最近の日米中関係について(瀬口清之氏のレポートから)

キャノングローバル戦略研究所の瀬口清之さんから最新のレポートをいただきました。

主な論点のみ掲載します。

瀬口さんは中国問題の日本における第一人者ですが、外交面からの日米中問題に大きく関わっておられます。今、日本国民が考えなければならないのは 「いま自分に何ができるか」 ということのようです。

坂城町長 山村ひろし

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各位

5月23日から6月3日まで米国に出張し、サンフランシスコ、サンディエゴ、ニューヨーク、ワシントンDC、ボストンの5都市を訪問し、外交専門家、国際政治学者、米国経済専門家等と面談を行いました。

今回のテーマは2つ。

1つは震災後の日米関係の変化、 もう一つは最近の米中関係でした。

震災後の日本に対する見方については、4月下旬に中国を訪問した際に中国側の見方を聞く機会がありましたが、震災直後の日本人の対応に対する極めて高い評価、日本企業のジャパンブランドは傷ついていないこと、一方、政府および東京電力に対する厳しい評価は米中ともほぼ一致していました。
この点は日本人として誇りに思える嬉しい評価でした。
しかし、今回の米国出張ではそれとは正反対に、日本の存在感の低下を深刻に思い知らされる出来事がありました。
つい最近の米中間の協議に絡んで日本が全く話題に上らなかったのです。
確かに現在の日本の政治状況では、総理の強いリーダーの下で日本が見事に復興を遂げるといった明るいビジョンが描きにくいのは事実です。
また、民主党は日本をどんな国にするのかという国家ビジョンを示していません。
しかし、その一方で、震災後、多くの日本人が「いま自分に何ができるか」という問いかけをするようになったのも事実だと思います。
震災以前、日本人の多くは政府の指示や命令を待つ受け身の姿勢が目立っていました。震災後は多くの日本人の心持ちが大きく変化したように感じているのは私だけではないと思います。
この日本人の心持ちの変化を土台にして日本をもう一度世界の一流国に復活させることを目指したいと強く感じました。

「いま自分に何ができるか」
この主体的かつ実践的な発想から日本の復活が始まることを信じたいと思います。
震災後に新たに生まれ変わろうとしている日本を前提として新たな日本の国家ビジョン、外交方針、重点施策を示すことが求められています。
それが今後の日米関係、日中関係、そして世界の中の日本の姿を創造していく出発点になると思います。
今回の出張報告に対するご意見、アドバイス等をお待ちしております。

瀬口清之拝
キヤノングローバル戦略研究所

<主なポイント>

◇ 震災後の日本人の対応について、我慢強さ、モラルの高さ、思いやり、治安の良さ等が称賛されている。今回の震災後の日本に対する米国人の同情や心配する気持ちは過去に例のないほど強く、そして長続きしている。

◇ 日本での原子力政策の失敗は米国の原子力政策への影響も大きい。このため米国のエネルギー政策関係者等を中心に、日本が福島原発の問題に対してきちんと対応し、必要以上に米国一般市民の不安感を駆り立てないようにすることを期待している。

◇ 日本政府と東京電力に対する評価は非常に厳しいが、その他の日本企業への評価は依然高いままであり、ジャパンブランドは傷ついていない。むしろサプライチェーンの早期回復などにみられた日本企業の危機対応能力の高さが改めて世界中に認識され、日本企業の評価が高まっている。

◇ 米国有力金融機関のチーフエコノミストは巨額の累積財政赤字を抱える日本政府のファイナンスそのものが大丈夫なのかとの懸念が強い点で一致している。

◇ 米軍が自衛隊と共に震災直後の被災者救援活動で多大なる成果を挙げ、高く評価された。これは日米関係改善にとっても大きな意義のある成果だった。しかし、日米両国の内政事情等から、この成功を土台として、今後さらなる日米関係の発展に向けた大きな.組みの構築へと踏み出すまでにはある程度時間を要すると見られている。

◇ 米中関係は昨年9月をボトムに明確に改善してきている。2009年11月以降、様々な出来事を背景に、米中関係は悪化の一途を辿った。しかし、その後、米国からの関係改善に向けての働き掛けを受けて、米中双方が歩み寄る形での改善が進んでいる。

◇ 今回の米中戦略経済対話において、米国は米中関係改善のさらなる進展を重視し、中国が突っ込まれたくないテーマに関する議論を意図的に避けた。その結果、戦略安全保障対話とアジア太平洋協議という2つのプロジェクトのスタートが合意された。

◇ 今回、米中アジア太平洋協議に絡んで米国政府は日本に一言も言及しなかった。これは「日本がどんな国を目指し、どのような外交方針を掲げ、具体的に何をしたいのかが見えない」ことが原因であると見られている。日本はこの状況を深刻に受け止め、早期打開に向けて努力することが必要である。

◇ 足許は米中関係の改善が進んでいるが、今後米中関係が一本調子で改善し続けることはありえない。米中間での競争と協力とが混在した関係が続くと考えられている。

以上。

平成23年第2回(6月)坂城町議会定例会招集ご挨拶と所信表明(後半)

次に「人の輝く町」でございます。

「人創りによるまちづくり」が重要と考えております。私は、長年民間在任中から教育問題にかかわりを持ってまいりました。町長選に立候補を決意した大きな要因でもあります。家庭内教育、小中の義務教育の大切さは当然でありますが、高校、大学、そして社会教育、生涯学習を通した地域の教育力の向上こそが、坂城町を変え、日本を変えてゆく大きな力になります。

江戸末期に大変大きな影響力のあった佐藤一斎の言志四録にあるように「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」であります。人間が学びを続ければ一生それぞれの立場で必ず開花するということであり、学びの大切さをこれほど端的に示したものはございません。学びを通して、地方自治が元気に、日本が元気になる第一歩を坂城町が歩みたいと願うものです。

世界はグローバルに展開しています。今回の震災における、世界の自動車産業の在り様が如実に示しています。町内企業の多くが世界に目を向けています。教育においても今年度から小学5年、6年の英語学習が必須となりました。英語が世界の広い範囲で使われ、共通語とまで言われているのが現状です。すでに2か月が過ぎましたが、いかがでしょうか。

6月補正で額は少ないですが、信州大学の教授による授業サポート、大学生と小学生の交流事業などを通じ、英語が楽しいと感じてもらえるよう努めてまいります。楽しい授業を受けられるかどうかの最大の課題は教員であることは、どなたも思うことです。小学校の教諭が自信を持って児童に接することが、英語学習を充実させるものですので、小学校の先生を対象とした英語教室、ゼミを開催する経費を計上いたしました。

「働く力・生きる力」の育成が求められます。学校教育と企業・社会人教育は密接な関係があります。今回テクノセンターの事業に対し「住民生活に光を注ぐ交付金」を活用し、小中学生・坂城高校のものづくり授業の充実や次世代経営者育成等に努めてまいりたいと思います。学校が、閉ざされた世界でなく、実質的に地域に根差し、愛される存在になるよう教育委員会の協力を得て、進めてまいりたいと考えます。

次に 「笑顔の町」 ハンディのある方にとっても“優しいまちづくり”を進めてまいりたいと思います。

子育ては「家庭の課題」であるとともに「地域の課題」にもなっていると感じます。子育てに関する悩みにつきましても、より気軽に相談していただけるよう、それぞれの保育園を子育て支援センターの分室と考え、各園長を中心に相談に対応する体制をとるようにいたしました。また、6月から毎週火曜日に子育て支援センターで実施しております家庭児童相談員による相談を各園で月1回は巡回で開催できるよう組み換えをいたしました。

さらに、今回の補正に組み入れましたが、家庭児童相談員に加えて、臨床心理士を配置し、子育て支援センター及び各保育園を巡回し、保護者や保育士の相談に応じるなど、子育てにかかる相談機能を充実し、子育てを応援したいと考えます。

次代を担う子供たちのために、子宮頸がんワクチンの接種を4月から中学3年生を対象としましたが、7月から中学2年、1年生にまで拡大いたしました。

公共施設のバリアフリー化が求められています。補助事業を取り入れまして、まず町民の皆様の利用度が高い、町体育館入口をバリアフリーにする改良工事をしたいと考えております。

また、選挙におきまして、私は坂城駅にエレベーターを設置したいと訴えてまいりました。駅前活性化、交通弱者・高齢者支援等の象徴的な課題ではないかと考えます。そうは言いましても、町長になったからといって、いきなり工事ができるわけではありません。しなの鉄道の本社に伺い、エレベーターの設置をお願いしてまいりました。また、駅舎の利用についてもお願いしてまいりました。しなの鉄道の経営状況もございます。補助事業の動向、沿線市町の事業順位、様々な制約もあるところですが、事業化に向けての手法や、利用者である町民の皆さんの協力体制など、取り組んでまいります。  

 次に「誇れる町」芸術・文化の振興でございます。「今年の夏は、坂城が熱い」とでも言いましょうか。8月最後の土曜日27日びんぐしの里公園で薪能が開催されます。実行委員会の皆さんがはりきって、計画を進めており、町といたしましては、教育委員会を窓口に各関係課との連携を図っております。重要無形文化財いわゆる人間国宝の松木千俊(まつき ちとし)さんや狂言師としていろいろな分野に挑戦している野村萬斎(のむら まんさい)さんが出演をいたします。また、町内の小学生も地域の皆さんにご協力をいただき能楽の勉強をし、同じ舞台に立てることに胸を膨らませています。日本の伝統文化を、次世代に継承し、芸術・文化活動振興の一つとして、応援してまいりたいと考えます。  

元気な町にとって、環境は大切な裏付けです。最近の一番の関心事は、福島第一原発の事故を受けて、目に見えない放射能に対する不安が高まっています。国民に安心を伝える責任は、まず国にある。「しっかりしろ日本!」と国民が声を上げています。長野県では、現在、長野市にあります長野県環境保全研究所での観測データーを発表しており、観測地点の拡大を検討されているようです。県民が安心できる状況を願うところであり、町といたしましては、県や広域、近隣市町村とどう歩調を合わせることができるのか、検討してまいりたいと考えます。 

道路環境も大きな問題です。18号バイパス坂城町区間の説明会がありました。今年度の調査をスタートに事業が進められますが、早期完成に向け、議員の皆様、町民の皆様とともに取り組んでまいります。また、町の基幹道路である産業道路整備につきまして、坂都1号線・A01号線整備を進めてまいります。  

下水道は、住民の関心の高い環境問題でもあります。22年度末の普及率は65.4%です。住民の3分の2の方々が利用いただける環境整備ができたといわれます。これは、いまだ3分の1の皆さんが利用できない状況であるということです。本年度は町横尾区、上五明区、網掛区、上平区で面整備、管渠工事等を進めます。未整備地域解消に向け引き続き力を入れてゆきたいと考えます。  

また、県営水道の市町移管問題につきましては、町民が安心できる水の確保は当然のこととして、町が事業運営ができるまでの体制整備が最低条件であり、新たな負担増がないよう、慎重に取り組んでまいります。  

なお、小網地区の上水道整備につきましても、地元区と連携をとり、効率的な事業執行ができますよう、県と調整をしてまいります。  

ごみ処理問題は、人間生活と切っても切れない問題です。今、私たちにできることとして、ごみ減量化に取り組みましょう。22年度の可燃ごみは前年比約170トン 6%の減となりました。私は、こういった問題も“地域の教育力”の表れと考えます。次代に私たち大人の伝えるべきことの一つではないでしょうか。「まぜればゴミ わければ資源」更なる減量化に町民の皆様のご協力をお願いいたします。  

次に、防災につきましては、今回の災害をみるにつけ、消防団の若い力がいかに地域を支えているかを再確認いたしました。消防団員の皆さん頑張ってください。地域の皆さんがきっと応援してくれるはずです。町として、皆さんの活動しやすい基盤整備に努めます。 今回の補正に第3分団消防コミュニティー建設を計上いたしました。場所は、町横尾・入横尾・泉の3区から要望のありました、泉区内の町有地に予定しております。また、一級河川谷川(やがわ)に面することを考慮し、水防にかかる資機材倉庫も併設してまいります。  

町有線放送電話につきましては、施設更新後16年が経過いたしました。災害発生時の情報通信のあり方が重要視されます。無線通信も視野に入れ、これからの整備の方向性の検討を行う組織を職員の中に再編させ、検討をしてまいります。

以上 私の町政運営の目指す所信を述べさせていただきました。

今議会でご審議をお願いいたしますのは、人事案件1件、協定の締結1件、条例の一部改正1件、一般会計補正予算1件でございます。

なお、私が選挙で、町民の皆さんにお約束した「町長の報酬減額」につきましては、議会最終日に、「町長の給与の特例に関する条例」をご審議いただくべく準備を進めておりますので、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げ、所信表明、招集のごあいさつといたします。

なお、本日、提案されました議案と発委の項目だけ示しますと以下のとおりです。

議案第31号 坂城町固定資産評価員の選任につき同意を求めることについて(宮下副町長が選任されました)

発委第1号 「東日本大震災」及び「長野県北部地震」に対する被災者支援並びに坂城町災害対策の推進に関する決議について(満場一致で決議されました)

以下、第32号、33号、34号につきましては20日以降の一般質問等で審議されます。

議案第32号 上田地域定住自立圏形成に関する協定の締結について

議案第33号 坂城町税条例の一部を改正する条例について

議案第34号 平成23年度坂城町一般会計補正予算(第1号)について

以上。 坂城町長 山村ひろし

平成23年第2回(6月)坂城町議会定例会招集ご挨拶と所信表明(前半)

本日(6月13日)、平成23年第2回(6月)坂城町議会定例会が開催されました。開催に当たり、招集のご挨拶と所信表明をさせていただきました。本議会は13日より24日まで開催されます。詳細につきましては、別途、議会事務局より報告がありますが、ここでは、私のご挨拶と所信表明を掲載させていただきます。

「平成23年 第2回(6月)坂城町議会定例会招集挨拶ならびに所信表明」 

 本日ここに、平成23年 第2回坂城町議会を招集いたしましたところ、議員におかれましては、全員の皆様にご出席をいただき開会できますことを、心から感謝申し上げます。
 先の臨時会におきまして、宮島議長、柳澤副議長はじめ各常任委員会の委員長等「新しい議会の体制」が整いました。議員各位の皆様方に、改めましてお祝い申し上げるとともに、ご活躍されんことをご期待申し上げます。
 さて、私も「民間視点で坂城町に新風を!」旗印に、町長選挙に立候補し、町民の皆様の温かいご支援を賜りまして、当選をさせていただきました。初登庁から本日までの間、2回の臨時議会を経験いたしました。また、各種団体の総会等に積極的に出席をさせていただいたり、企業のトップの皆様の声をお聞かせいただく一方、役場各課とのヒアリング、課長をはじめとする職員との話し合いも数を重ねております。
 また、町長就任にあたり、役場職員全員に提出をもとめました提言書は、ほぼ全員から回答がありました。内容は素晴らしいもので、現在テーマごとに整理をしているところです。近々テーマごとの組織横断のタスクフォースを作り、内容を詰めてゆきたいとかんがえております。
いよいよ、私が町民の皆様に訴えてまいりました「活力あふれた 元気で 明るい坂城町づくり」をスタートさせる体制が整いました。 
さて、臨時会におきましても、招集のごあいさつで申し上げましたが、定例会ということでございます。改めまして、東日本大震災で亡くなられました皆様、被災された方々、いまだ終息の方向すらみえない原子力発電所事故により、避難をされている皆様、長野県北部地震で被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を願うものです。
 被災地の皆様に、坂城町といたしまして栄村に対しましては、地震の1週間後となります3月18日にミネラルウォーター1.5リットルを段ボール箱34箱408リットル、子供たちのために株式会社ロビニア様のご協力を得てチョコレート300人分をお届けしました。また、当日、現地の対策本部の方と話し合い、日精樹脂工業株式会社様のご協力をいただき、プラスチック製スープカップ、コップ、箸、それぞれ3,000個、トレイ1,000個をお届けいたしました。また、1か月後の4月12日には災害援助金といたしまして100万円を島田村長にお渡ししてまいりました。
 東日本大震災に対しましては、全国町村会を通じ、公費義援金200万円をお贈りいたしました。また、人的支援といたしまして、県を通じ国から要請を受け、5月24日から29日までの間、保健師をはじめ4名の職員を被災地であります岩手県陸前高田市に派遣いたしました。避難所や孤立した住宅に住む要支援者のケアや健康相談の活動をしてまいりました。
被災地での活動報告につきましては、町ホームページ、有線放送番組で町民の皆様にお伝えしております。また中学校、3小学校で生徒・児童の皆さんの全校集会において、被災地の状況についての報告会を開催したところです。
なお、今回の職員派遣に際し、何か坂城町から元気を送りたいと「坂城のバラ300本」を被災地にお届けしました。「明るいバラ、バラの香りが長野県の坂城町から元気を届けていただいた。」と皆さんに喜ばれたと報告を受けましたが、被害の大きさとともに、残された方々の心に受けた傷の大きさは計り知れず、本当に一日も早い復興と、新たな暮らしに向かって立ち上がれますことを願わずにはいられません。町といたしましては、今後も人的支援要請に対しまして、積極的に対応してまいります。
 現在、被災地を離れ、坂城町の親戚等に避難されている方は、5家族9名の方々と町との連絡が取れております。町では福祉健康課を窓口に一本化し、避難元である自治体からの情報をお伝えしたり、相談体制を執っております。既にお帰りになられた、避難先を移転されたご家族も3家族ございます。町に避難されている方の情報がございましたら、町にお知らせいただきたいと存じます。
 なお、町民の皆様から寄せられました東日本大震災・長野県北部地震に対する義援金は、6月10日現在で1,120万円となりました。日本赤十字社を通じまして、被災者の皆さんに届けられます。
ありがとうございました。
  さて、選挙後の初めての議会定例会でございますので、私の「まちづくり」についての考えや施策の展開について、所信を表明させていただきます。 
 最近の日銀や内閣府の経済予測では、4月~6月期は、いまだマイナス成長との見方が多いようですが、7月~9月期はプラス成長となり、V字回復を予想しております。坂城町としてもこの基調に乗り遅れることなく、行政面からもサポートをしていきたいと思います。
私は、選挙公約に「活力あふれた元気な町」「人の輝く町」「笑顔の町」「誇れる町」の4つの柱立てをし、それぞれの施策展開を組み立ててまいりました。こういった中で、この4月から町の10年後の将来像を“人がともに輝く ものづくりのまち”と定めた第5次長期総合計画との関係はどうなるのかと、ご心配をされる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、総合計画とは理念、考え方、方向性を定めたものでありまして、表現の違いはあるにしても、その「まちづくりの基本理念」において方向性が私の考えと違っているとは考えておりません。ただし、展開して行く事業や進める手順などにつきましては若干の違いは出てくるでしょうし、24年度からの実施計画の見直しの中に、私のカラーを出してまいりたいと考えておりますし、今年度におきましても、6月補正など補正予算等の中で、私の方向性も示せるものと考えますので、議員各位、町民の皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
 広域行政の一つの形として、定住自立圏構想がございます。新たな枠組みとして、坂城町は上田市と「地域医療」「産業振興」「地域交通」「人財育成」の4つの項目において協議を進めており、今定例会に上田市との協定締結にかかる議案を上程しております。いずれも大切な項目であると考えますが、今後も研究、検討する中で、町民の皆さんにとって必要な取り組みがあれば、新たな項目として対応もしてまいりたいと考えております。たとえば、具体案として、町内つづ浦々を回っております巡回バスを、一日数便を上田まで延長し、総合病院などへ通えるように検討中でございます。
 
 さて、「活力あふれた元気な町」でございます。
「坂城町はものづくりの町」これは、どなたが考えてもそうなります。私もそう考えますし、総合計画でも将来の町の姿を“人がともに輝く ものづくりのまち”と定めております。ここで一つ目を閉じて思い浮かべてみてください。“ものづくり”のイメージはどんな色になるでしょうか。こんなにも素晴らしい坂城町の自然環境を知らない方には「ものづくり…イコール…キューポラの街」になってはいないでしょうか。
間違いなく坂城町は「企業の町」です「ものづくりの町」です。私は「坂城ものづくり」と「青い空」のイメージを町民の皆様は当然のこと、坂城を知らない人々に伝えることも、行政に求められていると考えます。
企業を訪問させていただき、お話をお聞きするに国内は無論のこと、海外においても大きなシェアを占める部品を製造していたり、新製品を開発するなど町内企業が頑張っている姿を見てまいりました。震災影響があり、いまだ、町内の景気動向はマダラ模様ではあると思いますが、企業の皆さんは決してめげていません。前を見据え、力強く進もうとしています。そんな姿を一人でも多くの方に知っていただく体系づくりを進めてまいりたいと考えております。
名誉町民であります日精樹脂工業の創設者故青木固さんが、この5月、全米プラスチック協会の殿堂入りをされました。アメリカで青木固さんは、日本の樹脂産業の先駆者として活躍し、900以上の特許を取得された方と紹介されています。東洋人としては初めての殿堂入りであり、ノーベル化学賞を受賞されている方と一緒ということであります。これは、会社にとっての名誉でありますが、我が坂城町の名誉でありますので、私がブログに紹介し、町ホームページから発信させていただきました。
新たな取り組みとして、信州大学と企業、自治体や公共団体による産学官連携組織である「信州大学ものづくり振興会」に特別会員として参加することを決めました。新たな情報交換や交流の場として、町内企業の科学技術の振興や活性化の一助となりうると期待するものです。
また、長野県としても積極的に推進しようとしている、大規模太陽光発電計画には、クリーンなエネルギー作りとして、町としても積極的に参画をしていきたいと考えております。ソーラーパネルの下の日陰部分で茸の栽培などができないか、ということなども含めて検討を進めてまいります。 
町農業を取り巻く環境は大変厳しい状況であります。震災による消費マインドの低下は、町の“りんご”“ぶどう”“花卉”等の農産物の売れ行きを心配させます。高齢化、担い手不足、遊休荒廃農地の解消、鳥獣被害、松くい被害等々について、農業委員会、農業支援センター、林業委員は勿論のこと、区長さんはじめ、猟友会の皆さん等地域の皆さんと一緒に取り組んでまいります。
先日、ある方に伺いましたら、日本で一番ワインブドウづくりに適しているのは、もはや山梨県ではなく、長野県なのだそうです。特に坂城は、ブドウ作りの土壌が素晴らしく、ぜひともワイナリーを作るよう勧められました。このようなテーマにつきましても、皆様と一緒に検討させていただければと思っています。 
 商業・観光につきまして、まず坂城町のセントラルステーションである坂城駅前をどう位置付けてゆくかが課題であろうと考えます。手始めとして、長野県信用組合さんの協力をいただいて、駅前にバラ祭りの広告横断幕を掲示いたしました。今後も町内イベント情報等の発信の場として研究してまいりたいと考えます。 
 第6回バラ祭りが6月4日土曜日から始まりました。坂城小学校の5年生の歌と太鼓もとても素晴らしいものでした。一昨日、昨日は満開時となり、二日間で 7,800人、開会日からは20,600人の方に訪れていただきました。「活力あふれ 元気で あかるい坂城町」発信の拠点として、町内観光、商業の活性化につなげる努力を、皆さんとともにしてまいりたいと存じます。  

老子のつづき (第四章)

今日は老子の第四章を見てみましょう。

   道冲而用之、或不盈。淵乎似萬物之宗。挫其鋭、解其紛、和其光、同其塵。湛兮似或存。吾不知誰之子、象帝之先。

    「道は冲(ちゅう)にして之を用ふるも、或(ひさ)しく盈(み)たず。淵として萬物の宗に似たり。その鋭(えい)を挫き、其の紛を解く。其の光を和らげ、其の塵に同ず。湛として存するに或るに似たり。吾、誰の子たるを知らず。帝の先に象(に)たり。」

   「道」は誠に大きな存在で、大きな大きな空洞のようなものですがその働きは無限で、尽きることはありません。深々としていて万物の根源のようです。また、何か目立っているわけでもなく、何事でも解決してくれるのです。穏やかな光で塵のように静かにじっとしています。 あるいは深く湛えられた水のように泰然としています。私はそれが誰の子なのかということは知りませんが、大昔の天帝のさらに祖先のようにも思えます。

ここでは、大宇宙、あるいは大自然の根源、「道」について別の言い方で表現しています。

「道」はとてつもなく大きな存在であるけれどもごく自然に何事も解決してくれるものだと言っています。目立つわけでもなく、まさに無為自然に物事を解決してくれるようです。静かに落ち着いているさまを「光を和らげ、其の塵に同ずる。」とも言っています。(和光同塵) なかなか人の行いとしてこういう行動はとれませんね。

 坂城町長 山村ひろし

南条小学校児童会から寄付を受け取りました。

本日(6月8日)、南条小学校の児童会の皆さんが、震災を受けられた方々への義捐金を持ってこられました。

今回の義捐金は児童会が中心になって校内で約5万円を集めたものです。
このうち、半分を公益社団法人信濃教育会へ、半分を町(経由して日本赤十字社)へと寄付されます。
町として本日お預かりした額は 24,523円 です。

大変、素晴らしいですね。南条の子供たちに感謝感激!!

画像向かって左から、長谷川教育長、山田純さん《児童会長》 
中村千佳さん《副会長》、滝沢絵美さん《副会長》、山村町長、天田藤雄先生

(もう一人の児童会副会長・柳沢周さんは本日欠席)

今年から、5年生の国語の教科書に取り上げられた、「百年後のふるさとを守る」(稲むらの火の物語)を語る山村町長。

以上。 坂城町長 山村ひろし

カヤマ様が消防団協力事業所表示制度第1号に

消防団員は、常備の消防職員とは異なり、平素は生業を持ちながら「自らの地域は自らで守る」という崇高な郷土愛護の精神に基づき、消防活動を行う権限と責任を有する非常勤特別職の地方公務員であります。(消防庁)

坂城町の防災上の観点からも消防団の存在は非常に大きなものがあります。日本全体を見るとかつて200万人はおられた消防団員数が現段階では90万人を割る状況になっています。また、消防団員のほとんどの方が被雇用者(70%以上)となっており、消防団と企業との関係が無視できません。そこで、平成21年から消防団協力事業所表示制度がスタートし、消防団活動に積極的にご協力いただいている事業所を認定し、表示することにいたしました。事業所のサイズによって認定対象数が異なりますが、坂城ではおおむね2名以上消防団員がおられれば認定対象となります。認定されると税額控除などの特典もあります。是非とも本制度を有効にご活用になり消防団員の増加、活性化につながればと思っております。ご協力のほどよろしくお願いいたします。(詳細につきましては坂城町役場住民環境課消防主任までお問い合わせください。)

本日、 カヤマ様にて坂城町第1号の認定式を行いました。

左から  カヤマ社長 小宮山俊夫氏、山村

左から 小宮山俊夫氏、塚田晃氏(第8分団団員)

三井武氏(第2分団班長)、小宮山直氏(第5分団分団長)

以上。  坂城町長 山村ひろし

第6回 坂城 ばら祭り の様子

6月4日(土)から「さかき千曲川バラ公園」 で第6回ばら祭りが開催されています。

初日の開会式では絶好の好天(良すぎるほど)に恵まれ、国土交通省千曲川河川事務所(柴澤所長代理殿)、国土交通省関東整備局長野国道事務所(其田所長殿)、千曲河川事務所戸倉出張所(森所長殿)、信州大学教育学部中村教授、坂城町議会宮島議長など大勢のご来賓、お客様にお出でいただき盛大に開会式が催されました。(実行委員会池田委員長、三井副実行委員長)

開会式では、坂城小学校5年生による和太鼓の演奏、また、式典終了後にはフォークダンス同好会の皆さんによるパフォーマンスもあり大いに盛り上がりました。

期間中は、2502000株の咲き誇るばらを楽しんでいただけるだけでなく、ばらの苗木や町特産品の販売、ばら挿し木講習会や育て方相談なども行われます。ばらの彩りと、一帯をつつむ甘美な香りを楽しみに、ぜひご来園ください。

あわせて、西念寺さんでは、4日、5日の両日、ミニばら、レカンフラワーの講習会なども行われ、こちらも多くの方にお出でいただき大成功だったとのことです。

今年のばら祭りでは、現在のところ、4日、5日で約4100人の方にお出でいただいております。昨年のスタート時の2日間2500名に比べても大幅な増加となっておます。この調子で、もっともっと大勢の方にご来場いただければと思っております。ご関係の方々に是非とも声をおかけいただきお誘いください。

http://www.town.sakaki.nagano.jp/sightseeing/W004H0000005.html

坂城町長 山村ひろし

陸前高田市 佐々木瑠璃さん

「致知 出版社」の小笠原さんから、先日、救援チームを派遣した、陸前高田市の高校生 佐々木瑠璃さんのご紹介がありました。以下、朝日新聞の記事とあわせてご覧ください。

坂城町長 山村ひろし

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山村 弘 様
朝日新聞5月15日の朝刊で紹介された陸前高田市の佐々木瑠璃さん。瓦礫の前で亡き母に届けと震災から1か月過ぎた4月11日に自宅跡に立ち泣きながらトランペットを吹いたZARDの「負けないで」。
その写真を見た、石巻市出身の東京フィルハーモニー交響楽団のトランペット奏者:安藤友樹さんは「写真から悲しい音色が聞こえるようだった。
何かのきっかけにしてほしくてと、被災地支援のチャリティーコンサート 「故郷」に佐々木さんを招いた。
最初は戸惑った瑠璃さんも「津波の怖さ、被災者の悲しみが一人でも多くの方に伝わるのなら」「亡くなった幼なじみがいる。
両親を失い、転校した友人がいる。 それに比べれば、私なんて……。
この体験を語り継ぐ責任があるような気がするんです。
参加を決めたコンサートもお母さんたちが用意してくれた舞台なのかも」 と。
母、宜子さん(43)と祖母、隆子さん(75)、叔母、いとこを亡くした。
祖父、廣道さん(76)は行方不明。
東京で開催されたコンサートでは、4月11日に自宅跡で演奏した曲と同じZARDの「負けないで」を、ウィンドオーケストラをバックに演奏。
アンコールの「ふるさと」の歌は客席の合唱で幕を閉じた・・・
いま、この「ふるさと」の歌にどれ程多くの人が慰められ心が

癒されているか・・・
そう思うと込みあげてくるものがあり、胸がいっぱいになります。
偶然にも「致知」7月号の116頁に、「ふるさと」の歌詞とルーツが紹介されていて深い感動と新たな気付きがありました。
24節季の写真と併せ、ご覧いただければと・・・
http://chichi.happy.nu/24/summer03/

致知出版社 小笠原節子

(5月15日朝日新聞から)

http://video.asahi.com/viewvideo.jspx?Movie=48464141/48464141peevee391097.flv

老子の続き 第三章から

今回は第三章です。重要なところなので若干長文ですが全訳します。

   

     不尚賢、使民不爭。不貴難得之貨、使民不爲盗。不見可欲、使民心不亂。是以聖人治、虚其心、實其腹、弱其志、強其骨。常使民無知無欲、使夫知者不敢爲也。爲無爲、則無不治。

  

   賢を尚(たっと)ばざれば、民をして争はざらしむ。得難きの貨を貴ばざれば、民をして盗を為さざらしむ。欲す可きを見さざれば、民の心をして盗を為さざらしむ。欲す可きを見さざれば、民の心をして乱れざらしむ。是を以て聖人の治るや、其の心を虚しくして、その腹を實し、其の志を弱くして、其の骨を強くし、常に民をして無知無欲ならしめ、夫の智者をして敢て為さざらしむ。無為を為せば、則ち治まらざる無し。

   政治家あるいは社会のリーダーが、頭でっかちの利に聡い人間ばかりを優遇することを止めれば、極端な受験戦争や出世争いなどは少なくなります。又、身分不相応な財貨にうつつを抜かすような暮らしぶりをたしなめるようになれば、犯罪を犯すことも少なくなります。ことさらに欲望を誘うようなことも少なくなれば、人々の心が乱れることもありません。聖人が政治を行えば人々が素直な心を持ち、質実に生活を豊かにし、よからぬ思惑を持つことを少なくし、背骨をしっかり伸ばし、つまらぬ欲望や、知識偏重でない健全な心持を持つようになり、人々をたぶらかそうとする不誠実な評論家のような人間の跋扈を許さないようになります。「無為」の状態になれば万事うまく納まるのです。

  以上。

坂城町長 山村ひろし

ジョセフ・ナイ(Joseph Nye)さんのこと(ソフト・パワーまたはスマート・パワー)

昨年から信濃毎日の一面で第一日曜日に、エッセイ(ワールド・インサイド)を書かれているジョセフ・ナイさんがテロ対策の観点から見た「ソフト・パワー」についてふれています。

ナイさんは、近年の米国の「ハード一本やり」な国際問題への対応について、「ハード・パワー」(軍事力や経営)のみでなく「ソフト・パワー」(柔軟な政治力、文化的影響力など)という概念の必要性を論じています。(ナイさんは一時、駐日日本大使候補として報じられたこともある親日派でもあり、たびたび日本でも講演を行っています)

今回のエッセイでは、ビンラディンが暴力と神話を合体させた独特な「ソフト・パワー」を駆使していたというのです。従って、米国がいつまでも単純なハードパワーに頼ってばかりいてはなかなか効果が出ないというのです。ビンラディンが殺害されたとはいえ、テロ対策のタカ派の軽率な対応でなく「ソフト・パワー」を進化させた「スマート・パワー戦略」が必要であると説いています。(詳細は信濃毎日6月5日号朝刊、または著書 "The Power to LEAD" をご覧ください。

昨今の日本の政治を見ていると、もっと、もっと「スマート・パワー」が欲しいですね。

坂城町長 山村ひろし