信仰の山 堂叡山

地域住民が代々守り続けている「霊山」のお話です。

先日(5月31日)、さかき里山トレッキングクラブ(会長:柳沢直幸さん)の皆さん、ならびに中村町づくり推進室長と、「堂叡山」(大道山 1290m)の山頂へ行って参りました。

 まず、「ふるさと探訪」などの資料から堂叡山についてご紹介します。

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 大道山は、江戸時代の末には御岳山(おんたけさん)とか堂叡山(どうえいざん)と呼ばれ、信仰の山として近郊郷に広く知られていました。
 この地域の御岳講の信者が大道山を霊場として開山したのが始まりだといわれています。

 文久3年(1863)には、一心講を組織し、四ツ屋の塚田周七郎をリーダーに山城国(京都府)宇治郡の醍醐寺へ参拝し、山号を堂叡山、院号を堂明院とすることを許されました。
 明治になって堂叡山の信仰はますます盛んになり、四ツ屋の旧北国街道沿いには堂叡山の道しるべが建てられました。
 明治25年(1892)には、信者によって堂叡山道の碑から2kmほど登ったところに里宮が造営されました。
 拝殿の鬼瓦は、堂・叡・山の三つが組み合わさってできているなど、地域の人々の信仰の厚さがしのばれます。

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私は、今回初めて堂叡山の山頂に登りましたが、地元の人たちが、「堂叡山」は 『日本三叡山』 の一つだと言われるのもその通りの素晴らしい眺望でありました。 ( 三叡山 : 「比叡山」、「東叡山」(寛永寺)、「堂叡山」 )

 山頂からの景色はまさに絶景で坂城、村上方面の眺望が最高です。

   

堂叡山 山頂から上平を見た風景(中央に 自在山‐三角山)

我が家は自在山の麓にあります

 

我が家の2階から見た堂叡山(中央)        

 木曽御嶽信仰においては、御嶽大神、八海山大神、三笠山大神の三神が一組で祀られることが多いのですが、堂叡山の例でも、左から「三笠山」、「堂叡山」(御嶽山)、「八海山」、その右に「堂叡山大日大聖不動明王」の石碑があり、さらにその右には「成田山」の石碑があります。              
 これらの石碑は、文久2年(1860)に住民一同で山頂まで運んだということです。

どのようにして、このような急峻な山の山頂まで大きな石仏を運んだのでしょうか。

当時の住民の信仰の厚さを感じます。

左から:「三笠山」、「堂叡山」、「八海山」

「三笠山」

堂叡山 (神官の衣装をまとっています)

「堂叡山」の背面から

「八海山」

「堂叡山大日大聖不動明王」の碑

「成田山」

石碑の背面に:坂木四谷 一心 講中 とあります

              

さかき里山トレッキングクラブの皆さんと

左から:松本幸男さん、田原茂樹さん、山村、柳沢直幸さん

さかきトレッキングクラブの皆様は日頃、トレッキング・コースの開発とこのような遺跡の保護に大変なご尽力をいただいております。

皆様の大変なご努力に感謝いたします。

町としてもこのようなトレッキング・コースの整備、史跡の保護にも力を入れてまいります。

坂城町長 山村ひろし

竹内希さんの「ザンビアだより」(第7回)

 平成24年6月末に、坂城町南条出身の竹内希さんが、青年海外協力隊としてアフリカ南部に位置するザンビア共和国へ派遣され約1年が経過しました。

元気に活躍されておられるようです。

以下、坂城町ホームページにも掲載されていますが、「ザンビアだより」をご覧ください。

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ザンビアだより~ 平成25年6月 竹内希

ザンビアだより(7)01

自分の道

みなさん、お久しぶりです。日本は暑くなっている時期ですね。ザンビアは今、秋のような気候です。朝晩はとても冷えるので、長袖がないと寒いです。5月からは第2学期が始まり、毎日生徒と楽しい日々を送っています。最近は、私にも余裕が出て来たので、補講を始めました。理科、数学、生物、時には日本語を交えながら、なるべく生徒の要望に応えるようにしています。

最近ふと思ったこと。それは、日本も昔はザンビアのような生活を送っていたのかな?と。冷蔵庫も洗濯機もテレビも無かった時代、仕事の帰りに商店街でその日のための食材を買い、家に帰って火を熾し、夕飯を作り、お風呂のためのお湯を沸かす。余暇といえば、周りの人と会話を楽しむこと。私も今、同じような生活を送っています。

私は昭和の終わりに生まれ、ほとんど物が無かった時代の日本を知りません。よくテレビで「昔の日本は良かった。」「今の時代は物が溢れていて、何でもすぐに手に入るから良くない。」という言葉を聞きますが、なんのこっちゃ私にはしっくりきませんでした。ですが今、途上国の生活と先進国の生活を経験して、昔を知っている人達が何を言いたかったのか、なんだか少し分かったような気がしました。

物が無い分、人と分け合ったり、お互いに協力したり、また自分で試行錯誤をして欲しいものを創り出したり、そのような過程がおそらく今よりあったと思います。ものづくりに強い日本が誕生したのは、きっとこの創造性が他の国よりも強かったからでしょう。教育の現場で働いていて、本当にそう思います。教育一つで創造性がこんなにも違うのかと。

ザンビア(7)02

日本の初等教育、中等教育は素晴らしいです。生徒の思考を発達させるような授業がなされているように思います。高等教育は、教えなければいけない内容が一気に増えます。なので、一方的な授業がなされている現状も仕方がないです。しかし、最近センター試験が他の形に変わるという話を聞きました。私はこの制度改革に賛成です。一発受験、しかも記憶能力重視の試験では豊かな人間は育ちません。

今の一部の子供たちは、試験に合格すること、優秀な成績を修めることにばかり執着し、他にも大切なことがあるということをあまり知らずに過ごしているように思います。私自身がそうでした。確かに学業で優秀な成績を修めることは素晴らしいです。なかなかできることではありません。でも、人間の将来は1つではないし、ひとそれぞれ色んな生き方がある。自分の道を歩む上で一番大切なことは、その道を選択する時に、自分自身でとことん悩んで、もがいたかということ。何も考えずにその道を歩むことが一番自分らしくないし、後悔することもあるでしょう。日本のみなさんには、もっともっと世界で活躍して欲しいと思います!!ダラダラと長く綴ってしまいましたが、世界は広いし、可能性はいっぱいです!!みなさんも、夢にむかって頑張ってください^^

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坂城町長 山村ひろし

平櫛田中展と橋本堅太郎先生

現在、坂城町鉄の展示館では、「人間国宝宮入行平生誕100年記念 行平人生の師 近代日本の彫刻の巨匠 平櫛田中展」を開催しています。(6月16日まで)

同展示会の記念講演会として、昨日(6月8日)、日本の彫刻界最高峰の木彫家であられる橋本堅太郎先生をお招きして講演会を開催いたしました。

私が以前、杉並師範館の塾長をしていた際に長きにわたり若い塾生に木彫の話、芸術の話、とりわけ芸大時代に薫陶を受けられた平櫛田中さんのお話をしていただきました。

あまりにも素晴らしいお話でしたので、今回、鉄の展示館で平櫛田中展を開催するに際して是非ともお話をしていただきたいことと、橋本先生の作品を御貸しいただけるよう昨年からお願いをしておりました。

今回、ようやく、橋本先生を坂城にお招きすることができ誠に感無量であります。

挨拶する山村、右奥に橋本堅太郎先生

今回お借りした木彫「希」

以下、坂城町ホームページより

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6月8日(土)橋本堅太郎先生講演会

橋本堅太郎講演会01

▲橋本堅太郎先生

  6月8日(土)、鉄の展示館で現在開催中の「平櫛田中展」を記念して、平櫛氏の教え子で、現代の日本彫刻界最高峰の彫刻家である橋本堅太郎先生の講演会が中心市街地コミュニティセンターで開催されました。

  橋本先生は、東京芸術大学在学中に平櫛氏に師事しておられ、卒業後は日展(日本美術展覧会)を中心に活動しながら、東京学芸大学の教授を務め後進の育成に尽力される一方、平成8年に日本芸術院賞を受賞し、同年日本芸術院会員となられました。その後、平成12年に日展理事長に就任し(現在は日展顧問)、平成23年に文化功労者となられるなど、文字通り日本の芸術文化活動の先端で活躍されています。

  また、橋本先生の技法は、正統的な木彫り技法で、仏像や宗教的雰囲気の人物像、若い女性群像などの優れた作品を多く制作されています。

  講演会では、「平櫛田中との芸大時代の思い出」と題し、東京芸術大学時代の橋本先生と平櫛氏との思い出を語っていただきました。橋本先生は、平櫛氏から様々な課題を与えられたこと、平櫛氏が橋本先生の作品を気に入って買ってくれたことなど、平櫛氏と深く付き合ってこられた橋本先生ならではのエピソードをユーモアを交えて話され、聴講に集まった皆さんを楽しませていらっしゃいました。

橋本堅太郎講演会02

  また、平櫛田中展は6月16日(日)まで開催しています。日本が世界に誇る近代彫刻界の巨匠で、宮入刀匠が生涯の師と仰いだ「平櫛田中」が、魂を吹きこみ創りあげた至高の作品(木彫、彩色木彫、ブロンズ、墨跡など)に出会える、又とない貴重な展覧内容となっています。

  開催期間も残りわずかとなりました。この機会を逃さず、ぜひご覧になってください。

▼平櫛田中展

橋本堅太郎講演会

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坂城町長 山村ひろし

千曲倫理法人会と立川談慶さん

昨日(6月7日)、稲荷山の杏泉閣で千曲倫理法人会(会長:荒井英和さん)の10周年記念式典が開催され参加しました。

本会には千曲市長岡田昭雄さん、長野県議会議員荒井武志さんはじめ多くの方が出席され盛大に開催されました。

また、特別ゲストとして丸子出身の落語家、立川談慶さんが講演「私の180度変換した人生」ならびに落語「禁酒番屋」を話されました。

左から:山村、立川談慶さん、荒井英和会長

立川談慶さんとは今までお会いする機会がなく初めてお話を聞きましたが、まことにダイナミックな「立川流」の本流を継がれておられる方だと感じました。

立川談慶さんは昭和40年に生まれ、慶応義塾大学経済学部を卒業し、ワコールに入社した後に落語の門を目指されたというユニークな経歴を持たれた方です。(慶応出身落語家の第一号)

千曲倫理法人会は千曲市、坂城町をベースにした経営者を中心とした団体です。

荒井会長を中心として精力的に活動されています。 (坂城地区の会員が誠に少ないのは残念)

今後の千曲倫理法人会と立川談慶のご活躍をお祈りします。

10周年記念の手拭

坂城町長 山村ひろし

早起き野球

5月11日から始まった「坂城町早起き野球連盟春季リーグ」も第5週を迎え熱戦が繰り広げられています。

本日(6月7日)、「坂城町役場チーム」と「横町クラブ」の試合が朝6時半から行われました。

結果は坂城町役場チームが 3対2 で接戦を制しました。

勝利後引き上げる坂城町役場チーム

これで役場チームは2勝2敗となりました。

今日の坂城町役場チームは攻守にまとまりがありました。

今年入った新人の好プレイ、早起き野球連盟唯一の女性プレーヤーの活躍、先発ピッチャー、リリーフピッチャーの好連携など随所に素晴らしい場面を見せてもらいました。

今後の活躍に期待します。

坂城町長 山村ひろし

松井民雄 画伯から絵の寄贈

本日(6月4日)、上田市在住の画家、松井民雄さんから坂城町を描いた大作の油絵を寄贈いただきました。(100号の作品です)

松井民雄画伯の油彩画「丹波の秋」のポスターがフランス北部にオープンしたルーブル美術館分館に収蔵されるなど国際的にも著名な画伯が描かれた大作を坂城町にいただくのは大変な光栄です。

早速、役場3階講堂横のスペースに展示させていただきました。

題は「山河浅春」で、千曲川を中央に配し、上田側からみた坂城町の全貌が描かれています。

実に清々しい浅春の様子が鮮烈に描かれています。

松井先生をご紹介いただいた方々と、                                                        

左から:大橋良人さん、宮下忠朝さん、瀧澤巌さん、松井民雄先生、山村

絵画寄贈の目録を頂く

ありがとうございました。

坂城町長 山村ひろし                   

平成25年 第2回坂城町議会定例会 招集あいさつ

 本日(6月3日)、平成25年第2回坂城町議会定例会が開催されました。
 以下、招集に際しての挨拶文を掲載します。
                  
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平成25年 第2回坂城町議会定例会 招集あいさつ
                      
 本日ここに、平成25年 第2回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から御礼申し上げます。
さて、去る5月8日、公益財団法人さかきテクノセンターの主催による「平成25年度第1回坂城経営フォーラム」が開催されました。
 講師には、中国経済分析や日米中関係の研究において日本の第一人者であるキャノングローバル戦略研究所の瀬口研究主幹をお迎えし、「新たな側面を迎えた日中の経済関係について」というテーマで、今まさに刻々と変化する中国経済の現状と先行きについて、あまり報道されないホットな話をたくさんお話いただきました。
 中国の経済動向とGDPの変動や、国別の対中投資の伸びにおいて日本が先進諸国のトップであり、中国と共に発展していく今後の日本の対応についてお示しをいただきました。
 また、日本企業の中国ビジネスにおける明暗の二極化について分り易く解説され、今後の新規参入の厳しさと技術力のある中堅・中小企業の可能性に言及されました。「これからは東アジアの時代が始まる。中国の発展は日本の発展、日本の発展は中国の発展になる」と締めくくられました。なお、出席した経営者からは意欲的な質疑が寄せられるなど、大変実りが多いセミナーであったと思います。
 
安倍政権が誕生して、5ヶ月が過ぎました。安倍政権が喫緊の課題として位置付けた、デフレ不況脱却に向けた経済対策いわゆる、アベノミクスによる「金融政策」「財政政策」に加えて「成長戦略」が打ち出され、いよいよ「3本の矢」が動き出しました。
特に、3本目の矢である成長戦略では、第1弾として、就労制度の見直しを含めた人材の育成、また、第2弾として、低迷している設備投資の拡大に向け、減税や規制緩和を大幅に拡充することとしております。「アベノミクス」の経済対策により日本が強い経済を取り戻し、持続的な成長をすること強く期待いたします。
さて、世界経済におきましては、アメリカ商務省が発表いたしました1月から3月期のアメリカのGDPは、低迷した昨年10月から12月期より大幅に拡大いたしました。好調な株式市場に支えられ、個人消費も高い伸びを示しております。
 また、4月の雇用統計では失業率が3ヶ月連続で改善しており、アメリカの景気が穏やかに回復するとの期待が高まっております。
 しかし、今年3月に発動した歳出の強制削減の影響で、4月から6月期は公的部門が一段と縮小する見通しで、消費や投資にも波及してアメリカ経済活動の全般に影響するとみられ、今後の成長率は再び低迷する恐れがあります。今後のアメリカ経済の動向には、引き続き注視する必要があると考えます。
 欧州につきましては、経済危機の渦中にあるスペインやイタリアでは、昨年夏までと比べ落着きを取り戻したとはいえ、欧州中央銀行は「ユーロ圏は、景気の下振れリスクが引き続き大きく、需要はさらに弱まる恐れがある」との見方をしております。
 また、欧州連合(EU)統計局が先月15日に発表いたしましたユーロ圏17カ国の今年1月から3月期のGDPは、2011年10月から12月期以来、6四半期連続のマイナス成長で、単一通貨ユーロ導入後最長となりました。ユーロ圏の長期低迷が世界経済の回復の足を引っ張ることが懸念されます。
一方、アジア地域は新興国を中心に、堅調な個人消費やインフラ向けの大型投資などを背景に高い経済成長を続けております。
 国内の状況につきましては、内閣府による5月の「月例経済報告」によりますと、「景気は、穏やかに持ち直している。」とし「先行きについては、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き等にも注意が必要である。」としております。
また、日本銀行松本支店の5月発表の「長野県の金融経済動向」によりますと、総論で「長野県経済は、下げ止まりに向けた動きが広がっている。」とし、「最終需要の動向をみると、                  
    公共投資は低水準ながら、下げ止まっている。
    住宅投資は持ち直している。
    設備投資は堅調に推移している。
    個人消費は底堅く推移している。
    輸出は下げ止まりに向けた動きが広がっている。                          
以上のような最終需要のもとで、生産は下げ止まりに向けた動き
が広がっている。このほか、雇用・所得では、改善の動きに停滞感がみられる。」としております。
この4月に実施いたしました町内企業の経済動向の調査結果では、生産量は、3カ月前と比較して増加と回答した企業は4社と前回調査と同数で、減少と回答した企業は9社から4社に減っております。先行きについては変わらないと見込む企業が全体の2/3で、減少すると見込んでいる企業はなく、既存取引先からの受注回復や新規取引先の開拓などによる増加を見込んでいる事業所や海外の景気回復や円安などの経済要因による増加を見込む事業所が増えている傾向にあります。
売上げにおいても、3か月前と比較して増加と回答した企業が
1社増え、減少と回答した企業は9社から3社に減っております。先行きについても減少すると見込む企業はなく、生産量と同様の理由により売り上げの増加を見込む事業所が増えております。
雇用では、増加した事業所が減少した事業所を上回り、来春の雇用については、多くの事業所が減員分の補充及び増員を予定しており、改善の動きが見られます。
それでは、平成25年度の主な事業の状況について申し上げます。
今年度「モノづくり」から「コトづくり」への展開を支援することを目的に意欲ある中小企業者等が実施する地域課題にチャレンジするための新製品開発に要する経費の一部を助成する「坂城町コトづくりイノベージョン補助金」事業に取り組んでおります。4月16日から募集を開始し、先月31日に応募受付を終了いたしました。申請は4件あり今月中に審査会を行い、交付決定を行う予定であります。
 この事業が契機となり、町内企業の様々な技術や知識を活かした、新たな価値創造、新製品開発や企業間の異業種交流が進むことを期待しております。
坂城スマートタウン構想事業につきましては、一つ目として、「スマート工業団地」の構築を目的として、テクノさかき工業団地内企業・信州大学・町が連携し、企業における電気の見える化に取り組んでおります。
今年度は、製造ライン毎の工程の流れや生産計画の把握を行う中で、生産能力を落とさずに電力コストを削減していくことを目指し、将来的には一括受電や会社間融通を含めた、電気の効率的利用法を検討してまいります。
二つ目に、今年度、県のグリーンニューディール基金事業の採択を受け、役場庁舎に木質バイオマスボイラーを設置いたします。
バイオマスエネルギーは、太陽光利用と並び有望な再生可能エネルギーであると位置づけられており、役場全体のCO2排出量の削減も期待されるうえ、エネルギー利用の多様化や地域の未利用資源の有効活用という観点において非常に有益であると考えております。
県より補助金の内示をいただきましたので、設置工事に関する補正予算案を今議会に上程いたしました。できるだけ早い時期に設置できるよう進めてまいりたいと考えております。
今年で8回目を迎えます「ばら祭り」が、「薔薇人の会」を中心とする実行委員会の皆さんにより、この1日から16日までの16日間の日程で開催されております。
今年は、恒例となりました坂城小学校5年生の皆さんによる勇壮かつ元気いっぱいな和太鼓の演奏、愛好者の皆さんによるハーモニカ・オカリナの演奏、坂城高校と屋代南高校合同吹奏楽の演奏が次々と披露され、ばら祭りを盛り上げていただきました。
4月の雪や霜の影響で若干開花が遅くはなりましたが、今年も多くの皆さんにお越しいただけるものと期待しております。
169系車両の坂城駅での静態保存につきましては、先月25日に搬入・設置が行なわれ、合わせて記念イベントを開催いたしました。当日は、多くの町民の皆さん、鉄道ファンの方々にご来場いただき、また、「上五明長持ち会」「北日名神楽保存会」による神楽等の披露、しな鉄グッズ等の販売なども行い、大変盛況なイベントとなりました。
今後の車両の利活用につきましては、利活用検討委員会において検討を重ねつつ、ファンクラブの設立や活用方法についての提案等を広く募集し、169系車両の利活用と坂城駅前及び中心市街地の活性化に繋げてまいりたいと考えております。
新しい南条小学校の建設に向けましては、学校建設に実績のある設計業者7社を選定し、5月8日に現場説明会、今週6日には、プロポーザルヒアリング、審査会を開催し、企画・提案能力のある、最も適した設計業務委託者を決定する予定となっております。
今年度、基本設計と実施設計を行い、平成26年度と27年度に建設工事を行う計画で進めてまいりたいと考えております。
就学相談委員会につきましては、今年度から新たに町に教育コーディネーターを配置し、運営を開始したところであります。
1回目の就学相談委員会を先月23日に開催し、今年度の事業計画、就学相談体制の確認などを行いました。町単独での配置により就学相談をスムーズに行うとともに、子ども達の就学についてきめ細やかに支援をしてまいります。
町の伝統文化の継承の取組みとして、町内11の神楽について映像としての記録・保存を行う事業を進めております。この春祭りに合わせて6団体の収録を行いました。残る5団体につきましては、秋祭りなどに合わせ収録を行う予定であります。各地区の神楽の奉納の様子を映像記録として保存し、伝統文化のもつ豊かな心を未来に伝えてまいりたいと考えております。
町文化協会では、本年度設立30周年を迎えます。
先般、町文化協会の中嶋会長さんから、これまでの様々な文化・芸術活動の集大成として、誰もがいつでも気軽に口ずさめる「町民の歌」「さかきの歌」の制作に取り組みたいとの大変ありがたいお話をいただきました。
町もこの事業に協力し、町民の皆さんに愛され、様々な催しにおいて歌われる歌ができることを期待しております。
「松くい虫」の防除につきましては、総合的な松くい虫防除対策の一環として、昨年度、空中散布を再開いたしました。今年度も「松くい虫防除対策会議」を開催し、空中散布を決定いたしました。
今月18日に自在山風致地区及び葛尾山風致地区の2か所25haの空中散布を予定しております。散布に際しましては、長野県防除実施基準に基づき、安全性に十分考慮して実施してまいりますので、町民の皆さんのご理解をお願いいたします。
 なお、今後は、松くい虫の被害が甚大な地区において、被害木を伐倒した箇所にアカマツを植樹するなど、松くい虫に逆襲すべく、新たな取り組みにも挑戦してまいりたいと考えております。
買物弱者対策といたしましては、平成24年5月から休止をしておりました、「セブンイレブンあんしんお届け便」が再開されることになり、先週から巡回をする区の区長さんと調整を行っております。
準備が整い次第、運行を開始するとお聞きしております。現在運行中の「イトーヨーカドーあんしんお届け便」とあわせ、今後も高齢等により買物に困っている方の支援策として応援してまいりたいと考えております。
鉄の展示館で4月26日から6月16日まで開催しております、人間国宝宮入行平生誕100周年記念 近代日本彫刻の巨匠「平櫛田中展」につきましては、町内外から大勢の皆さんにご来場をいただいております。
 今週8日土曜日には、平櫛田中さんと深いつながりがありました、文化功労者の橋本堅太郎さんによる「平櫛田中と芸大時代の思い出」と題して、記念講演会を計画しております。大勢の皆さんのお越しをお待ちしております。
 次に、福祉施策について申しあげます。
町では、医療費増加の大きな要因になっております生活習慣病の予防・改善を図るため、国民健康保険の特定健康診査について受診率の向上に取り組んでおります。
今年度におきましても、受診率65%を目標に、様々な機会を通じて受診率の向上に取り組んでまいります。その一環として、循環バスや公用車のボティーにステッカーを貼るなど、PRにも努めております。
 医療費の増加が大きく影響する国民健康保険税でありますが、昨年度の一般被保険者の医療費は前年度比およそ1%増加し、約102500万円の見込みであります。
 今後も医療費の増加が見込まれる中、国民健康保険事業の運営は非常に厳しい状況が続くことが予想されますが、先月31日に開催されました「国民健康保険運営協議会」におきまして、今年度の税率を据え置くこととさせていただきました。
 引き続き、特定健康診査など疾病予防に力を入れながら、医療費の抑制、国保事業の健全な運営に努めてまいりたいと考えております。
在宅で生活する寝たきりの高齢者や重度障害者等で外出が困難な方への理容、美容サービスとして、自宅までの出張料金相当額を支援する「訪問理美容サービス事業」を今年度からスタートいたします。9店の理容店、8店の美容室に指定事業所として登録いただき、現在、サービスの利用を希望する方の受け付けをしております。
準備が整い次第サービスを開始いたします。
地域包括支援センター業務につきましては、介護保険に係る申請窓口と相談窓口の一本化を図るため、地域包括支援センター機能を役場庁舎の福祉健康課内に移転し、本日より業務を行っております。
広報6月号でもお知らせをいたしましたが、関係機関をはじめ利用者の皆さんへ周知を図るとともに、更なるサービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
5期坂城町介護保険事業計画では、「地域密着型介護老人福祉施設」定員201か所を平成26年度に整備することとしております。この計画に基づき、町内の社会福祉法人が平成264月オープンを目指す、施設の建設並びに開設準備にかかる経費の予算案を、本議会にお願いするところであります。
この施設は、町内にお住まいの方が入所できる介護老人福祉施設であり、今後、益々増加していく要介護者を地域で支えていく、地域密着型サービスの充実に繋がるものと期待しております。
坂城更埴バイパス坂城町区間(3.8~)につきましては、4月12日の区長会において、国土交通省関東地方整備局長野国道事務所より、事業の必要性や整備の効果等、事業の状況について説明をいただきました。6月中には地元区長さんへの説明会、来月を目途に地元区民の皆さんへの説明会を実施するとともに、地元対策協議会の設立に向け、長野国道事務所と地元との調整を進めてまいります。
 住宅リフォーム補助制度につきましては、先月9日から募集を行い、5月31日現在、22件の申込みがあり、補助金申請金額は約200万円となっております。
この補助事業により、町内小規模事業者の受注の拡大及び町内の経済の活性化に繋がるものと考えております。
 公共下水道事業につきましては、町内の概ね7割の整備が完了し、現在、上平及び入横尾地区を中心に整備を行っております。
 これらの地区は来年度には概ね整備が完了いたしますので、引き続き、整備区域の拡大のため、金井・新地・鼠地区の認可の追加作業を行っております。
なお、追加区域の認可申請に伴い、「坂城都市計画下水道事業の事業計画」の変更を行うための「坂城町都市計画審議会」の開催を来月に予定しております。
家庭系可燃ごみの減量化につきましては、町民の皆さんのご協力をいただき感謝申し上げます。
平成22年度のごみ処理の有料化導入の効果もあり、減少した可燃ごみもこのところ増加傾向となり、平成24年度のごみの排出量は前年比で約8トン、0.3%の増加となりました。
 そこで今年度は、ごみの減量化を進めていくため、町内27区を対象に説明会を開催いたします。
 また、事業系のごみにつきましても、排出量の多い事業所には担当者が直接訪問し、ごみの分別、リサイクルの徹底をお願いしてまいります。
ごみの減量化により、ごみ処理経費の削減、葛尾組合焼却施設の延命化を図ることはもとより、循環型社会の形成、二酸化炭素削減による地球温暖化の防止など、環境保護にも繋げてまいりたいと考えております。
各区や公民館、各種団体等の催しものの際に貸し出しをするAEDを、この4月に総務課に設置いたしました。
 貸し出しは無料ですので、各区、各公民館等でご利用いただきたいと思います。
以上、25年度の主な事業の状況について申し上げました。
今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が1件、人事案件が1件、条例の制定が1件、一般会計補正予算の計4件でございます。よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申しあげまして、招集のごあいさつとさせていただきます。
                  
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坂城町長 山村ひろし

坂城の100人 第15回目は 沓掛なか子です

 先日、江戸末期にその名を知られた俳人、藤沢雨虹を二回にわたってご紹介しました。
               
                    
                       
 今回は同時期に、歌人として、学者として活躍した沓掛なか子さんです。
                                             
 沓掛なか(仲子)
 1749(延享6)年~1829(文政12)年
                     
 沓掛なか子は、江戸時代の中頃に、坂城町で和歌や国学を先駆けて研究した人物です。 以前ご紹介した藤沢雨虹さんより20歳くらい先輩にあたります。
                      
 なか子は、更科郡今里村(長野市川中島)の内村家に生まれ、小さいころから国文の教養が深かった祖母の影響を受けて育ちました。
 この教養人であった祖母の影響により5歳のころには「百人一首」を暗唱できるくらいになっていたそうです。
                       
 16歳で小県郡塩尻村(上田市)の沓掛家に嫁ぎますが、後に夫、道秀の母の実家のあった坂木横町に移り住みます。(なんと、道秀の母の実家とは以前ご紹介した稲玉徳兵衛さんの家です)
 夫の道秀を助け酒屋(山根屋)を経営し、また質屋も営みました。
 天明3年(1783)の凶作の時には、多くの人々の手助けをしたそうです。
 道秀の死後、四男ニ女の子供を抱えながら長男の道寛を励まし、家業を盛り立てました。。
 有名な逸話として、道秀の法要の時、白衣を着て真っ先に上座に座ったので、親戚の者がその訳を聞いたところ、仲子は「妻は自分である。主賓は亡き夫なのだから、自分がそのとなりにすわるのに何の遠慮がいるだろうか。」と答え、そこにいた人たちはみなその考え方に感心したという。
                  
 なか子は生涯作家として努力し、わが国の古典を研究し、歌集・歌論・子女教育論など多くの著書を残しました。
                       
                
「千曲川 ちゞにくだ くる 波のうへに うつらふ月の 影の すゞしさ」
(田町 十王堂前にある碑)
                
                   
 沓掛なか子の研究には多くの方が取り組まれていますが、もう少し体系的に取り上げられるべき第一級の人物であると思います。
                   
                  
                
前田淑著 左:近世地方女流文芸拾遺
       右:江戸時代女流文芸史【旅日記編】
                   
 「近世地方女流文芸拾遺」では沓掛なか子の「朧夜物語」を詳しく紹介しています。
 この本は、なか子が77歳(1825年)の時に、和歌に対する意見を物語の形で書き上げたもので当時の坂木の一商家の主婦が記述したことに驚きと敬意を感じます。
                          
 
「朧夜物語」(原本)の表紙
                          
 また、「江戸時代女流文芸史【旅日記編】」では、なか子が三男の淵魚をつれて「秩父34番観世音巡礼」へ出発し、さらには江戸・江ノ島・鎌倉・日光にもあしを伸ばした大旅行記を紹介しています。(「東路の日」)  
                 
 「東路の日記」については、もろさわようこ が「信濃のおんな」でまた、永井路子が「旅する女人」と「歴史をさわがせた女たち」(庶民編)で紹介しています。
                         
                      
                  
「東路の日記」表紙と1頁目
                    
 
なか子は81歳で亡くなりますが、80歳の年に以下の和歌を残しています。
    
                       
                
「米よりは男ざかりぞ 我が庭の 梅も桜も我が物にして」
                  
                                    
 死の前年でも気力充実していたようですね。
           
 先日の藤沢雨虹を始め沓掛なか子などなど坂木の女性陣は素晴らしい。
 さらに、いろいろ調べたいと思っています。
               
 *上記のうち、原本の写真は前副町長の柳澤哲さん、鉄の展示館宮下学芸員が数年前に資料調査の際に撮影されたものを拝借しました。
                    
          
 坂城町長 山村ひろし

坂城町 「第8回ばら祭り」 開催

本日(6月1日)、「第8回ばら祭り」が開催されました。

梅雨に入り天候が心配されましたが素晴らしい快晴のもと開会式が行われました。

左奥:挨拶する山村

ご来賓には、国土交通省千曲川河川事務所副所長の大井孝輝さん、長野交通事務所柳谷哲所長さん、信州大学名誉教授中村浩志さん、しなの鉄道藤井武晴社長さん、坂城町議会議長柳澤澄さん、さらに長野県議会議員荒井武志さんもお出で下さいました。

今年は天候が不順で、ばらの生育具合がまことに心配でしたが、薔薇人(ばらーど)の会の皆さんの献身的なご努力でまことに見事な開会式を迎えるまでになりました。

ひたすら皆様方に感謝です。

詳細は以下の坂城町ホームページをご覧ください。

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6月1日(土)第8回ばら祭りスタート!

第8回ばら祭り01

  6月1日(土)、さかき千曲川バラ公園で、第8回ばら祭りの開会式が行われました。

  ばら祭りは今日から16日(日)まで開催されます。期間中は、ばらの育て方相談、挿し木講習会、押し花・レカンフラワー体験会などが行われ、町のオリジナルローズ「さかきの輝(かがやき)」の鉢植えやばら苗木、町の特産品も販売されます。また、12日(水)には、バラのソムリエ小山内 健さんの講演会も行われますので、ぜひご来場ください。

  今日はオープニングアトラクションとして、開会式終了後に坂城小学校5年生による和太鼓演奏、勤労者総合福祉センターで活動されている方々によるオカリナとハーモニカの演奏、坂城高校と屋代南高校の吹奏楽部による合同演奏が行われ、開会に花を添えました。

第8回ばら祭り02

  イベント広場は、ばら苗木や町の特産品の販売コーナー、押し花体験会などで賑わい、町のマスコットキャラクター「ねずこん」と写真撮影をする方も大勢いらっしゃいました。

第8回ばら祭り03

  今年は4月から気温が低い日が多く、ばらの生育も少し遅れていましたが、今日の開会に合わせてだいぶ咲いてくれました。ですが、満開のバラ公園は彩りも香りも格別です。これからどんどん咲いていきますので、ぜひバラ公園にお越しください!

第8回ばら祭り開会式04

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坂城町長 山村ひろし

道州制の議論

先日(5月28日)、長野県町村会の臨時総会があり出席しました。(会長:藤原忠彦 川上村村長)

臨時議会終了後、早稲田大学政治経済学術院教授の小原隆治氏による 「道州制とこれからの町村の行方」 というテーマで講演がありました。 

本件についての私の意見を述べさせていただきます。

講演される小原教授

「道州制」については、国民的議論がほんどされぬまま 「道州制基本法案」 が今国会に提出されようとし、 「道州制」 を推進する立場からの議論が進んでいます。

「道州制」が出来上がった段階では、日本国は 「道州」 と 「基礎自治体」 というものに集約され、現在の都道府県ならびに市町村は無くなります。(但し、北海道はそのまま残ると思われます)

これにより、国の行政職員数約30万人(うち出先20万人)の10万人が削減され大幅な人員削減が可能としているそうですが、私は国の形をどうするのかという根本的な議論が欠落しているように思います。

平成の大合併の総括も行われぬままに、机上の論理のみが進められている点に大きな危惧を感じます。

「平成の大合併」をくりぬけ独立を守ってきた坂城町など多くの町村が無くなり 「基礎自治体」 というものへの集約が進められることになります。

長野県町村会はこの「道州制基本法案」には断固反対の立場をとっていますが、私も同意見であります。

今後とも同法案の行方に注目していきたいと思っております。

坂城町長 山村ひろし