先日(9月27日)開催された 「十六夜フェスティバル」 (十六夜観月句会)の際に、俳人の朝吹英和さんから紹介された本があります。
それは、現在、中学2年生の小林凛君が小学校6年生の時に出版された句集です。(昨年、中学1年生になって、2冊目の「冬の薔薇立ち向かうこと恐れずに」も出版されています。)
いずれも、ブックマン社から
凛君は生まれた時の体重が944グラムで生存も危ぶまれた子どもでした。
そんなことからでしょうか、小学校に入学した直後からひどいいじめに会い、不登校にならざるを得なかったのですが、そこで出会ったのが俳句でした。
お母さん、お婆ちゃんの手助けを得て、素晴らしい句をたくさん創るようになり、今ではいじめにも堂々と立ち向かうようになったとのことです。
どれをとってもすべて素晴らしいのですが、「ランドセル俳人の五・七・五」からいくつかをご紹介します。
・いじめられ行きたし行けぬ春の雨
・ブーメラン返らず蝶となりにけり
・生まれしを幸かと聞かれ春の宵
・春の虫踏むなせっかく生きてきた
・紅葉で神が染たる天地かな
「冬の薔薇立ち向かうこと恐れずに」 からいくつか。(このタイトル自体凄い句ですね。)
・薄(すすき)の穂不登校時はこの道を
・遠慮がちつくつくぼうし秋を呼ぶ
・もろこしの髭白ければ祖父思う
・笑みに似てはじけたる栗ありにけり
・ベレー帽かぶり団栗(どんぐり)芸術家
ご紹介しただけでも凛君の素晴らしい感性を感じていただけると思います。
俳句のお好きな方だけでなく、教育関係者、保護者の皆さんなど幅広い方の必読書だと思います。
坂城町長 山村ひろし