この章は、老子の言う、「政治の要諦」 であります。
冒頭の 「大國を治むるは、小鮮(しょうせん。 小魚のこと) を烹(に)るが若(ごと)くす。」
という言葉が大切ですね。 「治世を行うに、無闇にかき混ぜてはいけない」 と言うことです。
治大國若烹小鮮。 以道莅天下、其鬼不神。 非其鬼不神、其神不傷人。 非其神不傷人、聖人亦不傷人。 夫兩不相傷。 故徳交歸焉。
大國を治むるは、小鮮(しょうせん)を烹(に)るが若(ごと)くす。 道を以(も)って天下に莅(のぞ)めば、其の鬼(き)も神(しん)ならず。 其の鬼、神ならざるに非(あら)ざるも、其の神、人を傷(きず)つけざるなり。 其の神、人を傷つけざるのみに非ず、聖人も亦傷つけざるなり。 それ兩(ふた)つながら相い傷つけず。 故に徳交(こもごも)焉(これ)に歸す。
大国を治めるのは小魚を煮るようにあまりいじくったり手を入れてはいけないのです。 道の無為のあり方をもって天下を治めていけば、たとえ鬼神もたたりをもたらすようなことも無く人を傷つけることもありません。 そのたたりが人を傷つけないばかりでなく、聖人による政治ももちろん人を傷つけることはありません。 鬼神も聖人もどちらも人を傷つけないのでその徳がそれぞれ人々に及ぶのです。
最近の政治は、ことさら、「ごちゃごちゃ」 といじくり回すことが多いですね。
「無為自然」、「徳」 をもって物事の本質をしっかり議論し、政治を行なってもらいたいものです。
坂城町長 山村ひろし