第13回TOPOS(トポス)会議

本日(5月30日)、六本木ヒルズで、国際会議、第13回TOPOS会議が開催され私も参加しました。

今まで、野中郁次郎名誉教授、紺野登教授を中心に12回にわたり議論を展開してきました。

今回は、ある意味では原点に戻り、”人間性” にスポットをあてて議論されました。

最近の政治、経済、社会、教育、全てに共通しているのはこの、”人間性” についての問題ではないでしょうか。

以下、ご覧ください。

今回のテーマは、「~ヒューマニティ・ベースト・ビューから考える:人間不在の日本の ”人間性” を問い直す~」 という大変大きなテーマでした。

いくつかのキーになるなコメントを以下記します。

● ヘンリーミンツバーグ(マギル大学教授) :

世界の中で”人間性”が求められている。 子どもは人間性が高く、Communityship (コミュニティーシップ)がより求められている。 *Communityship はミンツバーグが使い始めた造語。

● 加護野忠雄(神戸大名誉教授) :

日本の企業は多くがコミュニティーを持っていたが、現在は崩壊の危機にある。多くが外国資本の影響を受け短期的な目標を追い求める会社と成ってしまった。SDGsなどで新たな目標を選び、コミュニティー化を図ることも大切。

● 野中郁次郎(一橋大学教授 TOPOS会議発起人) :

コミュニティーを形成するには、「共感」が必要である。「共感」を持つには、「文脈力」が必要である。 人は非言語的な暗黙知、身体的な共振、共感、共鳴によって察知する。これらの関係を察知し新たな関係を補完したり、転換したり、創発されたりする力を「文脈力」という。他者の心の中で何が起こっているのかを予測し、その意味を総合的に解釈する、こうした働きを適時かつ適切に行えるのが文脈力のある人と言える。

主催者のメッセージは以下の通りです。

≪いまの日本企業を見ると、ずいぶん前から「人間不在」「人間性軽視」が常態化していないだろうか。かつては日本企業を範としていた、あるグローバル企業のCEOは、こんな苦言を呈している。「いつの間にか、人間を大切にする経営から、利益や効率ばかりを考える経営に変わってしまった」。

そこで、脱機械論・人間中心の経営を訴えてきたマギル大学教授のヘンリー・ミンツバーグ氏を招聘し、神戸大学名誉教授の加護野忠男氏、そして代表発起人の野中郁次郎の3人が、コミュニティシップ、プルーラルセクター、共感といったコンセプトを交えながら、人間・人間性を大切にする経営、さらには経営の普遍性について議論する。

人工知能(AI)やロボットにまつわる議論では、自動化による人件費の削減、それに伴う労働生産性の向上といった効率主義が強調されており、AIと人間、ロボットと人間の新たな共存関係や共進化についてはなおざりにされている。これらの問題について、人間中心の社会デザインを考えるIT/AIの研究家にして実業家、免疫を研究する生命学者にして実業家、そして義足のアスリートが健常者のチャンピオンよりも速く走るという目標を掲げる義足エンジニア、といった賢慮の実践者たちと一緒に考える。

病院経営者、グローバル企業のダイバーシティ担当役員など、リアルな実践者たちを招いて、人間中心・人間性重視の実践知について、あらためて議論の場を設ける。そこでは、人間尊重を起点とした多元的なオープン・コラボレーション、人間性と経済性を両立しうるソーシャル・エンタープライズといったトピックが浮上してくる。

以上のように、第13回トポス会議では、「人間性の視点」、言わばヒューマニティ・ベースト・ビューから、経営やビジネス、コミュニティや社会の行方について考える。≫

● セッション1:経営における人間性

● セッション2:技術における人間性

● セッション3:コミュニティにおける人間性

● 総括 : 野中郁次郎名誉教授

登壇者 : 遠藤 謙(Xiborg 社長)、井上 浄(リバネスCTO)、加護野忠男(神戸大名誉教授)、亀田信介(亀田総合病院院長)、松田雄馬(アイキュベータ代表)、ヘンリー・ミンツバーグ(マギル大学区教授)、中里悠里(富士通研究所AI研究員)、バーバラ・ワイ(インテルVP)、カトリーヌ・マラブー(キングストン大学教授)、都筑沙矢香(キャスター)、紺野登(多摩大学教授 TOPOS会議発起人)、野中郁次郎(一橋大学教授 TOPOS会議発起人)

▼左:野中郁次郎先生

坂城町長 山村ひろし

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