竹内希さんの「ザンビアだより」(第7回)

 平成24年6月末に、坂城町南条出身の竹内希さんが、青年海外協力隊としてアフリカ南部に位置するザンビア共和国へ派遣され約1年が経過しました。

元気に活躍されておられるようです。

以下、坂城町ホームページにも掲載されていますが、「ザンビアだより」をご覧ください。

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ザンビアだより~ 平成25年6月 竹内希

ザンビアだより(7)01

自分の道

みなさん、お久しぶりです。日本は暑くなっている時期ですね。ザンビアは今、秋のような気候です。朝晩はとても冷えるので、長袖がないと寒いです。5月からは第2学期が始まり、毎日生徒と楽しい日々を送っています。最近は、私にも余裕が出て来たので、補講を始めました。理科、数学、生物、時には日本語を交えながら、なるべく生徒の要望に応えるようにしています。

最近ふと思ったこと。それは、日本も昔はザンビアのような生活を送っていたのかな?と。冷蔵庫も洗濯機もテレビも無かった時代、仕事の帰りに商店街でその日のための食材を買い、家に帰って火を熾し、夕飯を作り、お風呂のためのお湯を沸かす。余暇といえば、周りの人と会話を楽しむこと。私も今、同じような生活を送っています。

私は昭和の終わりに生まれ、ほとんど物が無かった時代の日本を知りません。よくテレビで「昔の日本は良かった。」「今の時代は物が溢れていて、何でもすぐに手に入るから良くない。」という言葉を聞きますが、なんのこっちゃ私にはしっくりきませんでした。ですが今、途上国の生活と先進国の生活を経験して、昔を知っている人達が何を言いたかったのか、なんだか少し分かったような気がしました。

物が無い分、人と分け合ったり、お互いに協力したり、また自分で試行錯誤をして欲しいものを創り出したり、そのような過程がおそらく今よりあったと思います。ものづくりに強い日本が誕生したのは、きっとこの創造性が他の国よりも強かったからでしょう。教育の現場で働いていて、本当にそう思います。教育一つで創造性がこんなにも違うのかと。

ザンビア(7)02

日本の初等教育、中等教育は素晴らしいです。生徒の思考を発達させるような授業がなされているように思います。高等教育は、教えなければいけない内容が一気に増えます。なので、一方的な授業がなされている現状も仕方がないです。しかし、最近センター試験が他の形に変わるという話を聞きました。私はこの制度改革に賛成です。一発受験、しかも記憶能力重視の試験では豊かな人間は育ちません。

今の一部の子供たちは、試験に合格すること、優秀な成績を修めることにばかり執着し、他にも大切なことがあるということをあまり知らずに過ごしているように思います。私自身がそうでした。確かに学業で優秀な成績を修めることは素晴らしいです。なかなかできることではありません。でも、人間の将来は1つではないし、ひとそれぞれ色んな生き方がある。自分の道を歩む上で一番大切なことは、その道を選択する時に、自分自身でとことん悩んで、もがいたかということ。何も考えずにその道を歩むことが一番自分らしくないし、後悔することもあるでしょう。日本のみなさんには、もっともっと世界で活躍して欲しいと思います!!ダラダラと長く綴ってしまいましたが、世界は広いし、可能性はいっぱいです!!みなさんも、夢にむかって頑張ってください^^

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坂城町長 山村ひろし

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