第1回トポス会議

本日(9月21日)、一橋大学の野中郁次郎名誉教授からお招きがあり、六本木ヒルズで開催された第1回トポス会議に出席しました。

トポスとはギリシャ語で「場」と言うことなのですが、いわば「知的対話の場」であります。

本会議は、近年、全く発言力を失った日本の中で、世界的な「知」のリーダーを招き未来に向けた大きなメッセージを発信しようと、野中さんを創始者として結成された W3i(ワールド・ワイズ・ウェブ・イニシャティブ)が主催して開催されたものです。(後援: 富士通総研、(社)人工知能学会)

今回を第1回として今後10回に分けて種々のテーマで討議が続けられます。

http://jp.fujitsu.com/group/fri/downloads/events/topos01.pdf

今回は第1回目として「人間の知性とコンピュータ科学の未来–2040年、コンピュータは人間を超えてしまうのか–」 と言うテーマで人工知能と人間の知性について活発な議論がなされました。 スピーカーは以下の通りです。

特別講演

「われ敗れたり、されど」

米長邦雄 日本将棋連盟会長

今年1月に富士通研究所の開発したコンピュータと対戦し敗北 「われ敗れたり、されど」 を語る、米長邦雄日本将棋連盟会長

基調講演1

「シンギュラリティーの挑戦」

ニール・ジェイコブスティン氏(シンギュラリティ大学人工知能・ロボット工学部門共同議長、前総長)

(「シンギュラリティー」とはコンピューターの知能が人間を超える現象、またはその瞬間を意味する言葉)

基調講演2

「知性について問い直す」

エリザベス・チャーチル氏(ヤフーリサーチ プリンシパル・リサーチ・サイエンティスト)

パネル・ディスカッション: 

ウィリアム・ダットン氏(オックスフォード大学インターネット研究所教授)

前野隆司氏(慶應義塾大学大学院教授)

飯田弘之氏(北陸先端科学技術大学院大学教授)

ニール・ジェイコブスティン氏(シングラリティ大学人工知能・ロボット工学部門共同議長、前総長)

エリザベス・チャーチル氏(ヤフーリサーチ プリンシパル・リサーチ・サイエンティスト)

紺野登氏(多摩大学教授)、その他

左から:武部恭枝氏、紺野登氏、エリザベス・チャーチル氏、ニール・ジェイコブスティン氏、飯田弘之氏、前野隆司氏、ウィリアム・ダットン氏

総括

「東洋の知と西洋の知が生み出す弁証法的ダイナミズム」

野中郁次郎一橋大学名誉教授

野中郁次郎氏

本日の講演内容は誠に素晴らしいものでした。

これだけの世界一流の人々が一堂に会し、人類の未来に関して討議できる 「トポス:場」 作りをされた野中先生に心から敬意を表したいと思います。

参加された方々とも種々お話をしましたが、日本医療政策機構理事長で東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員長だった黒川清さんや元花王会長の常盤文克さんなど多彩な参加者がおられました。

坂城町では11月15日にこの野中郁次郎先生をお招きして坂城テクノセンターで 「モノづくりからコトづくりへ ~ イノベーションの知恵」 というテーマで経営セミナーを開催します。 ご期待ください。

また、以前、私が本日の講演者の1人のウィリアム・ダットンさんの著作 "Information and Communication Technologies" (「情報通信テクノロジー情報ネットワーク社会の理想と現実」)の翻訳をしたこともあって、ダットンさんと懐かしい昔話をいたしました。

ウィリアム・ダットンさんと

以下が、その本です。 (1998年の出版 新品の在庫は無いようです)

坂城町長 山村ひろし