平成26年度十六夜フェスティバル

 昨日(9月7日)、十六夜観月殿(いざよいかんげつでん)と網掛公民館を使って 「十六夜観月フェスティバル」 が開催されました。(代表:金子敏夫網掛区長)

  この十六夜観月殿は元中年間(1384~1392)に村上満清が建立をしたと言われていますが、その後、戦火に会って焼失し、寛永年間(1624~1645)、郷人によって再建されました。

 また、「十六夜観月殿」は月見堂ともいわれ、千曲川を眼下に望み、坂城町全域を一望におさめることのできるまさに景勝の地に建っています。

                       

十六夜観月殿

                       

以前にもご紹介しましたが、貞亨5年(1688年)8月16日、芭蕉が十六夜の月を詠んでいます。

               

 「いざよひもまだ更科の郡かな」(更科紀行)

                                                    

 ここでの句会は数百年続けられておられるとのことですが、多くの子どもたちも参加して開催されておられることに大いなる敬意を表します。

 今回は、フランス人で、俳人、エッセイストのマブソン青眼さんが特別に参加され、講演と俳句の選者役もされました。

                 

十六夜観月殿でのマブソンさんの講義(小林一茶について)

                  

絶景の千曲川を眼下に句をひねる              

                     

作品の講評をする、マブソン青眼さん

               

 以下、入選作をご紹介します。(上位入賞作のみ)

            

 (兼題) 大人の部は 「初秋・枝豆」 子供の部は 「相撲・朝顔」

           

  大人の部

  金賞:初秋のニュース悲しき土石流(宮入宗乗)

  銀賞:初秋や窓開ける夜と閉じる夜と(宮嵜ひろみ)

  銅賞:初秋や快適増して歩をのばす(辺見一輝)

                       

 子供の部

  金賞:相撲見るおじいちゃんとお茶を飲む(塩野入美紫)

  銀賞:あさがおはいろとりどりに花がさく(金子はると)

  銅賞:ゆうゆうと花道かえる勝ち相撲(宮嵜優花)

                      

            

 (席題) 大人の部は 「無月・菊」 子供の部は 「秋の山・いも」

                      

 大人の部  「無月」

  天位:亡き父と杯を重ねる無月かな(石倉淳二)

  地位:見わたせば穂波ざわめく無月かな(浅野井和子)

  人位:帰り道そぞろ歩きも無月かな(金子敏夫)

                     

 大人の部 「菊」

  天位:被災地や慰霊の墳の菊たわわ(宮入宗乗)

  地位:労作の鉢並ぶなり菊花展(塩野入猛)

  人位:父の忌や姉妹揃いて菊日和(宮崎郁子)

                      

 子どもの部 「秋の山・いも」

  天位:あきの山すきまにながれるちくま川(山崎ひな大)

  地位:おいもさんはゆくでてきてつちのなか(もとじまりさ)

  人位:秋の山おけしょうしている葉っぱたち(金子あゆみ)

                      

 以上、いずれも秀句ばかりですね。

 

 今回は、入賞作の選考が行われている間、「マジカル鈴木」さんの手品と「オラホ・バンド」による楽しい演奏がありました。

千曲市、長野市をベースに活躍する「オラホ・バンド」

            

 その後は恒例の懇親会が開催され大いに盛り上がりました。

老若男女の懇親会

                               

 なお、私の作品は選考の対象にはなりませんでしたが、「無月」で一句。

 「無月」とは曇りだとか雨のために月が見えないことを言います。

 そこで、私の句は、宴会でだいぶ酔っ払い、夢うつつで「無月」を求める句を作りました。  失礼。(なんだかよくわからない句ですね。)

                   

 「酒夢の里 無月を見むと 雲に入り」

                  

 坂城町長 山村ひろし