センセーショナルなタイトルですが、数十年間、坂城町文化センターの金庫の中に眠り忘れ去られていた、男谷燕斎の書が発見されました。
男谷燕斎については以前ご紹介しましたが、江戸後期に坂木、中之条の名代官として活躍した人物です。 (勝海舟の父、勝小吉の兄でもあります。)
燕斎は一方で幕府の表祐筆を務めるなど書道の大家でもありました。
そのため、坂城町には燕斎による遺墨が幾つも現存しています。
(燕斎については以下のサイトをご覧ください。)
http://blog.valley.ne.jp/home/yamamura/?itemid=30345
以下、ご紹介する書は、昭和56年、県宝 「格致学校」 移転復元を記念して、坂城町ご出身の中島英雄さんからご寄贈いただいたものです。
大切に金庫にしまっていたのは良いのですが、展示される機会もありませんでした。
どうでしょうか、大胆な書ですね。 よく見るとあちこちに襖の桟(さん)のあとが見えます。
上部にはっきりと桟のあとが見えますね。
私には、男谷燕斎が酔いに任せ、襖に一気に書き上げたように思われますが如何でしょう。
さて、この書をどう読むかですが、坂城町の学芸員の皆さんとも議論をしましたが、以下のような解釈をいたしました。
如何でしょうか。
また、私の意訳としては、以下のように考えました。
「井の水で午酔を漱ぎ、身をあらため、夕の涼に座し、夏の帳(とばり)から庭を見れば、そこには老紅木がいまだ春のよそおいをとどめ、静かに佇んでいる。」
現在、この書は坂城町役場町長公室に掲げてあります。
お出での節に一度ご覧いただければ幸いです。
坂城町長 山村ひろし