ザンビア便り 10回目

タイへの出張、今日で三日目ですが、ザンビアの竹内希さんから10回目の「ザンビア便り」が来ました。 以下、掲載させていただきます。

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ザンビアだより (10)      平成25年11月  竹内 希

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ザンビア人の裏側

  ザンビアは雨季が始まりました。夕方になると、雷雨と共に雨が降り始めます。農作物にとっては恵の雨ですね。先日、ザンビア人の内面を見たできごとがあったので、今回はそれをお伝えしたいと思います。

  普段、私は外を歩いていると見知らぬ人に「チョッチョリー」や「ムズング」という言葉をかけられることがあります。これは、「中国人」「白人」という意味です。日本でも外国の方が歩いていると、「外国人だ!!」「黒人だ!!」と言う声を耳にします。どこに行っても少人数の人達が珍しがられるのは普通のことです。ただ、その人たちをバカにしたり蔑んだ目で見るのはいけないことです。時には、中国人の話し方を真似て、明らかにバカにしてくる人がいます。私はあまり気にしない性格なので、そういう人達に出会っても見ぬふりをします。また、同僚と一緒に歩いていても言われることがあるのですが、同僚からは「話しかけられても止まらず歩き続けなさい。ただ、あなたのことに興味があるだけなのよ。」と言われます。このように、私のことを受け入れてくれる人がいればそれで良いのです。ザンビア人もマナーが悪い人には、教育が必要だと言っていました。

ザンビアだより(10)02

  このような面もあるザンビア人ですが、家族や周りの人を大事にする人達でもあると思います。ある日、私はタクシーを利用しました。ザンビアではタクシーに乗る時は、目的地を知らせ、事前に値段を交渉します。ここで私は安くしてもらおうと、いつもより時間をかけて交渉をしました。ですが、結局私が望んでいた金額にはなりませんでした。それでも、ザンビア人はフレンドリー。交渉後も仲良くお喋りをしながら目的地に向かいました。途中、彼の両親の住んでいる家があると聞き、彼も両親に会いたいということで私も了承をし、彼の実家に寄りました。そこは、周りに何もない田舎でした。牛、豚、鶏を飼い、野菜も自作、まさに自給自足の生活です。町まではとても離れているので、買い物に行くのも大変です。そのため、ドライバーが母親のために靴を買って来ていました。そして、今回私が支払う交通費も全て親に渡していました。その姿を見て、あれだけ必死に交通費を値切っていた私の姿が馬鹿らしく思えました。普段、「チョッチョリー」と言ってバカにしてきたりするけれど、裏ではこうやって家族を大切にしているのだなと。

  ザンビア人にとって家族に挨拶をしに行くことや、友達の家にふらっと寄ることは当たり前のことです。そうやってコミュニケーションを取りながら日々暮らしをしています。何か困っていることがあったらすぐ助けますし、なんと言ってもお喋りが大好きです。日本も昔は同様の生活を送っていたと思います。しかし、現代では時間に追われている毎日。ふらっとなんて寄ったら、相手に迷惑だと思いがちです。丸1日仕事漬けで、友達の家に行く元気なんて無い人もいるでしょう。仕事があることは幸せなことですが、仕事だけの生活もなんだかな?と思う。今日、この頃でした。

ザンビアだより(10)03 

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坂城町長 山村ひろし