平成29年第4回坂城町議会定例会招集あいさつ~1

本日(12月4日)、平成29年坂城町議会定例会が招集されました。

以下、招集あいさつを掲載させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

平成29年第4回坂城町議会定例会招集あいさつ

本日ここに、平成29年 第4回 坂城町議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様全員のご出席をいただき開会できますことを心から感謝申し上げます。

 去る、10月22日第48回衆議院議員総選挙の投開票が行われ、自民党、公明党の与党が衆議院定数(465)の3分の2を超える議席を確保しました。

この結果、安倍政権の継続が決まり、11月1日全閣僚が再任する中で第4次安倍内閣がスタートしました。更なる経済政策の充実を強く望むものであります。

さて、11月24日に「特殊詐欺非常事態宣言」を千曲警察署と協議のうえ発令いたしました。町内において、息子を装う「オレオレ詐欺」や、医療費の還付金を振り込むと言って高齢者を誘い出してATMを操作させ、犯人グループの口座にお金を振り込ませてだまし取る「還付金等詐欺」などの特殊詐欺被害が10月以降連続して3件発生しました。

被害にあわれた方は65歳以上の方で、千曲警察署、坂城町交番、町防犯協会、町防犯指導員会等との連携を強化し、高齢の方はもとより全ての町民の皆様を対象に一層の啓発活動に努めてまいります。

特殊詐欺の手口に関心を持ち、ひとごとではないという危機感を持っていただくとともに、家族で話し合って「合い言葉」を決めるなどの対策を取っていただくようお願いいたします。

次に、1118日に大阪市の大阪城ホールで開催された第36回全日本小学校バンドフェスティバルに、東海地区代表として3年連続の出場を果たした南条小学校金管バンド部(ハッピーブラス)が見事金賞を受賞しました。一昨年、昨年と惜しくも2年連続銀賞でしたが、今回は「南条ハッピーワンダーランドへようこそ」をテーマに、みんなにハッピーを届けたいという思いを込め演奏し、念願の金賞受賞となりました。日頃の練習の成果をいかんなく発揮して得た金賞の受賞に心からお祝い申し上げます。

なお、3年連続全国大会に出場し、今回金賞を受賞した南条小学校金管バンド部の栄誉を称え、役場に垂れ幕を掲げたところでございます。

9月7日から11月5日まで鉄の展示館で開催されました特別展「大相撲と日本刀」では、現役横綱の太刀や拵(こしらえ)()、「大鵬」や「千代の富士」など歴代の横綱の化粧廻しや太刀・()などを展示し、期間中県内外から約4,800人のお客様にご来館いただき、普段目にできない貴重な品々をご覧いただきました。

 また、10月1日には上松町出身の、東の関脇、出羽海部屋の「御嶽海」関が、当町に来町し、鉄の展示館の1日館長に就任していただきました。

 当日は、鉄の展示館始まって以来の来館者数1,200名以上となる大盛況で、トークショーや握手会を行ったほか、同日開催しておりました町民運動会及び障がい者の皆さんが中心となり行っている軽スポーツ交流ブースにサプライズゲストとして登場いただき、玉入れ競技やリレー、大玉送りなどに参加していただき、「大相撲と日本刀」を盛り上げていただきました。

感謝するとともに、来年の益々のご活躍を期待するものです。

さて、長野広域連合が整備を行っているB焼却施設の稼働につきましては、計画目標である平成30年度より約2年遅れる見通しとなったことから、この間、B焼却施設において処理を予定していた千曲市と坂城町のごみをどうするかが、大きな課題となっておりました。

このようなことから、まず、9月20日に、長野広域連合から葛尾組合焼却施設の地元である中之条区の葛尾組合対策委員会の皆さんに対して、「新ごみ焼却施設整備に係る中之条区説明会」を開催し、B焼却施設稼働までの間のごみ処理について、説明をさせていただきました。

その後、議員さん方にも大勢ご出席いただきましたが、9月29日に、連合長である加藤長野市長、理事の岡田千曲市長にもご出席いただき「町民説明会」を開催し、B焼却施設の経過や進捗状況、長野広域連合からの提案をご説明する中で、様々なご意見を頂戴したわけでありますが、安全性を最大限重視した施設の維持管理と補修、環境調査結果のきめ細やかな情報提供など、安心して住める環境づくりに努めていくことをお約束し、葛尾組合焼却施設の稼動を延長する方向でご理解をいただいたところでございます。

つづく、10月24日に開催された葛尾組合議会全員協議会において、焼却施設の稼働延長のご報告させていただいたところでございます。

なお、葛尾組合焼却施設を稼働延長する場合の運営費については、広域連合理事会において、「B焼却施設稼働までの間における葛尾組合焼却施設の施設改修費を含む運営費は、長野広域連合全体で負担する」との決定がなされております。

これらを踏まえまして、町といたしましては、葛尾組合焼却施設の稼働延長に向けて、長野広域連合、葛尾組合等と協議する中で、万全の体制で進めてまいりたいと考えております。

さて、日本を取り巻く世界の経済情勢につきましては、日本総研などによりますと、アメリカは、7~9月期の実質GDPが前期比年率プラス3.0%と、4~6月期の同3.1%プラスに続き、2四半期連続で3%台の成長し、堅調なペースでの景気拡大が持続しております。

また、ヨーロッパでは、7~9月期のユーロ圏実質GDPが前期比年率プラス2.4%と4四半期連続で2%を越える伸びになっており、速報値が公表されているフランスがプラス1.9%、スペインがプラス3.2%と堅調な伸びを維持しております。

また、中国においては7~9月期の実質GDP成長率が前年同期比プラス6.8%と7四半期ぶりに低下しており、景気減速の背景として、昨年まで、政府は積極的な財政支出と金融緩和を実施したものの、過剰生産や不動産市場の過熱などの問題が再浮上したため、財政・金融政策を引き締め方向に転換しており、今後も政府の引き締めスタンスは続くものの、景気を冷え込ませるほどに強化される公算は小さいと予想され、引き続き注視していく必要があると考えております。

次に国内の状況でありますが、内閣府による10月の「月例経済報告」では、「緩やかな回復基調が続いている」とし、先行きについては、「雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待される。」とする一方で、「海外経済の不確実性や金融資本の変動の影響に留意する必要がある。」としております。

また、長野県内の状況につきましては、日銀松本支店が11月に発表した「金融経済動向」によりますと、公共投資、住宅投資、設備投資、個人消費の個別観測から「生産の動きは増加している。

雇用・所得は、着実な改善が続いている」とし、「総論として長野県経済は、緩やかに回復している。」としております。

当町におきましては、10月に実施しました町内の主な製造業20社の経営状況調査の結果では、生産量は、3ヶ月前のプラス2.85%からマイナス1.99%と4.84ポイント減少しましたが、売上げについてはプラス2.07%からプラス3.82%と1.75ポイント増加いたしました。

また、雇用については、7月~9月の実績が、総計でプラス33人と、前回調査のプラス45人から若干減少いたしましたが、来春の雇用は、ほとんどの企業が増員又は減員分の補充を予定しており、全体では60人の増員予定となっております。

続いて、29年度の主な事業の進捗状況について申し上げます。

まず、トータルメディアコミュニケーション施設整備事業につきましては、現在、同報系防災行政無線の整備工事を進めているところでございます。

今月からは、屋外拡声子局の設置、親局や千曲坂城消防本部に設置する遠隔制御装置などの工事を進め、来年の1月下旬より試験運用を開始するとともに、順次全戸、全事業所へ戸別受信機の配布を行う計画であります。

なお、戸別受信機の配布につきましては、住民の皆さんには「広報さかき」等でお知らせを行なったほか、11月に、町内4箇所において住民説明会を開催し、同報系防災行政無線の概要説明や戸別受信機の取り扱い、電波状況によるアンテナ工事の必要性、配布スケジュールや配布の手順など、広く周知しているところであります。

今年度内には、有線放送加入の個人及び事業所の皆様への配布を完了させるほか、Jアラートとの接続工事を行い、来年4月に開局、運用を開始する計画であります。

開局後は、引き続き未加入の皆様への戸別受信機の配布、河川監視カメラや水位計、雨量計などの気象観測装置の設置工事、すぐメールや町ホームページなど各種通信サービスとの連携などを完了させ、7月ごろから、全てのシステムの運用を開始する計画で進めてまいります。

 また、トータルメディアコミュニケーション構想推進においては、高齢者の見守り・支援につきましても、段階的に導入を進めております。

今年度は、住宅の水道使用の異変を察知し、家族等へ自動的にメールでお知らせをする、水道メーターを活用した高齢者元気応援システム「KIZUKI」の試験導入を開始し、現在37名の方にご利用いただいております。

今後につきましては、さらなる利用者拡大を図るとともに、効果的な運用に努めてまいります。

ワイナリー形成事業につきましては、試験圃場におけるワイン用ぶどうの実証試験栽培が最後の年となる5年目を向かえ、この秋には赤系・白系合わせまして約2,300キロの収穫となりました。

今年も町振興公社を通して、サントリーワインインターナショナル~へ醸造をお願いし、来春の「坂城プレミアムワイン」の販売を予定しているほか、同様に、来年町内に創業予定のワイナリー計画者にも活用いただく見込みであります。

また、町振興公社や千曲川ワインバレー特区連絡協議会も含めた周辺自治体と連携し、ワイン振興に向けたPRイベントに取り組んでまいります。

信州さかきふるさと寄附金につきましては、昨年度からインターネットを用した寄附申し込みを可能とし、引き続き特産品振興や地域活性化につながる取り組みを進めております。11月末時点で、1,45932,653千円の寄附がございました。

また、町の魅力を発信し、町を知ってもらうため、返礼品の充実を図っているところであり、返礼品協力事業者数及び返礼品数は、11月末現在で、延べ23事業者、112品目となっております。

引き続き、返礼品を提供していただける事業者の皆さんの募集に努め、適切に推進してまいります。

・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

南条小学校金管バンド全国大会で金賞受賞

昨日(12月1日)、南条小学校金管バンド部の吉澤和香奈さん(部長)、丸山華那さん(副部長)、南澤博校長先生、石坂一彦先生(顧問)が来られ、先日の全国大会で見事金賞を受賞されたご報告をいただきました。素晴らしいですね。

以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

南条小金管バンド部全国大会で見事金賞に輝く!

南条小学校金管バンド部金賞

▲【左から】山村町長、丸山華那さん(副部長)、石坂一彦先生(顧問)、吉澤和香奈さん(部長)、南澤 博 校長先生

11月18日(土)に大阪城ホールで開催された第36回全日本小学校バンドフェスティバル(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)において、東海支部代表として出場した南条小学校金管バンド部が見事金賞を受賞しました。

演奏曲は、『イッツショータイム』と『ジーザスクライスト・スーパースター』。昨年、金賞まであと一歩だった悔しさを胸に、「最高の演奏をして金賞をとりたい!」と34名の部員全員が一丸となって今大会に臨み、言葉通り最高の演奏によって金賞を掴み取りました。

部長の吉澤和香奈さんと副部長の丸山華那さんに大会の感想を聞くと、「金賞を受賞することができてとても幸せです。全国大会では、笑顔とノリと忘れずに、練習通りの最高の演奏が出来ました。」と話されました。

▼大会の様子(南澤校長先生より写真をご提供いただきました。)

▲全校児童に見送られていざ出発

▲ブルーシート雨よけをして本番前練習

▲大阪城と一緒にパチリ

▲念願の金賞受賞に、みんなガッツポーズ

・・・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

平成29年全国町村長大会

先日(11月29日)、東京NHKホールで、平成29年度 全国町村長大会(会長:荒木泰臣 熊本県)が開催され、参加しました。

全国町村長会長は、今年、長野県川上村の藤原忠彦村長に代わり、熊本県嘉島町長の荒木泰臣さんが就任されています。

通常ですと、全国町村長大会には安倍総理他閣僚が出席するのですが今回は国会と重なり重要閣僚の出席はありませんでした。

今年度の決議項目は以下の通り、

     記

一.東日本大震災、熊本地震及び豪雨災害等からの復興の加速化を図るとともに、全国的な防災・減災対策を強力に推進すること。

一.一億総活躍社会の実現に向け、地方創生の更なる推進を図ること。

一.地方分権改革を推進すること。

一.道州制は導入しないこと。

一.参議院の合区を早急に解消すること。

一.「まち・ひと・しごと創生事業費」を拡充するとともに、地方交付税等の一般財源総額を確保すること。

一,ゴルフ場利用税及び償却資産に係わる固定資産税を堅持すること。

一.農林漁業の振興による農山漁村の再生・活性化を図ること。

一.田園回帰の時代を拓き、都市と農山漁村の共生社会を実現すること。

一.農林漁業者が将来に希望をもてるよう、TPP・日欧EPA対策に万全を期すこと。

一.領土・外交問題・国民の安全保障に毅然とした姿勢で臨むこと。

以上決議する。

平成29年11月29日

全国町村長大会

全国町村長会長:荒木泰臣さん

また、全国町村長大会・応援メッセージとして、福島大学教授、東京大学名誉教授の生源寺(しょうげんじ)眞一さんが講演されました。

1.最近の新しい流れとして

(1)農業が職業として選ばれるようになった。(親元就農は半分に。)

(2)農業と食品産業の繋がりが緊密になった。

2.本質的な考え方として

(1)食料は必需品である。好不況に左右されない。

リーマンショックの際にも食品製造業はそこそこ堅調であった。

(2)農業が地域社会にとって不可欠の役割を果たしている。

水田の維持管理、地域のコミュニティー作り。

(3)地域へ新たな人が参入することによる変化が大切。

この変化により、今までの決まりごとが通用しなくなる。新たな決まりことが創られることによる進歩が大切。例として、エリノア・オストロム(2009年 女性として初めてノーベル経済学賞受賞)の紹介。公共財、共有資源の管理について、コミュニティーの役割を評価した学者で、地域社会の新たな制度つくりの必要性を説いた。

生源寺教授はこれからの新しい農業の可能性について大変分かりやすく説明していただきました。     

講演中の生源寺眞一教授

坂城町長 山村ひろし

プロゴルファー古市忠夫さんの講演

昨日(11月28日)、長野市のホテル国際21で行われた、富士通エグゼクティブフォーラムでプロゴルファーの古市忠夫さんの講演を聞きました。

古市さんは神戸市長田町鷹取商店街でカメラ店を経営されていましたが、阪神淡路大震災で家財を一切失い、以後、地域の復興に奔走し、街づくり協議会の副会長として防災に強い街づくりの取り組んでおられました。

ある日、友人の強い勧めで自らの復興のためにプロゴルファーを目指し、還暦目前となる2000年9月に59歳でプロテストに合格されました。現在77歳。

プロゴルファーになった後、関西プロゴルフグランドシニア選手権で優勝したり、タイガーウッズとプレイをしたり、本を8冊も出版したり、レギュラーでテレビに出演したり、自らの物語が映画になったり(「ありがとう」赤井秀和主演)、講演活動に奔走したり(今回の講演で601回目とのこと)など今までには到底考えられない奇跡の連続が続いたそうです。

震災で一切を失いながら「なぜこのような奇跡が起こったのか」、が今回のテーマです。

講演のタイトルは、「生涯チャレンジ・・がんばれることへの感謝」です。

古市さんのお話によると、いくら自分だけで頑張っても奇跡は起こらない。「頑張れることへの感謝」を続けると、不思議に「力を持った人が寄ってくる」のだそうです。 積極的な感謝がなければならないとのことです。

「才能 X 努力 X 感謝」 で奇跡が起こるのだそうです。

1時間半の講演、大変迫力のあるお話で、会場いっぱいの皆さん全員大感激でした。

講演中の古市さん

左から:山村、古市忠夫さん、オリオン機械太田哲郎社長、オリオンシステム赤沼正信社長

坂城町長 山村ひろし

坂城町で「特殊詐欺非常事態宣言」を発令

本日(11月24日)、坂城町で、「特殊詐欺非常事態宣言」を発令しました。

坂城町では10月以降、特殊詐欺が集中的に発生しております。

この状況の中、警察など関係機関のご協力をいただき、あらゆる手段を使いこの特殊詐欺撲滅を目指し活動を開始いたします。

以下、詳細につき坂城町ニュースよりご覧ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「特殊詐欺非常事態宣言」を発令

非常事態宣言

▲(左から)山村町長、高橋 千曲警察署長

坂城町内では、10月から11月にかけて連続して特殊詐欺被害が発生しています。

被害の内容は「医療費の還付を振り込む」と言って高齢者を誘い出し、ATMを操作させ、実際には犯人の口座にお金を振り込ませてだまし取る「還付金詐欺」や息子を装い「公衆電話の上にキャッシュカードを置き忘れた。お金が必要だが取引ができなくて困っている。何とかしてほしい」などと言ってお金をだまし取る「オレオレ詐欺」です。

被害者は、65歳以上の高齢の方がほとんどであることから、町では、高齢者の方への集中的な啓発、関係機関や防犯団体との連携を強化するため、本日、「特殊詐欺非常事態宣言」を発令しました。

今後は、千曲警察署及び坂城町交番、坂城町防犯協会等との連携を強化し、特殊詐欺被害防止に向けた被害防止活動を展開していきます。

町民の皆さんにも特殊詐欺の手口について関心を持っていただき、不審な電話があったときに、確認できる家族の電話番号や家族間での「合言葉」を決めておくなどの対策を講じるようお願いします。

また、ご近所の高齢者の方に詐欺被害防止のお声がけをしていただくなど特殊詐欺被害の根絶に向け、皆さんのご協力をお願いします。

特殊詐欺非常事態宣言(全文)(187KB)(PDF文書)

坂城町長 山村ひろし

平成30年はどういう年?

 平成30年は戊戌(ぼじゅつ つちのえいぬ)です。

             

 平成29年は丁酉(ていゆう ひのととり)でした。

 古来、変革、革命の年、あるいは苦難の年とも言われてきましたが、その通りの年となりましたね。びっくりすることが次から次へと起こりました。

 さて、来年の平成30年、戊戌(ぼじゅつ つちのえいぬ)はどんな年でしょうか。 平成は30年で終わると思っていましたが、最近のニュースで天皇陛下の退位は2019年の3月31日か4月30日の2案あるようですので、平成31年が数ヶ月存在するようです。

 白川静さんの「字統」によると、戊戌の象形の意味は以下の通りです。

 両方とも兵器、あるいは、鉞(まさかり)の形で、戌の説明に、「滅ぶなり。九月、陽気、微にして萬物ことごとく成り、陽下りて地に入るなり。」また、「土は戊に生じ、戌に盛んなり。」とあります。

 

 また、安岡正篤さんの「干支の活学」によれば、「戊は茂で、樹木が茂ると、風通しや日当たりが悪くなって、虫がついたり、梢枯れしたり、根上がりしたりして、樹がいたむ、悪くすると枯れる。そこで思い切って剪定をしなければならぬ。」ということです。

 「戌」については、「戌は戊に一を加えたもので、茂と同義。すなわち枝葉末節が茂って、日当たりが悪くなり、風が通らなくなることで、いわゆる末梢的煩瑣とか、過剰を示す。」とあります。

 いずれにしても、成長はするがしっかりと剪定を行わないと「滅ぶ」ということです。

 また、十干十二支と五行思想(木、火、土、金、水)の関係でみますと、「戊」「戌」ともに「土」にあたります。

 このように同じ性質の組み合わせは「比和」といって、勢いが増すといわれています。

(十干)

 甲(きのえ)、乙(きのと)

 丙(ひのえ)、丁(ひのと)

 戊(つちのえ)、己(つちのと)

 庚(かのえ)、辛(かのと)

 壬(みずのえ)、癸(みずのと)

 

(十二支)・・季節に当てはめると

 春・・寅(木)、卯(木)、辰(土)

 夏・・巳(火)、午(火)、未(土)

 秋・・申(金)、酉(金)、戌(土)

 冬・・亥(水)、子(水)、丑(土)

 *(土)は春夏秋冬各シーズンに付けられていますが、これは各シーズンとの間、移行時期(準備期間)にあたります。これを「土用」と言います。立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間が「土用」です。「土用の丑」の鰻のときだけではありません。念のため。

 

 60年前の戊戌、1958年を振り返ってみますと、その年にも大きな変化、出来事、成長が見られます。

 まず、この年に、今上天皇陛下が婚約をされ、ミッチーブームが到来しました。 来年は眞子さんの婚約が予定されています。

 また、長嶋茂雄さんが巨人でデビューし、川上哲治さんが引退をした年で、東京タワーが完成し、有楽町でウェスタンカーニバルが開催し、フラフープが大ヒットし、日清食品の「即席チキンラーメン」が発売され、岩戸景気がスタートした年でもあります。

 おそらく、来年も種々の新たな出来事が起き、それが大きく成長し、いろいろなチャンスがめぐってきます。

 その状況の中で、それらを適切にコントロール(剪定)を行う必要があります。 それに失敗すると「滅ぶ」と言う事態になるかもしれません。

 日米の経済は今のところ堅調に推移していますが、すでに、バブル化を懸念する声も出てきております。       

 来年は、今年以上に準備をし、慎重に物事を進める必要があります。

 来年が素晴らしい年になりますように。

           

            

 坂城町長 山村ひろし

藤沢雨紅 「松蔭集」 の再刊

先月、坂城町教育委員会から、江戸後期に女流俳人として有名をはせた、藤沢雨紅の句集 「松蔭集」 を再刊発行いたしました。

今年は藤沢雨紅の生誕250年にもあたります。

以下、以前、私がブログに書いた記述と重複する部分がありますが、改めてご紹介をいたします。

藤沢()(こう)(秀子) 1767(明和4)年~弘化2(1845)年 について

江戸時代後期に、坂城では数少ない女流俳人として名を成した藤沢()(こう)がいます。

本名を秀子といい、坂木宿大門町の旅籠屋「大藤屋」の当主清蔵に嫁しました。

以下は、江戸後期の坂城町大門町の図

中央マークしてある家が、「大藤屋」

清蔵も貞雅と号する俳人でしたが、実力は雨紅に及ばなかったそうです。

雨紅は下戸倉宿の宮本虎杖に俳句を学び、享和元年(1801)の虎杖編の句集から俳句が掲載されるようになり、この後、内外の俳書に作品が数多く収録されていきます。

江戸の俳人小蓑庵碓嶺の俳書にも雨紅の作品が多数掲載されます。

天保4年(1833)に雨紅を訪ねた江戸の俳人大野景山は「婦人には珍しき俳人なり」と評しています。

60歳(耳順)になった、文政9年(1826)には、自句集『松蔭集』を刊行しました。これは坂城で刊行された唯一の句集であり、自句208首に雨紅と親交のあった俳人の句が掲載されています。

また、辞世の句(79歳で死去) 「散やけし 花ならまじる 日もあるに」 は満泉寺の墓に刻まれています。 

                          

「松蔭集」の所在が不明でしたが、私が偶然、長野県立図書館で発見し、約5年かかりましたが、このたび再刊することができました。

満泉寺の雨紅さんの墓前にささげました。

今回、その一部をご紹介します。 

        「松蔭集」表紙 右が今回再刊された句集の表紙

 「松蔭集序文」 (江戸の俳人小蓑庵碓嶺が記述)

信濃のくに坂木の雨紅今年耳順の春

を迎ひ君が代にとたひ(途絶え)澄べき水の

いろをくみてしりける山の春の難と

古き世の御影を限なく歓びさゝれ石

盡せぬ千曲の流を汲て更級や

葛尾山の睦月の空をうつして

老のこころをなぐさめ月花の

冥加浅からずも自の句を撰みまた

英雄の句をも女手のたよわくも拾

ひ得てこれを酒肴にかえて賀莚を

ましけるの志目出度文政九年の

春の花とや言ん實や酒肴に

かえて並べたる発句の中々朽果

る世のあらざれば號は松蔭集

と呼ことしかり   碓嶺述

「松蔭集」は自作の俳句が208句、その後に、江戸俳壇の大家を中心とした一茶を含む著名俳人9人の発句が続き、更に雨紅と仁井田(中村)碓嶺と八朗、3人の連句36首、雨紅と遠藤雉啄の連句18首、雨紅と碓嶺、如水の連句18首、そして、全国の俳人の発句100首という構成となっている大作です。

「松蔭集」から初めの5句。(初春の句)

               

 ・元日やこころのはなのあさ朗(ぼらけ)

 ・元日や祝ふことさへありの侭

 ・親と子の無事を宝に花の春

 ・蓬莱や行義ただしく子はそだつ

 ・月雪や世の旅ころもきそはしめ

                             

「松蔭集」終わりの5句。(年納めの句)                

 ・小原女の柴には雨かみぞれ降

 ・友(共)に白髪(かみ)いだく迠(まで)を雪の様         

 ・行としを見に行頃やなごの海

 ・年の市挟莚売も一世界・・(挟莚:さむしろ)

 ・葛尾もとしのくれ行山路哉         

 

また、今回の再刊に際し、私の畏友で俳人の朝吹英和さんに前書きをお願いしました。

素晴らしい、前書きを寄稿していただきましたので、以下、掲載させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 藤澤雨紅『松蔭集』を読む      朝吹 英和

様々な人々が往還した坂木宿旅籠屋の女将の感性が掬い取った俳句には日常生活を詠ったものが多く見られるが、中でも四季折々の豊かな自然の恵みに対する喜びが素直に表現されている。

旅籠屋の女将として加賀前田家をはじめとする参勤交代の一行、佐渡で採掘された金銀を江戸に運ぶ人たち、商売人から社寺参詣の庶民に至るまで幅広い階層の人々との交流から吸収した知識や情感は洗練された言葉遣いに結晶し、雨紅の俳句を格調高いものにしている。    

まつ風や松をはなれて松の聲        

 句集名にも表れている通り、松を詠んだ句が多く収録されているが、芭蕉の名言である「松のことは松に習え、竹のことは竹に習え」が想起された。対象と直接に向き合う事によってその本質は理解出来る。俳句における「写生」とは本質を認識する行為であり、写生を極めた掲句には松の木を揺らし松を離れて吹き抜けた風の中になお松の存在を感じる事が出来る。

 松は古来より日本では神の宿る木として崇められ、常緑樹である所からも不老長寿の象徴として尊ばれて来た。能舞台の背面に描かれた老松は「鏡板の松」と呼ばれ、神の依代とされる「(よう)(ごう)の松」に由来すると聞いた。掲句の他にも松をモチーフとした句が多く、雨紅の松に寄せる思いの強さが偲ばれる。       

はつ秋や松にはふるき松の聲

             

初雪や松はまつにて有ながら

きのふ見し松の低さや秋の月           

 平成二十七年九月、坂城町山村町長のお招きで「十六夜観月殿」で催された俳句会に参加した時の感興が蘇った。太郎山から姿を現し、輝きを増して中天に昇る月に言葉を失って見惚れる至福の時。後年、偶然にもサントリー美術館で遭遇した歌川広重の「六十余州名所図会」に収録された「信濃 更科田毎月 鏡薹山」は坂木の北東に位置する鏡薹山を描いた浮世絵ゆえに雨紅の眺めた名月に通じるものがある。

 右下に配された姥捨の棚田や松の木、左上の鏡薹山の上には輝く月の姿が美しく、棚田の一枚一枚にその月が映り込んでいる。

「田毎の月」に遭遇した芭蕉は十五夜のあまりの美しさに感動して俳句にする事が叶わず、翌日訪れた坂木で十六夜の句を作ったと伝えられ、その句碑は「十六夜観月殿」のそばに建立されている。         

いざよひもまだ更科の郡かな   芭蕉              

 そして芭蕉は坂木を訪れた翌年の正月には「田毎の月」を「田毎の日」に置き換えて詠っている。        

元日は田毎の日こそ恋しけれ  芭蕉          

 「田毎の月」の忘れ難い感動の大きさと、それを俳句に出来なかった芭蕉の悔しさが滲み出ている句ではないだろうか。

朝日よりゆふ日おがまんはるの海        

 海に面していない信州であれば、海に出掛けた折の体験か海をイメージしての句であろう。永劫回帰、輪廻転生の象徴としての循環する太陽に対する畏敬の念。落日を拝む雨紅の姿が想起され、希望に満ちた明日の存在を保証する太陽の再生への祈りが自然に伝わって来る。

寝る人はねかせてののちや月の宿           

江戸幕府による北国街道の整備に伴い坂木藩や幕府の代官陣屋の置かれていた坂木は十七世紀の初め(慶長年間)に宿場が開設され隆盛を極めたとされ、大勢の旅人を饗応するために飯盛女(宿場女郎)も公認されていたという。

掲句の「寝る人」は様々な解釈が可能であるが、官能に溢れた旅の一夜を想像して読む事も出来るのではないか。華やぎの時も静まり静寂を取り戻した宿でしみじみと見上げる月の美しさはまた格別なものであろう。

 産土の自然や風物を詠った雨紅の俳句に通底する瑞々しい抒情や詩情は時代を超えて現代の我々の心に沁み渡る。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    

 以下、教育委員会からのご案内

 お問い合わせは、文化財センター(0268-82-1109)までお願いします。

 

教育委員会刊行図書

 
NEW!!  松蔭集
     松蔭集

¥1,000
発行 2017年10月 坂城町教育委員会
著者 藤沢雨紅
★本書は江戸時代の坂城で唯一刊行された俳句集を、現代仮名と解説で読みやすくして出版したものです。著者の藤沢雨紅は、北国街道坂木宿の旅籠の女将であり、蕉風俳諧の俳人でした。前半は雨紅の自句集で、初春から年の暮までの句を歳時記のように収めています。後半は雨紅の選による、小林一茶ら江戸俳壇で活躍した俳人の名句集となっています。江戸時代の庶民の暮らしが垣間見え、俳句ファンならずとも楽しめる一冊です。(100P)

http://www.town.sakaki.nagano.jp/www/contents/1001000000634/index.html    
            

坂城町長 山村ひろし

坂城駅が しなの鉄道 「5S活動」で優秀賞を受賞

昨日(11月22日)、しなの鉄道坂城駅で駅の管理をされておられる岩野さんが坂城町役場へお出でになり、しなの鉄道で 推進している、「5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)」で優秀賞をとられたことのご報告をいただきました。

 毎日、毎日、素晴らしい活動をされておられる皆さんに感謝いたします。

 以下、坂城町ニュースよりご覧ください。

・・・・・・・・・・・・

坂城駅が しなの鉄道5S活動で優良賞を受賞

坂城駅最優秀賞

 しなの鉄道株式会社では、「安全・安定輸送と地域に生きる変わらぬ使命とし、健全で持続的な発展を期して挑戦し続けます。」の経営理念のもと、5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を推進しており、坂城駅が、「平成29年度5S活動優秀職場表彰」において、優良賞を受賞しました。

 坂城駅は、町がしなの鉄道株式会社から委託を受けて運営しており、更埴地域シルバー人材センターから派遣された岩野幸夫さん、 澤信司さん、玉木守二さん、冨山澄良さんの4人が勤務されています。

 本日(11月22日)、岩野さんが町長を表敬訪問し、優良賞を受賞したことについて、「駅舎などの設備が新しい場合、少し掃除をすればきれいになるが、坂城駅はそれ以上手をかけなければきれいにはならない。4人で頑張ってきた成果です。」と強く語っていただきました。

・・・・・・・・・・・・・

坂城町長 山村ひろし

関戸直子さんがソロプチミスト日本財団から受賞

先日(11月17日)、パシフィコ横浜で開催された、公益財団法人ソロプチミスト日本財団の平成29年度年次贈呈式で、坂城町の関戸直子さんが 「社会ボランティア賞」 を受賞されました。 (推薦クラブ:国際ソロプチミスト上田)

2,000人を越える会場の中で、代表として挨拶をされる 関戸直子さん

関戸さんは長年にわたり 「放課後キッズ」 の運営をされ、子どもたちが帰宅後の遊び場として、自由に立ち寄り、安全に、楽しく遊べる居場所の提供をされてきました。

おめでとうございました。 素晴らしいですね。 これからもご活躍をお祈りします。

坂城町長 山村ひろし

千曲坂城消防組合議会行政視察

昨日(11月20日)、千曲坂城消防組合議会行政視察が行われ、私も参加しました。(議長:原利夫)

今回の行政視察は、20日、21日、2日間にわたり行われますが、私は20日の行程のみ参加しました。

視察をしたのは埼玉県防災航空センターで、埼玉県防災航空隊の活動状況について詳細にわたり説明をうけました。

現在、長野県では3月の防災ヘリの事故の後、防災ヘリの体制、あり方について議論がなされており、一刻も早い解決策が提示されることを要望しておりますが、今回の視察の内容は大変参考になるものでした。

埼玉県防災航空隊は、現在、ヘリコプター3機で、24時間、365日でのサポート体制で運用されています。

埼玉県が機材を購入し、構成市町村の消防本部が隊員を派遣し、本田航空が運航と整備を担当しています。(民間で運航を担当したのは本田航空が始めてだそうです。)

ヘリコプターは常時、2機体制で、運航もパイロットと副操縦士の2名体制とのことです。

しっかりした体制で運営がなされているなと思いました。

また、実際の訓練の様子など詳細に説明をしていただきました。

説明をされる 神谷真一隊長補佐 (比企広域消防本部から派遣)

ヘリコプターの離陸訓練

被災者の救助訓練

千曲坂城消防組合議会全員写真

坂城町長 山村ひろし