平成24年 第4回 坂城町議会定例会 招集挨拶

 本日、12月3日から14日までの平成24年度第4回坂城町議会定例会が開催されました。
 いささか長文で恐縮ですが、本議会の招集挨拶を掲載させていただきます。
                             
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平成24年 第4回 坂城町議会定例会 招集挨拶
                                    
 本日ここに、平成24年 第4回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から御礼申し上げます。
                                 
 さて、混迷を深めていた政局がようやく動き始めました。明日4日衆議院総選挙が公示され16日投開票となりました。
民主党政権の継続か、自民党政権の復活か、さらには、「第三極」といわれる政党、また、小数政党に期待を託すのか、有権者がどのような判断を下すのか選択の時がせまっております。
 一方、世界に目を向けますと、米国大統領選は、近年まれに見る激戦の末オバマ大統領が再選を果たしました。再選が決まったオバマ大統領が直面する経済課題は、大型減税の失効と歳出の強制削減が年明けに重なる「財政の崖」への対応であります。過度な財政引き締めは景気後退を招きかねません。野党共和党が下院で多数派を占め「ねじれ」状態が続く中、この「財政の崖」を「再選後の優先課題」に位置づけているオバマ大統領、そして、政府、議会の動向について、引き続き注視する必要があると考えます。
また、欧州連合(EU)では、欧州委員会が先月発表した今後の経済見通しにおいて、実質域内総生産(GDP)を、事実上のゼロ成長に大幅下方修正をしました。欧州の景気回復の遅れが鮮明となり、世界経済を一層冷え込ませる恐れがあります。
 そして、中国では、第18回共産党大会で、胡錦濤国家主席が今後の施策方針などを示す活動報告を発表、2020年までに国内総生産(GDP)と国民1人当たりの収入を2010年の2倍にする、所得倍増の目標を打ち出しまた。持続的な安定成長を実現するには、胡錦濤氏自身が提唱した政策理論「科学的発展観」を長期的に堅持しなければならないと訴えております。しかし、中国経済の減速は長期化が予想され旧来型の路線での安定成長はできないと考えます。今後の中国の安定的な経済成長の実現には、内需主導経済に向けた構造改革が目標の達成の鍵を握ると考えます。胡錦濤国家主席の後を継いだ習近平国家主席を始めとする中国新体制指導部の今後の国家運営を見極めたいと思います。
 また、一刻も早い日中間の異常な政治情勢の安定化を望むものであります。
国内の状況につきましては、内閣府による11月の「月例経済報告」によりますと、「景気は、世界景気の減速等を背景として、このところ弱い動きとなっている」とされ、先行きについては、「当面は弱めの動きが続くと見込まれる。その後は、復興需要が引き続き発現するなかで、海外経済の状況が改善するにつれ、再び景気回復へ向かうことが期待されるが、欧州や中国等、対外経済環境を巡る不確実性は高い。こうしたなかで、世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動等が、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き、デフレの影響等にも注意が必要である。」としております。
 また、日本銀行松本支店の11月発表の「長野県の金融経済動向」によりますと、総論で「長野県経済は、横ばい圏内の動きになっている」とし、「公共投資、住宅投資は下げ止まりの状況、設備投資は持ち直しており、個人消費は底堅く推移している。また、輸出は弱めの動きとなっている。」と見ております。
 
 町内企業の経済動向につきましては、私が町長に就任した時に、これまでなかなか把握できなかった町内企業の経済動向について、3ヶ月に一度主だった企業からアンケート調査をご協力いただきようにいたしました。
この、10月のアンケート結果から申し上げますと、生産量では前回回答の3ヶ月後の見込みでは、平均2.6パーセントのマイナスとなっておりましたが、それを3倍近く上回る減少率なりました。
 前回調査までは、リーマン・ショック、東日本大震災等の影響からの脱却が進み、以前の生産体制に移行していることが窺える状況でしたが、海外展開等による発注量の減少や、円高等経済要因による影響が出てきており、内外需要の下振れを要因として企業の業況感の悪化が感じられます。また、中国の反日・不買運動の影響による受注減の企業もあり、中国関連の不安が具体化してきていると思われます。
 3ヶ月後の見込みでも、減少を見込む企業が増加しており、円高に伴う景気の先行きや欧州政府債務危機を巡る不確実性、中国景気の減速等による海外経済に対する不安からマイナスの生産量となっております。
 売上につきましては、3ヶ月前との比較では、前回プラスと回答のあった企業が今回は激減し、逆にマイナスと回答があった企業が増加しております。なお、売り上げの減少率は、前回回答の3ヶ月後の見込みのほぼ予想通りでした。
 3ヶ月後の見込みにつきましては、生産量と同様、プラスと見込む企業が減少し、マイナスと見込む企業は前回に引き続きマイナスの売上としており厳しい状況であります。
11月6日には、恒例であります町商工会主催による「地域経済懇話会」が開催され、町内の主だった15企業の皆様から、現在の企業情勢と今後の見込、町への提言や意見をお寄せいただきました。その中でもほとんどの企業から現在の厳しい経済状況についてのお話がありました。
これらを受け、下旬には、町内4銀行と金融懇談会を開催し、町内の経済動向についての意見交換を行ったところであります。
国内全体の生産活動が低調に推移する中で、機械加工が中心である当町では、中小企業、特に小規模事業所において受注減少が著しく、先行きが全く見通せない状況にあります。
そういった状況の中、町ではいくつかの経済対策事業を補正予算に計上し、懸念される経済状況の停滞に備えると共に、企業活動の活性化を支援して参りたいと考えております。具体的には、資金需要の高まる年末・年度末に向けて振興資金預託金について1千万円の増額を補正予算に計上し、融資枠の拡大を図る中で、町内金融機関による中小企業者への円滑な資金供給について支援を図ってまいりたいと考えております。
また、今後、町内企業の雇用状況が厳しくなることが予想される中で、国の雇用調整助成金に係る事業所外訓練に対応するため、経営体質強化研修会等の講習会経費として、緊急雇用対策補助金50万円を予算計上し、中小企業の雇用維持と経営の安定化を積極的に支援してまいりたいと考えております。
 さらに、経済効果も期待できる、道水路改修工事に伴う町単工事の前倒し1千万円、太陽光発電システム補助金2百万円のさらなる増額など、合わせて2千8百万円ほどの緊急経済対策費を今回の補正予算に盛り込みました。
  この緊急経済対策が、企業の雇用の維持、雇用の確保、町内企業や地域の活性化に繋がればと考えます。
                          
      去る11月15日、知的創造理論の第一人者で、国内はもとよ世界でご活躍されている野中郁次郎一橋大学名誉教授をお招きして、坂城敬学会主催による公開講座が行われました。
      今まさに社会経済情勢の変動の真っただ中にあって、日々変化する状況を適切に見極め、即断実行する強いリーダーが求められること、そして、真のリーダーは目先に惑わされることなく「世のため人のために尽くす」共通善の価値観を持っていることの大切さなどをお話しいただきました。
      ご参会の皆さんに多くの共感と有意義なご示唆が、必ずや坂城の町づくりに活かされるものとご期待するところであります。
 
      次に、先月9日、平成25年度から27年度までの3年間の数値目標を定める実施計画の策定にあたり、広く町政全般にわたり議会、企業、教育、福祉など各界を代表される方々にお集まりいただき、施策の方向性についてご議論いただく懇話会を開催いたしました。
      ご案内のとおり、長期計画は10年を策定期間とする町の方向性を示すもので、社会経済情勢などの動向を反映するための前期・後期5か年計画においても数値目標はなく、予算との連動やより具体的な施策展開を反映するものが3か年間の実施計画となりますが、これまで多くの方々からご意見をお聞きする場がなかったことから、昨年度より「実施計画懇話会」を発足させ、今回も計画策定に向けて様々な観点から多くの貴重なご意見をいただきました。
      今後、予算編成作業と連動させながら来年3月を目途に計画策定を進めて参ります。
 
      次に、8月に「さかきどんどん」のセレモニー時に、坂城町特命大使に任命した小松美羽さんは、「坂城から世界へ」をキャッチコピーに活躍され、テレビ、雑誌等の取材、対談などには、必ず「私の原点は坂城です。」とふるさと坂城に対する思いを語られ、メディアを通じ特命大使としての任をお務めいただいております。
      また、今月16日まで、北野カルチュラルセンターで個展を開催するなど、大変に忙しい彼女ですが、坂城町特命大使としての活動拠点であり情報発信、そして、児童生徒への教育指導などにご期待申し上げながら、これまで文化の館の収納庫としてしか利用されていなかったスペースを提供し、文化の発信地としての利用に努めて参りたいと考えております。
 
      ワイナリー形成事業に伴う、試験圃場の管理及び整備を行う担い手につきまして、選考の結果長野市と千曲市から応募のあった2名を決定し、10月11日に認定証の交付を行いました。現在は試験圃場へのブドウ棚の設置作業を行っており、棚の設置後、引き続き苗木の定植を行ってまいります。
      また、坂城町特産の巨峰を使った巨峰ヌーヴォーワインは11月17日、地場産直売所「あいさい」で開催された「ねずみ大根祭り」に併せて解禁いたしました。
      おかげ様をもちまして、買い求める方の大行列となり、限定1,000本は即日完売となりました。
 なお、来年2月には、同じく坂城産の巨峰を使ったスパークリングワインが完成いたします。 フレッシュ&フルーティーな香りに炭酸が加わり、巨峰ワインとは違った、さわやかな口当たりの大変飲みやすいワインに仕上がる予定です。町民の皆さんには、食事と共に楽しんでいただければと思います。
また、毎年恒例となりました「ねずみ大根収穫体験」も17、18日の両日にかけて行われ、県内外から大勢の方にお越しいただき、信州の伝統野菜「ねずみ大根」の収穫イベントを楽しんでいただくことができました。
耐震改修工事を進めております村上小学校につきましては、10月中旬に普通教室棟の工事が概ね完了し、現在は特別教室棟の工事を進めているところであります。
工事を進める中で、児童の心身不調の際に拠り所となる保健室を校門近くへ移動させる改修工事や玄関のバリアフリー化を図るための昇降口へのスロープの設置、設備面の改修など追加工事の必要性が生じてまいりました。年度内に工事完了を図りたいことから、本日、追加工事の設計監理委託費の補正予算の議案を提案し、先議をお願いしたいと存じます。
なお、議決をいただいたところで設計業務を進め、議会最終日において、変更請負契約の締結の議案を上程し、ご審議をいただきたいと考えております。
また、新しい南条小学校の建設に向けて、建設検討委員会にて準備を進めているところでありますが、これまで3回開催し、より良い学校建設のためご意見をいただきながら、現在は新校舎の建設場所について議論を進めているところです。
第4回の建設検討委員会を今月12日に開催を予定しておりますので、校舎の建設場所や基本的な考え方の道筋をつけ、来年にはより具体的な設計について検討する「南条小学校建設委員会」を設置したいと考えております。
                         
10月27日・28日には、第41回坂城町文化祭が文化センターをはじめ4会場で開催されました。文化祭の開催記念として、27日の午後、今、最も注目を集めるチェリストの海野幹雄さん、ピアニストの海野春絵さん、ヴァイオリニストの西本幸弘さんの3名をお招きして、文化センターにおいて、クラシックコンサートを開催いたしました。
また、11月10日には、第19回ライフ・ステージエコーがさかきテクノセンターで開催されました。今回は、アルトサックス奏者のサイモン・コスグローブさんとその仲間による本格的なジャズ演奏であり、また、また、前日の9日においては、坂城中学校の生徒を対象に演奏をいただきました。
2つの演奏会ともに、多くの方々が会場を訪れ、生の演奏を堪能されるとともに、当町の音楽に対する関心の高さがうかがえたところでもあります。
11月17日には、「全日本小学校バンドフェスティバル」が大阪城ホールにて開催され、南条小学校金管バンド部が出場いたしました。全国の地区大会を勝ち抜いた35校が参加し、南条小学校の子どもたちは元気に、迫力のある音楽を奏で、栄えある金賞を受賞いたしました。
また、11月25日には、「こども音楽コンクール東日本優秀演奏発表会」が東京で開催され、東日本地区から29校が参加し、南条小学校金管バンド部は最優秀賞となり、全国大会に参加することになりました。これも、日頃の練習の成果が実を結んだものと大変うれしく思っています。
この全国大会等への出場にあたり、町内3企業から寄付をいただくなど、地域の皆さんにご支援をいただいていることに感謝を申し上げます。
                          
11月26日に第二次世界大戦中当町に疎開された皆さんを当町にお招きし、学童疎開交流事業を行いました。
3小学校のうち、今回、連絡がとれた東京都豊島区時習国民学校で学童疎開された方に坂城小学校にお招きしたわけでございますが、70年近くたった今でも当時の思い出を昨日のことのように鮮明に記憶されてお話しいただき、児童にとって非常に有意義で貴重な時間を過ごしたことと思います。
なお、戦時中の学童疎開については、坂城小学校のほか、南条小学校、村上小学校においても、当時の児童がこの地で生活を送っていることから、3小学校にその歴史を忘れずに伝えていく記念碑を設けたところでございます。
                    
当町の農産物の放射性物質検査につきましては、9月11日にコメの調査が実施され、不検出という結果が出されました。また、原木栽培している「ヒラタケ」についても、10月30日に県環境保全研究所で検査した結果、国の基準値を超える放射性セシウムは検出されず安全が確認されました。
今後も安心安全な坂城の農産物・特産品・加工品を多くの皆さんに提供できるよう、関係団体と協力し取り組んで参ります。
                     
坂城町を含めた広域でのごみ処理施設整備を進めている長野広域連合では、千曲市に建設を計画している新ごみ処理施設の整備について、稼働目標年度を平成30年度へ延伸することを10月30日の理事会で決定し、11月29日の連合議会に報告いたしました。
 これに伴い、葛尾組合のごみ処理施設は、新ごみ処理施設が整備されるまで、ごみ処理運営を継続せざるを得ない状況になってまいりました。
 つきましては、明日4日午後7時から、文化センターにおいて、広域ごみ処理計画の概要やこれまでの経緯等について、長野広域連合から町民の皆さんに説明をいたします。
                    
 町民の皆さんからご要望がありましたAEDの貸し出しにつきましては、利用する団体にAEDの使用方法の研修を受けられた方がおられるなどの「貸出基準」を定めたうえ、来年1月から保健センターのAEDを通常勤務日以外の土曜日、日曜日と祝日に貸し出すことにいたしました。
住民の皆さんにおかれましては、区のスポーツ大会等で緊急時にご利用いただければと思います。
                   
 今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が2件、広域連合規約の変更が1件、条例の一部改正が2件、一般会計、特別会計補正予算が5件でございます。よろしくご審議を賜り、ご決定賜りますようお願い申しあげまして招集の挨拶といたします。
 
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 坂城町長 山村ひろし                                       
 

駅前イルミネーションとクリスマス・コンサート

今年も、「にぎわい坂城」(会長:蒲原敏一さん)の主催により、駅前のイルミネーション点火(新時計台も設置されました)とクリスマス・コンサートが開催されました。(中心市街地コミュニティーセンターにて)

コンサートは昨年と同様に 「The アルペジオバンド」の皆さんにより大変楽しい、昔懐かしいフォークソングを中心とした内容でした。

今年から若い女性のボーカルが加わり、「おやじバンド」から脱皮しつつあるようでもありました。

クリスマスコンサート01

中心市街地コミュニティーセンターに新たに入ったピアノも活躍

坂城町長 山村ひろし

坂城町商工会青年部発足40周年大忘年会

昨日(12月1日)、「坂城町商工会青年部発足40周年大忘年会」 (部長:守屋健作さん) が開催されました。

今年は沖縄返還40周年、中国との国交回復40周年いずれも政府の不手際の為いずれも盛大にお祝いするということにはなりませんでした。

しかしながら今年40周年を迎えた、坂城町の商工会青年部は誠に力強い発展をとげ大きな成果を出されています。 誠におめでとうございます。

また、青年部の会員が今年も10名ほど増加されたとも伺っています。 これは全国的にみても素晴らしいことだと思います。 (長野県商工会連合会から今年も4名の役員の方が表彰を受けました)

左から、長野県商工会連合会から表彰を受けた、玉井智樹さん、中島新一さん、守屋健作さん、竹鼻祐司さん

40周年を記念して歴代の青年部長さんも参加され昔話にも花が咲き大いに盛り上がりました。

前列:歴代の青年部長さんと                                

私もご招待を受け、『「老子とともに生きる」~老子を通して物事の本質、人生を考える~』というテーマで講演をさせていただきました。

講演する山村

祝宴で 千曲坂城陣太鼓 の演奏

今後とも、若い力、坂城町商工会青年部の皆さまの益々のご活躍をお祈りいたします。

(なお、上記掲載の写真はすべて中嶋登議員さんにご提供いただいたものです。)

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第78章)

前に、第8章で 「上善は水の若(ごと)し」 というのが出てきましたが、この章でも水を引用し、「堅強」に比した「柔弱」の強さを述べています。 ここも大切な章ですね。

天下柔弱、莫過於水。 而攻堅強者、莫知能勝。 其無以易之。弱之勝強、柔之勝剛、天下莫不知、莫能行。 故聖人云、受國之垢、是謂社稷主、受國之不祥、是謂天下王。正言若反。

                                         

 天下の柔弱なるもの、水に過(す)ぐるは莫(な)し。 而(しか)も堅強(けんきょう)を攻むる者、能(よ)く勝るあるを知る莫し。 其れ以(も)って之に易(かは)るもの無し。 弱の強に勝ち、柔の剛に勝つは、天下知らざるもの莫きも、能く行なうは莫し。 故に聖人云(い)ふ、國の垢(あか)を受くる、是を社稷(しゃしょく)の主と謂(い)ひ、國の不祥(ふしょう)を受くる、是を天下の王と謂ふ、と。 正言(せいげん)は反(はん)するが若(ごと)し。                                                         

  この世の中で水ほど柔弱なものはありません。 しかもいざとなると頑強なものを攻めるのに、水ほど強いものはありません。 水に代わるものもありません。 弱いものが強いものに勝つことがあることはだれでも知っていますがそれを実践できる人はいません。 そこで聖人は 「国の汚辱を自ら引き受けることの出来る人が本当の王であり、国の禍を一身に引き受けることのできるのが天下の王である」(本当に強い王がまるで弱者のように汚辱や禍を引き受けるのだ) と言っています。 このように、正しい言葉というのはあたかも反対のことを言っているように聞こえるものです。

                               
                                   
                          
 米国の政治学者のジョセフ・ナイ氏がハード・パワー 一辺倒ではだめで、ソフト・パワー、後にはスマート・パワーの大切さを述べていますが、正に老子と同じ見解ですね。
                               
(以下、私のブログから)
                         
                                    
 坂城町長 山村ひろし
                                
 

学童疎開の碑

一昨日(11月26日)、学童疎開交流事業について記述しましたが、以下に各小学校に設置した石碑の写真を掲載します。

小学校をお訪ねの際にご覧ください。

坂城小学校:こちらには豊島区時習国民学校の皆さんが疎開されました。

南条小学校:こちらには足立区舎人国民学校の皆さんが疎開されました。

村上小学校:こちらには豊島区池袋第二国民学校の皆さんが疎開されました。

坂城町長 山村ひろし

学童疎開の皆さまとの交流

本日(11月26日)、坂城小学校で戦時中、学童疎開で来られた方々との交流会を全児童ともども実施いたしました。

私は昨年の東日本大震災、福島の原発事故によりいまだに数多くの子どもたちが「学童疎開」を余儀なくされている現実と、70年近く前の戦争による「学童疎開」が重なり、この経験を決して忘れないように坂城の子どもたちに伝えることが出来ないかと昨年来考えておりました。

一方、坂城で学童疎開をされておられた方々は東京に帰られた後に「東京坂城会」を結成され長年にわたり坂城町に車いすの寄付をされるなど多大な貢献をしていただいておりました。

このようなご貢献に対する御礼も坂城町としてしっかりとした形で行っておりませんでした。

また、学童疎開をされた皆様も80歳近くになられておられるということから、昨年来、宮下副町長や宮 教育長を中心にしてなんとか「学童疎開事業」が実施できないか検討してまいりました。 東京坂城会の皆様にもう一度坂城にお出でいただき、当時一緒に勉強をした学友たちのみならず、現在の坂城の子どもたちと一緒にお話をしていただく機会を作れないかと打ち合わせを重ね検討をしておりましたが、ようやく本日実現いたしました。 感無量です。

子どもたちに学童疎開についてお話をする山村

以下、坂城町のホームページをご覧ください。

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学童疎開交流事業01

▲学童疎開者から記念品の贈呈

  11月26日(月)、坂城小学校で、学童疎開交流事業が開催されました。

  この事業は、児童が坂城町の歴史を学び人との絆を大切にすることを目的としたもので、戦時中に東京から坂城町へ学童疎開された方々をお招きし、児童や当時の同級生との交流が行われました。

  今回お招きしたのは、当時豊島区の時習国民学校に通っておられた増毛さん、廣沢さん、北沢さんの3名です。交流会では、学童疎開者から坂城小学校へ記念品が贈呈され、児童たちからは歌のプレゼントがありました。疎開者の皆さんは、児童たちが歌った校歌にいたく感激され、当時の町の様子やエピソードなどを話し、児童たちは戦時中の苦しい生活を実際に体験した方々からの貴重な話に真剣に耳を傾けていました。

学童疎開交流事業04-05

  また、今回の交流を記念して、学童疎開があったことを記録として後世に残すための記念碑が建てられ、その除幕式が行われました。

学童疎開交流事業02-03

  その後、疎開当時に住んでいた大英寺と満泉寺を訪れると、さらに当時の記憶が蘇ったようで、思い出話に花を咲かせていらっしゃいました。

学童疎開交流事業06

▲当時住んでいた大英寺にて

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坂城町長 山村ひろし

ねずこん大健闘、長野県で10位に

ゆるきゃらグランプリ2012年の審査結果が出ました。

全国トップは今治市の「バリーさん」でした。(なんと投票数は54万7284票!)

長野県で1位の「アルクマ」が全国では24位となりました。(投票数6万6592票)

我が「ねずこん」はスタートの出遅れが響きましたが(855番目からスタート)、後半の追い込み鋭く、全国では264位、長野県では43団体中10位に入りました。(投票数2558票)

(以下、長野10位まで)

(以下、今治市の「バリーさん」)

皆様のご協力を心より感謝いたします。

来年はスタートダッシュをかけて頑張りたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。

ありがとうございました!!!

(先日の「ねずみ大根まつり」で、健闘した「ねずこん」に花束贈呈)

坂城町長 山村ひろし

信州の名工の中嶋丈吉さん、福島靖さん来訪

平成24年度信州の名工に選ばれた中嶋丈吉さんと福島靖さんが来訪されました。(11月22日)

平成24年度の卓越技能者知事表彰 「信州の名工」 25名 が発表になりましたが、今回はこのなかで、坂城で働いておられるお二人が受賞されました。

先日、一橋大学名誉教授野中郁次郎教授のお話がありましたが、このお二人は永年にわたりまさに、「モノづくり」から「コトづくり」を実践し、後進のご指導もされておられる方々です。

以下、坂城町のホームページからご覧下さい。

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信州の名工01

写真左から、中嶋さん、山村町長、福島さん

  平成24年度長野県卓越技能者知事表彰『信州の名工』に選ばれた、力石化工 の中嶋丈吉さんと日精樹脂工業 の福島靖さんが山村町長を表敬訪問されました。

  『信州の名工』は、卓越した技能を有し、県内産業の発展に顕著な功績があった方を表彰する制度です。今回の表彰について、中嶋さんは「このような賞をいただいて恐縮している。私よりも優れた技量を持つ方はたくさんおられるので、さらに勉強をしなければ」と話され、福島さんは「技能を高めようと挑戦してきた結果が実った」と喜びを語られました。また、若手技能者の育成については二人とも共通した思いを持っておられ、「技術の継承にさらに力を入れていきたい」と話されていました。

技能・功績の概要(同表彰式資料より抜粋)

  • 中嶋丈吉さん

  長年、金属表面処理(めっき)に従事し、複雑な形状・精度が求められる部品に均一なめっきを施すことができる卓越した技能を有している。
  めっきが付きにくいアルミニウムなどの難素材に適した前処理を開発したり、省エネ技術(エネルギーロスの数値化)の確立などに取り組んだり、めっき技術の向上と、環境負荷の低減に多大に貢献している。また、社内、他社の技能者に対し、指導を行うなど後進の育成に尽力している。

  • 福島靖さん

  プラスチック射出成形機の金型の設計と加工・組立に従事し、3D・CAD/CAMを使った金型設計から全ての加工機を駆使し、加工・組立までの全行程を単独でやり遂げることができる卓越した技能を有しており、金型技能者として高い評価を得ている。
  また、豊富な知識と卓越した技能を生かし、後輩の加工技術力アップや工程管理等ができる多能工化への指導育成に尽力している。

信州の名工02

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坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第77章)

 この章では、「天の道」のあり方について述べています。

 老子の言う「天の道」はそれこそ、宇宙、大自然の合理性を説いています。

 天はすべてのものを調和するということですね。

                                     

 天之道其猶張弓乎。 者抑之、下者擧之。有餘者損之、不足者與之。天之道損有餘而補不足。人之道則不然、損不足以奉有餘。孰能有餘以奉天下。唯有道者。是以聖人、爲而不恃、功成而不處、其不欲見賢。

                     

 天の道は其れ猶(な)ほ弓を張るがごときか。 高き者は之れを抑え、下(ひく)き者は之を擧(あ)ぐ。 餘り有る者は之を損(へら)し、足らざる者は之に與(あた)ふ。 天の道は餘り有るを損して足らざるを補ふ。 人の道は則(すなわ)ち然(しか)らず。 足らざるを損し以(も)って餘り有るに奉(ほう)ず。 孰(た)れか能(よ)く餘り有りて以って天下に奉ぜん。 唯(た)だ有道者のみ。 ここを以って聖人は、爲(な)して恃(たの)まず、功成りて處(お)らず。 其れ賢を見(しめ)すを欲(ほっ)せざるなり。

                               

 

 天の道の動き方はあたかも弓に弦を張って引っ張るようなものです。 つまり上の者を押さえ、下の者を持ち上げるようなものです。 あり余っている者から取り上げ、不足している者に分け与えます。 このように天の道は大きな自然の動きの中で余っているもの、足りないもののバランスを取っているのです。 しかしながら人の道ではそうではありません。 足らなくて困っている者から更に取り上げ、有り余っている者に差し出しているのです。 ありあまっているからと言って天下に差し出す人はいるのでしょうか。 それはただ、道を体得している人のみなのです。  それゆえに、聖人と言われる人は立派な業績をあげてもなにも要求せず、成果が上がっといってもいつまでもそこに留まっているわけでもありません。 ましてや自分の優れている点など人に見せようとはしないのです。
                                 
                       
 この調和のバランスが今の政治にも求められます。
 また、後段の 「功成りて處(お)らず。」 というのもすごいですね。
 成功までのプロセスが大切で、功成なり名遂げたならいつまでも居続けてはいけないということです。 出処進退の大切さも述べています。
                                          
                       
 坂城町長 山村ひろし 

川村真二さんの本

ビジネス・リーダー研究所所長、経営教育コンサルタント、作家・小説家でもあり、今年から坂城町中小企業能力開発学院でリーダーシップ教育のご指導をいただいている川村真二さんが今年8月に出された「われに明治の父ありき」が評判を呼んでいます。

この本は、川村真二さんの父親で経営指導者であられた邑井操さん(本名:川村義太郎)が昭和59年に出された本を川村真二さんが改編再出版されたものです。

邑井操さん(川村義太郎)と父親川村増太郎氏とのやり取りを中心に書かれたものですが、実に心温まる物語です。

川村増太郎さんは明治初期(明治9年)に生まれ、明治、大正、昭和(16年没)を生き抜いた、義侠心、反骨精神の塊のような方で、神田で米穀商を営なわれておられました。

この本は、増太郎と義太郎親子の胸打たれる物語で、父の背中を見ながら育った戦前の子供と親のあり方について率直に書かれています。
 また、日中戦争中の1年余の間に交わされた父子の229通の書簡も圧巻です。

世知辛い世の中、一種の清涼剤のような爽やかな本です。

ぜひ、ご一読をお勧めします。

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(日本経済新聞出版社より)

「偉くなれ」とは一度も言わなかった父。「喧嘩は負けるな。でもやっつけ放しにもするな」と言った父。5歳の息子と吉原から朝帰りした父~~江戸っ子の父を回想した名エッセイに、戦中の往復書簡を付した感動の書。

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坂城町長 山村ひろし