キャノングローバル戦略研究所研究主幹の瀬口清之さんから、最新の米国レポートが来ました。 大変興味ある内容です。
以下、ご覧ください。
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各位
今回は9月22日から10月3日まで、米国出張に行きました。
オバマ政権はレイムダック化しつつあることに加え、11月4日投票の中間選挙を控えていることから、政治的関心が国内問題に集中しているため、外交政策について深く考える余裕がない状況にあります。
そうした状況下、オバマ大統領はシリア内のイスラム国の拠点に対する空爆に踏み切りました。これによりますますアジア外交のウェイトは低下したはずです。
一部の専門家は、アジア重視を謳ったPivot、Rebalanceといった言葉は空砲になったと言っています。ただ、今のところ、これによってアジアにおける米軍の配備が削減されるような事にはなっていないようです。
一方、中国の習近平政権は、7月29日に周永康問題にけりをつけ、党内の権力基盤の安定化を図ったはずですが、その後国内改革や外交政策面で目立った動きは見られていません。一説には解放軍改革が当面の最優先課題であり、そこに多大な時間と労力を割かなければならないため、その他の政策課題をじっくり検討することが難しいのではないかと言われています。
本当の理由は良くわかりませんが、いずれにせよ、こちらもあまり目立った動きが見られていません。
このように米中両国ともに外交面の(内政面も)動きが鈍っている状況下、日本の安倍総理は、集団的自衛権の承認、日米防衛ガイドラインの見直し、普天間基地移設への働きかけ、防衛力強化など安全保障政策面で着々と政策を前進させてます。経済政策は消費税引き上げを年内に決められるかどうかが大きな課題となっています。この間、日中関係については、APEC開催時の首脳会談実現に向け両国の要人レベルの交流が少しずつ前向きになっているように見えます。
以上のような日米中関係の状況下、今回の出張では、米国のアジア外交専門家、国際政治の専門家等と面談し、米中関係、日米関係に対する見方を中心に意見交換を行いました。
それぞれについて米国の中でも異なる意見が存在し、先行きの方向は不透明ですが、日本として何をすべきかを考える上では多くの有益な情報を得ることができたと思います。
出張報告をご一読頂いたうえ、ご意見、アドバイスを賜れれば幸いです。
キヤノングローバル戦略研究所
瀬口 清之拝
以下、詳細レポートのサイトです。
http://www.canon-igs.org/column/141020_seguchi.pdf
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坂城町長 山村ひろし