本日(4月8日)、「2014年本屋大賞」に 『村上海賊の娘』 和田竜(新潮社)が選ばれました。
先日、このブログでもご紹介しましたが、正に本屋大賞にうってつけの本だと思いました。
以下、以前のブログを紹介しますが、和田竜さんが村上海賊の出自を 「村上海賊は平安期の村上天皇から発する」と簡単に書いていることはいささか残念だと思っています。
「『村上海賊』 の出自は 『信濃村上氏』 である。」 という説が有力なのです。
村上水軍の紋章も当然 信濃村上氏が使っている 「丸に上」 であります。
村上水軍紋章 (Z旗ホームページより)
以下、以前のブログをご覧ください。
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2013/12/25 12:09
「村上海賊の娘」を読みました。
大ベストセラーとなった 「のぼうの城」 で小説家デビューされた、和田竜(りょう)さんの4年ぶりの最新作です。
和田竜さんらしい、大活劇で、能島村上家当主、村上武吉の娘、村上景(きょう)を主人公とした素晴らしい小説です。
村上景は地元では悍婦にして醜女で、嫁のもらいての無い20歳の女性でありますが、荒武者でもあり、織田方の泉洲真鍋海賊を打ち破る大活躍をします。
この和田竜さんの小説は、まるで映像を見るようなビビッドな素晴らしい迫力で終始し大変読み応えのあるものです。
私がこの本を読もうと思ったきっかけは当然のことながら、村上海賊と信濃村上氏がどのような関係で書かれているかということに興味を持ったわけであります。
坂城の住民とすれば当然であります。
しかしながら、この小説では村上氏について 「村上海賊は平安期の村上天皇から発する。降って、南北朝の騒乱で足利尊氏と戦った後醍醐天皇率いる南朝の支柱、北畠親房の孫に北畠師清というのがあり、これが芸予諸島に移住して、当時衰微していた村上家の名跡を継ぎ、三人の息子(義顕、顕忠、顕長)を三つの島に配した。)」 と紹介しています。
要するに、信濃村上氏とは関係ないとしているのであります。
小説の価値を損なうものではありませんが、いささか、残念でありました。
早速、坂城町の宮下学芸員に確認したところ、以下のメッセージをもらいましたので以下、ご紹介します。
「村上水軍の出自を村上源氏に求めることは、村上師清を北畠親房の孫とすることについて、年齢等の理由により、かなり難があることから、その信憑性は低いものと言われています。
平安期に発祥したとされる村上水軍の祖伊予村上氏は、『尊卑分脉』によると、信濃村上氏から出た一族と考えられます。また、「師清」についても、信濃村上氏関連の系図では、信濃惣大将「村上信貞」の孫としており、村上水軍のなかで唯一、近世大名として存続した久留島氏(来島村上氏)は、自家の先祖を信濃村上氏としています。
くわえて、村上源氏説の系図でも、師清は信濃から瀬戸内海に移ってきたと記されており、村上源氏説にしても、師清が信濃と縁が深いことを唱えています。
このように、清和源氏出身の信濃村上氏と村上水軍の関係については、、その実証が大変困難でありながらも、最も大きな可能性を秘めているものと考えられます。」
以上、若干、遠慮気味に延べていますが、村上海賊は信濃村上氏由縁であると考えます。
是非、小説もお読みください。
坂城町長 山村ひろし