入会権解消と地上権設定
先日(6月16日)、上田市上室賀自治会(自治会長:白鳥 公さん)と坂城町上五明区(区長:山城賢一さん)のみなさんと一緒に「つけば料理」(つけば小屋での川魚料理)をいただきました。
上室賀の皆さんをご招待しての食事会です。
上五明の皆さんは明治以来、長い間、上室賀地区の特別に認められた地区で秣(まぐさ)や薪などの伐採を許されていました。
その御礼として、長い間、つけば料理で上室賀の皆さんをご接待する慣習がありました。
前回、私も参加させていただいた折に、このような行事はいったい、いつから始まっているのかとお尋ねしたのですが、なかなか契約書などを拝見する機会がありませんでした。
先日のつけば会の際に、上室賀自治会長の白鳥さんが契約書のコピーなどをお持ちいただき内容が判明しました。
大正10年11月の入会権解消と地上権設定の協定書
この協定書によると、明治以来種々の紛争のあった隣接地域での入会権問題について円満に解決を行い、長期にわたる地上権設定を認めたものです。
上五明地区との協定の一部を以下示します。(抜粋)
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1、地上権設定区域の立木、竹そのほかの森林副産物は総て上五明区の所得とする
1、地上権設定期間は永代とし50年毎に継続更新するものとする
1、上五明区は地上権の地代として毎年11月20日を期して室賀村に対し玄米3石5斗9舛を支払うものとす
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以上にあるように、上室賀と上五明の間で 「永代」(無期限)の契約が結ばれたのです。
地代としての「玄米3石5斗9舛」について、現在では年間12万円をお支払いしているとのことです。
近隣地区とのトラブルをこのような形で解消し、「永代」にわたるお付き合いをされておられる知恵を学びました。
なお、上室賀自治会では秋には上五明区の皆さんをご招待して「松茸料理」でのおもてなしをされておられます。
坂城町長 山村ひろし