この章には重要なメッセージが多く含まれています。
1.「第一歩の重要性」 2.「無為」の大切さ 3.「終わりを慎む」 です。
いささか長文ですがお付き合いください。
其安易持、其未兆易謀。 其脆易破、其微易散。 爲之於未有、治之於未亂。 合抱之木、生於毫末、九層之臺、起於累土、千里之行、始於足下。 爲者敗之、執者失之。 聖人無爲、故無敗。 无執、故無失。民之從事、常於幾成而敗之。 愼終如始、則無敗事。 是以聖人欲不欲、不貴難得之貨。 學不學、復衆人之所過。 以輔萬物之自然、而不敢爲。
其の安きは持し易(やす)く、其の未(いま)だ兆(きざ)さざるは謀(はか)り易し。 その脆(もろ)きは破り易く、其の微(び)なるは散じ易し。 之を未だ有らざるに爲(をさ)め、之(こえ)を未だ亂(みだ)れざるに治む。 合抱(がふほう)の木も毫末(がうまつ)より生じ、九層の臺(うてな)も累土(るいど)より起こり、千里の行(かう)も足下(そっか)より始まる。 爲す者は之を敗り、執(と)る者はこれを失う。 聖人は、無爲なり。 故に敗るること無し。 執ること无(な)し、故に失うこと無し。 民の事(こと)に従うや、常に幾(ほと)んど成るに於(お)いてこれを敗(やぶ)る。 終りを慎しむこと始めの如くなれば、則(すなわ)ち事を敗る無し。 是(ここ)を以って聖人は欲せざるを欲し、得難(えがた)きの貨(くわ)を貴ばず。 學ばざるを學び、衆人の過ぐる所に復(かえ)る。 以って萬物の自然を輔(たす)けて、敢えて爲さず。