日本刀のご寄贈(井原重之さん)

先日(3月26日)、千葉県佐倉市ご在住の井原重之さんから、坂城町鉄の展示館へ幕末の名工・細川正義作の刀一点、付属打刀拵(そろえ)一点、付属白鞘一点をご寄贈いただきました。

左から、井原重之さん、山村、宮入小左衛門行平刀匠

井原さんは永年、佐倉市役所に勤務される傍ら趣味として刀の収集・研究をされておられます。 このたび、貴重な刀等を寄付いただきましたので、鉄の展示館で大切に保管・展示を行いたいと思います。

ありがとうございました。

坂城町長 山村ひろし

葛尾組合臨時会閉会挨拶

葛尾組合は千曲市と坂城町で構成される一部事務組合です。

主に千曲市、坂城町のごみの焼却、不燃ごみ・資源ごみの処理、亡くなられた方の火葬、霊園の管理を業務としております。

 先日(2月29日)、千曲市議会で、東日本大震災で生じたがれき引き受けの決議がなされましたが、昨日(3月29日)私が組合長をしている、葛尾組合議会でも東日本大震災のがれきを引き受ける決議案が賛成多数で可決されました。(賛成:千曲市議7名、反対:坂城町議4名)

そもそも構成メンバーが坂城町議4名対千曲市議8名なので千曲市議の主張について議事にかければ決議されてしまうのですが、このような重要なテーマについて数の論理だけで決めてしまうことについては誠に遺憾なことだと思っております。

議会の決議についてはそれなりに尊重をしなくてはなりませんが、組合長、あるいは行政の責任者として慎重に対応しなくてはならないと考えております。

閉会のご挨拶の中で私の考えも述べましたのでご覧ください。

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平成24年第1回葛尾組合議会臨時会 閉会あいさつ
平成24年3月29日 組長 山村弘
 
 平成24年第1回葛尾組合議会臨時会の閉会にあたりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 国は東日本大震災から1年が経過する中、膨大に発生した災害廃棄物の処理が進まないことから、広域処理の必要性を訴え、全国の自治体に受け入れの要請をしているところであります。
 全国の自治体の中には、被災地の早い復興を願い、がれきを受け入れる動きもありますが、一方で処理施設の不足やがれきの放射線量などを不安視する焼却施設、最終処分場の周辺住民の反対から受け入れをしない自治体もあることも事実でございます。
 私も被災地の一日も早い復興を願うものでありますが、がれき処理は地方に分散せず、国の責任において東北地方に仮設の焼却施設を建設し、分別を確実に行う中で、早急に処理すべきものと考えております。
 千曲市議会におかれましても、去る、229日、3月議会定例会の開催日に「東日本大震災に係る災害廃棄物の受入処理に関する決議」が採択されところでございますが、本日、葛尾組合議会としても、東日本大震災に係る災害廃棄物の受入処理に関する決議が(賛成多数により)されましたが、安全が確保された被災地のがれきであっても、葛尾組合において焼却する場合には、地域住民の皆様にご理解をいただくことが何より重要であり、かつ最優先事項であると考えます。
 しかしながら、どうしても、千曲市が被災地のがれきを受け入れられる場合には、放射能物質の基準値以内の安全が確保されたがれきとし、チップ化や、分別処理の徹底、また、葛尾組合への搬入基準の大きさに処理し、さらに、千曲市のゴミを減らすことなど、千曲市民の理解と同意が前提となります。安全なものでしたら焼却も可能かと考えられますが、被災地のがれきを受け入れる場合は、事前に輸送経路、がれきの処理方法、焼却灰の処理等の諸条件を満たし、千曲市、坂城町の住民の不安も解消し住民のご理解を得ていただく必要があります。
 国、県、のみならず、自治体、国民の理解、そして、地元住民の同意が得られない限り前には進みません。
 県においても、阿部知事は従来どおり、まずは現在未処理となっている県内汚泥焼却灰の処分を考えるという姿勢を変えず、また、先日行われた県主催の市町村・一部事務組合等との意見交換会でも、災害廃棄物処理については、国、東京電力、都道府県、市町村の責務を明確にするよう、国に対し法改正を求めている段階であり、受け入れには慎重に対応しているとの説明がされたところです。
 過日は、葛尾組合の組合長及び議会議員あてに、千曲市の市民団体から「東日本大震災で発生したがれきの受入れ中止」についての要望書が提出されました。千曲市におかれましても十分に市民の皆様のご理解を得ていただくことも必要であると考えます。
 また、当組合の焼却施設は、建設から32年が経過する中で、確実に老朽化が進み、本年度、大規模改修を行うも本来の処理能力180トンには回復せず、現在65トンという状況であり、処理能力の限界に達しているものと考えます。
 このような状況の中、新たながれきの受け入れは非常に厳しいものがあり、長野広域連合が建設を予定している、千曲市のB焼却施設の建設が急務であると考えますが、本日、合わせて、長野広域連合長に対しまして、B焼却施設の建設事業の推進についての意見書を提出するというご決定をいただきましたことにつきましては、敬意を表するところでございます。
 一般廃棄物の処理につきましては、いろいろな課題がございますが、構成市町、組合議会、広域連合などの関係機関と、より一層の連携を図り、また、地域の皆様のご意見等をお聞きしながら、今後も適正な運営に努めてまいりたいと思います。
 本日は、ありがとうございした。
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 坂城町長 山村ひろし
                                      

老子の続き(第41章)

この章は「道」のあり方、あるいは「道」についていろいろな面から述べています。 また、「大器晩成」という言葉もここから出てきたものです。

上士聞道、勤而行之、中士聞道、若存若亡、下士聞道、大而笑之。 不笑不足以爲道。故建言有之。 明道若昧、進道若退、夷道若纇。 上徳若谷、大白若辱、廣徳若不足。 建徳若偸、質眞若渝。 大方無隅。 大器晩成。 大音希聲。 大象無形。 道隱無名。 夫唯道善貸且成。

                                 

 上士は道を聞へば、勤めて之を行ひ、中士は道を聞けば、存(そん)するが若(ごと)く亡(な)きが若く、下士は道を聞けば、大(だい)として之を笑う。 笑わざれば以(も)って道と爲(な)すに足らず。 故に建言(けんげん)之あり。 道に明かなるものは昧(くら)きが若く、道を進むものは退くが若く、夷道(いどう)は纇(るゐ)なるが若く、上徳は俗なるが若く、大白(たいはく)は辱(じょく)せるが若く、廣徳(くわうとく)は足らざるが若く、建徳(けんとく)は偸(とう)なるが若く、質眞(しつしん)は渝(ゆ)なるが若し。 大方(たいほう)には隅(ぐう)無く、大器は晩成し、大音(だいおん)は聲希(こえな)く、大象(だいしゃう)は形無し。 道隠れて名無し。 夫(そ)れ唯道のみ善(よ)く貸し且(か)つ成す。

                         

 すぐれた人物は「道」について聞けば努めてこれを実践していると言いますが、普通の人に聞いた場合には半信半疑でよくわからない。 道について全く理解していない人に聞けば大声を出して馬鹿にして笑います。 このように笑われるくらいでなければ本物ではないのです。  格言として次のことが言われています。 「明るい道というのは照らし出されているものなのでかえって恐ろしく、暗い道ならば慎重に進むことになる」、「道を進む場合にもあたかも後ろへ戻るかのように慎重に歩を進める」、「平坦と思われる道もむしろごつごつしているものと思わなければならない」、「最高の徳を身につけた人はかえってへりくだっている」、「本当に真っ白に、潔白に見えるものはかえって汚れをよく知っている」、「広大な徳を身につけている人はむしろ、まだまだ足りないとへりくだっている」、「しっかりした徳を身につけている人はかえってだらしなく見える」、「ゆるぎない徳を身につけている人はかえって柔軟に対応し変わりやすいように見える」、「本当に大きなものにはその角などわからない」、「すぐれたものはすぐには出来ない」、「偉大なる大きな声はなかなか聞き取れない」、「大きな存在というものは、かえって、なかなか目に見えない」 道はそもそも目に見えるものでもなく、名もありません。しかしながら道のみが万物に力を貸し育て上げてくれるのです。

                    

 この章では、「道」のいろいろな側面から議論しています。 いわば「俗世間の基準から見ていてはなかなか理解できない」 ということを述べています。

                      

 坂城町長 山村ひろし