平成24年 第1回坂城町議会定例会 招集あいさつ

 本日(31日)、平成24年第1回坂城町議会定例会が開催され招集のご挨拶を申し上げました。 公式にはいずれ、議会事務局から広報されますので、速報としてお読みください。 (いささか長文で恐縮です)
                                             
平成24年 第1回坂城町議会定例会 招集あいさつ  
坂城町長 山村弘
                          
 本日ここに、平成24年 第1回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては全員のご出席を賜りまして、開会できますことを心から御礼申し上げます。
 さて、昨年3月11日の東日本大震災、長野県北部大地震からまもなく1年が経過いたします。
 いまだに、がれきの処理、集落の高台移転や東京電力福島第1原発事故で避難した住民の皆様の早期帰還などまだまだ大きな問題が山積みになっております。
その中で、漸く、先月、復興庁が発足いたしました。今まで以上のスピーディーな復興対策を実施していただけることを祈念しております。
 さて、先月、(財)さかきテクノセンター、坂城町商工会、テクノハート坂城(協)の主催で、東洋思想研究者の「田口佳史」先生をお招きし、「大転換期における経営の本質を考える」(企業のイノベーション戦略に向けて)と題した講演をテクノセンターで行っていただきました。
 講演の中で、ご指摘いただいた点として今後考えなければならないのは、一つ目に「個人力と集団力の大切さ」(一人一人の能力を反映することのできる施策が必要)、次に、「事前主義の大切さ」(昨今、全てが事後主義。物事の小さく解決容易なうちに対応することの大切さ)、次に、「陰陽を相和すことの大切さ」Yes or No でなく両者を補完させる)、次に、「時代を見通す力の大切さ」Pro、玄人とは暗い先の見えるもの)などを併せ持つことが要請される。とのことでした、また、これからは
高齢社会:ベテランの持ち味を活かせるシニア社会の大切さ。
地域として:「南部アフリカ」が大きな可能性を持っている。
などのご指摘もいただき、また、最後に、坂城は素晴らしい可能性を持っている。今後の発展に期待したいとのお言葉もいただきました。
今後の坂城町の行政に活かしていきたいと考えるところでございます。
                          
 さて、世界経済の引き続く低迷が、我が国の企業活動にも影響をあたえております。特に、ユーロ圏の緊縮財政や雇用・所得の環境の悪化などから、今年度前半にかけてマイナス成長になると予想されております。
 日本国内の状況につきましては、内閣府が2月に発表した「月例経済報告」によりますと、景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直している。
 先行きについては、各種の政策効果などを背景に、景気の緩やかな持ち直し傾向が続くことが期待される。ただし、欧州の政府債務危機が、金融システムに対する懸念につながっていることや金融資本市場に影響を及ぼしていること等により、海外景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクが存在する。また、電力供給の制約や原子力災害の影響、さらには、デフレの影響、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要であるとしております。
 
 また、日本銀行松本支店が2月に発表した「長野県の金融経済動向」によりますと、総論として「長野県経済は、足踏み状態となっている」とし、公共投資の減少、住宅投資の下げ止まり、輸出が弱めの動きのなかで、生産も弱めの動きと見ております。
 町内企業の動向につきましては、町内の主だった企業からの本年1月のアンケート結果から申し上げますと、生産量では3ヵ月前と比較して平均5%のプラスという状況であり、ほぼ見込みどおりの生産状況が続いております。
 売上げにつきましては、3ヵ月前と比較して、平均6%のプラスとなり、全体としては、生産量と同様な伸びをしております。
 ただし、3ヵ月後の見込みにつきましては、生産量、売上げについて、現時点よりマイナスと見込んでいる企業もあります。リーマン・ショック、東日本大震災後の影響からの脱却がすすみ、回復傾向であった生産量、売上げが今後鈍くなると予測している企業もあることは気にかかるところであります。
 
 さて、私が町長として初めての一般会計当初予算を編成いたしました。「人がともに輝くものづくりのまち」を掲げた第5次長期総合計画や、限られた財源の中で「今日からスタート」をキーワードとした「チャレンジSAKAKI」も念頭に置きながらの編成といたしました。
なお、昨年度は骨格予算ということもありますが、前年度と比較して9.1%増の総額59億500万円といたしました。
                              
まず、歳入でありますが、町の財政の根幹である町税は、個人町民税が税制改正の影響等により、4.3%増の6億3,100万円、法人町民税は、23年度の決算見込みや最近の経済動向等を勘案する中で、11.1%増の2億円、固定資産税は3年に一度の評価替えの年に当たりますが、引き続き地価の下落等の影響により、9.1%減の12億6,300万円であります。町税全体では、前年度と比較して3.1%減の22億3,225万5千円を見込んでおります。
 また、財政調整基金からの繰入は、3億1,483万円であり、また、びんぐし湯さん館改修に伴う基金からの繰入金は、2億200万円であります。
 一方、地方交付税は、8億5千万円を見込み、普通交付税の振替分として発行する臨時財政対策債を合わせると、11億5千万円を見込んでおります。
 次に歳出ですが、村上小学校の耐震化・大規模改修工事を含む投資的経費につきましては、6億8,165万7千円を計上いたしました。
義務的経費といたしましては、人件費が11億1,793万円、扶助費におきましては、6億4,602万1千円を計上しております。
                          
 さて、平成24年度からの実施計画につきましては、本年度より新たに「実施計画策定懇話会」を設け、町民の代表の方や有識者の皆様の意見もお聞きする中で策定作業を進めてまいりました。
現在、最終調整を行っているところでありすが、まとまり次第、皆様にお示しするとともに町ホームページにも掲載し、広く町民の皆様にもお知らせしてまいります。
                        
 それでは、新年度の主要事業について申し上げます。
まず、耐震化の済んでいない学校の耐震改修事業に取り組んでまいります。
村上小学校につきましては、普通教室棟と特別教室棟を管理棟で結ぶシンプルな校舎配置で、子供たちに目が届きやすく、管理もしやすいこと、また、校舎の損傷も比較的少ないことから耐震補強工事と大規模改修工事を実施する計画であります。あわせて、スマートタウン構想を推進する取組みとして、太陽光発電システムも設置する予定であります。
なお、南条小学校につきましては、複雑な校舎配置の課題や修繕箇所も多いことなどから改築での整備方針としており、24年度においては「建設検討委員会」を組織して、新校舎の建設に向けて、調査研究を進めてまいります。
次に、おかげさまをもちまして、本年4月18日に開館10週年を迎えます「びんぐし湯さん館」につきましては、坂城町振興公社と連携し、記念式典や特別割引等の記念事業を計画しております。
また、これに合わせ、経年劣化が目立ってまいりました施設についても修繕工事を含めたリニューアル工事を実施するため、現在、実施設計作業を進めております。平成24年度の早期に発注し、7月下旬頃までに完了できるよう計画してまいります。
                         
次に、昨年から調査を進めてまいりましたスマートコミュニティ構想普及支援事業につきましては、まもなく報告書がまとまる予定となっております。このなかで、エネルギーの効率的な利用方法や再生可能エネルギーの導入の可能性について、中長期的なものも視野に入れた報告がされる見込みであります。今回は地域の実情を把握するための調査を実施したものですが、今後、この調査結果を基に、エネルギー需給システムを構築するとともに坂城町の持つ技術力も活かした、より魅力ある賢いまちづくり「スマートタウン坂城」をめざした取組みを進めてまいります。
                          
続いて、子育て・健康づくりの施策を申し上げます。
子育て家庭の経済的負担を軽減し、安心して次代を担う子ども達を育てていただけるよう、子どもの入院外の福祉医療費について現在の就学前からを小学校6年生までとする支給範囲の拡大を、実施をしてまいります。
 また、子育て支援センター機能の強化として、本年度、各保育園を支援センターの分室と位置づけるとともに、臨床心理士による巡回相談を実施してまいりましたが、平成24年度はこれをさらに進め、5歳児全員を対象とした健康相談事業を新たに実施してまいります。
  なお、就学前の児童や保護者の皆さんの支援として、「子育て相談」や「教育相談」の充実を図ってまいります。
 高齢者の皆さんが健康で、ますますお元気に長生きされますよう、新年度予算に高齢者の肺炎球菌ワクチンの予防接種への補助制度を新たに設けるなど、高齢者の健康増進に向けた施策の充実を図ってまいりたいと考えております。
 併せて、2010年の日本人の平均寿命が、男性79.64歳、女性86.39歳となる中、長寿のお祝いを申し上げる敬老祝金制度を持続的に実施していくため、県内自治体の支給状況なども参考に、77歳の方と89歳から98歳の方への祝金の支給を廃止し、88歳米寿の方と99歳白寿以上の方とする内容の「町敬老慶祝事業条例の改正」を、本議会にお願いするところでございます。  
  さて、本年度は、介護保険第4期事業計画の最終年度に当たることから、平成24年度から3年間の第1号被保険者の保険料見直しを含めた第5期事業計画の策定作業を進めてまいりました。
保険料の改定に当たりましては、町介護保険運営協議会のご意見をいただく中で、慎重に検討をいたしました。介護サービス量の増加が見込まれる中、支払準備基金からの繰り入れなども行いながら、介護保険事業の適正な運営に努めてまいります。
 県内全市町村でつくる広域連合によって運営されております、後期高齢者(75歳以上が対象)医療制度につきましては、2年ごとに保険料の見直しを行うことになっており、2月に開催された広域連合議会において、平成24年度、25年度の保険料が決定され、均等割が38,239円に、所得割が7.29%となりました。
なお、坂城町の1人当たりの老人医療費は、県内の上位に位置しておりますので、ジュネリック医薬品の使用など、医療費の適正化や抑制策を積極的に進めていく必要があると考えております。
  国民健康保険の保険証のカード化につきましては、国における制度改革の動向を見極めながら、カード導入の時期の検討をしておりましたが、国の制度改革の時期が具体化しないため、被保険者の皆様の利便向上を優先し、次回の保険証更新時期であります、本年10月の実施に向けて準備を進めてまいります。
 地域医療につきましては、「救急医療と周産期医療の再構築」を核としました「上小医療圏地域医療再生計画」による事業が展開されておりますが、周産期医療の再構築の一つとして進められていた上田市産院の移転新築がほぼ終了し、この41日、上田市立産婦科医院として開院いたします。信州上田医療センターの小児科とも連携する中で、機能の充実・向上が期待されるところであります。
  また、上田地域定住自立圏「共生ビジョン」に位置付けられている事業であります、上田市内科・小児科初期救急センターの共同運営につきましては、これまでは小児科のみへの参加でありましたが、平成24年度からは内科についても共同運営に参加をし、万が一の場合の夜間における医療体制の充実に努めてまいります。
                               

“平成24年 第1回坂城町議会定例会 招集あいさつ” の続きを読む