老子の続き(第72章)

この章は 「愛己」 と題されることがありますが、まさに自己を愛する者は、己を知り、誇らず、謙虚でなければならないと説いています。

 民不畏威、大威至矣。 無狭其所居、無厭其所生。 夫唯不厭、是以不厭。 是以聖人、自知不自見、自愛不自貴。 故去彼取此。

                                 

 民、威(い)を畏(おそ)れざれば、大威(たいい)至らん。 其の居る所を狭しとする無く、その生くる所を厭(いと)ふこと無し。 夫れ唯(た)だ厭はず、是を以(も)って厭はれず。 是を以って聖人は、自ら知りて自ら見(あら)はさず、自ら愛して自ら貴(たっと)くせず。 故に彼(か)れを去りて此(こ)れを取る。

                           

 人々が天威を恐れず思い上がってしまうと、かならず大きな天罰が起きます。 人々が自分の住むところが狭い、などと我儘を言わず、自分の生き方を厭(いと)わなければ天から厭われることもありません。 聖人と言われる人は自らをよく知り、自らを見せびらかしたり威張ったりしません。 驕慢を去り、道にしたがって無為自然の生き方をするのです。

                            

 この章は短いですが、なかなか難解な箇所があり諸説の解釈があります。 私はごく自然に 「愛己」 とは何かという考えで訳しました。 本当の意味で「自分を愛する」 とは何かを考えると、己に対して正直に 「無為自然」 に生きることだと思います。

                                      

 坂城町長 山村ひろし                

 

第17回東京坂城会開催

先日(10月13日)、東京坂城会(会長:玉井修治氏、名誉会長:鈴木敏文氏)の第17回総会が開催されました。(於:東京田町近くの”牡丹”)

東京坂城会は坂城町出身の方々で東京で活躍されておられる皆さんの会です。

現在236名の会員がおられますが、当日は31名の会員が参加され盛大に開催されました。

坂城町からは私の他、鈴木秀典商工会長、宮後睦雄テクノハート坂城協同組合理事長、荒川企画政策課長の4名が出席しました。

総会では平成23年度の活動報告・決算報告がなされ、私からは最近の坂城町の状況についてお話をさせていただきました。

皆さん、懐かしいお話と最近の坂城町の状況について大いに話が盛り上がり、12時から午后2時半ころまで懇談の花が咲きました。

総会の様子

玉井修治会長のお話し

会計担当の中沢隆三さんから決算についての説明

なお、平成24年度からの新会長に中沢隆三さんが選出されました。

坂城町から参加した、左から:宮後睦雄テクノハート坂城共同組合理事長、山村、鈴木秀典商工会長

坂城町を出られ東京で活躍され、坂城町を愛し、応援していただいておられる皆様方の益々のご活躍をお祈りいたします。

坂城町長 山村ひろし

杉並区80周年祭りに出店

先日(10月13日、14日)、 杉並区の「桃井原っぱ公園」で東京都杉並区制施行80周年記念の「杉並区80周年祭り」が開催されました。

わが坂城町もテントを設営し出店いたしました。

 

味ロッジさんも参加

坂城町のリンゴ、きのこ、おやき、パウンドケーキ等、大好評で完売し、坂城から急遽取り寄せ何とかお客様の要望に間に合わせました。

こちらでも人気者の「ねずこん」

杉並区田中区長も来訪(山村の右)

杉並師範館の元教授、スタッフ達と

坂城町長 山村ひろし

坂城町金井区子供相撲大会

昨日(10月14日)、金井ひろばで、金井区子供相撲大会が開催されました。

ゲストに坂城町南条出身の旭鵬山関(幕下)と同部屋の魁戦龍関(千葉県木更津市出身、三段目)をお招きしました。

金井区子供相撲大会は、金井区在住の保育園・幼稚園児(年中・年長)と小学生を対象に、毎年行われている伝統行事です。

例年は、南条小学校北側にある宇佐八幡宮で行われていますが、今年は、本物のお相撲さんが見えるということもあり、金井ひろばに特設土俵(二つ)を作って行われました。

天候にも恵まれて、ちびっ子たちが(一部大人も)力いっぱい頑張りました。

開会式

見本相撲(向こう側:旭鵬山、手前:魁戦龍)

左から:旭鵬山さん、神林愛乃(よしの)さん、インパニッチ・ナナミさん、山村、竹内彩音(あやね)さん、竹内金井区長さん、魁戦龍さん

以下、坂城町のホームページもご覧ください。

http://www.town.sakaki.nagano.jp/www/contents/1001000000186/index.html

坂城町長 山村ひろし

坂城町 ワインプロジェクト

本日、坂城町びんぐし湯さん館でワイナリー形成事業担い手認定式ならびに巨峰ヌーボー試飲会を開催しました。

挨拶する山村

昨年から皆さまと進めてまいりました、坂城町のワインプロジェクトもここまで来ました。 感無量です。

以下、坂城町のホームページから。

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10月11日(木)ワイナリー形成事業担い手認定及び巨峰ヌーヴォー試飲会

ワイナリー担い手01

▲ワイナリー形成事業担い手認定証交付

  10月11日(木)、びんぐし湯さん館で、「坂城町ワイナリー形成事業」担い手認定証の交付、ワイン製造についての講演及び巨峰ヌーヴォー試作品の試飲会が行われました。

  坂城町は降水量が少なく、日照が多い気候風土を活かし、巨峰やナガノパープルなどをはじめとするぶどうの栽培適地として、生産販売がなされています。
このなかで、町の新たな産業の広がりを目指して「ワイナリー形成事業」を進めており、その担い手を公募した中から2名が決定したので、「担い手認定証」を交付しました。お二人からは将来に向けての抱負を語っていただき、今後の決意を新たにしていただきました。

  その後、町振興公社が地元の巨峰でワイン製造を依頼した山梨県のフジッコワイナリー のワイン製造グループ長鷹野ひろ子氏に「ワインの動向とワイン製造の現状及び求められるもの」を演題に講演をしていただきました。

  また、最後に行われた完成間近の巨峰ヌーヴォーの試飲会では、甘く爽やかでフルーティなワインに、試飲された方々も満足されたようでした。

  巨峰ワインは町振興公社から11月17日(土)に開催される「ねずみ大根まつり」でお披露目と販売を実施する予定です。ご期待ください!

ワイナリー担い手02-04

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第71章)

 この章は大変短い章ですが、誠に重要なメッセージを送っています。

 「知らぬことを知る」 ということです。 「中途半端に知っているつもり」ということは大変危険なことですね。

                      

 知不知上。 不知知病。 夫唯病病、是以不病。 聖人不病、以其病病。 是以不病。

                               

 知りて知らずとするは上。 知らずして知れりとするは病(へい)。 それ唯(た)だ病を病とす。 是(ここ)を以(も)って病(へい)せず。 聖人病せず。 其の病を病とするを以ってなり。 是を以って病せず。

                                  

 自分で分かったと思ってもまだまだこれでは不十分だとするのが最もよく、良く分かっていないのに知ったかぶりをすることは甚だ良くないことです。 このように自分の短所あるいは不十分なことを自覚することが大切です。 このようにすればこの欠点も欠点でなくなります。 従って聖人と言われる人はこの点を十分理解しているので欠点がないのです。 その欠点を欠点として自覚しているからなのです。 そのために問題点を持つことが無いのです。

                     

 「知りて知らずとするは上」 素晴らしい言葉ですね。

 常に謙虚にひたすら勉強。

 心がけたいものです。

             

                             

 坂城町長 山村ひろし

日中関係に関わるレポート(瀬口清之さんから)

キャノングローバル戦略研究所の研究主幹 瀬口清之さんから最新のレポートをいただきました。

尖閣諸島国有化に伴う反日暴動が発生したときに米国におられ、米国の主要な有識者の反応も踏まえたレポートとなっております。

日本のメディアでは報道されない情報も含まれていますのでご参考までに掲載します。

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尖閣諸島国有化を巡る日中関係悪化の背景と米国の見方<米国出張報告(9月17日~27日)>

各位

今回の米国出張は尖閣諸島国有化に対する反発から中国国内各地で反日デモ発生している最中にワシントンDCに到着しました。ちょうどその1週間前に国有化の閣議決定が行われ、その翌日に国有化が実施されました。私自身も中国の新聞やテレビから取材を受け、日本政府がなぜ国有化に踏み切らざるを得なかったのか等について説明をしました。一部の有識者からは「日本にも中国のことを理解し、冷静な観点から今回の日中関係悪化の背景を見ている人間がいる」と評価して頂けたようですが、大半の中国人の方々からは、「そもそも日本政府による国有化を認める前提で話をすること自体耳を傾けるに値しない」といった厳しい批判を受けました。その反応を米国到着後に知らされ、今回の出張がスタートしました。米国でも今回の日中関係悪化に対する関心は高く、面談の殆どはそれに関する話題で占められました。そのため、今回の出張報告は通常の報告とは内容が異なり、尖閣問題が大きなウェイトを占めたものとなっています。

今回の反日デモが発生した後、私自身は2つのことが非常に心配でした。1つは、中国在住の日本人が危害を加えられることがないか、もう1つは、日本在住の中国人が日本人によって危害を加えられることがないかという2点でした。
幸い2つとも殆どなかったようですので、その点は最悪の事態を回避する上でよかったと思っています。米国でも、日本国内における日本人の反応は注目されており、その冷静な対応が高く評価されていました。私はこれは日本のメディアが中国人の中にも多様な意見があることをきちんと報道していたことがいい影響を及ぼしたと理解しています。今回の反日デモが暴徒化したことに対して、「中国人として恥ずかしい、このような方法で意思表示することは正しくない」といった意見を持っている中国人が結構いることが報じられました。これが日本人の怒りの爆発を抑えた効果があったと思います。また、日本在住の中国人の方々が、中国で安否を心配している親戚などから「日本人に襲われることはないか」と質問を受けた際に、「日本にいる方がむしろ安全で、日本人はみんなよくしてくれている」と答えているという話が伝わってきたのも良かったと思います。このように今回は中国人の中にも多様な見方があることが多くの日本人に伝わったことによって相互理解が深まり、日中関係が成熟に向かって一歩前進した面もあったと感じています。今も日本企業に対する影響が続いており、どこまで長期化するかはまだ見通しが立たない状況です。それでも私自身は、日中両国のウィンーウィンの経済関係は今後も続く可能性が高いと考えています。それを支えるのは、日中両国において事態を冷静に受け止め、理性的な方法で問題解決を図ろうと考える人々です。今後もこうした摩擦は繰り返されると思いますが、その都度一歩一歩両国の相互理解を深めていくチャンスに変えていければいいと願っています。

出張報告をご一読頂き、ご意見、アドバイス等ございましたらご連絡いただきますよう、よろしくお願いいたします。

キヤノングローバル戦略研究所
瀬口清之

以下、瀬口さんのレポートご参照下さい。

http://www.canon-igs.org/column/network/20121009_1584.html

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坂城町長 山村ひろし

翔(かけ)る合戦屋

北沢秋(きたざわ しゅう)さんの合戦屋(かっせんや)シリーズの第3作が9月末に出版されました。

この合戦屋シリーズは、「哄(わら)う合戦屋 」、「奔(はし)る合戦屋」、「翔(かけ)る合戦屋」の3部作で、我が村上義清の活躍した16世紀中頃の中信濃を舞台に、一時、村上義清に仕えた天才軍師、石堂一徹(架空の人物)が縦横無尽に大活躍する戦国ドラマです。

 どうやらこの「翔(かけ)る合戦屋」でひとまず幕が下ろされるようですが、さらなる続編があればと期待したいところです。

 しかしながら、作者の北沢秋さんは後書きで 「ここでこの駄文の筆をおくこととしたい」 と書かれているのでいささか残念な心持ではあります。

 この3部作のストーリーを述べるのは控えますが、大変面白い、ある意味では奇想天外でダイナミックな戦国絵巻が語られています。

 石堂一徹は欲を持たない当代随一の軍師であり、一方、城攻めのための「攻城車」のような特殊な装置を開発したり、まるで諸葛孔明のような策略家でもあり発明家でもあります。

 いささか残念なのは我が郷土の誇り 「村上義清」 がこの天才軍師、石堂一徹を使いきれない凡庸な人物として扱われています。

 例えば、武田晴信(信玄)が大敗した「砥石崩れ」はこの石堂一徹の策であり、反面、圧倒的に優位にあった深志城攻めで、武田晴信の北信侵攻を恐れ、突然城の包囲を止めて、坂城(坂木)へ戻ってしまった村上義清を責めています。

                              

 この小説は村上義清が武田信玄に滅ぼされる数年前で終わっているために坂城(坂木)から越後へ落ち延びる最期が書かれていないのがせめてもの救いでしょうか。

 また、興味深いのは、石堂一徹が架空の人物のため、戦場で大手柄をたて、敵の大将を血祭りにあげてもその人物も架空の大将であることです。これは、架空の人物に歴史を書き換えさせない工夫のようです。

 いずれにしても、素晴らしく面白い戦国読み物であり、大変勉強にもなりました。

 秋の夜長、皆様にもお勧めします。

                                           

 坂城町長 山村ひろし

坂城町企業のニュース 寿製薬(株)さん

京都大教授の山中伸弥さんにノーベル医学・生理学賞の受賞が決まったという素晴らしいニュースがありましたが、坂城町の企業もなかなかの研究開発を行なっています。

以下、坂城町の広報をご覧下さい。

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10月5日(金)寿製薬(株)冨山専務が訪問

寿製薬コレステロール01  

▲左から、寿製薬(株)冨山専務、山村町長

10月5日(金)、町内企業の寿製薬(株)の冨山泰専務が山村町長を訪問されました。

寿製薬(株)は、開発中の「コレステロール吸収阻害薬」の全世界における開発・製造・販売権の使用許諾を与えるライセンス契約を大手製薬会社の塩野義製薬 と締結しました。

この新薬は、小腸のコレステロール吸収に関わるタンパク質の機能を抑え、血中のコレステロールを低下させる働きがあります。今後は、塩野義製薬(株)が寿製薬(株)の協力のもと、臨床試験を実施し、本薬の有効性及び安全性を確認していくそうです。寿製薬(株)の今後のさらなるご活躍が期待されます。

寿製薬コレステロール02

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私を含め、世界中の 「肥満が気になる人たち」 にとっても朗報ですね。 

坂城町長 山村ひろし

「Gゼロ」後の世界(イアン・ブレマー)

久々に歯ごたえのある本を読みました。

「Gゼロ」後の世界 ( Ian Bremmer : EVERY  NATION  FOR  ITSELF)

イアン・ブレマーという米国のユーラシア・グループ社長でコンサルタントの著作です。

かつて、世界を牛耳っていた米国の国力が衰えただけでなく、G7あるいはG8に代表された先進国グループでは物事が解決できずに、G20となり、もはや有効で確固たるリーダーシップを持った国家が不在の「Gゼロ」時代に突入したということです。

「G20は、まるで巨大なポーカー・テーブルとそれを囲む人々のようだ。 すべてのプレーヤーが積み上げたチップの山を守りながら、他の19人のプレーヤーの様子を見守り、配られた手札で勝負する機会をうかがう。 これはグローバルな秩序などではない。 すべての国が、自分のために行動する世界なのだ。」 ということです。

つまり、この世の中はすでに 「Gゼロ」 の時代になったのだと言うことです。

 米国が世界の警察の役割を果たす余裕がなくなってしまった今日、勢いを増してきた国々が自国周辺地域での支配権を競って、地域レベル、局地レベルで武力に訴える場面が頻発してきています。

尖閣諸島、竹島の問題も単に二国間の問題として捉えるのではなく、今や 「Gゼロ」 の時代に突入しているのだという認識の上で対応する必要があると思います。

一方、イアン・ブレマーが指摘しているように、このような状況下では何よりも「しっかりとした経済力を持つ」ことが重要だということです。

日本国内でも政党がまさに、 「Gゼロ」 化しているような状況ですが、一刻も早く政治を安定させ、経済の再興が計られなければなりません。

是非、この本を一読されることをお勧めします。

坂城町長 山村ひろし