続きまして、福祉・健康づくりの施策について申し上げます。
子育て支援につきましては、平成23年度から各保育園を子育て支援センターの分室と位置づけ、臨床心理士による巡回相談を実施、さらに今年度は、5歳児全員を対象とした健康相談「すくすく相談」を新たに実施し、相談体制の充実を図ってまいりました。
25年度におきましても、引き続き相談体制の充実を図ってまいります。
また、保育園におきまして重要な事業のひとつであります「食」の提供について、引き続き、安心・安全で質の高い給食を提供する体制の整備として、調理業務を「坂城町振興公社」に委託してまいります。
続いて、現在、介護用品購入費の支給や、寝具洗濯サービスなどを実施しております在宅高齢者等への福祉サービスにつきまして、寝たきりの高齢者や重度障害者、またその家族への支援として、 これまでのサービスに加え、25年度から新たに「訪問理美容サービス」事業を開始いたします。
理容院・美容院へ出かけることが困難な方に、自宅までの出張 料金相当額を支援することによって、少しでも快適な暮らし、福祉の向上につながればと思います。
町の国民健康保険被保険者の一人当たりの医療費は、年々増加しております。
医療保険制度の健全な運営、保険税負担の軽減のためには、医療費の増加を抑え、減少させることが一番であり、そのためにはまず健診が重要であるとして、特定健診の受診をさまざまな場面で訴えてまいりました。
現在のところ、24年度の目標としてきました受診率65%の 達成は厳しい状況であります。25年度におきましても、引き続き受診率65%を当面の目標とし、さらなる取り組みの強化を図ってまいりますので、自分自身の健康な暮らしのための健診であることをご理解いただき、ご協力をお願いいたします。
地域医療の推進につきましては、坂城町は上田地域との結びつきも深いことから「救急医療と周産期医療の再構築」を核とした 「上小医療圏地域医療再生計画」に参画をしておりますが、平成 25年度はこの再生計画の最終年度になります。
この間、上田市産院の移転新築による「上田市立産婦人科医院」の開院と「信州上田医療センター小児科」との連携や、「上田市内科・小児科初期救急センター」の共同運営の充実など、坂城町民にも直接関わる事業も進められてまいりましたが、重要課題のひとつである、信州大学との連携による「信州上田医療センター」への医師の定着については道半ばであり、平成26年度以降は、坂城町も参加する定住自立圏の事業として実施していくことになりますので、
25年度において充分に検討してまいりたいと思います。
また、坂城町を含む長野保健医療圏では、圏域南部における基幹病院としてその役割を担っている「JA長野厚生連篠ノ井総合病院」が、再構築計画に基づき新病院の建築に着手いたしました。
この事業も、長野県の地域医療再生計画に位置付けられた事業であり、救急医療及び周産期医療のさらなる充実が図られることが 期待されます。
なお、厚生連からは周辺自治体への財政支援要請があり、坂城町においても、長野市や千曲市の対応状況を踏まえ、応分の支援をしてまいりたいと考えております。
続いて、教育・文化の向上について申し上げます。
これまで、千曲市と共同で設置をしておりました、障害を持つ 幼児、児童、生徒の就学判断等を行う「就学相談委員会」につきましては、25年度から町単独での運営を行ってまいります。
町といたしましては、新たに「教育コーディネーター」を配置し、相談委員会の運営をスムーズに行うとともに、坂城町の子どもをきめ細やかに支援をしてまいります。
「ウェブサイト作成講座」を小中学生を対象として本年度も開催いたしました。地元坂城を紹介するインターネットのホームページ作成に取り組み、グループでテーマやウェブページでどのように 構成をしていくかなどを考えながら学習を進めたところであります。
子どもたちは、町の様子を知り、ホームページを通じた情報発信も学ぶことができ、びんぐしの里公園、ねずみ大根、村上義清などを紹介するウェブページは、町のホームページからご覧いただくことができるようになっております。
この事業につきましては、引き続き取り組みを行ってまいります。
町の伝統文化の継承につきましては、上田ケーブルビジョンの 協力を得るなかで、各地域の神楽の映像保存事業に取り組み、後世に伝えてまいりたいと考えております。各地域の神楽の練習の様子、春祭りや秋祭り、越年祭での奉納の様子を撮影し、映像化を図り、町の伝統文化の保存に努めてまいります。
続いて、産業施策について申し上げます。
平成25年度の商工関連事業といたしましては、ものづくりから新たなコトづくりへの革新と企業立地の促進に向けて、新たな施策を展開してまいります。
これまでの「ものづくり」から、地域のニーズに応える「こと」、顧客が共感する「こと」など、町内に集積する様々な技術や知識を活かした新たな「コトづくり」への転換を推進し、町内中小企業の「脱下請け」や「Made in Sakaki」による製品化を促進するため、「坂城町コトづくりイノベーション補助金」を創設し、新たな価値創造や新製品開発等を支援してまいります。
また、町における産業集積の形成を図るため、県の認定を受けた企業立地計画に従って設置された施設に対し、3年度分の固定資産税の課税免除を定める新たな条例を今議会に上程いたしました
新たな企業立地や既存企業の事業拡大により、地域経済の活性化や雇用機会の創出など、地域の活力が高まることを期待いたします。
ワイナリー形成事業につきましては、24年度、導入品種の選定を行うために必要な試験圃場地約40アールを確保し、担い手2名を認定する中で、苗木の定植、棚の設置など圃場の整備及び管理を行ってまいりました。
また、町振興公社による巨峰を使ったヌーボーワイン及びスパークリングワインの委託醸造も行い販売をいたしました。
25年度は、試験圃場の更なる拡充や巨峰ヌーボー及びスパークリングワインの委託醸造を引き続き行うともに、ワイン特区申請による醸造許可の量的緩和を行ってまいります。
6次産業化への取組みといたしまして、町内企業と連携しワインの生産設備の試作等に向けての研究会の立ち上げや、五里ヶ峰横坑作業用トンネル内の環境を活用したワインの保存の将来性について検討してまいります。
また、先月8日の新春経済講演会には、おいしい信州ふーど (風土)大使であり、東御市でワイナリーを経営している、エッセイストの玉村豊男さんをお招きして「千曲川ワイン構想」「坂城町に期待すること」と題して講演会を開催いたしました。
ワインぶどうの産地化を推進、さらに、町民へのワイン文化の浸透を図るために各種団体と連携して講演会、ワイン教室などのイベント等を開催してまいります。
本年は当町が生んだ人間国宝故宮入行平刀匠が生誕して100年の節目を迎えます。鉄の展示館では町民の誇りである宮入刀匠の 顕彰をすべく、年間の通常展示で宮入刀匠の作品や遺品などを展示し、宮入刀匠の功績を再確認する場にしたいと考えております。
そのなかで、宮入刀匠の生誕百年を記念した特別展を4月27日から6月16日にかけて開催いたします。特別展の内容は、宮入 刀匠が心の師と仰ぎ、生涯を通じて大変交流が深かった近代日本彫刻界の巨匠で、文化勲章受章者の「平櫛田中」の至極の作品を一堂に展示するものであります。
「平櫛田中」は、107歳で亡くなられるまで、生涯現役を貫き、仕事に対するその姿勢は、宮入刀匠に多大な影響を与えました。
文化勲章受章者と人間国宝という芸術界の二大巨匠の知られざる関係を紹介する又とない貴重な展覧会であり、多くの町民の皆さんに来館していただければと考えております。
全国のご当地キャラクターが一堂に参加し、インターネット上で人気投票を行いました「ゆるキャラグランプリ2012」におきまして、当町の「ねずみ大根」マスコットキャラクターの「ねずこん」が、全国では865キャラ中、264位、長野県内では43キャラ中10位と、初参加ながら大健闘をいたしました。10位までのキャラクターにつきましては、県レベルで行うイベントに参加依頼があり、今年 1月10日に行われました、長野県警主催の「110番の日啓発活動」などにも参加しております。なお、多くの皆さまから要望がありました「ぬいぐるみ」につきましては、近く「坂城町振興公社」に おいて販売される運びとなっております。今後も、「ねずこんグッズ」の販売や様々な活動を通して、町特産品である「ねずみ大根」の振興と「坂城町」のPRに努めてまいります。
さて、地域農産物の有効利用を図りながら、加工品の開発、製造販売に頑張っている「味ロッジわくわくさかき」につきましては、25年度から株式会社への移行を計画しております。町といたしましても、法人として「味ロッジわくわくさかき」が自立した会社経営を行っていけるよう支援するとともに、地域農業の振興と地産地消、地域食文化の伝承活動の推進等に努めてまいりたいと考えております。
松くい虫被害防止対策につきましては、昨年6月19日に、長野県特別防除実施基準に基づき、県の指導もいただきながら4年ぶりに空中散布を実施いたしました。新年度におきましても、地域住民の皆さんへの情報提供を行うとともに、健康被害や防災面での配慮に努め、伐倒駆除を中心に、空中散布、枯損木処理、樹幹注入などの防除対策を総合的に講じてまいります。
続いて、環境・防災について申し上げます。
長野広域連合で進めております、ごみ処理広域化につきましては、長野市に予定されているA焼却施設は、今年2月に建設に係る地元同意がされたところであります。また、千曲市に予定されているB焼却施設につきましては、環境アセスメントの手続きが進められております。関係市の皆様のご理解とご協力を賜り、一日も早く事業が推進されますことを願うものであります。
新しい焼却施設及び最終処分場の建設に係る負担金への対応、 そして新ごみ処理施設の操業が、平成30年度まで延伸されたことに伴います、葛尾組合ごみ焼却施設の延命化のための実効性のあるごみ減量化・資源化が大きな課題となりますので、町民の皆さんへの啓発等に努めてまいります。
先月7日開催されました、「千曲坂城消防組合議会」において、 消防力の向上のため、消防署職員の定数を現在の92人から10人増加して102人とする条例改正が成立いたしました。
これにより、平成31年までに段階的に消防署の増員を図ってまいります。特に、当町にとりましては、現在1隊のみ出動体制の坂城署を2隊同時に出動できるよう進めていくものであり、火災等 緊急時の対応が大きく前進するものと期待いたしております。
続いて、生活基盤の向上のための住宅整備・建設事業につきまして申し上げます。
住宅リフォームに対する補助制度につきましては、経済対策を 目的に、修繕・模様替え・設備改修等により既存住宅の住環境の 改善として実施される、200千円以上のリフォーム工事について100千円を限度に、20%の補助を行うものであります。
なお、この補助事業の実施により、町内小規模建築事業者の受注機会の拡大をも図ってまいりたいと考えております。
都市計画街路である産業道路の整備につきましては、今年度末 までに、県道坂城インター線から谷川(やがわ)までの間の道路整備が完了いたします。
なお、歩道が未整備となっているため、これまでの間、グリーンベルトや道路反射鋲を設置し、今年度事業化の準備を進めてまいりました谷川・若草橋より上田側の約100mの区間につきましては、25年度において、事業認可を受け次第、事業着手をしてまいります。
なお、現在、事業実施中の南条小学校東側の区間につきましても、地権者の皆さんに用地のご協力をお願いする中で、整備を進めてまいります。
次に、普及率が約70%となっております公共下水道の整備につきましては、現在、上平地区及び入横尾地区周辺地域において、国の大型補正予算に伴う前倒し事業も組み込み、整備事業を実施しております。
また、金井・新地・鼠の南条地区につきましては、事業区域の拡大の手続きを進めており、25年度において事業認可を受ける予定であります。
橋梁修繕事業につきましては、中央道笹子トンネルの天井板落下事故にみられるような、社会インフラの老朽化が注目される中、 平成23年度に実施いたしました町内159橋の簡易診断に基づき、今年度、老朽化の総合評価や補修に係る概算費用の算定など、長寿命化のための修繕計画の策定を進めております。25年度におきましては、この計画に基づき、老朽化による早期修繕が必要とされる橋梁について、詳細な調査設計及び一部の工事を実施いたします。
町営横尾団地の水洗化改修工事につきましては、公共下水道が泉区地域において整備された事をうけまして、25年度から3年間の計画で水洗化工事を実施したいと考えております。
初年度となる25年度は、K棟4戸、D棟6戸、C棟6戸の計 16棟を予定し、入居者の皆さんへの事業説明会等を実施しながら順次整備を進めてまいります。
新年を迎え、1月14日には、10年に一度と言われるほどの、約25センチメートルの大雪に見舞われました。
町の除雪対応につきましては、建設業者の皆さんとの「坂城町除雪作業実施要領」に基づき、深夜から主要道路等の除雪を実施するとともに、融雪剤の散布も実施し、交通の確保を図ってまいりした。
町民の皆さんにおかれましても、地区内の除雪にご協力をいただきありがとうございました。
以上、新年度の主な事業展開等を申し上げました。
今議会に審議をお願いする案件は、専決報告が1件、長野広域連合規約の変更が1件、条例の制定8件、条例の一部改正が7件、
25年度の一般会計・特別会計予算の7件の計24件でございます。よろしくご審議を賜り、ご決定いただきますようお願い申しあげ
まして、招集のごあいさつとさせていただきます。
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大変な長文お付き合いいただき恐縮でした。
坂城町長 山村ひろし