素晴らしいコンサートとお話

 本日(11月29日)、「人権を尊重し豊かな福祉の心を育む町民集会」が開催されました。 特に、講演でお話頂いた、田中玲子さんのお話は誠に心を打つお話と歌のコンサートでした。

 以下、坂城町ニュースからご覧ください。

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人権を尊重し豊かな福祉の心を育む町民集会

人権町民集会01

  11月29日(土)、文化センターで、「人権を尊重し豊かな福祉の心を育む町民集会 ~共に認め合い、共に支え合う社会をめざして~」が開催されました。

  この集会は、一人ひとりが、互いに認め合い支え合う人権感覚を養うとともに、福祉への理解を深めるために毎年開催されており、今年は、坂城町社会福祉協議会長表彰、坂城中学校生徒による優秀人権作文の発表と記念講演が行われました。

 

坂城町社会福祉協議会長表彰

  社会福祉功労者表彰を社会福祉協議会役員の内山和三さんが、社会福祉協助者表彰を橋詰義達さん、大池令子さん、竹内松江さん、坂城高等学校生徒会が受賞され、坂城町社会福祉協議会の塩野入博幸会長から表彰されました。(竹内さんと坂城高校は欠席)

人権町民集会02

 

優秀人権作文の発表

  長野地方法務局上田支局及び上田人権擁護委員協議会主催の「平成26年度全国中学生人権作文コンテスト上田大会」において、坂城中学校の中島春花さん、狐塚愛深さん、清水颯来さんが、中村真緒さんが優秀作文に選ばれ、中島さん、狐塚さん、清水さんがそれぞれの作文を朗読発表されました。(中村さんは欠席)

人権町民集会03

 

記念講演 ~メッセージライブ~

  集会の最後には、視覚に障害をもちながら努力して声楽家となり、3児の母でもある田中玲子さんと、ピアニストの本間礼子さんをお招きし、『「目が見えない」これが私の個性です』と題して、歌とトークの記念講演が行われました。田中さんは、失明に至ったご経験や、夢だった音楽大学への進学の話、母になってからの家族との温かい絆などを話され、また、トークの間に歌うその歌声は、とてもやわらかく美しいものでした。大勢の方が訪れた会場は、ふたりが織りなす素敵なハーモニーにより、心温まる感動で包まれていました。

人権町民集会04 

 坂城町長 山村ひろ

第7回トポス(TOPOS)会議

昨日(11月27日)、六本木ヒルズで開催された 「第7回TOPOS会議」 に出席しました。

 TOPOS会議は野中郁次郎一橋大学名誉教授が発起人となって始められた、世界的な錚々たる賢者を集めて年2回開催される「知の場」(TOPOS)です。

 今回で7回目となりました。

 今回のテーマは 『賢慮資本主義宣言・・日本発の「資本主義」を構想する』 という壮大なものです。 以下、内容について若干ですがコメントします。  

賢慮資本主義というのは現在、種々の問題点があらわになり、限界が囁かれている現今の資本主義に対して、野中郁次郎先生が唱えている、「人間中心の精神・価値観に基づいた経済や経営のあり方、いわゆる、賢慮(共通善実践のための智慧)に基づく資本主義(prudence-based capitalism、あるいはワイズキャピタリズム)のことを指します。

今回のトポス会議は3つのセッションに分かれます。(トポス1からトポス3)

 トポス1:は、≪世界経済の挑戦≫のセッションで、まず、吉川洋教授が近世の経済学の流れを総括し、

 「経済成長=パイを増やすこと」、「所得分配=パイを分けること」と整理し、「経済成長」は、効率性(価値との相対性)が求められ、「所得分配」は正義・平等が求められ、カルチャーとの関係が問題となる。

 ここで重要なのは、「所得分配」に力点を置くよりは、経済成長により全体のパイを増やすことが大切であるということでした。

 また、ヘンリー・ミンツバーグは日本の企業のアドバンテージは高齢化、環境など種々の課題を抱えているからこそチャンスがある。イノベーションの宝の山であると述べています。

                  

 トポス3:で印象に残ったのは、田中弥生教授の話でした。 田中教授は若い頃からドラッカーの弟子となり、数々のドラッカーに関する著作や翻訳をされています。 ドラッカーは日本に大変な興味を持った経営学者ですが、その理由として、日本の企業が「経済」と「コミュニティー」両方の役割を果たしているからであったということです。

 また、江戸文化にも大変関心を持っており、江戸が「一人ひとりが位置と役割を持つ自由社会」であったからだということです。

 また、ユダヤ人であったドラッカーがナチスの迫害を受けて米国に移ったわけですが、ドイツで起きた最大の罪は「無関心の罪」であったということです。

 トポス会議の最後の野中郁次郎先生の総括は以下の通りです。

 「毛沢東はマルキシズムは単なる方法論だと言っている。イデオロギー論争より方法論の方が建設的である。 先日、ハイアールのCEO、チャン・ルエミンにあった際に、チャン・ルエミンは8万人の従業員を全員CEOにしたいと言っていた。8万人の社員を2000のベンチャー企業に分け任せる。本社はひたすらサポートに徹するということであった。もはや、通常のハイアラキーなどは眼中になかった。チャン・ルエミンは松下幸之助、稲盛和夫などよく研究していた。

 賢慮資本主義の国家は全員の知を総動員する国家である。実践知により新たな環境、コンテクスト(文脈)が出てくる。やり抜く力が何より必要となる。また、「物語・ストーリー」を描くことが必要。文学では起承転結があるが現実の戦略はオープンエンド(連続ドラマ)である。」ということです。 難しいですね。

久しぶりの面々、左から:野中郁次郎先生、紺野登先生

               

右:田中 弥生 (独)大学評価・学位授与機構教授

                     

プログラム

 

13時~1310>

プロローグ>

1310分~1440>

セッション1: 世界経済の挑戦>

1450分~1630>

セッション2: 賢慮資本主義の可能性>

1630分~1645>

休憩>

1645分~18>

セッション3: 実践知経営がもたらす賢慮資本主義>

18時~1830>

総括: 野中 郁次郎>

1830分~2030>

ネットワーキング・セッション>

 

登壇者

トポス1:≪世界経済の挑戦≫

吉川 洋 東京大学大学院経済学研究科教授

太子堂正称 東洋大学経済学部准教授

ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学教授【ビデオ・メッセージ】

ジェームス・K・ガルブレイス テキサス大学オースティン校教授【ビデオ・メッセージ】         

 

トポス2:賢慮資本主義の可能性≫

西部邁 評論家 東京大学教養学部前教授

藤井聡 京都大学大学院工学研究科教授

ジェームス・K・ガルブレイス テキサス大学オースティン校教授【ビデオ・メッセージ】

       

トポス3:≪実践知経営がもたらす賢慮資本主義≫

三村浩一 3Mジャパン(株)代表取締役社長

田中 弥生 (独)大学評価・学位授与機構教授

舩橋晴雄 シリウス・インスティテュート(株)代表取締役