本日(7月3日)、六本木ヒルズで開催された 「第6回TOPOS会議」 に出席しました。
このTOPOS会議は野中郁次郎一橋大学名誉教授が発起人となって始められた、世界的な錚々たる賢者を集めて年2回開催される「知の場」(TOPOS)です。
今回で6回目となりました。
今回のテーマは 『エイジング3.0― 2050年に向けた賢慮なる生き方、働き方、知のあり方 ― 』 という大変大きなものです。
超高齢化社会の本質をとらえ長期的な視点で議論しようというものです。
素晴らしいいくつかのアイデアとして、「超高齢化社会を暗いものとしてとらえるのではなく、積極的に取り組むべき明るいテーマとする」、「スマート・プラティナ社会」という考え方、「シルバー・バレー(Silver Valley)・・シリコンバレーと同じように超高齢化社会に対して総合技術的な拠点を創る。(フランスの例)」、「老人の知性と若者の知識を組み合わせる」など大変興味ある議論が提出されました。
今回の論点をもう少し整理して坂城町でも議論をしたいと思います。
本テーマの主旨は以下の通りです。 坂城町にとっても切実な問題であり、短期、長期的に取り組まなければならない喫緊のテーマです。 以下、いささか長文ですがご参考まで。 (TOPOS会議資料より)
「世界の総人口が90億人を超えるにもかかわらず、我が国は1億人を割り、しかも65歳以上が4割近くを占め(15歳未満は何と1割程度)、平均寿命は女性が90歳、男性が83歳を超える――。 これが、各調査機関が予測する21世紀半ばの日本です。医療のさらなる高度化により、平均寿命はさらに伸びるという予測もあります。
こうした高齢化は世界的な傾向であり、かつ人類史上初めての経験です。幸か不幸か、日本はそのフロント・ランナーであり、それゆえ「課題先進国」あるいは「課題解決先進国」というスローガンも生まれてきました。
高齢化について議論される時、通常、現在抱えている課題、近い将来直面する課題が取り上げられます。それは、いわゆる「エイジング2.0」と呼ばれるフェーズのものであり、多くが喫緊の課題であり、解決が急がれます。
しかしその一方で、さらなる未来の課題について思索し、顕在化する前に備える必要があります。課題はいかに先進的であろうと、これまでのように課題が具体化してから解決策を議論していては、泥縄の内容になるばかりか、いつまで経っても課題解決先進国などなれません。しかも、長寿リスクの話ばかりでは暗くなる一方です。
第6回トポス会議において、我々は、「エイジング 3.0」について議論することを提案します。誰もが長寿を謳歌し、それが当たり前の時代になるのは時間の問題です。しかも、医療やヒューマン・エンハンスメント(肉体強化)、ロボティックスの技術進歩は目覚ましく、たとえば、平均寿命が100歳あるいは150歳(もしかしたら200歳)を超える、肉体年齢を半減できることも夢物語ではありません。エイジング3.0は、超高齢社会(裏返せば「低出生率社会」)の新たな前提を設定し、二歩先、三歩先について考えるという試みです。
少なくとも、たとえば「若さの概念や尺度が変わる」「生き方や働き方が非連続的に変わる」「高齢者は若者からメンタリングや再教育を受ける」「既存の経済や社会システムが実態と完全なる齟齬を来たす」など、近未来のニュー・ノーマル(新常識)について思いをめぐらす必要がありそうです。
そこで今回は、現在高齢化問題に先進的なアプローチで取り組んでいる医療関係者の方々のほか、「身体知の意味」について狂言師の権威を、「長寿の功罪」について倫理学者を、また海外からは「科学技術による寿命の大幅な延長と肉体年齢の低下」に関する研究者、デザイン思考による「超高齢社会の生き方や働き方」を考える実学者、「21世紀にふさわしい高齢者コミュニティ」の推進者などをお招きして、まさしく学際的な議論を展開する。」 というものです。
今回のパネリストも錚々たる方々ばかりでありました。
(プログラムの内容)
(登壇者)
( パネルディスカッション開始前の風景)
左から2番目に野村万作さん
中央:グレッチェン・アッディ(Gretchen Addi) IDEOパートナー
IDEOは米国のコンサルティング会社でデザイン研究の先端企業です。米国パロアルトの事務所には何度かお邪魔したことがあります。
ナターシャ・ヴィタモア(Natasha Vita-More)
先端技術大学教授 ハンディキャップのある方などへのヒューマン・エンハンスメント(肉体強化)の権威者
久しぶりに野中郁次郎先生と
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坂城町長 山村ひろし