キャノングローバル戦略研究所研究主幹の瀬口清之さんから最新の中国レポートが来ました。
中国問題に関して、日本の第一人者として大活躍されていますが、ほかのメディアと違い、常に自分の足で中国各地を回り、中国語で中国要人と会話のできる瀬口さんのコメントには常に迫力があり感銘を受けます。
以下、瀬口からの中国出張報告に関するコメントです。
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各位
今回は4月20日から5月1日まで、北京・成都・上海に出張した時の報告です。
北京と上海で得た情報を整理しただけでもかなり文章が長くなってしまいましたので、成都出張関係を含む一部の情報は今回の報告からは割愛し、近々別の原稿の形でお届けする予定です。
今回の出張で印象に残ったのは以下の2点です。
第一に、中国のマクロ経済は引き続き安定を保持しているにもかかわらず、中国政府関係者を含め多くの専門家・有識者が先行きの景気下押しリスクを懸念していることです。この懸念の背景には「新常態」政策と反腐敗キャンペーンという習近平政権の政策運営の根幹を支える2本柱とも言える政策が生み出す副作用が影響しています。とくに後者の副作用は役人の士気低下を通じて構造改革の推進力全体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、今後の動向が心配です。
第二に、日中首脳会談の実現等を背景とする最近の日中関係の改善が、日本企業の対中投資姿勢にはあまり影響していないのに対して、中国側の日本企業との提携意欲・誘致姿勢は明らかに強まっていることです。この動きは中国企業の技術・サービスに対するニーズの高度化が背景にあるため後戻りすることのない構造変化です。現時点では中国側の変化が日本企業に殆ど影響を及ぼしていませんが、この傾向が続けば、いずれは徐々に日本企業の対中投資姿勢にも変化が生まれるのではないかと予想しています。
以上のようなマクロ経済や日中経済関係に関する情報のほか、AIIBに関する最新情報も盛り込んでおります。
ご一読頂き、ご意見、アドバイス等ございましたら、お伝え頂ければありがたく存じます。よろしくお願い致します。
キヤノングローバル戦略研究所
瀬口 清之拝
(以下、瀬口清之さんの中国レポート詳細)
http://www.canon-igs.org/column/150515_seguchi.pdf
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坂城町長 山村ひろし