直木賞 葉室麟氏 「蜩ノ記」(ひぐらしのき)

 以前、前回の直木賞受賞作 池井戸潤氏の 「下町ロケット」をご紹介しましたが、今回の葉室麟氏 「蜩ノ記」も誠に素晴らしい作品でした。 

  
         
 切腹する日を迎えても淡々と家譜編纂を続ける戸田秋谷とそれに関わる、家族、友人、あるいは狡猾な家老に対して「凛」とした武士としての態度を貫く主人公の生きざまに大変感銘を受けました。
 決して派手なストーリ転換もありませんが、久々に大変完成度の高い小説の出現だと思います。 今回、芥川賞は2作(円城塔氏「道化師の蝶」、田中慎弥氏「共食い」)受賞しました。こちらはまだ読んでいませんが、多少歯ごたえのあるものを期待したい。(前回は受賞該当者なし)
 前々回の芥川賞受賞者の朝吹真理子さん(受賞作「きことわ」)のような鮮烈な作品が続くと良いですね。
                                  
 坂城町長 山村ひろし