このたび、第145回直木賞を受賞した池井戸潤氏の「下町ロケット」を読みました。一気に一晩で読了するほどすいすいと気持ちよく読めました。 今回は芥川賞は該当なしということで直木賞のみでしたが、最近の受賞作品の中で企業ものとしては大変質の高い、企業実態をよく経験したものでなければ書けない作品として高く評価したい。 私は、40年近く、「芥川賞」「直木賞」はすべて読んでいますが、最近の受賞作品のレベルの低下には毎回落胆していただけに久々に気持ちの良い読了感を得ました。
「下町ロケット」は東京、蒲田の中小企業経営者が昔の夢を捨てきれず、ロケットのキーデバイスであるエンジン・バルブの開発をし、大手企業相手に戦い、見事にそのエンジン・バルブを搭載したロケットの発射に成功するという物語です。
坂城には世界に二つとないキーデバイスを作られ、夢を追い続けておられる経営者の方々が多くおられます。 この小説を読み進むうちに、なにくそと頑張る主人公の姿と坂城の経営者の方々の姿が重なって見えました。
リーマンショック、大震災を乗り越えられ頑張っておられる坂城の企業経営者の皆様はもちろん、すべての日本人に勇気とチャレンジ精神を思い起こさせる作品です。 ぜひとも、ご一読を勧めます。
坂城町長 山村ひろし