わが家に昔からあった、頭山満の書がだいぶ傷んできたので、表装を新しくお願いしようと、鉄の展示館)宮下学芸員に相談しました。
頭山満(とうやまみつる 1855~1944)は明治から昭和前期にかけて活動した、アジア主義者の巨頭と言われる人物で、玄洋社の総帥であった人です。号は立雲。
(詳細については以下のウィキペディアをご覧ください。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%AD%E5%B1%B1%E6%BA%80
この書の文字は 「弘座」 とでも読むのかなと思っておりましたら、どうも 「敬愛」 ではないかということでした。
考えてみれば、頭山満は西郷南洲を私淑しており、「敬天愛人」という言葉を折に触れ使っていました。
「敬」の草書体は、西郷南洲の書 「敬天愛人」 にもあるように、以下の右の文字がぴったりのようです。
西郷南洲の書 「敬天愛人」
しかしながら、「愛」についてはどうも一致しないと思っていたのですが、「愛」の草書体は多々ありました。
以下のような書体がありました。これならば比較的近いかなと思いました。
従って、上記の書は 「敬愛」 であるとしました。
頭山満の書は長野にはあまり存在していないようですが、戦前は、しばしば長野を訪れていたようです。
今年は頭山満翁の生誕160年にあたります。
あらためて、「敬愛」 の書を見つめなおしたいと思います。
また、何故、この書が我が家にあるのかについては、別途、述べさせていただきます。
坂城町長 山村ひろし