平成30年は戊戌(ぼじゅつ つちのえいぬ)です。
平成29年は丁酉(ていゆう ひのととり)でした。
古来、変革、革命の年、あるいは苦難の年とも言われてきましたが、その通りの年となりましたね。びっくりすることが次から次へと起こりました。
さて、来年の平成30年、戊戌(ぼじゅつ つちのえいぬ)はどんな年でしょうか。 平成は30年で終わると思っていましたが、最近のニュースで天皇陛下の退位は2019年の3月31日か4月30日の2案あるようですので、平成31年が数ヶ月存在するようです。
白川静さんの「字統」によると、戊戌の象形の意味は以下の通りです。
両方とも兵器、あるいは、鉞(まさかり)の形で、戌の説明に、「滅ぶなり。九月、陽気、微にして萬物ことごとく成り、陽下りて地に入るなり。」また、「土は戊に生じ、戌に盛んなり。」とあります。
また、安岡正篤さんの「干支の活学」によれば、「戊は茂で、樹木が茂ると、風通しや日当たりが悪くなって、虫がついたり、梢枯れしたり、根上がりしたりして、樹がいたむ、悪くすると枯れる。そこで思い切って剪定をしなければならぬ。」ということです。
「戌」については、「戌は戊に一を加えたもので、茂と同義。すなわち枝葉末節が茂って、日当たりが悪くなり、風が通らなくなることで、いわゆる末梢的煩瑣とか、過剰を示す。」とあります。
いずれにしても、成長はするがしっかりと剪定を行わないと「滅ぶ」ということです。
また、十干十二支と五行思想(木、火、土、金、水)の関係でみますと、「戊」「戌」ともに「土」にあたります。
このように同じ性質の組み合わせは「比和」といって、勢いが増すといわれています。
(十干)
甲(きのえ)、乙(きのと)
丙(ひのえ)、丁(ひのと)
戊(つちのえ)、己(つちのと)
庚(かのえ)、辛(かのと)
壬(みずのえ)、癸(みずのと)
(十二支)・・季節に当てはめると
春・・寅(木)、卯(木)、辰(土)
夏・・巳(火)、午(火)、未(土)
秋・・申(金)、酉(金)、戌(土)
冬・・亥(水)、子(水)、丑(土)
*(土)は春夏秋冬各シーズンに付けられていますが、これは各シーズンとの間、移行時期(準備期間)にあたります。これを「土用」と言います。立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間が「土用」です。「土用の丑」の鰻のときだけではありません。念のため。
60年前の戊戌、1958年を振り返ってみますと、その年にも大きな変化、出来事、成長が見られます。
まず、この年に、今上天皇陛下が婚約をされ、ミッチーブームが到来しました。 来年は眞子さんの婚約が予定されています。
また、長嶋茂雄さんが巨人でデビューし、川上哲治さんが引退をした年で、東京タワーが完成し、有楽町でウェスタンカーニバルが開催し、フラフープが大ヒットし、日清食品の「即席チキンラーメン」が発売され、岩戸景気がスタートした年でもあります。
おそらく、来年も種々の新たな出来事が起き、それが大きく成長し、いろいろなチャンスがめぐってきます。
その状況の中で、それらを適切にコントロール(剪定)を行う必要があります。 それに失敗すると「滅ぶ」と言う事態になるかもしれません。
日米の経済は今のところ堅調に推移していますが、すでに、バブル化を懸念する声も出てきております。
来年は、今年以上に準備をし、慎重に物事を進める必要があります。
来年が素晴らしい年になりますように。
坂城町長 山村ひろし