年春にアイゼンハワーを取り上げ、出版された 「史上最大の決断」 に続く素晴らしい名著です。

 多くの方に読まれることを希望します。

            

左:野中郁次郎先生

                

 坂城町長 山村ひろし