老子の続き(第69章)

この章も老子の兵法の続きになりますが、すごいところは 「先攻するものが勝つのではなく、襄(ゆずる)者が勝つ」 という徹底した哲学ですね。

                                    

 用兵有言、吾不敢爲主而爲客、不敢進寸而退尺。 是謂行無行、攘無臂、扔無敵、執無兵。 禍莫大於輕敵。 輕敵幾喪吾寳。 故抗兵相加、襄者勝矣。

                             

 兵を用うるもの言へる有り。 吾(わ)れ敢えて主(しゅ)と爲(な)らずして客(きゃく)と爲り、敢えて寸(すん)を進まずして尺(しゃく)を退く。 是(こ)れを行くに行くところ無く、攘(はら)ふに臂(ひぢ)無く、扔(つ)くに敵無く、執(と)るに兵無くしと謂(い)ふ。 禍(わざわひ)は敵を輕んずるより大なるは莫(な)し。 敵を輕んずれば幾(ほと)んど吾が寳を喪(うしな)はん。 故に抗兵(かうへい)相い加(くは)ふるときは、襄(ゆず)る者勝つ。

                        

 用兵について次のように言われていることがあります。 みずから決して攻撃を仕掛けてはならない。 むしろ応戦者の立場をとるべきですと。 あえて、一寸を進むのではなく一尺を退くのです。 このようにしていれば向かうところに敵がいるわけではなく、袖を振り上げても肘を払うこともなく、しかける相手もなく、武器をとることもありません。 敵のことを考えず仕掛けることは大変危険なことです。 敵を軽んじて戦をすれば自ら大切なのものを失ってしまいます。 従って、敵と相まみえるときは敵のことを十分に考え謙虚に行動するものが最終的には勝利を治めることが出来るのです。

                      

 孫子の兵法の原点ですね。日常の生活、ビジネス、政治においても大いに参考にしたいものです。

                          

 坂城町長 山村ひろし

羽田国土交通省大臣来訪

先週18日に予定されていた羽田国土交通大臣の国道18号バイパス関連視察が今日(9月24日)行われました。

尖閣諸島をめぐる状況はますます厳しい状況になっておりますが、限られた時間を調整いただき羽田大臣に視察にお出でいただきました。

現職の大臣が国道バイパスの視察に来られたのは初めてのことだと思います。

力強い推進をお願いいたしました。

以下、坂城町のホームページへの記載をご覧ください。

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9月24日(月)羽田国土交通大臣坂城町を視察

羽田大臣視察01

  9月24日(月)、羽田国土交通大臣が、坂城更埴バイパスの現地視察に訪れました。

  坂城更埴バイパスは、村上地区を通る約3.8kmのバイパスで、昨年事業化されました。羽田大臣は、国土交通省関東地方整備局の方の事業説明を受け、山村町長らとともに現地を視察されました。

羽田大臣視察02

羽田大臣視察03

国道18号線バイパスの確実な推進と坂城インター先線とバイパスの接続などもあわせて要望を行いました。

坂城町長 山村ひろし         

小松美羽さんの美術授業

本日(9月24日)、坂城中学校で同校出身の画家で 「坂城町特命大使」 の小松美羽さんの美術の授業が行われました。

小松美和さんの自作の作品3点を用いて絵画についての説明

午前、午後の2時限と給食をはさんで授業が行われました。

美術担当の柳町先生の指導もあわせ、坂城中学校の生徒たちは地元の生んだ有名な画家小松美羽先輩の授業に熱心に取り組んでおりました。

坂城町長 山村ひろし

今日は保育園、幼稚園の運動会

本日(9月22日)は坂城町の3保育園(坂城保育園、南条保育園、村上保育園)と坂城幼稚園で一斉に運動会が開催されました。

私はこの中で、南条保育園の運動会に参加しました。

 挨拶する山村と選手宣誓をする園児たち

整然とお座りをしている園児たち 153名

保護者の皆さんによりテントが張られました

 

園児達よりも多い観客の皆さん

南条保育園運動会01

かけっこ 「ゴールめざして」 年少・年中・年長組

年長リズム 「宙船(そらふね)」 年長組

つなひき 「力くらべ」 年中・年長組

好天のもと、午前8時半から12時過ぎまで、南条保育園の園児たちは力いっぱい「わんぱくオリンピック」を楽しみました。

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第68章)

これからしばらく、老子の「戦争論」がいくつか続きますが、人間としての生き方についても大いに参考になりますね。

 善爲士者不武。 善戰者不怒。 善勝戰者不爭。 善用人者爲下。 是謂不爭之徳、是謂用人之力、是謂配天。 古之極。

                          

 善く士たる者は武(たけだけ)しからず。 善く戰う者は怒らず。 善く戰に勝つ者は爭はず。 善く人を用ふる者は下ることを爲す。 是を不爭の徳と謂(い)ひ、是を人を用ふるの力と謂い、是を天に配(はい)すと謂ふ。 古えの極(きょく)なり。           

すぐれた武士は決して猛々しくありません。 すぐれた戦士は怒るということはありません。 戦い方のうまい人は決して正面切って争うことはしません。 人使いのうまい人は謙虚に振る舞います。 これらを不争の徳と言い、あるいは人使い力とでも言い、あるいは天の合理に合うとも言います。 これらは昔からの道の極致なのです。
                             
            
「不争の徳」 という言葉も重要ですし、実力者であればあるほど謙虚であるということも言えますね。
                            
                        
坂城町長 山村ひろし
                                         

第1回トポス会議

本日(9月21日)、一橋大学の野中郁次郎名誉教授からお招きがあり、六本木ヒルズで開催された第1回トポス会議に出席しました。

トポスとはギリシャ語で「場」と言うことなのですが、いわば「知的対話の場」であります。

本会議は、近年、全く発言力を失った日本の中で、世界的な「知」のリーダーを招き未来に向けた大きなメッセージを発信しようと、野中さんを創始者として結成された W3i(ワールド・ワイズ・ウェブ・イニシャティブ)が主催して開催されたものです。(後援: 富士通総研、(社)人工知能学会)

今回を第1回として今後10回に分けて種々のテーマで討議が続けられます。

http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/events/topos01.pdf

今回は第1回目として「人間の知性とコンピュータ科学の未来–2040年、コンピュータは人間を超えてしまうのか–」 と言うテーマで人工知能と人間の知性について活発な議論がなされました。 スピーカーは以下の通りです。

特別講演

「われ敗れたり、されど」

米長邦雄 日本将棋連盟会長

今年1月に富士通研究所の開発したコンピュータと対戦し敗北 「われ敗れたり、されど」 を語る、米長邦雄日本将棋連盟会長

基調講演1

「シンギュラリティーの挑戦」

ニール・ジェイコブスティン氏(シンギュラリティ大学人工知能・ロボット工学部門共同議長、前総長)

(「シンギュラリティー」とはコンピューターの知能が人間を超える現象、またはその瞬間を意味する言葉)

基調講演2

「知性について問い直す」

エリザベス・チャーチル氏(ヤフーリサーチ プリンシパル・リサーチ・サイエンティスト)

パネル・ディスカッション: 

ウィリアム・ダットン氏(オックスフォード大学インターネット研究所教授)

前野隆司氏(慶應義塾大学大学院教授)

飯田弘之氏(北陸先端科学技術大学院大学教授)

ニール・ジェイコブスティン氏(シングラリティ大学人工知能・ロボット工学部門共同議長、前総長)

エリザベス・チャーチル氏(ヤフーリサーチ プリンシパル・リサーチ・サイエンティスト)

紺野登氏(多摩大学教授)、その他

左から:武部恭枝氏、紺野登氏、エリザベス・チャーチル氏、ニール・ジェイコブスティン氏、飯田弘之氏、前野隆司氏、ウィリアム・ダットン氏

総括

「東洋の知と西洋の知が生み出す弁証法的ダイナミズム」

野中郁次郎一橋大学名誉教授

野中郁次郎氏

本日の講演内容は誠に素晴らしいものでした。

これだけの世界一流の人々が一堂に会し、人類の未来に関して討議できる 「トポス:場」 作りをされた野中先生に心から敬意を表したいと思います。

参加された方々とも種々お話をしましたが、日本医療政策機構理事長で東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員長だった黒川清さんや元花王会長の常盤文克さんなど多彩な参加者がおられました。

坂城町では11月15日にこの野中郁次郎先生をお招きして坂城テクノセンターで 「モノづくりからコトづくりへ ~ イノベーションの知恵」 というテーマで経営セミナーを開催します。 ご期待ください。

また、以前、私が本日の講演者の1人のウィリアム・ダットンさんの著作 "Information and Communication Technologies" (「情報通信テクノロジー情報ネットワーク社会の理想と現実」)の翻訳をしたこともあって、ダットンさんと懐かしい昔話をいたしました。

ウィリアム・ダットンさんと

以下が、その本です。 (1998年の出版 新品の在庫は無いようです)

坂城町長 山村ひろし

平成24年 第3回議会定例会 閉会ごあいさつ

本日(9月19日)、平成24年第3回議会定例会が閉会いたしました。
以下、閉会のご挨拶を掲載させていただきます。
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平成24年 第3回議会定例会 閉会あいさつ
 
平成24年第3回坂城町議会定例会の閉会にあたり、一言ごあいさつを申し上げます。
 9月3日に開会されました本定例会は、本日までの17日間の長きにわたりご審議をいただきました。提案いたしました、人事案件、条例の一部改正、平成23年度一般会計・特別会計決算の認定、24年度一般会計・特別会計補正予算、さらに、追加日程でお願いいたしました人事案件を含め、全ての議案に対して原案どおりご決定を賜り、誠にありがとうございました。
 
さて、尖閣諸島問題に端を発した中国との関係悪化の影響により、昨日予定をしておりました、羽田雄一郎国土交通大臣の佐久地方から長野市にかけての、国土交通省に係る主要事業の現地視察が延期となりました。
 当日は、羽田大臣を鼠橋交差点で宮島議長さん、柳沢副議長さん塚田地域交通網対策特別委員長さん、塩野入副委員長さんと私でお迎し、坂城更埴バイパス事業予算の確保のお願いを改めてお伝えする予定でした。今後、陳情などを通じて、引き続き町の願いをお伝えして参りたいと考えます。
 
また、10月1日から4日間、中国との教育交流の一環として、上海実験小学校児童13名と嘉定区教育局や復旦大学など関係者6名が当町を訪問し、中国の子供たちにホームステイや3小学校での交流を通じて、坂城町や日本の文化に親しんでもらう予定でしたが、残念ながらこちらにつきましても延期することになりました。
今後事態の収束を待ちまして、これまでに教育交流に参加した経験のある子供たち(現在、中学生、高校生)を含め、両国の子供たち同士が交流する機会を設けたいと考えます。子供たちが相互の理解を深める中で、お互いに国際人として成長することを期待するものであります。
 
 なお、町といたしましては、中国反日デモに伴う中国進出企業の状況について、それぞれの企業の被害状況、対応策などを調査いたしました。その中では、特に被害を受けられた企業はございませんが、一部操業停止をされた企業、あるいはできるだけ外出を控えるようにとの指示を出されている企業がございました。
今後とも、適宜、情報の収集ならびに提供を行なっていきたいと考えております。 
 
本議会でも質問をいただきました、豪雨対策でございますが、議会定例会中の9月11日正午頃、最大時間雨量33ミリの豪雨にみまわれました。
 役場北駐車場は水がつきましたが、前回、被災を受けた前田川沿線につきましては、水門の管理など適切な対応を行ったためもあり建物への浸水等はありませんでした。
 また、中之条地区の国道18号線沿いにつきましては、8月下旬に国道事務所が実施いたしました路面改良工事の効果もあり被害がありませんでした。
 今後も国道事務所、埴科土地改良区などの関係機関との連携、住民の皆さんのご協力により豪雨対策を行って参りたいと考えます。
なお、本議会で補正予算をお認めいただきました前田川改修工事につきましては、速やかに実施してまいります。
 
リニューアルオープンから2ヶ月のびんぐし湯さん館は、おかげさまで大好評をいただき、先月8月末の入館状況は、前年の同月対比でプラス1900人、8.4%増となっております。
また、これまで人気のあったものの、傷みの激しい樽風呂に変え、新しく「石風呂」を設置しました。利用された方の声を反映し、「石風呂」の周りにステップなどを設置し、利用者からは早速好評をいただいております。
さらに、10月からはこれまで月2日の休館日を月1日と改め、更なるサービス向上に努めて参ります。
 
昨年の福島第一原発の事故による放射能汚染による長野県内産農産物等の安全性を確認するため、県では収穫期を迎える米について、全市町村を対象に放射能測定検査を実施しております。
当町におきましても910日に検査を実施し、先週末には県から未検出との検査結果の報告がございましたので、直ちに町ホームページ、有線放送により町民の皆さんにお知らせをいたしました。
 
9月30日(日)に、文化センターグランドにおいて、スポーツを通じて健全な心身を養い、お互いの融和と親睦をはかり、住みよいコミュニティーづくりを進めるため「第52回町民運動会」が、開催されます。あわせて、町民一人ひとりが交通安全についての理解を深めてもらうため、「第34回交通安全町民大会」も開催されます。
 
また、あさって21日から30日までの10日間、「秋の全国交通安全運動」が、今年は「信濃路は ゆとりと笑顔と ゆずりあい」をスローガンに実施されます。期間中21日(あさって)には、町としての交通安全PR活動を、国道18号線田町交差点で行います。死亡事故ゼロ1000日を一つの目標とし、関係機関、団体と連携のもと運動を展開してまいります。
 
 10月27日(土)、28日(日)2日間にわたり、文化センターを会場に、「したしむ・つくる・ふれあう・ささえる」をテーマに「第41回坂城町文化祭」が開催されます。
 文化祭初日、27日の午後には、文化センターにおいてチェリストの海野幹雄氏他をお招きして室内楽のクラシックコンサートを開催する予定です。
あわせて、消費生活の安定と向上を図り、明るく豊かな生活を送るため、「第30回坂城町消費生活展」も開催されます。
 
秋のイベントとして、ねずみ大根まつりが11月17日(土)、18(日)の2日間、さかき地場産直売所「あいさい」をメイン会場として開催されます。
当日は、「おしぼりうどん」の振る舞い、毎年好評のねずみ大根収穫体験については、坂城インター線沿いの圃場で、レジ袋詰め放題1000円で行います。
また、10月13日(土)・14日(日)には、同じくさかき地場産直売所「あいさい」において、『きのこ祭り』も開催されます。
 
スポーツの秋、文化の秋、芸術の秋が本番を迎えます。町内3小学校の運動会が先日元気に実施されました。これからも、坂城中学校の「大峰祭」、町内3保育園、坂城幼稚園の運動会、町民運動会、町文化祭など数多くのイベントが目白押しです。
また、11月15日には、一橋大学名誉教授野中郁次郎先生による公開講座を計画しております。県の元気づくり支援金による坂城敬学会主催の事業でありますが、町においても中小企業能力開発学院の事業として位置付け、協力支援してまいります。
 野中先生は知的創造理論の第一人者であり、知識の共有が流通、経済、産業、地域おこしなど、あらゆる場面において活かされる実践知の考え方は、必ずや「まちづくり」に新たな視点をもたらしていただけるものと期待するところであります。
これから、いろいろなイベントが開催されます。大勢の町民の皆さんのご参加をお願いいたします。
 
議員各位におかれましても、お体に留意され、活躍されんことを祈念申し上げ、閉会のごあいさつといたします。
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坂城町長 山村ひろし

ワイン用巨峰初出荷

本日(9月15日)、坂城町ワインプロジェクトの一環として、坂城町の巨峰を初出荷しました。

坂城町でのワイナリー形成事業につきましては、導入品種の選定を行うために必要な試験圃場として四ツ屋区の上沖土地改良区受益地内に2箇所(約40アール)を確保し、看板の設置や、地権者と農業支援センターとの間で利用権設定の契約を締結したところです。
また、試験圃場の管理及び整備を行う担い手につきましては、申込の締め切り時点で3名の応募があり、来週、面接等の選考をおこない担い手を決定し、秋以降の苗木の定植に向け、圃場の整備を行っていく予定です。
                        
 一方、今年度、 坂城町振興公社では巨峰を原材料としたワインの委託醸造を予定し11月頃には巨峰ワインのヌーボーをお楽しみいただけるよう準備をしておりましたが、本日、製造委託をしているワイン醸造会社へ出荷いたしました。(1.5トン)
 また、本日出荷した巨峰を使い来年度にはスパークリングワインも作る予定です。
                         
 
                        
 
 積込み時には、搬送を引き受けていただいた坂城運輸の関戸社長さん(左から二人目)にもお越しいただいて、お見送りいただくなか、午前9時に坂城高校前のちくま農協果実流通センターを出発しました。
                                
                      
 11月には坂城初の「巨峰ヌーボー」をお楽しみいただけると思います。
 乞うご期待!
                                        
                      
 坂城町長 山村ひろし

運動会シーズン

今日(9月15日)は、坂城町の小学校の運動会です。 坂城小学校、南条小学校、村上小学校いずれも本日開催されました。

本日は午後少し雨が降りましたが、全般的に好天に恵まれました。

私は村上小学校の運動会に参加しました。

村上小学校は明治6年六郷学校として設立され、今年で138年目を迎えます。

運動会としては93回目を迎えています。

ご挨拶する山村

騎馬帽子とり!

村小運動会01

力を合わせて(綱引き)

先日、全国小学生陸上競技交流大会で優勝した田村純菜さんも5年生短距離走で出場 (楽々1位)

来週の土曜日には坂城町の保育園、幼稚園で運動会が開催されます。

子どもの伸び伸びとした元気な活動を見ると、物凄いエネルギーをいただく感じがしますね。

坂城町長 山村ひろし

老子の続き(第67章)

この章では老子の「三寳」(さんぽう 三つの宝)について述べています。

一般的には仏教での三宝(佛・法・僧)のことを言いますが、老子は「慈、儉、先とならず」の三つを言っています。

 天下皆謂我道大似不肖。 夫唯大故似不肖。 若肖、久矣其細。 夫我有三寳。  持而寳之。 一曰慈、二曰儉、三曰不敢爲天下先。 慈故能勇。 儉故能廣。 不敢爲天下先、故能成器長。 今舍慈且勇、舍儉且廣、舍後且先、死矣。 夫慈以戰則勝、以守則固。 天將救之、以慈衛之。

                           

 天下皆我が道を大にして不肖(ふしょう)に似たりと謂(い)ふ。 夫れ唯(ただ)大なるが故に不肖(ふしょう)に似たり。 若(も)し肖(に)なば、久しいかな其の細(さい)たること。 夫れ我れに三寳(さんぼう)有り。 持(じ)して之を寳とす。 一に曰(いわ)く慈(じ)、二に曰く儉(けん)、三に曰く敢えて天下の先(せん)と爲(な)らず。 慈なるが故に能(よ)く勇(ゆう)なり。 儉なる故に能(よ)く廣(くわう)なり。 敢えて天下の先と爲らず、故に能く器長(きちゃう)を成す。 今慈を舎(す)てて且(まさ)に勇ならんとし、儉を舎てて且に廣くあらんとし、後(おく)るるを舎てて且に先んぜんとすれば、死せん。 夫れ慈以(も)って戰えば則(すなわ)ち勝ち、以って守れば則ち固し。 天將(まさ)に之を救はんとす。 慈を以って之れを衛(まも)らん。

                            

 

天下の人々は皆、私(道のありかた)をでかいだけでろくでなしのようだと言います。 しかし大きく普通とは違っているからこそ大きな存在となれるのです。 もしこじんまりと普通の人物ならばいかにも小さな存在でしかありません。 私にはいつも大切にしている道としての三つの宝があります。 一つは慈、母性愛です。 二つ目は倹つまりつつましく控えめにすること、三つ目は天下の先頭に立とうとしないことです。 慈、つまり母の愛こそいざとなれば大変な勇気を発揮することがあります。 倹、つまりいつも控えめに倹約を心がけていれば広く分け与えることも出来ます。 また、あえて人民の先頭に立とうとしなければ、むしろ皆から推されて結局、指導者に推戴されることになるのです。 それを逆に、慈をすてて武勇で突き進もうとしたり、つつましやかにすることなく無理にあちこち手を出したり、後ろに控えるのを忘れ無理に先頭に立とうとするならば無理がたたり死にいたることになってしまいます。 慈愛の心をもって戦えば勝ち、これで守れば堅固な守りが出来ます。 天はまさにこのような人物を救うのです。 天は慈愛のこころをもって守ってくれるのです。
                                          
                         
                      
「不肖の息子」などと言いますね。 親と似ないどうしようもない息子の事を言いますが、ここでは、むしろ「不肖」の方が良い。 「不肖」くらいでないと人並みのちっぽけな人間になってしまうと言うのです。
なかなか厳しいですね。
                          
                        
坂城町長 山村ひろし