老子の続き(第56章)

この章も誠に重い考え方を述べています。

冒頭の「知者は言わず、言うものは知らず」 誠にその通りだと思います。

                                  

 知者不言、言者不知。塞其兌、閉其門、挫其鋭、解其紛、和其光、同其塵。是謂玄同。故不可得而親、亦不可得而疏。不可得而利、亦不可得而害。不可得而貴、亦不可得而賤。故爲天下貴。

                                   

 知者は言はず、言ふ者は知らず。 その兌(あな)を塞(ふさ)ぎ、その門を閉ぢ、その鋭(えい)を挫(くじ)き、其の紛(ふん)を解(と)き、その光を和(やわら)げ、その塵(ちり)に同(どう)ず。 これを玄同(げんどう)と謂(い)ふ。 故に得て親しむ可からず、亦(また)得て疏(うと)んず可からず。 得て利す可からず、亦(また)得て害す可からず。 得て貴(たっと)くす可からず、亦得て賤(いや)しくす可からず。 故に天下の貴きと爲(な)る。

                       

 ものごとの本質を知っている人はペラペラと話をしないものです。 やたら話をする人はかえって理解をしていないものなのです。 本当の知者は欲望のもととなるようなすべての感覚を閉じ、鋭さを弱め、もつれをときほどし、自ら光を和らげ、そっと静に塵のようにたたずんでいるのです。 これを玄同、奥深い同一化というのです。 したがって、このような人とはことさら親しくなることもありませんし、一方、疎んずることもできません。 又、利益を与えることもできませんし、損害を与えることもありません。 貴い位につけることも出来ませんし、卑しく扱うこともできません。 だからこそこの世の中で大切なものといえるのです。

                    

 「和光同塵」という言葉はここから出ています。

 知者は言わず。 「和光同塵」のように、じっとしているものです。

 「深く沈潜する重みの大切さ」を時には考えてみたいものです。

                    

 坂城町長 山村ひろし

 

埼玉工業大学での講義

本日(7月7日)、埼玉工業大学(埼玉県深谷市)で情報システム学科の学生を中心として特別講義を行いました。

埼玉工業大学は坂城町と産学官連携を結んでいる大学の一つで情報システム学科の井門(いど)先生からのご要望があり行ってまいりました。

約60名程度の学生さんに対して、坂城町の紹介のほか、「自分を常に〈磨く〉ことの大切さ」、「技術だけでなく一般教養科目についても積極的に勉強すること」など以下のテーマでお話ししました。

 

                                          

情報系の学生が実社会で活躍できるために

 

(情報系学生八策)

 

1.基礎的な技術をしっかりと身につける

2.広い視野を持ち、リベラルアーツを身につける

  (単に情報系の知識では不十分)

3毎日、新聞を読む(日経新聞+地元紙

4.グローバルな視点を持つ(海外留学も目指す)

5.豊かな発想を育む「情緒力」を身につける

6.卒業後のイメージを持って勉学する

7.「情報系」がどのように社会に貢献できるか常に考える

8.自らの特異性、優位性を持つ(資格取得も頑張る)

                                        

坂城の企業活動の紹介

                 

 どこまでご理解いただけたかは不明ですが、久しぶりに若い学生相手に話が出来、私も大いに勉強になりました。  

                     

       

 坂城町長 山村ひろし         

千曲川改良期成同盟会の要望活動

7月5日、6日の両日にわたり、「千曲川改良期成同盟会」(会長:鷲澤長野市長)の要望活動として、国土交通省北陸地方整備局(新潟)と民主党ならびに国土交通省への要望活動を行いました。

千曲川河川流域の市町村長が各々改修の要望個所について個々に説明をしましたが、坂城町としては11か所の要望個所のうち特に、南条鼠宿の築堤工について重点要望個所としてお願いをいたしました。

この箇所は、上田市から坂城町へ千曲川が流れ込む箇所で、現在はコンクリートの特殊堤防の措置しか行われておらず、いわば無堤防箇所となっており早急に築堤をしていただく必要のある箇所です。

以下のように、各々北陸地方整備局、民主党、国土交通省にお願いをいたしました。

北陸地方整備局(7月5日)

手前右から二人目山村、向こうの列右から3人目、前川局長

民主党幹事長室への要望(7月6日)

那谷屋(なたにや)正義議員への要望活動

羽田国土交通大臣への要望活動(7月6日)

このような要望活動は首長としての大切な活動ですが息の長いある意味では地道な活動の一つです。

現在、長野県選出の国土交通大臣がおられるわけで、今後とも道路交通網も含めて精力的に活動を行っていきます。

坂城町長 山村ひろし

「旅するピアノ」 が中心市街地コミュニティーセンター多目的ホールに

先月末、中心市街地コミュニティーセンター2階 多目的ホールに米国製グランドピアノ 「KIMBALL」が設置されました。

このピアノには興味ある物語があります。

                                      

もともとこのピアノの所有者は米国フロリダ在住の大富豪 Bill Lear Jr.氏が所有していたものですが、あるピアニストの方がフロリダでコンクールに参加したことが縁となりその後のお付き合いの中で当ピアノを寄贈されました。

そのピアニストの方はビル・リアーさんからピアノを寄贈されたときには米国インディアナ州に住んでいたことから、まずこのピアノはフロリダからインディアナに運ばれました。  その後、ニュージーランドにも居を構えたことから、このピアノもニュージーランドに運ばれました。 

そして、今年から日本の音楽大学でも教鞭をとられることになり、日本にいる機会が多くなったことから、坂城町の中心市街地コミュニティーセンターへ提供したい旨のお申出でをいただき、このたび設置されることになったものです。

ビル・リアーさん

ビル・リアーさん(1928-2009)は、リアージェットという小型のジェット機の製造開発会社の社長で音楽を愛する朗らかな人柄で、若い頃は飛行機のレースパイロットだったり、冷戦時にはソビエトに対する諜報活動なども行なったこともあるそうです。

Lear Jet (リアー・ジェット機) 飛行場からそのまま家まで

このピアノは約40年位前に米国で製造されたものですが、今ではこの会社が家具の専門会社となってしまったため、ピアノの製造は行なっておりません。

日本での設置台数も極めて少なく、ホールに設置されているものは、おそらく坂城以外に無いのでないかと思われます。

音質はなかなか素晴らしいものです。 ある意味では貴重なピアノですので皆様で大切に使っていただければと思います。

これで、坂城町にはテクノセンター、文化センター、中心市街地コミュニティーセンターの3箇所にグランドピアノが設置されました。

当コミュニティーセンターのホールならびにピアノをご使用される場合にはホール隣接の鉄の展示館事務局までご連絡ください。

坂城町長 山村ひろし

坂城国際産業研究推進協議会平成24年度通常総会

昨日(7月2日)、坂城国際産業研究推進協議会(会長:竹内明雄さん)の平成24年度通常総会が開催されました。

この協議会は、「グローバル化する経済状況における企業活動のあり方を研究推進するとともに、海外企業および関係機関との提携交流を図り、技術集積及び製品付加価値をさらに高度化し、産業の国際化、地域産業経済の活性化に寄与することを目的として」平成14年に設立されたものです。 (現在27社が加盟)

今回は総会に先立ち、日本貿易振興機構(ジェトロ)の海外調査部アジア大洋州課伊藤博敏氏の講演が行われました。

主なテーマ:

近年の事業環境の変化と海外展開の実態

中小企業の海外進出における課題・留意点

アジア主要国のビジネス環境比較

以上の3点について誠に詳細なデータと共に説明をいただき、大変参考になりました。

私はこの1年海外へ出かける機会がありませんでしたが、今年は坂城町企業が多く進出している、上海、タイなど訪問したいと思っております。

坂城町長 山村ひろし

坂城町消防ポンプ操法大会

本日(7月1日)、坂城町四ツ屋消防ポンプ操法訓練場で、消防団ポンプ操法大会が開催されました。

挨拶する山村

昨年の大震災を契機に今まで以上に地元の消防団、婦人消防隊の大切さが再認識されておりますが、本日は消防団ポンプ操法大会が雨の中開催されました。

この大会は、消防団が常時の訓練成果を発表するとともに、消防技術の向上発展と士気の高揚に資することを目的に行われます。

大会は、ポンプ車の部(第2、4、7、9分団)と小型ポンプ操法の部(第1、3、5、6、8、10、11分団)の競技と、ラッパ分団によるラッパ吹奏が行われました。

大会の結果(入賞)は以下のとおりです。

◎ポンプ車操法の部  優勝:第2分団  準優勝:第7分団

ポンプ車操法で優勝した第2分団

◎小型ポンプ操法の部  優勝:第10分団  準優勝:第11分団  3位:第1分団

小型ポンプ操法で優勝した第10分団

各々の優勝分団とラッパ分団は、来週(7月8日)開催される「第53回埴科消防ポンプ操法大会及び第7回埴科消防ラッパ吹奏大会」に出場します。 (会場:千曲市大西緑地公園)    

前年同様、県大会へ出場できるよう奮闘を期待したい。 (県大会は7月29日 上田で開催されます)  

坂城町長 山村ひろし        

老子の続き(第55章)

この章も面白いですね。 理想の人物は 「赤子(せきし)」 赤ん坊のような人で、 「強壮は危ない」 というのです。

 含徳之厚、比於赤子。毒産蟲不螫、猛獸不據、攫鳥不搏。骨弱筋柔而握固。未知牝牡之合朘而 作、精之至也。終日號而不唖、和之至也。知和曰常、知常曰明。益生曰祥。心使氣曰強。物壯則老、謂之不道。不道早已。

                                    

 徳を含むことの厚きものは、赤子(せきし)に比す。 毒蟲(どくちゅう)も螫(さ)さず、猛獣も據(よ)らず、攫鳥(くわくてう)も搏(う)たず。 骨弱く筋(すじ)柔らかにして而(しか)も握ること固し。 未(いま)だ牝牡(ひんぼ)の合(がふ)を知らずして、而も朘(しゅん))の作(おこ)るは、精の至ればなり。 終日號(がう)して唖(あ)せざるは、和の至ればなり。 和を知れば曰(すなは)ち常(じゃう)、常を知れば曰(すなは)ち明(めい)、生を益せば曰ち祥(しゃう)、心(こころ)氣(き)を使へば曰ち強なり。 物(もの)壯(さか)んなれば則(すなわ)ち老ゆ。 之を不道と謂(い)う。 不道なれば早く已(や)む。

                           

 優れた徳を持っている人はまるで赤ん坊のようであるといえます。 赤ん坊には毒虫も刺すことがないし、猛獣も寄ってきません。 また、猛禽が爪をかけることもありません。 赤ん坊の骨は弱く筋肉も発達していませんが手を握る力は相当なものです。 男女の交わりなども知らないのに勃起をしたりしますがこれは精が充満しているからです。 一日中泣き通しても声が嗄れないのは自然と調和しているからなのです。 この調和を心得ていれば永遠に変わることの無い常道を身につけているといえます。 この常道が分かることを明知といいます。 反対にさかしらに不合理に生への執着を持てばかえって災いをもたらすことになります。 気力を使いすぎれば無理強いをすることになり、強壮であればあるほど早く老いてしまいます。 これを道に逆らう不道といい、不自然な行いをすればするほど早く滅びてしまうものです。

                   

 この章のすごさは、常識的な「剛強」というものを否定し、その「強さ」がいかに危ないか、「無為自然」の大切さを「赤子」を例にとって述べています。 最近の政治を見ていると「無理押し」ばかり目立ちますね。

                             

 坂城町長 山村ひろし