最近は年末に向けて各種団体の行政視察など多く続いています。
先日(11月1日、2日)は千曲坂城消防組合議会(議長:倉島さやか氏)の行政視察旅行があり私も参加しました。
今回のメインの視察先は、名古屋大学、「減災館」 と、「尾三消防本部」です。
「減災館」は2010年に東海、東南海、南海地震の3連動地震発生時における対策、被害軽減、減災社会の構築のための戦略について研究する団体として発足した 「減災連携研究センター」の本部があり、社会連携部門と研究連携部門の2部門を核とし、マスコミやNPOと協力することで、減災社会の実現を目標としています。 当「減災館」はその目的達成のために2014年に完成し、一般市民に開放されています。
減災館外観(ホームページより)
「減災館」は9つのコーナーに分かれ、3Dのビジュアルコーナーがあったり、家庭防災コーナー、防災・減災の基礎学習コーナーのほか、「ギャラリートーク」コーナーもあり、毎日、専門の教員が防災・減災についての講義を行っています。
私たちがお話を伺ったのは、名古屋大学の荒木裕子減災連携研究センター特任准教授で、テーマは 「水害に対する地域の備えと避難行動・・・・・・総社市下原地区の事例より・・・・・」でした。
今年7月に発生した西日本の水害とアルミ工場の爆発に関するもので、生々しい事例発表で大変参考になるものでした。
講演される荒木裕子准教授
事例で紹介された例は、水害により被害を受けたアルミニウム工場にいよいよ浸水がはじまり、結果として大爆発にいたったが、工場側が認識していた危険性が住民側に全く伝わっていなかったことにより、死者こそ出なかったが土手を超えた遠方にまでアルミの火の玉が飛び、全焼家屋、けが人が出た。 工場側従業員は全員避難をしたが、住民にはその情報が伝わっていなかった。
左手のアルミ工場で爆発が発生し、土手を超えて右側にアルミの火の玉が飛び、火災、人的被害が発生。(荒木准教授の資料より)
このようなケース(自然災害が引き金となって化学的な惨事をおこす際の課題)について、以下のように述べられています。
(荒木准教授の課題の内容)
Natech(Natural Hazard Triggering Technological Disasters)の課題
(自然災害が引き金となって化学的な惨事をおこす際の課題)
・早期の警戒情報提供
―発生元からの情報提供
・少なくとも住民側には伝わっていない
―立地自治体・周辺自治体との連携
・地区内浸水と同時発災の可能性
―火災消火困難・延焼拡大
―情報伝達および移動困難
―上階避難・避難行動中での被災
・避難場所・避難方法の検討
―状況・タイミングに応じた避難先の事前計画
―移動方法の確保
以上についてどのように準備・対応するかが大きな課題。
「減災館」前での全員撮影
「尾三消防本部」(愛知県愛知郡東郷町)
尾三消防組合は、平成30年4月1日から、これまでの構成市町である日進市、みよし市、及び愛知郡東郷町に、豊明市(豊明消防本部)と長久手市(長久手消防本部)が加わり、管轄面積129.9キロ平米、管轄人口約32万人、1事務局、1本部、1特別消防隊、5消防署、3出張所、職員334人体制の広域消防として運用を開始。
長野県での消防広域化については種々議論のあるところです。 今回の視察なども参考にしていきたいと思います。
今回、尾三消防本部の皆さんから広域消防についてのお話を伺った後に、レスキュー部隊の皆さんによる訓練を披露していただきました。
かなりの傾斜地に人が取り残されている状況。
レスキュー部隊の俊敏な行動で無事に救出することができました。
特殊作業用に建機も常設しているとのことでした。
坂城町長 山村ひろし