「龍」 伊達八重子さん作(切り絵)
明けましておめでとうございます。
昨年は、国内外での大規模な災害のみならず、米国・欧州での経済危機、極端な円高なども加わり、日本・世界の大きな転換の年として記憶に残る一年となりました。
このような社会情勢のなか、昨年4月の町長選挙におきまして、町民の皆様から温かいご支援を賜り、町政を担わせていただくこととなりました。就任当初に掲げましたテーマ「活力あふれた 元気で明るい坂城町へ」を柱に、皆様のより良い生活と、新しい坂城町のために、今年も全力を注いでまいります。
私の公約に加え、町の全職員から集められた提言を集約した行動目標、「チャレンジSAKAKI」を、昨年8月からスタートさせました。この中には、町職員の接遇研修などの比較的実現しやすいものから、坂城駅へのエレベーター設置、ワイナリー(及びレストラン等付帯施設)の創設など、広く地域の皆様のご協力がなくては達成できない大きな課題など、様々なテーマが集められております。昨年中には「指定ごみ袋の小売店販売」「子育て優待パスポート」などが実現したほか、他のテーマについても、庁内各課の枠を越えたチームを立ち上げての検討を進めており、ワイナリーのように達成に時間のかかる大きな課題につきましても、実現に向け着実に歩を進めてまいります。
「坂城駅エレベーターの設置」につきましては、現在、しなの鉄道との協力体制を築き、実現に向けた検討を進めております。この取り組みに関しましては、単にエレベーターを設置するだけの事業ではなく、駅周辺のバリアフリー化や、周辺商店街の活性化までを含めた「まちづくり」の象徴的な課題と考えております。昨年中には、長野県信用組合坂城支店様のご協力のもと、ばら祭り、鉄の展示館企画展開催の折に横断幕を設置したほか、商店街の「にぎわい坂城」の皆様のご尽力により、観光用パネルとイルミネーションも設置されました。駅周辺をご利用される皆様と、外から当町を訪れた方々にとって、利用しやすく、町の玄関として印象に残るような「坂城駅前」とするため、今後も取り組みを進めてまいります。
震災・原子力発電所の事故以降、エネルギー効率利用についての新しい考え方の「スマートコミュニティ」が注目を集めています。当町におきましても、この考え方へ真摯に取り組むべく、町としてどんなことが可能かを検討する「スマートコミュニティ構想普及事業」に、国の補助を受け、昨年末から取り組んでおります。今年度の検討結果を踏まえ、いわば「スマートタウン坂城」の実現に向けて推進していきたいと思っております。
この他にも、国道18号バイパスの早期建設要望活動や下水道の拡張をはじめとする基盤整備。子どもたちを対象とした「高度ICT人材育成事業」や、小学校校舎の耐震化などの教育環境整備。WAZAパワーアップ事業・ものづくり教育の充実、ねずみ大根キャラクター「ねずこん」の有効活用などの産業振興。子育て支援センター・保育園での相談機会の充実や、文化センター体育館玄関のバリアフリー化、また、買物に不便を感じている方のサポートを目的とした移動販売の開始などの福祉関連。防災関連としては、消防団第3分団詰所(防災コミュニティセンター)の新設や、防災無線・有線放送の新たなあり方の検討。そして、上田地域定住自立圏構想による広域での連携強化など、種々の取り組みを実施、または検討を進めております。また、文化・芸術の振興におきまして、実行委員の皆様のご尽力により当町初の薪能が成功しましたことも大変喜ばしく感じております。
最後に、平成24年は「壬辰」(じんしん、みずのえたつ)です。言葉の意味として、毅然たる態度と明確な論旨を持ち、テキパキと物事を処理し、粘り強く一歩一歩を確実に、理想に向かって歩み続けることが求められています。
皆様と一緒に新たな坂城町を創るべく、努力して参りたいと思っております。町民の皆様方におかれましても、本年がより良き年となりますようお祈りし新年のご挨拶とさせていただきます。
坂城町長 山村ひろし